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第一  〜  八話は、 “PART1”
第九  〜  十二話は、 “PART2”
第十三 〜  十八話は、 “PART3”
第十九 〜 二十四話は、 “PART4”
第二十五 〜 三十話は、 “PART5” をご参照のこと。



< 目   次 >
第 三十一 話 「ねらわれた美少年」   .......2006.5.22(Vol.715)
第 三十二 話 「顔のわからない少女」   .......2006.6.14(Vol.720)
第 三十三 話 「ぼくの髪を編んで」   .......2006.8.4(Vol.727)
第 三十四 話 「男子ロンゲルゲ人気の秘密」   .......2006.9.10(Vol.739)
第 三十五 話 「毒入りりんごの花びらが風に散ったよな?」   .......2006.10.20(Vol.742)
第 三十六 話 「白雪姫の継母は本当は優しい?」   .......2006.12.24(Vol.749)
 
ご  感  想


第三十七 〜 四十話は、 “PART7”
第四十一話以降は、 “PART8” をご参照のこと。





2006.5.22(Vol.715) 初出___Cont.No.kamil31    第三十二話へ 目次へトップへ


「おーほっほっほ。すっかりきれいになったわ。すくなくとも、うちのクラスのどの女の子よりもきれいになったな。」
「おい、勝徳、リハーサルはじまるぞ、いつまでも見とれてないではやく来い。」
「わかったわよ。もう。この三つ編みが崩れなければいいけど。」
 鏡を見て、何をしているのかといえば、実は学校がもうすぐ学芸会で、本格的にお化粧までしてすっかり女役にはまってしまっている、どことなく異様な雰囲気が…。



「はい、みんな揃いましたね。さあ、さっそくはじめましょう。用意はいいわね、照明さんも。」
 六年生の生徒たちがこうしてリハーサルにはげんでいたのであった。
 カチンコ!
「鏡よ、鏡、こたえてちょうだい。日本でいちばん美しい女はだあれ?」
「おいおい、勝徳、せりふがちがうぞ。」
「えっ?ああ、そうか。」
 舞台の上はみな大笑いであった。
「はいはい、もう本番と同じなんだから、気を入れてやって。」
「はーい。」
 どことなく、力ない返事をしていた勝徳がやっていたのは、もちろん白雪姫の継母である。
「えーと…。」
「次は鏡がしゃべるんだよ。」
「えっ、おれ?なんだっけ、世界でいちばん強い女は…。」
「こらこら。」
「ちょっと、リハーサルというのにこれじゃあ、全然おぼつかないわね。勝徳くんと鏡役の敦彦くん、ふたりは残って特訓です。」
「ええーっ?」

 そしてその日の放課後、ふたりはたっぷりとせりふを覚えさせられて校門を後にしていたのであった。勝徳のほうは三つ編みの髪もほどいてポニーテールに髪形を変えていた。
「やーれやれ、気乗りのしないことやれって言ったって無理だよな。」
「おまえは女役で喜んでたじゃないかよ。おれなんか、名前が敦彦だから鏡の役やれって、安易もいいところだぜ。」
「白雪姫をいじめる役だからおもしろそうだと思ったけどね。ほんとうは、こうして髪の毛みんな長くなったんだから、ちゃんばらものやったらどうかって言ったのに、去年の六年生が白雪姫をやって自分たちができなかったから今年はどうしても白雪姫やりたいなんて言うやつがいるから。」
「それが美江子だったんだよな。また美江子が好きなやつらがそれに賛成するから白雪姫になっちゃったって、自分たちはこびとの役をやるからと言って張り切ってやがる。」
「たしかに、あいつら美江子の奴隷だもんな。」
「奴隷?」
「あ、ああ。女のほうがどうしても強いからしょうがないよ。」
 勝徳はもちろんロンゲルゲになっているが、敦彦はそうではないので、ロンゲルゲの秘密はもちろん知らない。美江子もロンゲルゲになって、次々にまた自分を慕う男子を手下にしていたのである。しかし、男には他人を奴隷にする権力がないのである。
「ん?」
「どうした?」
 勝徳と敦彦が歩いている方向に、座り込んでいる中年女性らしき姿があったが。
「かあちゃんじゃないか、なにをやっているのか。」
「はあ?」
 かけつけてみると、たしかに敦彦の母親であった。
「ああ、敦彦か、ちょっと大バーゲンやってたもんで、買い物をしすぎてね。」
「もう、みさかいのつかないことやってるから、ほら、半分持つからよ。」
「すまないねえ。」
「あっ、勝徳、そういうわけでな。」
「ああ、お大事に。」
 こうして、敦彦が母親といっしょに荷物を運びながら自分の家に帰って、勝徳はその場でひとりになった。
「敦彦にまたそっくりな母親だな。あいつの髪がほとんど長くなっていないってことは、あいつのいちばん好きな女というのはおっかさんだったってわけか。しかし、今日バーゲンといえば、あっ。」


 また、べつの事件が起こったようだ。金切声に近い悲鳴が聞こえて勝徳はその方向に走り出した。
「ちょっと、やめて。」
「覚悟おし。」
 ふたりとも髪の長いこどものようであった。しかも、ひとりははさみを持ってスカートをはいている、明らかに女の子であったが、もうひとりの者は…。
「相手のほうはロンゲルゲの男だ。けれど、近づけないし、どうしよう。」
 しかしまた、タイミングはよいもので、例によって勝徳を追っていたという親衛隊の少女たちがとびだして、まずはさみを持っていた少女のひざをだれかがけとばしたようである。残りの少女たちが、追われて気を失っていた者を抱きかかえて少女が襲いに来るのを止めていた。
「くそっ。」
 少女は長い髪の毛で顔を隠したまま、その場から逃げたのであった。
「また、君たちいたの?」
「勝徳くん、出てくるの遅かったから心配したわよ。」
「学芸会の練習で居残りさせられてたんだよ。それより、彼は…。」
「わたしのうちにつれていくから、勝徳くんはおかあさんが待っているでしょ。」
「わかった。まかせるよ。」
 こうして、その場をあとにした勝徳も自分の母親を見つけて、やはりバーゲンだからと買い物を大量にして袋を抱えていたのがわかったのであった。
「ママ、そんなにいっぱい買ってきて、半分持つよ。」
「あ、いいわよ。あたしは若いんだから体力もつけなきゃいけないし、勝徳は早く帰ってお湯をわかしてきてちょうだい。」
「やれやれ。」
 食後は、例によって母親のいやらしい遊びの相手にならなければならないと悟っている勝徳であったから、もはや呆れ気味であった。


 亜紀の家に運ばれた少年は、髪の長さがひざまである勇一だった。やはり髪の毛をひざまで届かせていた女子高校生の紗真耶によってロンゲルゲになっていた小学五年生の男子である(
第八話)。襲われた時は髪をうなじのところに黒いヘアゴムをゆわえてひとたばにしていた。
「気がついた?」
「ここは…。」
「だれかに狙われていたようね。いったいどうして?」
「わからない、べつにぼくはだれも、そんな人の恨みをかうようなことをしているおぼえもないし…。」
「けれど、髪の毛長い女の子がはさみを持って襲いに来てたでしょ。」
「どうしてぼくを…。」
「そうだわ。長髪流毛先生にきいてみましょう。」
 電話を受け取った長髪流毛も、亜紀の家にかけつけて事情を確認しようとした。水晶玉をだして、襲った少女のようすをようやくとらえることができたようである。
「この子ね、彼に襲いかかったというのは。」
「あ、たしかそうです。」
 まだ後ろ姿しかわからず、顔がわからなかった。少女の部屋がうつったようであるが、少女がその部屋に入ると扉をしめてしまい、そのしまった扉だけが水晶玉にうつったままであった。
「ちょっとちょっと、これじゃあ、だれだかわからないわよ、先生。」
「水晶玉の調子が悪いみたいなのよ。このまえは宇宙までうつしださせたから。」
「どのへんのうちか、場所もわからないの?」
「まあ、また彼を狙ってくるかもしれないから。」



 こちらは、京香摩亜弥嗣代の三姉妹の家である。京香の部屋には昌浩が招かれて同じ机にすわっている。そして、扉の入り口では摩亜弥がおぼんを持って立っている。もちろん、姉が昌浩にいたずらしないように見張っているが、昌浩は私立中学の受験勉強で京香が臨時に家庭教師をしているというわけである。おぼんというのはケーキやジュースを運ぶためで、勉強が苦手な摩亜弥もケーキづくりを始めて自己製のケーキをさしだしている。どうやら、摩亜弥にもこれというとりえがでてきたようである。
「はい、きょうはこれまでよ。もう、だいぶできるようになったわ。敬幸くんも、これならいけそうだって。」
「そうですか、ありがとうございます。でも、なんかいつも似たような問題ばかりでだいじょうぶですか?」
「敬幸くんの学校は、先生がみんな癖があって、数学の先生は野球が好きだからいつも打率や勝敗表の問題を出すし、社会の先生はJリーグ狂だから優勝したチームがある場所の地理を出すとか、ワンパターンで要するに自分と気の合う生徒さんがほしいだけらしいわね。国語の先生はJーポップのファンだから漢字の問題でもヒット曲にあった言葉が必ずあるみたいだし、そう聞いたから、彼もこんな問題が出るっていうことらしいわよ。」
「なんか、もっと遊んだほうがいいみたいですね。」
「まあ、子どもたちはそういうなかから勉強できればということらしいから(笑)。もう、摩亜弥ったら、そんなに見張ってなくても、この答案を持ってこれから敬幸くんのところに行くんだから、あなたの彼には手を出さないわよ。」
「でも、ついでにお楽しみがあるんでしょう。」
「ほら、わたしの部屋使っていいから、ふたりで楽しみなさい。」
 ちなみに、摩亜弥は嗣代と同じ部屋でまだひとりの部屋は与えられていない。
「けど、昌浩くん男子校にいっちゃうのね。」
「あら、そのほうがほかの女の子に会うこともないんだし、安心よ。じゃ、行ってくるわね。」
「どうぞ。」
 家を出て、敬幸の家に向かっている京香だが、また異様な光景を目にしていた。この夕暮れ時はロンゲルゲの女子にとって発情期になるようで、さかんに男子ロンゲルゲの背中に抱きついている女子の姿を見かけていた。
「ああ、早く、わたしも影響されてきたわ。」
 一目散に走り始めていった京香であった。そのため、他人とのすれちがいでぶつかりそうになった者もいた。
「おいっ、危ないじゃないか。」
「ごめんなさい、トイレに行きたくてたまらないので。」
「ああ、そうですか。はあ?」
走り去られた後、あっけにとられる無関係の通行人であった。





「なんですって?あたしよりきれいな髪の毛の者がそんなにいるなんて…。」
「お嬢様、申し訳ありません、このところ急にふえてしまいましたがこれは明らかな事実です。」
「ちょっと、顔は見せてくれないの?」
「どういうわけか、顔をうつすことができないのです。なにかの魔力がかかっているようです。」
「まあ。」
 その鏡に写し出さされていた者は、実はみな男子のロンゲルゲだったのである。もちろん、少女はみな女の子が写っていると思っている。
「いいわ、ひとりずつ印刷して。」
「はい。」
(ありゃ、パソコンみたいに印刷できる鏡というのは聞いたことがなかったが、さすがにおとぎ話とは違う内容が…、作品の自慢はいいから続けろって?失礼しました。)
「こうなったら、みんな切ってやるわ。」
 またもや、男子にとって受難の可能性が…。
(つづく)



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感 想





2006.6.14(Vol.720) 初出___Cont.No.kamil32    第三十三話へ 目次へトップへ

 ロンゲルゲを毎度ご愛読の皆様、ありがとうございます。
 
前回のご感想で、テレパシーは使えなかったのかという件がございましたが、うっかりしていました?けれど、長髪流毛も実は必ずしも万能とはいえなくなってきているのでございます。ちょっと、カムフラージュかもしれませんが。



