教科書の補足説明や、新しい教材等をこのウェッブページに掲載してある。より高度で専門的な話題(たとえば相対論、進化論、確率論など)については、私のCourse materials のほかの部分を参照されたい。
京都大学文学部で2005年12月まで行われた講義の教材ページ。2018年1月25日に更新!
定年退職後、ダーウィン研究、時空論、そしてライプニッツの力学と哲学(形而上学)に深く立ち入った。いわゆる「科学的実在論」には賛成で きないが、『実在論』をいいたいならライプニッツ流の形而上学的実在論にまで行ったほうが、はるかに奥行のある、かつフレキシブルな科学哲学になる、とい うのが現在の見解。時空の哲学だけでなく、量子論の哲学もこれで行けそう?
1 科学と哲学 Science and Philosophy
1.1 「科学哲学」の二つの意味 Hans Reichenbach; "scientific philosophy"
1.2 科学哲学の基本的な問い Okasha's Introduction
1.3 変化していく物理学 朝永振一郎; 『物理学とは何だろうか』
1.4 科学の別の見方
1.5 科学的思考と哲学的思考 Ernst Mach; Galileo; Leibniz; Newton; Darwin; デズモンド&ム−ア『ダ−ウィン』
1.6 デカルトの方法 デカルトの『方法序説』
1.7 歴史的に変化する科学に即して Brief History of Science
1.8 科学哲学の区分と主要問題 Frege; Russell; Maxwell; Boltzmann; Wallace; Kuhn
[「科学技術の倫理問題は論じられないのか?」、とご不満のそこのキミ。この話題は一部ではやりのようだが結構むずかしいのじゃ。科学史、科学哲学、倫理学とある程度の準備がないと、いい加減な議論しかできん。See「 科学の倫理学 」]
2 自然科学の方法 The Methods of Natural Sciences
2.1 導入 Karl Pearson; Pearson biographical notes
2.2 ベーコンの帰納、ニュートンの規則 Newton's rules of reasoning; Galilean Relativity (テキストでは触れなかったが、ガリレオの『天文対話』より) ; Newtonian Mechanics
2.3 帰納と仮説
2.4 発見の文脈と正当化の文脈 Popper; W.S.Jevons
2.5 ハーシェルの仮説演繹法 Herschel-Mill on Induction、晴れた空はなぜ青い?
2.6 ミルにおける帰納と仮説 Herschel-Mill on Induction
2.7 ヒューウェルの帰納論 Kant; Whewell's Theory of Induction
2.8 概念の解明
2.9 概念による事実の統括 Kepler's Laws
2.10 検証と「帰納の統合」
2.11 形式的法則と物理的法則
2.12 確率論と帰納法 De Morgan; Jevons; Reichenbach; Carnap
2.13 確率論と統計的方法の展開――ラプラスまで Jacob Bernoulli; Gauss; Huygens
2.14 ラプラスの古典的確率論 確率の逆算法 ; Laplace's Demon
2.15 古典的帰納法と確率論的帰納法 Jevons
2.16 科学的方法に関する見方の変化 ホームズの推理、ホームズから何を学ぶか、Sherlock Holmes and Probabilistic Induction
2.17 マクスウェルと統計的方法 Maxwell; Maxwell's Demon
2.18 帰納と仮説に関するまとめ
○5 Commandments(リポ−トの書き方)必読!
