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Laplace's Demon

「し たがって、われわれは、宇宙の現在の状態はそれに先立つ状態の結果であり、それ以後の状態の原因であると考えなければならない。ある知性が、与えられた時 点において、自然を動かしているすべての力と自然を構成しているすべての存在物の各々の状況を知っているとし、さらにこれらの与えられた情報を分析する能 力を持っているとしたならば、この知性は同一の方程式のもとに宇宙のなかの最も大きな物体の運動も、また最も軽い原子の運動をも包摂せしめるであろう。こ の知性にとって不確かなものは何一つないであろうし、その目には未来も過去と同様に現存することであろう。人間の精神は、天文学に与えることができた完全 さのうちに、この知性のささやかな素描を提示している。」

ラプラス『確率の哲学的試論』(内井惣七訳)、岩波文庫、10。



Leibniz's Demon

ラプラスのデモンは名高いけれども、実はライプニッツの『モナドロジー』(1714) の61節でもっと強力な先例が述べられている。『ライプニッツのデモン」は、一片の物体をいま見るだけで、全世界の現在、過去、未来を見通せるという法外 な能力を有する。もちろん、これは『論理的な可能性」を述べたもので現実の人間には不可能。しかし、ライプニッツは「天使」のようなグレードの高い知性も 考慮に入れているので、一笑にふすわけにはいかない。拙著『ライプニッツの情報物理学』(2016)63-64節を参照されたい。ちなみに、ライプニッツ の物理学は相対性理論にも容易に拡張することができる。


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