 ここは、長髪流毛の家。広いテーブルの上で何をやっていたのか。例の、水晶玉が調子がおかしくなっているので、スパナを手に一生懸命直そうとしているようであったが、なかなかうまくいかないようであった。
「あー。だめだわ。オサゲルゲの辞書にも不可能という言葉を書きこまなければならなくなるなんて。召使は休暇とって宇宙旅行に出かけてるし、こんなもの、地球人のだれにも頼んで直してもらえるわけないし。こんなときは…。」
 長髪流毛の心が、だんだん落ち着かないようすになっていた。
「こんなときは…、そうだわ。わたしが下僕にした男の子のところにいってストレスを解消でもしにいくか。けれど、昌浩くんのところ行ったら摩亜弥ちゃんがいやがるし、勝徳くんも亜紀ちゃんたちがうるさいし、やっぱり、うふふふ。」
 不気味な笑いが実にまた不気味な長髪流毛であった。
「だれかって?そりゃあ、栄二くんよ。いちばん髪の毛長くて女の子たちからはけむたがられてるけど、わたしにとっては彼がいちばん好みなの。彼はいやらしくてまた髪の伸びるのも早いから。」
 とうとう、外に出て栄二のいる家に近づこうとしたその時であった。
「あら?」
 家の門にちょうど向かうところの、栄二の後ろ姿が見えた時、その後ろからはさみを片手に持って、もう片方には書類らしい。いや、長い髪の者の後ろ姿の写真が何人か載っている印刷物であった。そのうちのひとりの後ろ姿を照合して、この子だとわかったところを目がけて切りつけようとする者がいたのであった。印刷物は、いずれも鏡に写し出されていたものである。
「あぶない!」
 玄関の鍵をあけようとしていた栄二の背後に襲いかかろうとしていた少女の身体を、長髪流毛が蹴り飛ばした。
「いたっ!」
「あっ。」
 その少女の顔は仮面で隠されていたのである。栄二も驚いて後ろを振り向いたのであった。
「おのれ、よくも邪魔してくれたわね。」
「あなた、いきなり人の髪の毛を切ろうとしてたでしょ。たとえ、女の子がやってもそれは犯罪よ。」
 ちなみに、長髪流毛はうしろに三つ編み一本でまとめておろしていたので、その少女には気づかなかった。
「あんたはいったいだれよ。」
「わたしは、この子の通っている学校にいる先生よ。最近、事件が多いからみんなの安全を手分けして見回っているの。あなたはどうやらうちの学校の子じゃないようね。」
「ふん、まあいいわ。ちょっと出直しだわ。」
 少女はすぐその場を去っていった。
「いったい、いまのは…。」
 栄二も、なにが起こっていたのかわからないという感じであった。
「わたしにも、何者かわからないけど、どうやらあなたたちロンゲルゲの男の子ばかりが狙われているみたいだわ。」
「えっ?」
「あ、そうだわ。ちょっと、栄二くん、少し髪の毛が汚れてるわ。」
「そ、そうですか?」
「せっかく、髪の毛長くしているんだから、毎日念入りに洗わないと。そうしないと、沙弓ちゃんだけじゃなくどんな女の子も相手にしないわよ。長い髪の毛の扱い方、教えてあげるから。だれもおうちにいないんでしょ。」
「うん。」
 こうして、栄二の家に長髪流毛はふたりで入っていったのであった。もちろん、長髪流毛が栄二に何をこの後していたかはご想像に。


 さて、また別の場所ではアベックが…、準一由紀恵のふたりである。
「せっかくの映画に、眠ってばかりいちゃだめじゃない。」
「だって、韓国映画なんてぜんぜんわかんないよ。」
「いい?あなたはわたしのことを好きだけれど、わたしはあなたのことは好きじゃない。でも、こうしてデートに誘っているんだから、わたしの趣味にあなたはついてくること。あなたのことがどうしたら好きになれるかわたしも考えているんだから。いつまでもいやらしい遊びしかやれないんじゃつまんないでしょ。」
「え?うん。」
 そのふたりの姿を見かけて襲おうとする者がいた。はさみを手にしているあの少女である。
「あ、ちょっと横向いて。髪の毛にはっぱが…。」
 その瞬間に少女がとびかかってきたので、ふたりとも驚いたのであった。
「きゃーっ!」
「だれ?」
 ちなみに、女っぽい叫び声をあげたのが準一のほうだったので、少女は準一のことを女の子だとやはり思い続けているようである。さきほど襲おうとした栄二も、まさか男の子だとは気づいていない
「ちょっと、あなた、なにしようとしてるの?やめて。」
 由紀恵に両腕をつかまれて少女も身動きができなくなってしまった。準一は倒れたままだった。
「なに?この女、やたら力が強いわ。」
 起き上がった準一も、少女の姿を見て仮面で顔が隠されているのに驚いてしまった。
「その仮面、はずして顔を見させてもらうよ。」
「やめろ、近づくな。この顔は見せられない。」
 準一が手をかけようとした時、由紀恵がその手をとめた。
「え?どうして、とめるの?」
「やめよう。女の子の気持ちは理解すべきよ。」
「ええい。」
 少女は、由紀恵が力をゆるめた隙に逃げ出していった。
「もしかすると、よほどこわい顔の女の子かもしれないね。」
「ふふふっ。わたしとどちらがこわいかしら。」
「えっ?」
「そろそろ発情期よ。家に帰ってからにしようと思ったけど、だれもいないからここで襲わせてもらうわ。」
「なんか、さっきのショックが残ってて、実感がわかないけど。」
 由紀恵の顔が、口から牙が出てきて準一の首にかみついたのであった。


 血を吸う場面はこちらでもあった。
 敬幸の家でも、京香がふろ場にいて敬幸の胸のあたりをかみついていた。
「なにもわざわざ、こんなところかみつかなくっても。」
「ここがいちばんおいしいもん。」
「もう、ぼくのことけむたがってたはずなのに。」
「暗くなってきたわね。雨降るのかしら。」
「そうだね。どんよりとした雲だね。」
「わたし、かさを持ってきてないから送って。」
「かさを貸すだけじゃだめなの?」
「家に帰るまで夕立ちがこわいわ。」
 そういえば、この三姉妹はみんな雷をこわがるのである。
「しょうがないな。じゃあ、早くしたくしよう。」
 こうして、ふたりは家を出た。京香も三つ編み一本にまとめて敬幸と一緒の傘に入っていった。
 その後ろからまた、仮面の少女が襲ってきたのである。
「きゃっ!」
「な、なんだ。あっ。」
「こうなったら、わたしの髪の毛で目玉を…って、この魔力は女には通じなかったんだわ。」
 倒れた敬幸に少女ははさみを持って襲いかかろうとしていた。
「ちょっと、あなた、やめなさい。」
 また腕を強い力でとめられた少女は、足で京香を蹴ってその場を逃げ出したのだった。
「ふう…。」
「なにかしら。」





 ロンゲルゲたちの間で、仮面の少女の話が話題になっていた。
「しかし、仮面といったら、月○仮面、仮面○イダー、仮面の忍者○影…、正義の味方のはずなんだが。」
「そりゃ、いくらでも悪のほうだっているでしょう。」
「でも、男の子のロンゲルゲばかり狙われているのはどうして?
「ちょっと待ってよ。ぼくは狙われてないけど。」
「勝徳くんの場合…そうだわ。そんなに髪の毛長くしてないからじゃない?」
「じゃあ、特に長くしている者が狙われているってわけか。」
 謎は解明されていきそうであるが、男子ロンゲルゲが互いに近寄ることのできないため、女子ロンゲルゲで守らなければならなくなっているようである。どうやら、男の子だから狙われているとみんなは思っているようであるが、実際にはそうではなかった。
 たまたま、少女の家にある鏡が印刷して写し出した者がすべて男子ロンゲルゲだけで、それに写っていた後ろ姿でさがしていただけである。だが、少女にはそれらがいずれも男であることもまた気づいていないのである。
 もっとも、男子ロンゲルゲどうしでも必ずしも近寄れないわけではなかった。


 いっぽう、こちらは美江子の家。
「ランランラン、ランランラン。」
「美江子ったら、さっきからなにしてるの?」
「学芸会の練習よ。王子様と踊ってるところなの。」
「学芸会って、何をやるの?」
「白雪姫よ。わたしが白雪姫やるんだから、おかあさんも見に来てよ。」
「まあ、そうねえ。仕事が忙しくならなければね。だけど、そういえば美江子、髪の毛やっぱり切らないの?」
「白雪姫やるんだから、髪の毛長くしないと。お姫様はみんな髪の毛が長いでしょ。」
「そういえばそうね。まあ、あなたが女らしくなってくれるのならそれもいいかも。」
「おかあさん、いいの?」
「どうぞ。」
「そういえば、このまえおかあさんにひどい言葉いってしまったわ(第十四話)。ごめんなさい。」
「もう、あなたの好きにすればいいわ。」
「長髪流毛先生に、ロンゲルゲは女性が権力を持っているのだから女らしくしないとダメって怒られたし。」
「えっ?」
「ううん?」
「でも、なんかあなたの踊り方って変だわ。」
「ガラスの靴はいてるつもりなの。目に見えないものだから、足をあげながら踊るのよ。」
「そしたら、12時になるとあわててぬいで踊りをやめるってお話だったわね。」
 この母親も、自分が子供だった頃のことはすっかり忘れてしまっているようである。
「よし、そろそろ男の子たちも呼んでこよう。」
 美江子がすでに手下にしている七人の男子が、美江子の指の合図で一斉に集まってきたのであった。
「みんな、揃ったわね。いっしょに練習やりましょう。」
「はい、女王様。」
「女王じゃなくて、わたしは白雪姫よ。」
「そういえば、おれたち小人って名前なかったっけ。」
「たしか、仕事がきこりだから…。」
「じゃあ、お○松、か○松、と○松…、ひとり足りなくなるな。」
「おいおい、顔は違うのにそういう安易な名づけ方はないだろう。」
「でも、髪形は偶然同じだな。」
「そうだな。」
「はいはい、みんな、ひとりずつしゃべった(ちょうどせりふが七種類)から、さっそくはじめましょう。」
 このようすを、外から遠巻きに見ていた者がいた…ほかならぬ、長髪流毛である。
「どうやら、美江子ちゃんの手下にしている男の子たちは団結力がありそうね。」
 なにかいい方法がないかと、長髪流毛は考え始めたようである。
(つづく)



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感 想





2006.8.4(Vol.727) 初出___Cont.No.kamil33    第三十四話へ 目次へトップへ


 夏休み、ここは東京のほぼ中央、野球のメッカとしても知られるその施設に付随した遊園地である。
 遊園地といえば、夏はお化け屋敷が定番だが、ここ東京○ーム遊園地ではこの7月中旬から9月はじめまで「呪いの黒髪屋敷」という企画をやっている。ひとり800円で直立して髪の毛を肘まで届くぐらい長くしている女性に限りタダという。
 ロンゲルゲに出演している子どもたちももちろんやってきている。行列のなかには、いまはお休み中の公之くんと雛乃ちゃん役のカップルの姿があった。雛乃ちゃん役の子は、この日に限って盛んに公之くん役の子の身体にしがみついたりしている。
「だって、わたし、こわいものって苦手なの。」
「ずっとおばけの役をやってきたはずなのに。」
「あなたは自分からあのドラマに出たいって来たわけでしょ。わたしはスカウトされて来たのよ。」
「そりゃ、たしかにその違いはあるかもしれないけれど。」
 実際、並んでいる人たちが多く人気が高いことはたしかだが、ようやく彼等が屋敷のなかにたどりつくことができたのであった。その入り口で男性のスタッフが櫛を渡してくれる。なかには髪の毛の長い人形がいくつかあるので、「わたしの髪をとかして」とその人形が言ったら、この櫛でその髪の毛を心をこめてとかしてあげればその先にある扉が開いて前に進めるという仕組になっているというわけ。ちなみに、その詳しい内容とは、もともと自分の死んだ母親の形見だった櫛で恋人がとかしてくれるのが夢だったという女が、自分の好きな男がその櫛でほかの女の髪をとかしていたため半狂乱になって死んでしまったというその怨念がこめられているのだという。その女の名前は絹子さんというなんとも古めかしい感じであった(ああ、よかった。貞子さんとともにロンゲルゲに一度も使ったことがなかったから)。
「はい。おふたりとも髪の毛長くしていらっしゃいますから料金なしですね。いってらっしゃいませ。」
 こうしてふたりは…ちょっと待て。雛乃ちゃんのほうは文句ないけど、公之くんのほうはどうして入れたのかって?たしかカツラで出ていたはずなのに。どうやら、スタッフは雛乃の顔を見て相手が男のわけがないと思ったようで、公之もそういえば女性的な顔をしているから、女性どうしと思われたのも無理はない。なお、いっしょに入れるのは3人までで、4人以上のグループは分かれてもらうことになっている。
 途中、のれんの代わりに髪の毛が下げられていたり、長い髪の首がころがっていたりするなど、さすがに女の子にとっては…というわけで、そのたびに公之くん役の彼は痛い思い、いやおいしい思いをしている。これらはもちろん実際の人毛ではないだろうが。暗闇のなかを進んでやっと人形が初めて出て来て「おねがい、わたしの髪をとかして」というさびしそうな声がしてくる。照明にあてられた後ろ姿の髪を、さっそく渡されていた櫛で念入りにとかす。扉が開いて先に進むことができる。もちろん、髪をとかすのは男の子のほうの役目。
 どうせなら、人形じゃなくて本物の女の子を使えばいいのにって、バカなこと言ってるんじゃないわよと逆襲され、やっぱり人形より本物の女の子がこわい。2番目の人形は最初に比べてより長めである。あんまり念入りにやっていると「扉が開いたので先に進んでください」という放送が入る。やはりいちおうところどころで監視されているようで。時々三つ編みするなどのいたずらもする客がやはりいるのだろう。
 雷が鳴ったり、下からも死体が写し出されたり、壁から首が倒れてきたり、終りに近くなるとよりスリリングになるようで、また最後の人形も。
「ああ、こわかった。」
「もう、終ったんだから、ほら。」
 出口から出て来る客の表情を見てもたいてい、やはり男の子のほうはなんともなく、女の子のほうはいまにも泣き出しそうである。
 以上、実際に東京○ームに、丸ノ内線の後楽園駅が近いので、まずは機会のある方なら足を運んでみるとよい。




