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< 目   次 >
予 告 編   .......2003.8.17(Vol.410)
 
第 一 話 「ロンゲルゲの侵略」   .......2003.9.3(Vol.414)
第 二 話 「髪の毛が長くなった男の子」   .......2003.9.13(Vol.418)
第 三 話 「長髪流毛のたくらみ   .......2003.9.23(Vol.420)
第 四 話 「黒髪に光る目」   .......2003.10.3(Vol.427)
第 五 話 「少女に与えられた特権」   .......2003.10.13(Vol.431)
第 六 話 「悪魔化する少女たち」   .......2003.10.23(Vol.435)
第 七 話 「人食い髪」   .......2003.11.3(Vol.440) イメージイラスト付
第 八 話 「女の子がこわい!」   .......2003.11.13(Vol.442)
 
ご  感  想


第九  〜  十二話は、 “PART2”
第十三 〜  十八話は、 “PART3”
第十九 〜 二十四話は、 “PART4”
第二十五 〜 三十話は、 “PART5”
第三十一 〜 三十六話は、 “PART6”
第三十七 〜 四十話は、 “PART7”
第四十一話以降は、 “PART8” をご参照のこと。






2003.8.17(Vol.410) 初出___Cont.No.kamil00    第一話へ 目次へトップへ

 管理人様、お久しぶりです。暑中お見舞い申し上げます。また、夜分遅くに失礼します(でも、夜遅くがちょうどいいかも)。
 このたびはまた、納涼コーナーにわたしが以前お送りしたものを再度掲載させていただきありがとうございます。
 引き続き、作品をお送りしたいと思っているのですが、というより、すでにこちらにできてございます。
 その前に、実はお願いがございまして、と、申しますのは今回、図々しくも水島由香さんをちょっとお借りしたいなあと思いまして、このようになった次第です。

「こんばんは。」
「はじめまして。わたし、髪伊良と申します。水島由香さんでいらっしゃいますね。ようこそ。」
「はい。水島由香と申します。髪伊良さん。よろしくお願いします。」
「こちらこそ、よろしく。さっそくですが。」
「はい、なんでも私に映画の主役をやっていただきたいとお聞きしたのですが、ほんとうなんですか?」
「そのとおりです。ほんとうにわざわざお越しいただいてありがとうございます。」
「ええ、そんな、私も楽しみにしていたのですが、きれいな女優さんとかたくさんいらっしゃるのに、またどうして私に。」
「決まっているでしょう。あなたのそのすてきな長い黒髪、いっしょに出演しようとしている人がみんな、かつらではなくて本物の超長い髪の毛の方でないと絶対にだめだというんです。原作にも登場人物がいちおう長い髪の毛の持ち主ということになってるんで、それで全国いろいろ探してあなたのことを見つけさせていただいたのです。」
「まあ、そうだったのですか、この私の髪の毛を目にとめていただいたんですね。」
「ほんと、いま見るとほんとにきれいだなあ。」
「ありがとうございます。ところで、映画の主役というのは、もしかして平安時代のお姫さまかしら。」
「いいえ、ちがいます。現代ものです。」
「現代なんですか、じゃあ、何の役かしら。もしかして美容師さん?それともOLとか看護婦さんかしら。」
「いえ、実は学校の先生をやっていただきたいと思いまして。」
「ええっ?先生ですか。金八先生のような学園ものですか?学校は中学ですか、それとも女子校ですか?」
「いえ、ちがいます。いちおう、小学校の高学年の先生です。」
「小学校の先生?合うかしら。子どもは好きだと思うんですが、ほとんど接したことないし。」
「子どもは好きですか。それならだいじょうぶですよ。そうだな、もうめんどうだから、台本見せましょう。これです。ちょっと題名をどうしようかまだ決まっていなかったので、表紙が白紙になっていますが。」
「まあ、たくさんありそうですね、で、私がやらせていただくのは。」
「これです、ほら。」
「えーと、長いという字に髪、流れる、毛ってチョウハツリュウゲっていうんですか。」
「ははは、髪の毛はたしかに長いから長髪という字ですけど、これでオサゲルゲと読むんです。」
「オサゲルゲというのが名前なんですか?変わった名前ですね。どんなお話かしら。」
「ずっとお読みになっていただければおわかりいただけます。」
「まあ、えーと、ふーん…、まあ、私、子どもたちを襲うんですか?え、ええっ?これって、もしかしてホラーですか?私、吸血鬼の役なんですか?」
「そのとおりです。宇宙から地球を侵略に来て子どもたちの血を吸って奴隷にしてしまい、世界の女王になる役です。」
「そんな、私、やれるかしら。」
「だいじょうぶです。わたしがしっかり教えてあげますから、こうやって、うふふふ。」
「髪伊良さん、とつぜんどうしたんですか。顔が、口から牙が出てきて、きゃあーっ!」
「うふふふ、わたしはあなたのような長い髪の毛の方を見ると襲って血が吸いたくなるバンパイヤなのです。わたしに血を吸われてあなたも吸血鬼になれば、この映画で最高の演技ができて一躍大スターになれますよ。うふふふふ、さあ、そのきれいな黒髪におおわれた首から血を…。」
「いやあーっ!やめてーっ!」
「うふふふふ、出演するほかの者も、吸血鬼にされるならだれに血を吸われてなりたいかというアンケートをとったら、だんとつで由香さんが1位だったので、あなたを吸血鬼にすればみんなは喜んであなたに襲われる役をやりますよ。みんな、あなたのような長い髪の方が好きで、長い髪の毛に包まれながらかみつかれてしまいたいと思っているようですな。うふふふふ。」
「きゃーっ!」
「がぶっ!くくくく。」

