| 第二十三話[終業式T]: |
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2006.12.26投稿、2007.1.1(Vol.750)掲載___Cont.No.AAA23
第二十四話へ
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時が経つのは本当に早いものでここまでに色々なことがあったが、あっという間に中学3年生の冬に突入した。
だから、今だに入学した頃のことをまだ昨日のことの様に思う。ちなみに私の中学は私立なので、エスカレーター式で付属の高校に進学することが出来るので受験勉強をする必要は無かった。
髪は……………勿論あれからずっと伸ばし続けている。髪を伸ばし始めてからもうすぐ丸3年になるが、入学時はあれ程短かった髪も今ではもうお尻がスッポリと隠れるくらい(座ると毛先が地面に着く)までに伸びている。
前髪もお腹の辺りまで伸びている。こうなったらもう誰にも止めることは出来ない。私の髪はひたすら長く長く長く伸びていくだけである。私は本当に人が変わった。髪が長く伸び、化粧もするようになったので小学生時代の男っぽい面影はもう完全に無くなった。
その証拠に小学生の時以来久しく会っていなかった近所の人達に会うと、髪の長さや風貌に対して良くも悪くも本当に驚かれる。
ちなみに高校3年生になる私の姉も髪を伸ばし続けていて(私が髪を伸ばし始める以前から髪を伸ばし始めていた)、ふくらはぎに届くまでに長く伸びた。最近では髪について姉と言い争うことが多くなった。それだけお互いの髪が以前に比べて長く伸びたということだろう。
とりあえず簡単な近況報告はこれぐらいにしておこう。そして今日は第2学期の終業式がある。
(約2年ぶりに再開です。本当に長い間お待たせしました。そしてこれからもよろしくお願いします。)
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| 第二十四話[終業式U]: |
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2007.4.22(Vol.771)初出___Cont.No.AAA24
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終業式……終業式自体は特に大したイベントも無く、例年通り普通に終了した。ただ今日は終業式の後に、高等部を卒業した先輩が、私が所属しているバスケ部のコーチをするために学校に来てくれることになっていた。
ちなみに、その先輩とは横田先輩である。(第9話参照)
先輩は、大学受験のために早々と部活を引退してしまって、しかも卒業式も受験の日と重なって出席されなかったので、約2年半ぶりの再会ということになる。
私は先輩との再会を心待ちにしていた。先輩が私達後輩をよく可愛いがってくれたことを、今でもよく覚えている。
しかし、最も気になることは先輩の「髪」のことである。「あの長過ぎる髪は今は一体どのようになっているのか。短くなっているのか。それとも、今もまだ尚伸ばし続けているのか。だとしたらどれぐらいの長さになっているのか。」そんなことで終業式の時から私の頭の中はいっぱいだった。
また、先輩が今の私を見てどのような反応をするのか、ということも非常に興味があった。きっと私の髪の長さに驚いてくれるだろう。
午後になって、バスケ部の練習が始まった。そこにはまだ、横田先輩の姿は無かった。しかし、いつものようにウォーミングアップを始めようとした時、体育館に先輩が姿を現した。
皆が一斉に先輩に注目した。本当に久しぶりの再会である。先輩の格好は、ジャージにウインドブレーカー、そして頭の方に目をやると…………………少し大き目の毛糸の帽子を被っていた。
先輩が帽子を被っているのを見たのは今日が初めてだったので、「もしかして先輩は髪を切ったのか。」と思い、少しガッカリした。が、「でも、とうとうあの憧れの先輩よりも私は髪が長くなったんだ。」とすぐに思い直した。
休憩中に私は横田先輩に呼ばれた。
「久しぶり。随分と上達したね。(横田)」
「お久しぶりです。ありがとうございます。(私)」
「ってかすごく髪伸びたよね?あまりに髪が長くなってたから一瞬誰だか分からなかったよ。(横田)」
「お陰様でついに座ると床に着くぐらいの長さになりましたよ。ほら、こんな感じで。(私)」と私は2つ折りにしているポニーテールを解いてみせた。
「ふ〜ん、それはそれは。(横田)」と先輩は少しバカにしたような返事をした。私はその返事が少し気になったが、
「先輩は髪を切られたのですか?」とすぐに切り返した。
「……………。(横田)」私はマズイことを聞いちゃったかな、と思い、すぐに先輩に謝った。すると先輩は突然立ち上がり、被っている少しブカブカの毛糸の帽子に手をやり、ゆっくりと取ろうとした。
つ づ く
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< 最 新 投 稿 >
| 第二十五話[修学旅行T]: |
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2008.10.21(Vol.858) 初出___Cont.No.AAA25
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私は今、修学旅行で中国にいる。中学を卒業し、高校2年になった。
長時間のバス移動を終え、ホテルに到着した。そのまま部屋に移動して、お団子にしていた髪を解き放った。漆黒でサラサラの髪の毛先は腰、お尻をゆうに超え、ふくらはぎにまで達していた。髪を伸ばし始めて、とうとう5年目に突入したのだ。自分の長い長い髪を解きながら、私はふと横田先輩のことを思い出した。初めて先輩と出会った時、私は中学1年、先輩は高校2年。私も当時の先輩と同じ高校2年になったのだ。長さはまだまだ先輩には遠く及ばないが、少しは先輩に近付いたように感じた。
(回想)
約1年半前のある日の体育館での出来事。
「先輩は髪を切られたのですか?(私)」
「…………………。」毛糸の帽子に手を伸ばし、ゆっくりと取ろうとする。(先輩)
『パサパサパサパサ〜………。』
勢いよく帽子から髪が飛び出し、一瞬にして先輩がとてつもなく長ーーーーーーーい黒髪に覆われた。見た感じ、2m以上は軽くありそうだ。
「どう?私の長い髪??あれからまた随分伸びたのよ。(先輩)」
「………………。(私)」
あれから1年半経ったが、私は未だにこの出来事の一部始終をはっきりと覚えている。
「あの髪の長さにも関わらず、先輩はまだ21歳。先輩の髪は一体どこまで伸び続けるのだろうか……。」私は呟いた。
つ づ く
(お久しぶりになります。続きが遅くなって、大変申し訳ありませんでした。駄文ではありますが、また読んで頂けると嬉しく思います。)
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