 長髪流毛の勤務している学校も、いよいよ文化祭である。学芸会のほかに、各教室で展示も行われている。ついに、六年一組では「呪いの長髪(ながかみ)屋敷」というのをやることになった。もちろん、上記東京○ームでやっていた企画の真似事である(なんとも安易な名前だな)。
 文化祭なのだから、当然お金はとらない。教室は日頃使っていた机を積み重ねて通路をつくり、所どころに女子の児童がガイド役として交代で配置されている。入り口でも、女子の児童が説明している。
「このなかに、死んだ女の人の幽霊が出てきます。あっ、もちろん幽霊の役をやっている子がいるんですが、その子が自分の髪の毛を好みの髪形にしてほしいと言ったら、あなたはその子の注文にあわせてそのとおりの髪形にしてあげてください。なお、もうひとりガイドの子がいますので、その子がやりかたを教えてくれます。櫛もその子が持っていますので、渡されたら幽霊の子の髪の毛をとかしてあげてください。」
「あの、ちょっとおききしたいんですが。」
「はい、なんでしょう。」
「もしかして、人形でなく、ほんものの子どもさんの髪の毛をとかすんでしょうか。」
「ええ、人形でやろうと思ったら、お金がかかるので。」
 とりあえず、お客が入ってみたらなかには…。
 そう、幽霊の役をやっている者はいずれも長髪流毛のたくらみで髪の毛を長くさせられた男の子でロンゲルゲになっている子どもたちである。
「わ、わたしの髪の毛をポニーテールにして…。」
 声は、べつに女子が吹き込んでいるテープに少し雑音を入れたものである。
「はい、このヘアブラシで彼女(?)の髪の毛を念入りにとかし、このヘアピンをさしてヘアゴムでひとくくりにしてあげてください。」
 女子児童の説明を受けてヘアブラシと黒い太めのヘアゴムなどを渡された客が、最初の子の髪の毛を念入りにとかし、一本の束にしている。ちなみに、この男の子は昌浩である(あれ?クラスが違うって?いちおう協力者として呼ばれたので)。
「はい。でき上がりましたので、先に進んでください。」
「きゃーっ、なに?これは。」
 客の頭からは、髪の毛…もちろん黒い毛糸で作った三つ編みであるが、その毛先をへびの顔にしていたのである。三つ編みのうちの一束に赤くて長い布製の袋をかぶせて舌のように見せかけ、それをはさんでいる外側の髪に目を入れていたもの…が、次の場所に通じる天井から垂れ下がってはってきたのであった。


 次に進んだところで、また声がしている。
「おねがい、わたしの髪の毛を…、ツインテールにして…。」
 ちなみに、栄二がこの役をやっている。そして、ガイド役としてそばにいたのが沙弓だった。水玉のボンボンもついているふたつの白いヘアゴムを渡されて、彼の髪の毛を分けながらくくっていくのであった。
「まあ、きれいで長い髪…。」
「あ、あまり念入りにしますと後ろのかたが先に進めないので、恐れ入りますが…。」
「そうですね。はい。」
 先程がへびの髪の毛なら、今度はクモである。また通路の上に垂れ下がっていた黒髪にはクモがすみこんで、髪のなかに卵を産んでいるという恐怖の場面が掲げられていたのであった。
「やだー、気味悪い。」
 そして、三人目はもう出口の近く、最後の相手になる。
「おねがい、わたしの髪の毛を三つ編みに、二本の三つ編みにして、女学生のような…。」
 まあ、三つ編みなんて時間がかかりそうと思いながらも、ガイド役の女子児童がていねいに教えて客はその子の髪を編んでいった。この子はといえば、勿論勝徳である。
「なんか、ほんとうに女学生らしくなったわね。」
「えっ?ええ。」
 正体が、少し身体の大きい男子であることにも気づかず、客は教室をあとにしていったのであった。
「ああ、痛いよ、いまのおばさん、もうすこしゆるめてくれないと。」
「あんたは、白雪姫の継母役、免除したんだから文句言わないの。」
 なんと、すでにおろされていたのであった。
 この日、おもに児童たちの母親などほとんど来たのは女性で、やはり髪の毛を編むなどということにまず男の子など関心がなかったようで、結局この教室に来た客に男性はいなかった。幽霊役になっていた男の子たちも、とりあえずはほっとした感じである。
 長髪流毛ももちろん、この教室に客としてやってきていた。三人とも自分がロンゲルゲにしたはずの下僕なのに、こんな感想を。
「みんな、こわかったわよ。気絶しそうだったわ。本当よ。」
 まあ、自分の髪の毛をあこがれの長髪流毛にとかしてもらっていたから、やってよかったと思っていたことはいうまでもない。





 さて、こちらは本編の悪役である。
「鏡よ鏡。わたしの髪の毛をもっときれいにする化粧品はないの?」
「おじょうさま、無理ですよ。どうも、この子どもたちの髪の毛には、実際にこの地球上どこにいっても手に入らない整髪料が塗られているみたいです。」
「整髪料ですって?そんな特殊なものがあるって?もしかして、宇宙からでも持ってきたと。」
「さよう。宇宙人の整髪料です。」
「お馬鹿なこと言ってないで、まじめに言いなさい。」
「それが、本当なんですよ。」
「ええい、もうあんたなんてあてにならないわ。どうせ、こんな子どもたちがいちばん美しい髪だなんてウソを言っている鏡に決まっているわ。もう、この子どもたちって、どこにいるの?」
「あ、たしか文化祭やってますよ。この子どもたちの通っている学校では。」
「そうか、文化祭か。いい方法を思いついたわ。」
「なにか、思いついたのですか?」
「ふふふふ。」


 いっぽう、この日が文化祭であるにもかかわらず、翌日の学芸会が本番であるために練習に余念のない者たちもいた。白雪姫をやることになっている美江子と、七人の小人をやる男子児童たちである。近くの公園ですぐ後ろが森になっている、練習には格好の場であった。
「いいわよ、だんだん足並みが揃ってきたわね。」
 美江子のまさに監督になったようなリードぶりであった。もちろん、美江子のファンである、というより下僕であるが、男子たちは文句を全く言うことなく美江子の懸命な指導にしたがっていたのであった。
 そのかげに、珍妙ないわゆるコスプレ姿の女が立っていたのであった。ロンゲルゲの男たちを殺そうとたくらんでいるあの女であった。
「この、毒りんごがきくかどうかためしてやるわ。」
 やがて、美江子も張り切りすぎて、ついに便所に行きたくなったのであった。その用足しを公園内にある公衆便所ですませた後、コスプレ姿の女が現われて、抱えていたかごから美江子にりんごを差し出したのであった。
「おひとついかが。」
「まあ、わたしにりんごを?」
「ええ、試食品ですから、ひとつは無料ですわ。召し上がってみてくださいな。」
「それは、どうもありがとうございます。白雪姫はりんごを食べますからね。」
 白雪姫になりきっていた美江子は、なんの疑問も抱かずにそのりんごをかじりはじめたのであった。
「あら?」
「どうされたんですか?」
「りんごをかじったら、りんごから血が出ているわ。コマーシャルのとおりの歯みがきを買わなければいけないのかしら。」
「ふふふふ、毒入りとも知らずに。」
 すると、美江子がもだえだしたのだった。
「ううっ。」
「ふふふふ、効き目が出てきたわ。」
「ああっ。」
 白雪姫になりきったまま、美江子がその場に倒れたのである。
「うふふふふ。」
 もっとも、美江子を倒してこの女はどうする気なのか、ちょっとわけがわからないが、とりあえずこの謎は?
(つづく)



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2006.9.10(Vol.739) 初出___Cont.No.kamil34    第三十五話へ 目次へトップへ

 9月に入っても、まだまだ残暑は続きますね。御見舞い申し上げます。
 ところで、大相撲にご観戦された皇太子ご一家、初めて愛子様をお連れ致しましたね。
 愛子様の編みこまれたロングヘアに注目した人もたくさんいるでしょうね。
 あのまま、愛子様が髪を伸ばされていけば、世の中にまた髪の毛を長くする女の子がふえるようになるでしょう。
 それにしても、愛子様は相撲がお好き、ということは、男子も長い髪の者がお好きということでしょうね。
 その愛子様もお好みかもしれない男の子たちが今回も所狭しと?



「ふふふふ。毒入りりんごの実験は成功したわ。これをこのへんの小学校の給食にでもまぜれば、みんな倒れる。目当ての子の髪の毛を全部汚してやることができるのよ」
 謎の女の狙いは、実はそういうことなのであった。
「よし、もっと毒を入れたりんごを用意してやるわ。」
 倒れた美江子をそのまま置き去りにしてコスプレ姿のまま女はその場を離れた。

「おーい、美江…あっ。」
 倒れていた美江子の姿を見て、美江子といっしょに学芸会の練習をしていた男子児童のひとりが唖然としていた。
 その後、べつの者もやってきた。
「おい、おまえ、彼女になんかいやらしいことでもしたのかよ。」
「なんだと。おまえこそなんだ。いつも機会があったら彼女を狙おうとしていたじゃねえかよ。」
「おいおい、なにやってるんだ?あっ。おまえたち、ふたりで集団?レイプしたな。」
「ふざけるな、てめえ。」
「どうした、あっ。」
 美江子といっしょに練習していたはずの男子児童が激しい殴り合いの喧嘩を始めたのである。
 騒ぎを聞いて、長髪流毛がかけつけてきた。
「ちょっと、あなたたちどうしたの、やめなさい。ん?」
 長髪流毛は、倒れていた美江子を見て気を察した。
「えいっ!」
 長髪流毛が美江子の首を髪の毛で左右からしめつけると、美江子の口からりんごのくずが潮を吹いたようにとびでてきたのであった。そして、美江子が目覚めた。
「美江子ちゃん、男の子たちがたいへんよ。」
「はっ、あっ。ちょっと、あなたたちなにをしているの?」
 起き上がった美江子はすぐに7人の男子児童に手をかけ、するとみんなの動きがぴたりと止まったのであった。
「ああ、よかった。主がいないとロンゲルゲの男子たちはこうして摩擦しあうから、美江子ちゃん、みんなあなたの下僕なんだから、たいへんだろうけどしっかり統率頼むわよ。」
「わかりました。長髪流毛先生。」


 一件落着と思いたかったところだが、手下のロンゲルゲたち、特に男子の危険を案じずにはいられない長髪流毛だった。長髪流毛にとって最も歯がゆいのが、水晶玉の調子が悪いために物事を解決するのが困難になっていることであった。しかし、そこへ…。
『女王様、女王様…』
『あら、まあ、休暇とってたんじゃなかったの?』
 ロングヘア星に仕えていた妖精がやってきたのであった(『』はいずれも宇宙語)。
『やっぱり、ずっと遊んでいるのは性に合わないから、ほら、例の整髪料また買い込んで来ましたよ。ちょうど地球の近くを通りかかったから。』
『うふふふ。また持ってきたのね。ちょっと効き目がありすぎるみたいになってるから、こっちのほうは当分いいわよ。それより頼みがあるの。』
『はい、なんでもどうぞ。女王様。』
『水晶玉が調子悪いのよ。直してくれるかしら。』
『どれどれ?はあ、宇宙電池が切れているみたいですなあ。』
『えっ?宇宙電池?』
『さようで。こりゃあ、もっと太陽エネルギーを加えてやらないと。地球上では充分に利用することができないんですよ。』
『そうだったの。でも、どうすれば直るのかしら。』
『しばらくお借りさせていただけますか?二三日で戻ってきますから。』
『そのくらいかかるのは、まあしかたないわね。お願いするわね。』
『任せてください、女王様。』
 こうして、妖精は水晶玉を直すためにまた宇宙へと去っていったのであった。