 ということで、これはいちおう冗談にしておいて…にしても度が過ぎるかもしれませんが、さて、とにかく長い髪が好きな方、長い髪の女性に襲われてみたい方また襲ってみたい方、自分も女性のように髪の毛を長くしておさげなどしてみたいと思う方、いろいろいらっしゃるかもしれませんが、そんな方々がゾクゾクとするお話をお届けしてみたいという作品を、これから連載方式で始めたいと思います。本話はもちろん由香さんとしては出てきませんが、いちおう由香さんが役をやっている長髪流毛という女教師としてご想像いただければと思います。

あっ、ただいまタイトルが決まりました。


 宇宙のロングヘア星から地球侵略にやってきた悪魔の怪人、その女王の名は長髪流毛(オサゲルゲ)。髪の毛が長い女性と、髪の長い女性が好きな男性をまずターゲットにして、つかまり襲われて血を吸われた者は長髪流毛の手下の怪人つまりロンゲルゲになってしまうという。ロンゲルゲになった者は更に別の人間を襲って仲間にする吸血鬼として人々を恐怖におとしいれていく。さあ、その恐怖はあなたにも迫る、ひひひひ…。

 ちょっと内容を見てみたい?では、本文で実は没になった部分を(そういうの没というのかな?)。

 小学校三年生の喜久夫は、クラスは違って隣にいるが同じ学年にいる尋子のことを好きになっていた。理由はもちろん、お尻の上にまで垂れている二本の長い三つ編みのおさげ髪にあった。朝礼の時は少し横に出るとその背中がよく見える位置にあるので、いつも尋子の長いおさげ髪の白いヘアゴムの巻かれたそれぞれの毛先を見ては胸をときめかせていた。
 ある夜中のこと、寝床に入っていた喜久夫は、奇妙な夢を見ていた。白い煙のなかからとつぜん、きらびやかなまるで龍宮城の乙姫様のような服を着ていた女が現われた。しかも、頭には幾重にも巻いた黒髪が見え、ほどくとまちがいなく地面に着くぐらいはあるだろう。実は、このお話で水島由香さん演ずる妖怪「長髪流毛(おさげるげ)」なのである。
「だれ、先生ですか?」
「おーほっほっほ。私は先生ではない。神様だ。」
「神様?うそだろ。そんなのいるわけないよ。」
「うそでない証拠に、おまえの願いをひとつだけかなえてあげよう。なにがいい?」
「えっ?ほんとうに。そうだなあ、成績が上がっておこづかいがいまよりふえるようになるとか。」!
「夢のないやつだな。第一、ひとつだけと言ったのだからどっちかにしなきゃだめだ。それに、成績を上げるといたって1回しかできないし、おこづかいも一度ふえたらそれ以上あがらない、それでよいのか。」
「わかった、そうだな、じゃあこういうのは?」
「どんなことだ、言ってみよ。」
「そうだ、となりのクラスにいるいちばん髪の毛の長い女の子がぼくのこと好きになるようにというのは。」
「おまえ、その子のことほんとうに好きなのか、わたしにはそう思えないね。」
「えっ?」
「わたしは、おまえがほしいのは女の子ではなく、女の子のしている長い髪の毛だと思う。どうじゃ、おまえの心などお見通しだろう。」
「えっ、うーん、たしかにそうかも。」
「ふふふふ。やっぱり、おまえは、長い髪の毛の女の子を見て、自分もあんなふうになりたいとうらやましがっているだけなんだよ。男の子のくせに、女の子みたいになりたいと思っているんだろう。」
「ええ、じゃあ、神様、ぼくを女の子にしてください。」
「きける願いはひとつじゃ。それに、勝手に性を変えることはかんたんにできぬ。さっき言ったお金をふやすのも許されないことじゃ。まず女の子になれたからといって、すぐに髪の毛を伸ばせるわけではないし、おまえの親も許さないだろう。さっきも言ったように、おまえがほしいのは長い髪の毛そのもののはずじゃ。これならすぐかなえることができる。」