○The Meaning of Grades (宿題の評価点の意味)
3 反証主義 The Falsificationism
3.1 導入 Popper
3.2 帰納法は正当化できるか Hume; Hume on Induction
3.3 確率論的帰納法と枚挙による帰納 A.W.Burks
3.4 ライヘンバッハの「帰納の擁護」
3.5 反証可能性、演繹主義、科学の境界設定 T. Iseda's new book on demarcation
3.6 仮説選択の基準
3.7 帰納と「テストによる裏づけ」との違い
3.8 確率・統計的仮説の「反証」 Neyman-Pearson, Fisher, Bayes
3.9 補助仮説の問題 Duhem Problem
3.10 理論の反証か補助仮説の反証か Perihelion of Mercury
3.11 反証主義の難点 (クーンとの比較については次を参照。Popper vs. Kuhn, reconstrued by Mayo)
3.12 反証主義と「研究プログラム」の方法論 Lakatos
4 科学的説明 The Scientific Explanation
4.1 導入と展望 Hempel
4.2 因果的説明 Herschel; Wes Salmon; Salmon on Causality
4.3 規則性のもとへの包摂による説明
4.4 統合による説明 Whewell
4.5 説明の三つのタイプ――ミルの分類
4.6 ヘンペルの説明分類; Statistical Explanation
4.7 メンデル遺伝学における統計的説明
4.8 ヘンペルの説明理論に対する反例
4.9 統計的説明の問題点 Statistical Relevance
4.10 「説明」の歴史的変化 内井のハッキング書評
4.11 目的論的説明 Darwin; Wallace; Functional Explanation (1), (2) ; Who is Dr. Pangloss? ; Williams on Pony Fish; Functional Explanation (3) ; Darwin's Demon
4.12 まとめ――科学的説明の何が問題か
5 理論、観察、測定 Theories, Observations, and Measurements
5.1 導入 Russell-Hanson's Patterns of Discovery
5.2 古代の天文学における観察 Aristotelian Universe
5.3 定量的観測データの互換性
5.4 現象
5.5 現象の規則性
5.6 不規則性の取り扱いと理論の展開
5.7 コペルニクス天文学――現象を救う工夫か、世界の記述か
5.8 道具主義的解釈は不当か
5.9 「均衡」や「調和」の評価は趣味の問題か
5.10 有望な理論か確立された理論か
5.11 本論復帰――観測は理論に依存するか Tycho with a Quadrant; Tycho Brahe; Kepler
5.12 気体分子運動論 Maxwell; Boltzmann; Maxwell's Demon
5.13 測定結果と理論的概念 "Objectivity" of Experimental Knowledge
5.14 暫定的結論; Experimental Knowledge; Spacetime Theories and Measurements; Perihelion of Mercury
6 仮説の形成と確証 The Formation and the Confirmation of Hypotheses
6.1 導入
6.2 数学における「発見の論理」 de Morgan Note
6.3 類あるいはパターンの発見 Peirce; Galileo's Series of Odd Numbers
6.4 実験科学における発見と帰納 [統計学におけるcurve-fitting の事例 Galton 86]
6.5 帰納的な飛躍
6.6 確証の論理と「カラスのパラドックス」
6.7 確率の公理といくつかの定理
6.8 ベイズの定理 Bio and Pict. of Bayes links; Bayes
6.9 統計的仮説の確証 de Finetti の定理
6.10 経験的確率と帰納的確率
6.11 帰納における主観的要素
6.12 事前確率と類の推定
6.13 統計的でない仮説の確証への拡張
6.14 確率の解釈――確率の二つの側面 確率; Pascal; Daniel Bernoulli
6.15 古典的解釈
6.16 確率の頻度説 Neyman-Pearson, Fisher, Bayes
6.17 傾向性解釈
6.18 主観説 de Finetti の定理
6.19 論理的解釈
6.20 確率の解釈――まとめ
6.21 帰納法の仮説的性格
7 科学理論の変遷 Theory Change
7.1 導入――連続性と断絶
7.2 パラダイム概念の多義性
7.3 クーンの急進的主張
7.4 クーン説の一般的難点 Popper vs. Kuhn, reconstrued by Mayo
7.5 クーンの理論評価の基準
7.6 理論評価における主観性の諸相
7.7 ベイズ主義から見たパラダイム論
7.8 ベイズ主義はクーンから何を学べるか
8 科学の目的 The Aims of Science
8.1 科学を特徴づけるものは何か
8.2 科学の「実態」
8.3 科学理論の目的 Todayama's Adventure?
8.4 科学の成功を説明する?
8.5 ファン・フラッセンの構成的経験論 Fine's Shaky Game
8.6 観察可能性と科学の目的 What's the Problem with Realism? [わたしの最新の見解については次を参照。Quantum Gravity and Philosophy。観察可能性についてはファン・フラッセンの見解はとらない。New]
8.7 理論受容の認識的側面と実用的側面
8.8 むすび
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