「だんだん、日の沈むのが早くなるわね。もう暗くなってきたし。」
 長髪流毛は学校に戻る途中で展示物の片付けをしていた児童たちとすれちがっていた。
「さようなら。」
「気をつけてね。」
 展示で亡霊の役をやっていたひとり、栄二とも出会った。両肩に大人の女性も顔負けのしなやかな長い黒髪を広げた姿のまま歩いてきたのであった。
「まあ、栄二くん、そんなかっこうしていたら、痴漢が女の人と間違えて襲ってくるかもしれないわよ。」
「先生、そんなもっとこわいような…。」
「ふふふ。」
「先生、また今日もぼくの家に来るんですか?」
「今日は学校の宿直室に泊るわよ。ああ、そうだわ。妖精がまた持ってきたからこれひとつあげる。」
 長髪流毛は、栄二に宇宙からの整髪料を手渡していた。
「わあ、おかげでほんとうにぼくの髪の毛、きれいになってるよ。香りもいいし。」
「暗くならないうちにね。」
「はい。」
 栄二が去っていくと、長髪流毛は自分の進む方向にツインテールの沙弓がずっと立っていたのを見つけた、というよりすでに気づいていたのであった。
「あら、どうしたの?もしかして、ほんとうは栄二くんのことを…。」
「冗談じゃないわ。あんなきもい…、ますます女みたいに。」
「自分よりきれいになっているから嫉妬しているみたいよ。」
「先生ったら、ほんとうにからかわないでください。」
「まあ、わかったわ。いつまでも意地を張っていたら損よ。」
 こうして、長髪流毛は沙弓の姿を見送っていった。
「栄二くんも、もうひといきで沙弓ちゃんとなかよくなれるわよ。」
 そしてまた、長髪流毛は勝徳が束ね髪の姿で前方から走ってくるのを見かけた。そして、すぐ後ろにはやはり同じクラスで展示物の案内役をやっていた友恵を見かけたのであった。ちなみに友恵はおかっぱでまだロンゲルゲではない
「勝徳くん。」
「ごめんね、急ぐから。」
 ばったり、長髪流毛にぶつかった。
「どうしたの?勝徳くん、女の子に冷たくするの?」
「だって、亜紀ちゃんをロンゲルゲにした責任があるから。」
「そうか、一途なのね。」
 勝徳を見逃していった長髪流毛は、呆然と立っていた友恵に声をかけられた。
「先生…。」
「彼はね、ほら。あの女の子と…。」
「先生、やっぱり女の子は髪の毛を長くしないとだめですか?」
「少なくとも、髪の毛を長くすれば誰か男の子が好きになるわよ。」
「でも、わたし、親が許さないから伸ばせないんです。」
「そうなの。」
 長髪流毛は、友恵をロンゲルゲにしようかと思ったが、ちょっと難しそうだと思った。早い話、女の子でありながら自分で手入れがじゅうぶんできないために伸ばすことを許されていないだけであった。
「友恵ちゃん、わたしの髪の毛で練習してみるといいわよ。」
「ええ?なにを。」
「髪の毛のとかしかたよ。」
「わかりました。先生、明日からやってみます。」
「うふふふふ。」


 こうして、学校に戻った長髪流毛は、残っていた妖精が持ってきた土産の整髪料を机の上に並べて眺めていた。
「まあ、しかし、こんなに男の子に効果がでるとは。女の子がこれを使うと危険なことに…って書いてあるけど、ほんとうにどうなるのかしら。」

 その整髪料のために、男子児童たちも災難にあうことになるのだった。
「うふふふ。うふふふふ。」
 不気味な笑い声のその主は、毒入りりんごを大量に製造して自分より美しい髪の者を殺そうとしていた怪しい女であった。
(つづく)



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感 想





2006.10.20(Vol.742) 初出___Cont.No.kamil35    第三十六話へ 目次へトップへ




 ロンゲルゲを御愛読の皆様、毎度ご支援ありがとうございます。
 昨今の疑問で、長髪流毛はもう侵略者らしいことをやってはいないではないか、まるで地球の平和を守る正義の味方みたいになっているのではないかと思われるかもしれませんが、甘くみてはいけません。
 長髪流毛は、地球人のみんなが寝静まった後も実は眠れないで一夜を過ごしているのです。第一、彼女には住んでいる家がないでしょう。そのとおり、寝床に入っていません。学校にはいちおう宿直室がありますが、泊るという届け出は一切しておらず、ただしおふろには入って髪の毛など念入りに洗い、服も着替えます。着替えはすべて保健室のロッカーに入れて洗濯も夜こっそりとしています。
 入浴や洗濯もすませるとちょうど時刻は夜の12時、日付の変わり目です。誰も校内にいなくなったのを見計らってこうもりに変身し、夜空をとんでいきます。
 学校のある街のなかから抜け出して、田舎の山奥にたどりついていきます。そして、だれも住んでいなくなった廃屋に入ります。電気は使えないかわりに月明りを唯一の照明にして、変身していたこうもりから元の姿に戻ります。つばさ代わりにした長い髪の毛のなかから、得体のしれない白い泡に包まれた奇妙なかたまりがいくつか落ちてきました。その泡がとけていくと、なかからはひとりずつ子供の姿が出てきています。長髪流毛が新たなロンゲルゲの仲間に加えようと探していたなかから選ばれた子供たちだったのです。この夜は女子4人と男子3人で、女子はいずれも髪の毛を腰まで長くしており、男子はそういう長い髪の女の子を好みとしている者たちです。
 長髪流毛は、倒れていた子供たちを指先から波長を当てて起しました。起きてもみんなうつろな表情になっています。
「ふふふふ。おまえたちもこれからロンゲルゲになる。まずはあなたから。」
 最年長と見られるえんじのヘアバンドをして前後にも黒髪を垂らしている少女がまず長髪流毛に招かれました。
「いいわね。相手をロンゲルゲにするにはこうして血を吸うの。よくごらん。ふふふふ。」
 長髪流毛は右手で少女の肩越しに髪の毛をわしづかみにして、左手で少女の肩をつかまえ、その肩の上に首を置いてカアーッと突然口を大きくあけると尖った牙を出し、少女の首すじにその牙をさしてかみついたのでした。いくらでも流れてくる血を舌ですくいながら吸って飲み込んでいきます。ぎょろっとした目も見ているほかの子供たちをくぎづけにしていますが、子供たちはくいいるようにしっかりと見ています。
 少女が首をがくっと後ろにもたれると長髪流毛がその少女を抱きかかえてほかの子供たちに近づきはじめました。
「ふふふふ、この子の顔をよーく見るのよ。」
 少女の口が開いてなかから牙がはえてきました。目も開いて、恐ろしいぎょろっとした表情になりました。そして、少女は口から突然怪獣のような白い息をはきだし、その息は大きくなって三人いた男の子の身体を覆いました。もちろん、男の子たちの髪の毛を長くさせるためです。三人ともやはり腰より先に伸びてしまい、いずれも長い髪の女の子を好みとしていることがわかりました。
「おほほほほ。もうあとは私は見ているだけでいいわ。ひとりずつ順番に、女の子は男の子を、ロンゲルゲになった男の子は女の子を襲いなさい。」
 少女もひとりの男の子をつかまえて長髪流毛にされたように男の子の肩に自分の髪の毛をばっさりかけて首にかみつき、他の者にも見えるように血を吸っていきました。そして、やはりがくっとなって首を後ろにもたれた男の子も、目を光らせて牙をたてて口を開き、三人残っている少女のなかから二本の三つ編みにまとめている者を選びました。
「うふふふ。三つ編みのおさげ髪がお好みのようね。じゃあ、後ろのほうからかみつくといいわ。両手でこの子の髪の毛をわしづかみにしてヘアラインのうなじのところに牙をたてるのよ。」
 その少女も、男の子に血を吸いつくされるとまた後ろにもたれて抱きかかえられ、目覚めると牙をはやして別の男の子をつかまえていました。
 こうして、七人の子供たちもこの真夜中でみんなロンゲルゲになってしまいました。
「うふふふ。おまえたちも今日からロンゲルゲ。地球征服のために私に協力してもらう。」
 全員、いっせいに首を振ってうつろな状況でまた巨大こうもりに変身した長髪流毛の髪のなかに隠れ、夜が明ける前にそれぞれの自宅に戻されていたのでした。そして、長髪流毛も学校に戻ってまた入浴をした後、朝を迎えます。
 このように、長髪流毛は子供たちを狙うやはり恐ろしい侵略者なのです。なお、これらの子供たちは来年になってから出場の予定です

 つまりいままでは予告編でここから本番、文章を敬体から常体に戻します…ではなくて、戻す。

 自分より髪の美しい者を皆殺しにしようと、給食に毒りんごを入れた怪しい少女が学校の外にある木の枝に登って、にやにやと見つめていた。
「ふふふふ。あのりんごをみんな食べたらどうなるか、面白くなるわ。」
 そして、給食の時間がやってきたのであった。
「はーい、みんなそれでは給食の時間にします。あらっ?献立表にはないはずのりんごが、まあいいかしら。特別に給食センターのサービスということで。」
「でも、先生。」
「なんですか?」
「このままじゃ食べられないよ。皮をむかなきゃ。」
 ちょっと笑い声が。たしかに、皮をむいて種を出さないと食べられないという子供たちも多いと思った先生は、しかたないからナイフを用意して一個ずつむいて分けることにした。もとい、個数が児童数の半分に足りていない。
「じゃあ、給食当番が配っている間、先生が一個ずつ用意します。」
 栄二や勝徳のクラスだけでなく、学校内すべてのクラスで皮をむかないと食べられないという子がいたために、結局全クラスで先生がナイフで皮をむいたのであった。先生のなかにも実は皮をむかないと食べられないという人がいるのだ。
「はあ?ちょっと待って、どういうこと?」
 怪しい少女の作戦はこれであっけなく失敗となりそうであった。りんごの毒は表皮にのみしみこんだだけで、中味にまでは達していなかったのである。結局、なにごともなく給食の時間やその日の授業が終ろうとしていた。

 そして、放課後の下校時間帯になってのことであった。
「こうなったら、もうかたっぱしからやってやる。」
 どこかの通学路で待ち伏せすれば現われるであろうと、怪しい少女のターゲットになったのは髪をまたモナリザのように両肩に広げていた栄二だった。
「この女の子(?)ね。」
 鏡によって印刷で出て来た後ろ姿と着ている服が同じ、体形もまちがいないと判断して、少女はついに栄二をはさみで刺そうとしたのである。髪を切るか身体に刺すかどちらにも役立てるように用意されたはさみだった。危うし、栄二というところだったが、その少女の背後から腕を止める者がいた。
「あんた、何しているの?」
「放して!」
「えいっ!」
 少女を蹴飛ばした主は、栄二が片思いする沙弓だった。沙弓がそこにいたのは栄二のあとをひそかにつけていたからである。倒された少女は沙弓のツインテールにしている髪と持っていた印刷物を見比べながら起き上がった。
「おまえには用はないわ。」
 すぐに仮面をつけたままの姿で立ち上がって少女は走り去ってしまった。
「はっ、わたしは…。」
 あやうく狙われかけていた栄二は、前方の横切る自動車のほうに気をとられて実は後ろで何が起ったかにも気づいておらず、振り向いていなかったのである。沙弓はすぐ路地に入ってしまった。
「どうして、彼を助けようなんて…はっ。」
 長髪流毛がそこに現われていた。
「沙弓さん、栄二くんのこと、ほんとうは好きなようね。」
「じょ、冗談じゃないです、あんなきもい…。」
「私にはわかるのよ。でも、私は余計なことしないわ。あなたたちの真心だけでふたりが結ばれるほうがいいと思うから。」
「先生、ほんとうに、わたし、どうしていいかわからなくなっているんです。」
「まあ、素直な気持ちになれるようにするしかないわね。」
 沙弓の肩をたたいて長髪流毛はすぐその場を去っていった。沙弓はすぐに走り始めた。


 長髪流毛は路地を栄二の歩いていた道にぬけて、栄二の後ろ姿に気づきながらも背をむけて別の坂道を登り、公園のある場所にたどりついたが、また異様な?光景に出くわした。そこにいたのは、由紀恵準一のふたりだったが、ベンチの上で由紀恵が準一の身体に馬乗りにまたがって準一のひとたばにまとめている髪の毛をわしづかみにして引っぱっていたのである。
「ちょっと、なにしているの?」
「プロレスごっこよ。わたし、いつも自分の興味あるものだけ彼をつきあわせてばかりいたから、たまには彼の趣味にもつきあおうと思って。そしたらいままで見たことがなかったけどプロレスってひとめで見ておもしろいと思って。」
「あのね、いくらなんでも、見るだけならまだ、まねまでしなくてもね。」
「わたし、この子をほかのものとつきあわせたくないの。わたしひとりのものよ、彼は。」
「まあ、準一くんの片思いばかりだと思っていたら。とにかく、いきすぎたらだめよ。人間とちがって、女が男より力が強いからね。」
「うふふふ、いやがってないわよねー、彼は、このとおり。今度、どこ行く?」
 もう、勝手におやりって感じでその公園をあとにして、長髪流毛は学校に戻っていたが、保健室に来るとまた意外な場面にでくわした。
「あらっ、友恵さん、どうしたの?」
「心の病がなおらないんです。」
「時がたてば忘れるようになるわよ…あらっ?まただれかが。」
 やってきたのは、勝徳と先日いっしょに下校していた敦彦であった。しかも、背中に自分の母親を背負っていたのであった。
「まあ、敦彦くん、おかあさんなの?いったいどうしたの?」
「帰る途中ですぐそこでめまいを起して倒れてたんだよ。ほんとうにむちゃばっかりするからかあちゃんは。」
「友恵さん、悪いけどベッド用意して。」
「は、はい。」
「なんだ、友恵もそこにいたのか。」
「うん、ちょっとね。あ、わたし、おしぼり用意します。」
「あ、そうだわ。友恵さん、そしたらわたし、急におしつけて悪いんだけど、敦彦くんのおかあさんのこと見てあげてくれないかしら。すませなきゃならない用事があって。」
「はい、よろこんで。」
「え?友恵が手伝ってくれるのかい?」
 こうして、長髪流毛は再び出ていったのであった。
「どうやら、友恵さんと敦彦くんなら、うまくいきそうだわ。心の病も直るかも。」
 本当の狙いはそっちのほうで、べつに急用などはなかったのである。