「ほんとうですか、じゃあ、そうしてください。」
「おほほほほ、それでは、どろーん…。」
「あっ、煙が…。」
 そして、まだ真夜中の3時頃という時であった。
「はっ、なんだ、夢か、待てよ、なんか頭が重いな。なんか肩にかかってるみたいだ。」
 喜久夫は、ベッドから起き上がってみたが、頭が引きずられるように感じた。そして、肩から背中にかかっているものを手でひとにぎりにしてひっぱってみると、自分の頭が痛く感じられた。
「いたい、なんだろう、なにかが取りついているみたいだ。そうだ、洗面台の鏡を見てみよう。」
 部屋を出て喜久夫は洗面所の灯りをつけた。そして、鏡を見て驚いてしまった。
「や、やだ、夢のなかで神様が言ったように、ほんとうにぼくの髪の毛が…。」
 まさしく、喜久夫の頭からはいつのまにか女の子顔負けの長い黒髪が伸びていて、おろすと腰のあたりにまで達していたのである。
「まさか、
どこかのお話)みたいに、長い髪の毛の女の子を死なせたり殺したりしたから起きたたたりじゃあ。ぼくは生まれてから一度も女の子に暴力ふるったこともないのに。」
 喜久夫のむしろ女々しい性格は、女の子に対しては暴力どころか話しかけることもできないほど大の苦手であった。もちろん、あこがれている尋子とは一度もしゃべったことはない。
 どうしようかと途方に暮れる間もなく、ママと妹の真理も起き出してきたのである。
「や、やだ、どうしよう、ママはぼくのこんな髪の毛を見たら絶対におこる。パパの浮気相手が髪の長い女の人だったから、真理にも絶対に長くさせないのに…。」
 しかし、この場ではもう逃げ場はなかった。しかたなく、自分の姿を喜久夫はママに見せた。
「おほほほ。喜久夫、どうしたの、こんな真夜中に。」
「ママ、おかしいな。こんな姿見ておこることもおどろきもしないし。」
 それどころか、ママは喜久夫の背中にまわって洗面所にあったヘアブラシを取り出し、喜久夫の髪をすきはじめたのである。
「ママ…。」
「ほら、こんなに乱れてたらおばけみたいだから、そうだわ、真理、ちょっとてつだって。」
「はい、ママ。」
 妹の真理も、なにか答え方がうつろな感じで元気がないように喜久夫は思った。ふつうなら、真理も自分のこんな長い髪の姿を初めて見たのだから驚いてもおかしくないと思うのに。
「ほら、喜久夫。」
「あっ。」
「おにいちゃん、こっちもできたわ。」
「喜久夫、もう一度鏡を見てごらん、似合うわ。ね、真理。」
「ほんと。」
 喜久夫の両方の肩からは、ママと妹がそれぞれ編んだ自分の三つ編みの髪の毛が垂らされていた。その毛先には白いヘアゴムがとめられていた。言われたように喜久夫はまた洗面台の鏡を見て、自分の、それこそ尋子と同じようなおさげの姿になったのを確かめていた。喜久夫はまた片方の編まれた自分の髪の毛先をつまんでは見つめていた。
「だけど、どうしてぼくにこんなことを、ふたりともさせるの?」
「おほほほ、喜久夫ちゃん、おまえはこれからロンゲルゲの一員になるのよ。」
「ええっ?なに?それ。」
「おほほほ、いまの地球では男の子は髪の毛を長くすることがほとんどできないみたいだけど、ロングヘア星では男の子も女の子も好きなように髪の毛を長く伸ばせるのよ。喜久夫ちゃんの学校にいるほかの男の子もみんな、好きな長さに髪を伸ばしてるわ。」
「そうよ、おにいちゃん、わたしもいまはおかっぱだけど、これから髪の毛をずっと伸ばせるのよ。ロンゲルゲになれたおかげでね。だから、おにいちゃんも仲間になるのよ。」