 いっぽう、学芸会の白雪姫の練習に余念のない美江子と手下の同級生7人もがんばっていた。その練習する傍らを無関心を装いながらも勝徳が髪を広げたまま通り過ぎていた。
「どうやらあの子だわ。よおし。」
 印刷物で確認しながら、その勝徳を刺そうとまた怪しげな少女が出てきたのであるが、テレパシーで美江子がまず少女の存在に気づいた。
「あぶないわ、みんな。」
「えっ?」
「このまえ、私に毒りんごを食べさせたあの子よ。」
「はっ。」
 美江子が道をふさぎに出てきたので、少女はあわててまた逃げ出そうとしたが、恨みを抱いている美江子は少女を急に追いかけはじめた。
「おい、美江子が急に…。」
「どうしたんだ。」
「あとをみんなで一緒に追うんだ。」
 ついに、美江子の後から7人の小人役になっているロンゲルゲ男子たちも走り始めた。
「みんな、よくきたわ、あの女を追って。」
「おーっ!」
 果たして、少女が彼等につかまれば謎が解けるのだろうか。

 その走る方向には、実は栄二の家があった。しかも、沙弓もそこに近づいていたのである。
「まあ、あんなにきれいに髪の毛をとかして…。」
 沙弓は遠くのほうから、いわゆるのぞき見をしていたのであった。栄二は三つ編みを結って髪をまとめ、風呂に入ろうとしているところであった。
「あんな、長い髪の毛を自分で三つ編みにするなんて…。」
 油断は禁物だった。その背後には怪しい少女が実は迫っていたのだ。
「あの女、さっきわたしの行動をとめた、邪魔ものだわ。殺してやる。」
 いよいよ、少女の謎が次回で明らかになるか。
(つづく)



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2006.12.24(Vol.749) 初出___Cont.No.kamil36     目次へトップへ




 栄二の家に沙弓が近づいていた。本当は、避けていたはずの男なのに、どうして興味を持つようになっているのか、自分でもわけがわからないと思っている沙弓だった。
 その気持ちでいっぱいのところに、後ろから不意をついて仮面の少女が襲いかかろうとしていた。
「いまだわ。」
 少女がとびかかろうとする瞬間、さらに背後から少女の両腕をそれぞれつかんできた者たちがいた。美江子の奴隷になっている7人の男子ロンゲルゲたちである。
「えいっ!」
「きゃあーっ!」
 その悲鳴や物音に、沙弓も気づいて振り向いた。
「あなたたち、はっ、美江子さんも。」
「沙弓さま、わたしをロンゲルゲにしたのは沙弓さまでございましょう(
第十四話)。だから、わたしが手下にしてた男の子たちにも沙弓さまを守るよう指示したのですよ。」
「けれど、この女は誰なの?」
「俺たちもわからないけど、どうやら俺たちロンゲルゲを狙っているみたいだからな。」
「そうよ。わたしもまずいリンゴを食べさせられて。」
 沙弓にとっては、いままで知らなかった事実でもあるので、何のことだかよくわからないという思いであった。
「まあ、いいや。こいつの仮面をまず、はいでやろう。」
「そうだそうだ。」
 男子ロンゲルゲたちにつかまって身動きのできない少女も、もはや抵抗できない状況で特にじたばたしているふうでもなかった。
「覚悟はいいわね。あなた。」
 美江子が、ついに少女の仮面をはずした
 さて、その正体は…。
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「あっ。」
「まあ。」
 この続きは次回に…ふざけるなって?そうですね。
「あなたは…、たしかテレビドラマの『うちなきこ』に脇役で出ていた…。」
 少女の正体は…なんと、テレビタレントだったのである。
「えーっ、ほんとだ、髪伊良美(かみい・よしみ)だ。」
(名前が安易?この際おいといて)
「とりあえず、どうしてわたしたちを襲うのか、わけをききましょう。」
「そうだな。」
 その、正体が良美とわかった少女のほうも、男子ロンゲルゲたちが揃って美江子と同じ髪形なのに驚いている様子であった。
「なかなか、しゃべろうとしないな。」
「どうする?帰れなかったら、もうテレビ出演できなくなるよ。」
「あの…。」
 ようやく、少女が口を開いた。
あなたたち、男の方なんですか?
「そうか、われわれのこと知らないからな。」
 通っている学校も恐らく近くではなく、芸能人専用の私立学校であろうから、男子生徒の髪の毛が伸びた事件のあった学校のことなど知らないだろうと彼らは悟ったのであった。
「でも、なんか…。」
「なんかって、どうした?」
「男の方たちみなさん、髪の毛がきれいな方ばっかりなんですね。そちらにいるお二人の方よりきれいだわ。」
「おいおい、急に目を輝かせているぞ。」
「良美さんとやら、あなたが持っているそのプリントにある写真の子も、みんな男の子なんだけど、どうして襲ったんですか?」
「ええ?ここにうつってる子もみんな男の子だったんですか?」
 まあ、今さら驚くのも無理はないと周囲の者も納得しているようであった。

男の子なら、やめます。
「やめるって何を?」
「殺すのをやめるんです。そのプリントにあるのは、わたしの鏡がわたしより美しい髪の子だということで写し出したんです。わたし、自分の顔や体形に自信がないので、髪の毛だけはほかの女の子よりきれいでいたいと思っていたから、自分よりきれいな髪の子を殺せば、わたしは世界一美しい髪の女になれると思って…、でも、男の子だったらいいです。」
「あの、鏡ってなんのこと?」
「わたしの胸にあるポケットに入ってるから出してください。」
 美江子が、言われたように良美の服からその鏡を取り出したのであった。その鏡に向かって良美が話しかけた。
「鏡よ鏡、答えてちょうだい。この世でいちばん美しい髪の女はだあれ?」
 その鏡がピカッと光り、しゃべりだした。
「はいはい、女性限定ですね。それは髪伊良美さま、あなたです。」
「よかった、ありがとう。」
 周囲の者も、ただ唖然としていたが、美江子だけは何かひらめいたようでにやっとし始めた。
「すごい、その鏡。そうだわ、良美さん、わたしたちの学芸会に出ない?」
「えっ?学芸会ですか?」
「継母の役と鏡の役をやる人が決まってたのがやる気がなくて(もちろん勝徳と敦彦のこと)辞退させたから、代わりに出てよ。わたしたちに迷惑かけているのだから、償ってもらわないとね。」
「わ、わかったわ。」
「いいわね、そうだ、ちょっと待ってね。」
 美江子は携帯電話を取り出してかけた。
「あ、おかあさん?髪伊良美っていう女の子のタレント知ってるでしょ。彼女をおかあさんの会社で広告にモデルで使ってよ。世界一髪の毛がきれいな女の子なんだから、おかあさんの会社の化粧品、売れるようになるわよ。学芸会見に来てくれないんだから、そのくらいのお願いきいてよ…、うん…、ほんと?よかった。彼女の都合のいい時間きいてまた連絡するわね、じゃ。」
 なんと、美江子は良美に仕事を与えたのであった。
「ね、うちのおかあさんの会社でキャンペーンガールの仕事やってもらうから。」
「まあ、ごていねいにありがとうございます。」
「良美さんは、わたしが守るからね。これで、男の子たちも狙われなくてすむようになるから、もう彼女を放しなさい。」
 良美をつかまえていた男子ロンゲルゲたちは、美江子の命令で良美から離れた。
「じゃあ、練習の続きやりましょう。あ、沙弓さまは、もう行くべきところに行かれたら?」
「えっ?ええ、でも…。」
 美江子は、沙弓の栄二に対する好意を感じとっていた。
「わたしが伝えましょうか、沙弓さまの気持ちを。」
「あ、やめて。自分で行くわ。美江子さんは学芸会の練習、がんばって。」
 ついに、沙弓も栄二の家へ、しかもあいている風呂場の窓から思い切って入りこんだのである。
「まあ、沙弓さまも大胆な…、もうためらいたくないからって。」
 その、風呂場で洗髪をしていた栄二にとっては、長髪流毛や担任の女教師よりもいやらしい痴女がやってきたというように感じたであろう。





 これらの様子を、遠くから長髪流毛もしっかり見届けていたのであった。
「ふう、どうやら一件落着ね。しかし、タレントといえば…。」
 長髪流毛も携帯電話を取り出して鳴らした。
 その鳴った先は、雛乃と公之のいる、雛乃の家であった。
「もしもし。」
「なんだ、長髪流毛先生?わたしたちこれからいいところ〜♪なのに。」
「ごめんごめん、水晶玉ないから、あなたたちが何しているかわからなくて、公之くんいる?」
「ほら、先生がちょっとききたいことがあるって。」
「はい、代わりました。」
「あ、公之くん、女の子のアイドルで髪伊良美っていう子、知ってる?え?知らない?そうなの。」
 アイドルに詳しいはずの公之が彼女を知らないとは意外な…という、長髪流毛であった。
 また、学校に戻る途中、由紀恵と準一のたわむれている姿を見つけた。
「ふふふ、わたしは伊○姉妹よ。」
「それ、プロレスじゃないのに…。」
「あなたたち、もう夜は遅いから帰りなさい。もう、準一くんも襲われる心配なくなったから。」
 仮面の少女はいなくなったから安心するよう、長髪流毛はほかの男子ロンゲルゲたちにも伝えていた。
「あっちでもやってるわね。」
 喜久夫の家に訪れていた尋子、その姉である紗真耶の家では勇一が、いずれも女子が男子をリードするような形で、髪の毛を使って…、あとは想像にお任せしよう。
「けれども、髪伊良美ちゃんというアイドルの子、女の子だとだめで、男の子なら自分より髪の毛が美しくても構わないって、そういうのもよくわからないわね。」
 事件は解決したが、本当の謎は解決できそうにないと思った長髪流毛だった。

 ということで、今年一年間「ロンゲルゲ」をご愛読いただきましてありがとうございました。
 来年も引き続きまた、宜しくお願い致します。



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「吸血怪人ロンゲルゲ」(ご感想)パート
SNAKEHEART  2006.5.30(Vol.716) 初出___Cont.No.snake31    
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編集・発行者からの御礼−−第三十一話「ねらわれた美少年」
髪 伊良さん、「吸血怪人ロンゲルゲ」の新作、第三十一話「ねらわれた美少年」お送りくださいましてありがとうございました。
今回より新たに「PART6」となりましたが、今のところまだ始まったばかりなので 先は読めませんが、髪にまつわる嫉妬による怨憎ドロドロハチャメチャストーリーになりそうな 予感がしますね。それとワガママお嬢様(?)がロンゲルゲに挑みそうな感じがして、 そのあたりのじゃじゃ馬的ストーリーもなんとなく予想されそうで、 共にとても楽しみです。

> 「おい、勝徳、リハーサルはじまるぞ」 .... このオープニングは当初、『今回も楽屋裏シチュエーションから始まったのかな?』 と思ったのでしたが、学芸会のリハーサルシチュエーションだったのですね。 このあたり流石、読者をはぐらかせる(?)手法も冴えてこられましたね(^_^ )。
その後、今回の事件が起こるまでの導入部は、勝徳くんと初登場の敦彦くんの 小学生男子同士らしい下校時の軽いやり取りが担ってましたが、 このあたりの展開の上手さにもますます磨きがかかって来ましたね。
ところで、> 名前が敦彦だから鏡の役やれって、安易もいいところだぜ って最初は『なんで敦彦と鏡が関係有るの?』と意味が分からなかったのでしたが、 よーーく考えていくうちにやっと分ってきました。「ひ○つのアッ○ちゃん」 からですな?(^_^ )。この敦彦君は今のところはマザコン少年なのですね?


そうして行くうちに、今回の真ん中チョイ前あたり(30分番組だと開始8分後くらい?)で、 今回より新たに始まった「PART6」を象徴しそうな事件が 起こりましたね。ロングヘアー少女によるロングヘアー男子断髪未遂事件。
まあここまで得られたごく少量の断片的な情報を統合して考えますと、 前話のラストの予告編で出て来ました > 「鏡よ鏡・・・この世でいちばん髪の毛が美しい者の姿をうつしだしておくれ」 の少女が、今回その1番美しい髪の持ち主である(?)勇一君を襲った と推察できるのですが....もっと複雑なものなのでしょうか??
それにしても(話は後ろに飛びますが) > その鏡に写し出さされていた者は、実はみな男子のロンゲルゲだったのである .... ここで、女子ロンゲルゲでなく男子ロンゲルゲたちが写ったというのは 何か意味が有るのでしょうか? それとも本当に男子の方が髪が綺麗なんでしょうか? ....まあ今後その謎が明らかになるのでしょうかネ?

さてそうして行くうちに、ヒロインであるロンゲルゲ女王様の長髪流毛さん、 京香と摩亜弥、嗣代の3姉妹・・・とお馴染みのスターが次々に集ってきて、 “いよいよ新PARTがスタートか” とワクワクしてまいりますが、ここで > 電話を受け取った長髪流毛 .... 宇宙人であるロンゲルゲの女王なのに、部下からの連絡を(テレパシーとかでなく)電話で受ける というのがなんとも俗っぽくて、ちょっと笑ってしまいました。 なんだか長髪流毛さんもいつの間にやらすっかり地球の生活に馴染んでしまって、 やや小市民化してきた様子ですね(^_^ )。
それから、> 「数学の先生は野球が好きだから・・・社会の先生はJリーグ狂だから・・・ 国語の先生はJーポップのファンだから」 .... このあたりもとても面白かったですし、読んでいて思わず『そうそう』と 頷いてほくそえんだ所でした。そういう教師の子供っぽい性質を見抜いて 入試問題の傾向と対策を立てるなんて、 まあ本当は反則技だとは思うんですけど(^_^ )、でも 今思い返すと本当に教師って人種はそういう面を持ってますもんね。
そんな中で、> 夕暮れ時はロンゲルゲの女子にとって発情期になるようで、さかんに男子ロンゲルゲの背中に抱きついている女子の姿を見かけていた .... まあ “発情期” ってのがなんとも凄まじいですが(^_^ )、 最早人間社会の秩序がすっかり壊されきってしまったようで、 コワイ所もある反面ちょっと爽快でもありますネ。


さて、今回は先ず冒頭から(あの有名な)白雪姫の「鏡よ鏡・・・」の学芸会リハーサルシーンで始まり、 そしてラストは現実に同じように鏡に語りかけている少女のシーンで終わり、 なんだか今回の第三十一話は、これが今後の展開を象徴するのかどうか 私には当然分りませんが、 “鏡を中心にお話が展開していた”感じがしましたね。
でもこれまで私、3年近く「ロンゲルゲ」の不条理世界にすっかり馴染んでしまっていた為に、 最初はついスムーズに抵抗なく読みきってしまいましたが、後でよく冷静に考えてみますと、 こういう不思議な鏡を持っているということは即ちこの “お嬢様” は ロンゲルゲではないにしても、フツーの常人ではなさそうな感じがしますね(^_^ )。

それでは、「吸血怪人ロンゲルゲ」第三十一話「ねらわれた美少年」のご執筆とご発表、 本当にありがとうございました。

「吸血怪人ロンゲルゲ」(ご感想)パート
SNAKEHEART  2006.6.22(Vol.721) 初出___Cont.No.snake32    
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編集・発行者からの御礼−−第三十二話「顔のわからない少女」
髪 伊良さん、「吸血怪人ロンゲルゲ」の新作、第三十二話「顔のわからない少女」お送りくださいましてありがとうございました。
前回より登場した(今パートの主役になりそうな)少女が本格的に活動を開始したようですね。 前回、勇一君を襲った時は長い髪で顔を隠していたみたいですが、 今回は仮面で顔を隠していましたね。ですが、襲い掛かっても襲い掛かっても、 ことごとく失敗しているドジぶりがあまりにも可笑しくて(前回から通算して4回連続で失敗ですよね?)、 読んでいてついつい笑ってしまいましたね(^_^ )。

> 水晶玉が調子がおかしくなっているので、スパナを手に一生懸命直そうとしている .... いや〜〜なんだか今回は初っ端からギャグって感じですね。 水晶玉をスパナで直そうとしている姿って、想像しただけで笑えてきます(いったい、どんな中身の水晶玉なのでしょう?)。
でも前回の感想の中で申しましたけど、長髪流毛さん、どんどん地球人化して行っている様に 私には感じるのですが....。作者の髪伊良さんも > 長髪流毛も実は必ずしも万能とはいえなくなってきている と仰ってることも気になりますネ。
> 「だって、韓国映画なんてぜんぜんわかんないよ」 .... そりゃあ、小学5年生(準一と由紀恵)じゃあまだ面白くないでしょう。 でも前パートでもイナバウアーとかの話題も出てましたし、 作品内の台詞の端々に、時流をよく取り入れてらっしゃいますよね。
> 「月○仮面、仮面○イダー、仮面の忍者○影…」 .... 「少○仮面ポ○トリ○」とかいうのも有りませんでしたっけ??(^_^ )
> たまたま、少女の家にある鏡が印刷して写し出した者がすべて男子ロンゲルゲだけで .... それにしても(前回の感想でも申しましたけど)この点は現時点で本当に不思議です。 やはりなにか謎を秘めているのでしょうか??

さて一方、そんな男子ロンゲルゲたちに今降り掛かっている災難など どこ吹く風ってな感じのルンルン気分の(白雪姫役に決まった)美江子ちゃんですが....
> 「お○松、か○松、と○松…」 .... あと「い○松、ちょ○松、○四松」ですね。でも若い人、わかるかなぁ.... というか、ここの場面の登場人物たち小学6年生なのに、この漫画のことよく知ってましたね(^_^ )
> 「12時になるとあわててぬいで踊りをやめるってお話だったわね」 .... なんだか、白雪姫とシンデレラが混合している感じで、この天然ボケぶりがまた 笑えましたが....でも、我々のような子供時代から年月を経た大人たちって確かに、 こういう童話の混同をよくしますよね。 この点もナカナカ細かい所までセリフが練られていて鋭いですネ。

それにしても「PART4」「PART5」そしてこの「PART6」と、(目的は異なるにしても) ロンゲルゲを襲う者が次々と現れるようになりましたね。 「PART4」の敵は天才科学者でSF活劇的、「PART5」の敵は宇宙人で妖気的でしたが、 今回の「PART6」の敵は今のところ普通の嫉妬深い女の子のようで ごく世俗的な感じで、これらの3PARTそれぞれに好対照で興味深いですね。
この仮面の少女と(美江子ちゃんを中心とした)学芸会とそして長髪流毛さんの魔力が徐々に失われていってる(?)ことが 今後絡み合っていくのでしょうか?? それから男子ロンゲルゲばかりが鏡に映し出されたことも 何か意味が有るのでしょうか??....私には今のところ、 これからのストーリーがどのように展開していくのか想像がつきませんので、 今後がとても楽しみですね。
それでは、「吸血怪人ロンゲルゲ」第三十二話「顔のわからない少女」のご執筆とご発表、 本当にありがとうございました。

私も忙しくなって来ましたし、PLUS 思うところも有りますゆえ、 小説への感想は今後はどれも、これまでよりも短くさせて頂きます。
「吸血怪人ロンゲルゲ」(ご感想)パート
SNAKEHEART  2006.8.12(Vol.729) 初出___Cont.No.snake33    
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編集・発行者からの御礼−−第三十三話「ぼくの髪を編んで」
髪 伊良さん、「吸血怪人ロンゲルゲ」の新作、第三十三話「ぼくの髪を編んで」お送りくださいましてありがとうございました。

先ず今回、冒頭に登場した「呪いの黒髪屋敷」のシークエンスですが、 新聞などでも取り上げられてましたが、今本当に東京○ーム遊園地で催されてるんですね。 たしか9月18日までですかしら? それから夕方4時からでしたっけ?
で、本文に出て来ました > 髪の毛を肘まで届くぐらい長くしている女性に限りタダ とか > その女の名前は絹子さんという とか > いっしょに入れるのは3人までで とか > 髪の毛が下げられていたり、長い髪の首がころがっていたり とか > 「扉が開いたので先に進んでください」という放送が入る とか > 終りに近くなるとよりスリリングになる などは実際の見聞録なのでしょうか?(関西に住んでいる私には知る術がないことでして)
今回、その実際に現在進行中のイベントをいち早く取り入れられてストーリーに 組み入れられたところが実に素晴らしかったです。 5月発表の第31話よりここまでずっと学芸会に向けて話が進行していたのでしたが、 今回の東京○ームの「呪いの黒髪屋敷」をパロった「呪いの長髪屋敷」を取り入れたことで、 学芸会を更に文化祭にまで膨らませた対応力にも感心しました。


そして本来の舞台である学校に場面が変わりまして、 「呪いの長髪屋敷」ってのはいかにも(その「黒髪屋敷」を知った)小学生が思いつきそうな発想だなと思いましたし、 > 机を積み重ねて通路をつくり なども、『そうそう、自分達も高校時代の文化祭では、そうやって有り合わせの器材などを使って、 お化け屋敷を作ったっけ』と、懐かしさがこみ上げて来るところが有りました。 このあたりのリアリティが素晴らしいですよね。
その後も、臨場感ある数々のセリフ−−−ガイドの声、お客の声、録音済みの幽霊の声、 幽霊役の男の子の声−−−で「呪いの長髪屋敷」を順路に従って疑似体験させてくれまして、 まさに今の時期にピッタリの内容で、楽しむことができました。 ま、個人的には女子の髪でやってほしかった所はありましたが。
そしてその中で髪をへびの形にしたりクモの形にしたりと、「ロンゲルゲ」というか 髪伊良さんの作品らしさも端々に垣間見られましたね。


さて、今回は大きく3つに分かれていたと言えようかと思いますが (それに合わせて今回の感想も3つに分けさせて頂きました)、 その最後のパートでは、ちゃんと前回からストーリーが繋がっていて、 あの謎の仮面少女が登場しましたね。 > 宇宙人の整髪料 によってロンゲルゲの男の子達の髪の毛が美しくなっていたなんてのも 実に奇抜な発想でした。
その仮面少女が(目の上のコブである)男子ロンゲルゲ達を毒リンゴで暗殺しようと、 まず美江子で実験するという発想が実に可笑しかったですし、 また(役にハマリ込み過ぎてか)何の疑問も持たずに毒リンゴを食べてしまう 美江子のいかにも小学生らしい染まり易さにも笑えました。 今回の「PART6」は、学芸会の「白雪姫」に向けて進行している面もあってか、 (しばしば登場する魔法の鏡と言い)どこか浮世離れしたおとぎ話的な ムードもまた楽しいところだなと思います。

それでは、「吸血怪人ロンゲルゲ」第三十三話「ぼくの髪を編んで」のご執筆とご発表、 本当にありがとうございました。
「吸血怪人ロンゲルゲ」(ご感想)パート
長友三 さん  2006.9.5(Vol.735) 初出___Cont.No.yuzo001    
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行って見たい!呪いの黒髪屋敷

髪伊良さん はじめまして、長友三です。
残暑の厳しさが続いている このところの気候にぴったりの 魅力あるホラーですね。東京にある遊園地内夏期企画「呪いの黒髪屋敷」実在するのですね。是非行って見たいです!髪の毛が長く膝まで伸ばしている人は‘入場料タダ‘実に良い髪長女性への配慮であると共に、女性達への美化促進運動にも協賛する姿勢、素晴らしいものです。
三十三話、文化祭での展示「呪いの長髪屋敷」も 良い企画であると共に、頑張った生徒達にも拍手を送りたいです。髪を長くしている男子生徒達に 長い髪の妖怪役になってもらい「髪を解かして・・」と来場する人に 自らの大切な長い髪の毛を 梳かさせる役、中には荒い櫛扱いで髪の毛を梳く人もいて 大変だった様子ですね。でも来場した人達を 大いに怖がらせた「長髪屋敷」成功何よりです。
本編の悪役が 宇宙人の整髪料を差し出しましたね。地球人にも効果があるのでしょうか?続きがどうなるか、次の話の展開がどうなるのか?怖くなってきました。

長友三 さん、「吸血怪人ロンゲルゲ」にご感想をくださいまして、
まことにありがとうございました。

by SNAKEHEART(HP編集・発行者)

「吸血怪人ロンゲルゲ」(ご感想)パート
髪伊良 さん  2006.9.11(Vol.737) 初出___Cont.No.kami004    
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「長友三様へ」

ご感想、このたびはありがとうございました。

そういえば、本家の後楽園「黒髪屋敷」は今週15日までだったかな、その後の連休までだったかいずれにしても事前のご確認を、もうすぐ終わる企画になりますのでお早めに。

ほんとうに、暑い毎日ですね。これをふっ飛ばそうと思っても、最近はなかなかそれを上回れるような怖さを思いつくことがなかなかいかず、いろいろ苦慮しているところであります。
ロンゲルゲのキャラも、当初はこういう形に展開させることは思ってもみなかったのですが、怖い思いをさせられても本人たちにとってはむしろうれしく思ってしまうような、ある意味のユートピアもできてくるのかもしれませんね。

ところで、お名前のように「髪」という字を分解するとまさしく、髪は当然長くなければならないということですね。「三」は三つ編みをやっぱり意味するのでしょう。もうひとつ、「友」という字にはちょっと妙な記憶も連想するんですよ。
というのは、「友」という字は小学校二年生で習う漢字だったと思いますが、この漢字を学習するための学習教材があってそれぞれ漢字の意味がわかるように挿絵もあったんですね。で、このひとつ隣が同じ画数の「毛」という字で同じ頁にあって、描かれていたのが三つ編みの女の子の絵だったんです。もう、その年で長い髪や三つ編みに対してすごくあこがれが強くてそういう絵を見ただけでどきっとさせられたんですね。ホラー漫画に出ていた三つ編みのへび少女にも同様に。

ということで、妙なお話になってしまいましたが、「ロンゲルゲ」共々今後も宜しくお願い致します。
「吸血怪人ロンゲルゲ」(ご感想)パート
SNAKEHEART  2006.9.20(Vol.740) 初出___Cont.No.snake34    
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編集・発行者からの御礼−−第三十四話「男子ロンゲルゲ人気の秘密」
髪 伊良さん、「吸血怪人ロンゲルゲ」の新作、第三十四話「男子ロンゲルゲ人気の秘密」お送りくださいましてありがとうございました。
今回は色々な謎が少しずつ解き明かされ始めてきた感じですね。 先ずは何と言っても(これは最後の部分でしたけど) > 整髪料・・・こんなに男の子に効果がでるとは。女の子がこれを使うと危険なことに .... ナルホド、これまで謎の少女の鏡に、男子ロンゲルゲの姿ばかりが映し出されていた 理由はこれだったのですね??(でも、もしかしたら、他に理由が有るのかな? ^_^ )  でも長髪流毛さん、この宇宙整髪料を男子に塗り付けさせている目的は何なんでしょうかねぇ?
それから、 > 水晶玉が調子悪いのよ・・・宇宙電池が切れているみたいですなあ .... なるほど、このPART6が始まった時から水晶玉の調子が悪かったのは、 こういうことだったのですね。 でもこの長髪流毛さんと召使の妖精の会話っていつもユーモラスで読んでいて楽しくなってきますね。 それにしても、宇宙の整髪料に宇宙電池ですかぁ。前パートのフェミニスターといい、 このところ宇宙色が徐々に強まってきましたねぇ。

ところで.... > 髪の毛を全部汚してやる・・・謎の女の狙いは、実はそういうことなのであった .... えっ、そうやったんですか!? 前話第33話の中で > ロンゲルゲの男たちを殺そうとたくらんでいる とか、第31話の終わりのところで > 「こうなったら、みんな切ってやるわ」 とか書かれてましたが....ってことは、 この女も段々目的が小さくなってきたのかしら(^_^ )
あれっ、でも今回ラストで、 > 自分より美しい髪の者を殺そうとしていた怪しい女 とも書かれてましたねぇ....う〜〜んっなんだかよく分らなくなってきましたが、 仮面少女以外にももう1人、ロンゲルゲ男子を狙っている女が居るのかしら???


思えば今回は、長髪流毛さんが全面に渡って登場してましたよね。 このPART6は学芸会とか文化祭とかが舞台ですので、大人の長髪流毛さんの活躍が今回 多かったのはちょっと意外(でも私は嬉しかった)でした。
で、> 美江子の首を髪の毛で左右からしめつけると・・・りんごのくずが潮を吹いたようにとびでてきた .... これは長髪流毛さんの髪が美江子の首をしめたんですよね?  だとしたら私には嬉しい長髪流毛さん久々の髪技!って感じです。 それにしても、 > りんごのくずが潮を吹いたように というのは上手な表現ですネ。
そして > 「友恵ちゃん、わたしの髪の毛で練習してみるといいわよ」 .... おお〜〜これはぜひ見てみたいシーンですネ〜〜〜。 それにしてもこの友恵ちゃん、ロンゲルゲでもないのにわざわざ登場させたのは (このところ非ロンゲルゲ女子の出番が無かったような気がするので)、 なにか今後ストーリーの要になりそうなキャラなのでしょうか?  なんか色んなことを考えてしまいます。
> 「先生、やっぱり女の子は髪の毛を長くしないとだめですか?」 「少なくとも、髪の毛を長くすれば誰か男の子が好きになるわよ」 .... これはまさしく “原点の会話” って感じですね。まさしくそうでしょう。 こう言っちゃ悪いかもしれませんが、女性ってどれだけブスちゃんでも (デブは痩せることが出来ますもんね)髪さえ長〜〜〜く伸ばせば、 絶対に声をかける男は現れると思いますね。その男のレベルはともかくとして(^_^ )


さて、毒入りりんごの実験が取りあえずは成功した謎の女(=仮面の少女??)、 いよいよ本格的に行動を開始しそうな予感がしますし、 宇宙の整髪料も女子が使うと具体的にどう危険なのかも気になります。
そして手元に水晶玉が無くなった長髪流毛さんは、このロンゲルゲの危機をはたして 防ぐことが出来るのでしょうか?....次回以降がとても気になるところですネ。
それでは、「吸血怪人ロンゲルゲ」第三十四話「男子ロンゲルゲ人気の秘密」のご執筆とご発表、 本当にありがとうございました。
「吸血怪人ロンゲルゲ」(ご感想)パート
長友三 さん  2006.10.27(Vol.743) 初出___Cont.No.yuzo002    
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阻止できた集団殺人

髪が自分より 美しい生徒達を皆殺しにしようと、ねたみ深い謎の少女による 恐ろしい企みは、リンゴの皮を食べない習慣が生徒達に 浸透していた為、運良く回避できましたね。でも優しい先生、生徒達の為 リンゴの皮をむいてあげる心遣い。生徒達はこの先生に感謝の気持ちを以って接して欲しいですね。
しかし 謎のねたみ深い少女は 髪の美しい生徒達へのねたみ嫉妬による殺意を、更に根深く抱くようになってます。負けず嫌いが 髪の毛に関しては 高じ過ぎてしまったのでしょうか?少女の殺意への恐ろしさと同時に 過剰な競争心と負けず嫌いが 少女に残忍さをもたらした事に 哀れさを感じます。

長友三 さん、「吸血怪人ロンゲルゲ」にご感想をくださいまして、
まことにありがとうございました。

by SNAKEHEART(HP編集・発行者)

「吸血怪人ロンゲルゲ」(ご感想)パート
SNAKEHEART  2006.10.29(Vol.744) 初出___Cont.No.snake35    
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編集・発行者からの御礼−−第三十五話「毒入りりんごの花びらが風に散ったよな?」
髪 伊良さん、「吸血怪人ロンゲルゲ」の新作、第三十五話「毒入りりんごの花びらが風に散ったよな?」お送りくださいましてありがとうございました。
今回は先ずなんとも懐かしい歌を聞いているかのようなタイトルからして面白かったですね。

そのユニークなタイトルに先ず軽〜〜く一笑いさせて頂きましたあと、早速 > こうもりに変身し、夜空をとんでいきます > 田舎の山奥 > だれも住んでいなくなった廃屋 などなど、なにやら『今回は久々に怪奇色と恐怖色が強そうな感じだな』と思いきや、 来年度の予告編だった訳ですな。
> 洗濯も夜こっそりとしています .... でも、宇宙から来た悪魔が夜こっそりと洗濯するというのも、なんとも俗っぽくて、 その姿を想像すると笑えましたデス。
> こうもりに変身し、夜空をとんでいきます .... ふーーむ、以前海を渡った時には大蛇に変身してましたが、夜空を飛ぶ時には こうもりに変身するんですね。いずれもホラーには打って付けの動物ですが。で....
> つばさ代わりにした長い髪の毛のなかから・・・子供の姿が出てきています・・・また巨大こうもりに変身した長髪流毛の髪のなかに隠れ .... そうかァ、以前にも(PART4「ロンゲルゲハンター編」) 髪を翼代わりにして空を飛んだことがありましたが、その髪技に更に磨きがかかっているようですねぇ。 こういう(普通では有り得ない)髪が自在に動きまくって超能力を発揮するシーンなんて SFやホラーならではと言えますので、今からそのシーンが楽しみですね。
> 「両手でこの子の髪の毛をわしづかみにしてヘアラインのうなじのところに牙をたてるのよ」 .... こうして吸血方法を指南する台詞でも、髪に関する詳細さとかこだわりが見えるのはこれは ロングヘアーサイトならではと言えますよね。
> 来年になってから出場の予定です .... そうですか、もうそろそろ来年の話をする時期になったんですねぇ(1年の経つのは速いものです)。 来年は久々に長髪流毛さんが残忍性を発揮しそうな予感がして楽しみでございます。


で、そうしていよいよ今回の本番に入るわけですが....
> 先生がナイフで皮をむいたのであった・・・少女の作戦はこれであっけなく失敗 .... なんだか、本番に入って早々に作戦が失敗したのにもまたまた笑えました。 これまで何度も直接実力行使しては邪魔が入り、初めて作戦らしき物を企ててもツメが甘くて失敗 ....なんか、ブラック魔王とケンケンみたいな悪役ですね(^_^ )
> 髪をまたモナリザのように両肩に広げていた栄二だった .... う〜〜んっ、この表現はなかなか素晴らしいですね。 モナリザって知名度のわりにはこれまで意外にもどの作品にもあまり引用されてこなかったですよね。
> 髪を切るか身体に刺すかどちらにも役立てるように用意されたはさみだった .... でもたしか、初期の話の男子同士の会話の中で有ったと思いますが、 男子ロンゲルゲの長くなった髪って、切ろうとしても切れないんでしたよね??

ところで今回、沙弓と栄二、由紀恵と準一、友恵と敦彦のタイプの異なった3カップル(?)は、 ただ単に “ロンゲルゲ=女性上位” とばかり言い切れない複雑な男女関係が 垣間見えるようです(友恵はまだロンゲルゲではないようですが)。 “本当に完全に支配しきる” ということは無いような気がしますねぇ.... で、今回彼ら彼女らを見守ってフォローしている長髪流毛さんは優しいお姉さん的存在のようですね、 少なくともロンゲルゲ仲間の中では。
さてそして今回のラスト、本編の主役である怪しげな少女が、 遂にロンゲルゲ達に見つかってしまい、これまでの攻撃から一転して守勢に回ることになってしまいました。 その逃げる先にまた栄二と沙弓が居るということで、またまた一波乱有りそうな予感がしますね。 しかも > 「あの女・・・邪魔ものだわ。殺してやる」 .... これまでの失敗の数々からか、相当に頭にきているようですね?  でも長友三さんが言われたように 過剰な競争心と負けず嫌いがこういう暴走を招いている訳でしょうが、 でもそれは髪に強い愛情と誇りを持っている所以ですよね。 勿論やっていることは感心できませんが、これだけ髪に愛情を感じる女性がもっと増えてもらいたいものです。
> いよいよ、少女の謎が次回で明らかになるか .... ふーーむ、(思ったとおり)やはり、ただの普通の嫉妬深い女の子ではなさそうですね??  その謎が解き明かされる(?)次回がとても楽しみでございます。

それでは、「吸血怪人ロンゲルゲ」第三十五話「毒入りりんごの花びらが風に散ったよな?」のご執筆とご発表、 本当にありがとうございました。
「吸血怪人ロンゲルゲ」(ご感想)パート
髪伊良 さん  2006.10.30(Vol.745) 初出___Cont.No.kami005    
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「さあて、次回のロンゲルゲは?」

長友三様管理人様、毎度のご感想ありがとうございます。
なるほど、お二方も、そのように感じられましたか。
えっ、なにをまた不気味な笑い方を?
実はですね…あ、これは見てのお楽しみ。
でも、謎の少女の心理はまさにお二方が感じられるとおりではありますが。
さてさて、ロンゲルゲたちについに仮面をはがされるその少女の正体は、果たして?
「あっ」「えっ」「まあ」「きゃー」
といった、言葉が次回は話の内容でとびかっています。
また、少女は実は男だった…いえいえ、そういうことだけは今回ありません。
というわけで、内容はすでに構想ずみで、あとは実際に文章にまとめるだけです。
ぜひ、髪と首を長くして(無理か)お楽しみにお待ちくださいませ。

<編集・発行者からの御礼>
髪伊良 さん、長友三さん(&私 ^_^ )のご感想へのレス、ありがとうございました。

> ついに仮面をはがされるその少女の正体は、果たして? 「あっ」「えっ」「まあ」「きゃー」 .... う〜〜んっ、これはかなり意外な、でも『ナルホド』と言えそうな正体のようですネ???  ますます次回が楽しみでございます。
「吸血怪人ロンゲルゲ」(ご感想)パート
長友三 さん  2007.1.3(Vol.752) 初出___Cont.No.yuzo003    
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仮面の少女は芸能人!

髪伊良さん 明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします。
髪の美しい少女たちを 毒入りリンゴで殺そうとした、恐怖の事件犯人の少女の正体が 明かされましたね。
仮面の少女はテレビタレントだったのですね。髪伊良美と言う芸名 髪の毛の美しさがチャームポイントのタレントなのでしょうか?犯罪行為を犯そうとしたのは 許せない事ですが、競争の激しい芸能界。同性の髪の美しさに関して 対抗意識が有ったのも理解できないではありません。髪伊良美が人気商売と言う過酷な競争社会で、ストレスに陥ったのでしょうか?冷酷非道な行為は許せませんが、美と魅力を競い合う 芸能界での過当競争にさらされている 髪伊良美に哀れみを感じさせられました。
でも 魔法の鏡が、髪伊良美が「この世で一番髪の美しい女性です!」と語ってくれたので 髪伊良美も安心した様子ですね。
次回の展開も楽しみですね。

長友三 さん、「吸血怪人ロンゲルゲ」にご感想をくださいまして、
まことにありがとうございました。

by SNAKEHEART(HP編集・発行者)

「吸血怪人ロンゲルゲ」(ご感想)パート
SNAKEHEART  2007.1.3(Vol.752) 初出___Cont.No.snake36    
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編集・発行者からの御礼−−第三十六話「白雪姫の継母は本当は優しい?」
髪 伊良さん、「吸血怪人ロンゲルゲ」の新作、第三十六話「白雪姫の継母は本当は優しい?」お送りくださいましてありがとうございました。
そして、昨年もまた「吸血怪人ロンゲルゲ」精力的に執筆くださいまして(昨年は丁度10話分でしたね)、本当にご苦労さまでした。 今年も「吸血怪人ロンゲルゲ」とても楽しみです。

で、本編「PART6」の主役をずっと務めていた仮面の少女の正体は、目下B級アイドルの卵だったんですねぇ....たしかに意外な正体でした。 これまで「ロンゲルゲ」によく登場してきた、けっこう残酷なことを実行したり計画したりしながらもどこかペーソス漂う(まあコンプレックスが強い故とも言えましょうか) なんとなく憎みきれないキャラの性格をまたもや受け継いでましたかネ。
まあ、『なぜアイドルの卵がこんな不思議な鏡を持っていたのか?』考えたら不思議な点も有りますが、 ハッピーエンドで終わってなによりでした。これで気持ち良く新年を迎えることができました(^_^ )。 でも最初っから男の子たちだと分っていれば何も事件は起こらなかったんですよね(笑)、 あるいは最初っから > 「この世でいちばん美しい髪の女はだあれ?」 と聞いていれば(^_^ )。

> テレビドラマの『うちなきこ』 .... ははーー、「●情するなら、○ネをくれ!」で一世を風靡した(?)あれですな??(^_^ )
> 「髪伊良美だ」 .... 脇役で出ていただけなのにちゃんと名前が知られてるってことは、やはり、この名前は髪フェチ男にとっては 1度見ると強く印象付けられる名前のようですネ! あれ、でも > 「公之くん、髪伊良美っていう子、知ってる?え?知らない?そうなの」 .... 知らないヒトはやっぱり知らないんだ(^_^ )。
まあ名は体を表すというか、いかにも髪が綺麗で髪に対してプライドを持っている少女らしい名前ですヨネ。 とは言えこれまで私、苗字に ‘髪’ という文字が入ったヒトって見たことが有りませんが ....もしかしたら芸名なのカナ?(^_^ ) それにしても、 > 「わたし、自分の顔や体形に自信がないので、髪の毛だけはほかの女の子よりきれいでいたい」 .... なんか、顔とスタイルが悪いけど髪だけは長くて綺麗というキャラがよく出てきますネーー(笑)。

> はいはい、女性限定ですね。それは髪伊良美さま、あなたです」 .... なんという高度な判断力!! もしかして人工知能内蔵の鏡!? はたまた生命をもった鏡!?!?  それにしても日本に居ながらにして、世界中の約30億の女性の髪をすべて知り尽くしている 鏡なんですネーーー(^_^ )。
> 周囲の者も、ただ唖然としていたが、美江子だけは何かひらめいた・・・「わたしたちの学芸会に出ない?」 .... いや〜〜すごい適応力の速さですネーー。普通の人ならこんな鏡見せられたら しばらくは茫然自失で何も考えられなくなるでしょうけどねぇ。 今回学芸会が舞台だったことも忘れずに最後に付け加えられたことも素晴らしかったです。
> 「世界一髪の毛がきれいな女の子なんだから」 .... 鏡が告げた言葉をそのまま受け取って、即その場で “世界一髪が綺麗な女性” と認定してしまうのも すごいですヨネ^^。ま、それだけ肉眼で見ると本当に綺麗な髪なんでしょうかネ。

> 「あなたたち、男の方なんですか?」「おいおい、急に目を輝かせているぞ」「でも、男の子だったらいいです」 .... このあたりがホノボノとしていて、今回実に良かったですネ。 長髪流毛さんが最後に > 「女の子だとだめで、男の子なら構わないって、よくわからないわね」 と不思議がってましたが、多分この良美ちゃん、男子に殆どもてないんでしょうねぇ??  でも心と体は男子を欲しているから思わず興奮している、まあ所謂健全な乙女心じゃあないですか??
そして自分よりも綺麗な髪の持ち主が全員男子だと分るや、 > 「まあ、ごていねいにありがとうございます」 と、女子に対しても素直に優しくなった性格の変化がまた面白かったです。
まあ、この良美ちゃん、このままロンゲルゲにもされず(?)、気持ちもスッキリ晴れ晴れとしたようで、 「PART6(仮面の少女 編)」 (と、私は勝手に名付けました ^_^ )はめでたく大団円となりましたね。 ヨカッタ、ヨカッタ。

ですが、前回の冒頭でおっしゃってましたが、 次のシリーズ「PART7」はどうやら、久々に長髪流毛さんが本領を発揮して、 怪奇色・恐怖色強い内容になりそうですね?? 故障中の水晶玉も直ってるのかしらねぇ? ....次回からの新シリーズもたいへん楽しみでございます。
それでは、「吸血怪人ロンゲルゲ」第三十六話「白雪姫の継母は本当は優しい?」のご執筆とご発表、 本当にありがとうございました。
「吸血怪人ロンゲルゲ」(ご感想)パート
髪伊良 さん  2007.1.13(Vol.754) 初出___Cont.No.kami006    
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「こんばんは」

遅れ馳せながら、あけましておめでとうございます、本年も宜しくお願い致します。
さっそくですが、長友三様SNAKEHEART様、ご感想ありがとうございました。
なかなか、少女の心理をとらえていらっしゃるようで、お二人にむしろ脱帽致します。
さぞかし、芸能界というのも大変な世界なのでしょうね。
どうにか、苦し紛れにないそうなところで、年末にまとめることができてよかったと思います。
果たして、このほのぼのとした世界はずっと続けていられるのか…というわけにもいかないですね。
他の方々の作品も出揃ったようで、互いに盛り上げていきたいですね。

<編集・発行者からの御礼>
髪伊良 さん、長友三さん(&私 ^_^ )のご感想へのレス、ありがとうございました。

> このほのぼのとした世界はずっと続けていられるのか…というわけにもいかないですね .... まあ、ホラーですから、ずっとほのぼのしっぱなしってことはないでしょうネ(^_^ )
次回から始まる新シリーズがまたまた楽しみでございます。
「吸血怪人ロンゲルゲ」(ご感想)パート
アールジェタン さん  2007.2.13(Vol.761) 初出___Cont.No.R003    
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 先日は、バージン・ヘアに感想を下さいまして、有難うございます。

 仮面の少女というのは、テレビや他の作品(髪長美少女戦士サーラ等)にもよく登場しますが、それにしても、髪伊良美というネーミングからして、かなりご自身の思い入れがあると推測できます。今後も何らかの形で再登場してきそうですね。

 それから、前話で変身した7人の子供達も気になるところです。彼等の活躍で、日本中の男子も女子も皆、美髪にしてしまいましょう。

アールジェタン さん、「吸血怪人ロンゲルゲ」にご感想をくださいまして、
まことにありがとうございました。

by SNAKEHEART(HP編集・発行者)

「吸血怪人ロンゲルゲ」(ご感想)パート
髪伊良 さん  2007.2.17(Vol.762) 初出___Cont.No.kami007    
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「アールジェタンさんへの御礼」

このたびは、「ロンゲルゲ」にご感想いただき、こちらこそありがとうございました。

>それにしても、髪伊良美というネーミングからして、かなりご自身の思い入れがあると推測できます。
前回のコメントで書き忘れたのですが「髪伊良美」というのは、もちろん本名のつもりではなくて当然芸名としてであるので、必ずしも私の思い入れがあるキャラではなく、急遽苦し紛れに考え出したもので、もしこれが実際に活躍されているアイドルさんの名前とかにダブったら、差し障りがありそうなので、こうして自分のネームを使ったというわけで。

>今後も何らかの形で再登場してきそうですね。
ところがすみません。いまのところ再登場させる考えはないんです。でも、出てきてほしいという要望でも高まってくれば、検討するかもしれませんが(?)。
そうですね。新たに加わった7人の子供たちについても、どのような機能?を施していくか、いろいろ考えておりますので御楽しみに。

「バージン・ヘア」のほうも、ぜひがんばってくださいませ。
「吸血怪人ロンゲルゲ」(ご感想)パート
AAA さん  2007.4.22(Vol.771) 初出___Cont.No.AAA001    
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[吸血怪人ロンゲルゲの最新作の感想]

『世界一のロングヘアー』のご感想ありがとうございます。 最新作、読ませて頂きました!!「世界一髪の長い女の子」も良いですけど、「世界一髪の美しい女の子」にも憧れますね。男の子なら自分より髪が美しくても許せるけど女の子なら許せない、っていうところもまた面白いですね(^^)続きを楽しみにしてます☆

AAA さん、「吸血怪人ロンゲルゲ」にご感想をくださいまして、
まことにありがとうございました。

by SNAKEHEART(HP編集・発行者)

「吸血怪人ロンゲルゲ」(ご感想)パート
髪伊良 さん  2007.5.27(Vol.775) 初出___Cont.No.kami008    
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「AAAさんへの御礼」

こんばんは。
長いことさぼってしまってすみません。
AAAさんからのご感想 が来ていたことも、うっかり1ヶ月以上も気づいていなくて、大変申し訳ありませんでした。

そうですね。ただ長いよりもやっぱりきれいな髪であることが大切だと思いますからね。
そのきれいな長い黒髪こそ、男女問わず人の心を魅了してしまうわけですから。
きれいでない髪ではどんな長くても人を操ることはできないでしょう(笑)。
もっとも、女の子からすれば男の子に対しては美しいのは許せるけど自分より男の子のほうが長いのは女の子としては許せないというのも拙作中にはあり、男の子がそういう女の子にいじめられています(笑)。

もう少ししたら、再開しますので、御楽しみに御待ちくださいませ。






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どうかご理解の程、お願い申し上げます。


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  2. 下図を参考に、感想の投稿メールをお作り下さい(OUTLOOK EXPRESSの例)。

    @(必須).... “宛先” 欄に、bh4su59g0@kcn.ne.jpb と 半角英数字で手入力してください。
               (↑ ウイルス・SPAM防止のために、これは全角英数字です)
    ただし実はこの前と後の2つのbの文字はニセ文字ですので、
    後で送信の直前に消す事になります(→ ステップ V)。
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    追伸 とご明記ください(この部分はHPには載せませんので)

    @〜Cはもし1つでも欠けていましたら、 HPに掲載できない場合が有りますので、お気をつけください。

  3. 上の@で 宛先欄に入力した bh4su59g0@kcn.ne.jpb から 前と後の2つのbの文字を消してください
                      (↑ つまり、2つのbで囲まれた h4・・・jp が本当のメルアドなのです)

  4. そして、送信してください。

1日も早く、ウイルス・迷惑(SPAM)メールが絶滅しますように!(怒)



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(勿論ウイルス・迷惑メール対策のためですが、ただし1度上手く送れれば、2度目以降は楽だと思います ^_^ )
このメールは当然、HPには掲載いたしませんので、ご安心ください。


  1. メールソフトを起動して、メールの作成ウインドウを開いてください。

  2. 下図を参考に、メールをお作り下さい(OUTLOOK EXPRESSの例)。

    @(必須).... “宛先” 欄に、bh4su59g0@kcn.ne.jpb と 半角英数字で手入力してください。
               (↑ ウイルス・SPAM防止のために、これは全角英数字です)
    ただし実はこの前と後の2つのbの文字はニセ文字ですので、
    後で送信の直前に消す事になります(→ ステップ V)。
    A.... “件名” は適当で結構ですが、「○○への投稿」という件名だけはしないでください。 (紛らわしくなりますので)
    B(必須).... 当然、本文は“必須” になりますヨネ(笑)


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                      (↑ つまり、2つのbで囲まれた h4・・・jp が本当のメルアドなのです)

  4. そして、送信してください。

1日も早く、ウイルス・迷惑(SPAM)メールが絶滅しますように!(激怒)