「ええっ?ママも真理もようすが…あっ。」
「うふふふふ。」
「うふふふふ。」
 ママと妹は不気味な笑いを浮かべて、やがて口をかーっと大きくあけてなかから牙をはやしたのであった。
「や、やだ、ママも真理も吸血鬼…。」
「おほほほ、そのとおりよ。わたしたちはロンゲルゲ。ママと真理と、どっちに血を吸われてロンゲルゲになるのがいいかしら。」
「た、たすけて…。」
 その時、玄関のドアをノックする音がした。
「ママ、だれか来たわ。」
「おほほほ、呼んでおいたからかぎをあけておいたわ。どうぞ。」
「お邪魔します。」
「あっ。」
 喜久夫が驚いたのは、入ってきた者が、そう、喜久夫が日頃から憧れていた、あの尋子だった。しかもママや真理と同じ寝間着姿で、長い髪の毛はいつもの三つ編みはほどいていて前後に両方の肩から垂らし、頭に水色のヘアバンドを巻いていた。
「さあ、うふふふ、礼儀正しい子ね。さあ、喜久夫ちゃん、よかったわ。どうせ逃げられないのだから、あなたの好きなこの子に血を吸ってもらって、ロンゲルゲになるといいわ。じゃあ、さっそく、うちの息子を襲って。」
「はい、おばさま。」
「ええっ?このきれいな女の子もロンゲルゲに…。」
 尋子も洗面所に入り、ついに喜久夫に迫ってきた。
「まあ、この子、わたしがいつも髪の毛にとめていた白いヘアゴムを使ってるわ。」
「えっ?君のゴムなの?じゃあ、はずして返すよ。」
「その必要はないわ。」
「ううっ!」
 尋子がとつぜん頭のなかから光線を放った。そして、その光線を浴びた喜久夫は身動きができなくなっていた。
「うふふふふ、わたしのヘアゴムに命令を入れるから、あなたはわたしの思いどおり動くようになるのよ。」
「ううっ、ううっ。」
 尋子がとうとう喜久夫の身体に正面から迫り、喜久夫の二本の三つ編みの髪の毛をなかほどから両手でそれぞれつまんで背中のほうにはらい、またその髪を握り直して強くひっぱりながら喜久夫の肩に首をもたれさせて抱きつきはじめた。尋子はさらに、喜久夫の肩に自分の前髪をばさっとかぶせて、喜久夫の首すじに顔を近づけてかーっと口を大きくあけ、牙をはやしてた。とうとう尋子は喜久夫の首にかみつき、血を吸いはじめたのであった。
「くくくく。血、血…。」
「うわーっ!」
「ふふふふ、これで喜久夫ちゃんもロンゲルゲの一員よ。」
 口に手を当てながら、喜久夫のママと妹の真理も不気味に笑い続けるのであった。

 (本題は、次回をお楽しみに)



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感 想





2003.9.3(Vol.414) 初出___Cont.No.kamil01    第二話へ 目次へトップへ


「きゃあーっ!」
「いーひっひっひ。いっひっひ。」
「やめてー!いやあー!」
「いっひっひっひ。」
 悲鳴と、かんだかい笑い声と、がぶっという強烈な音が、暗闇のなかで起こっていた。外はまだ昼であるが、ここはある小学校の理科準備室の、窓も見えない暗い一室だった。
 床には、ポタポタと血がしたたり落ちていた。その床の上を音もほとんどたてずに歩く者がいた。となりの理科室に通じる扉をこぶしでたたいていた。
 明りのうすくついていた理科室には、若い女教師がノートを整理していた姿があった。扉をたたく音がして、女教師が立ち上がり、その扉のノブをまわしてなかにいた者を招き入れた。
 女教師に招かれた者は、ストレートの髪の毛を前後に垂らしていて、前髪が胸のあたりまで、背中にも真ん中まで届くぐらいあった。下半身は児童用の上靴、そしてはいていたのは半ズボンだった。そしてさらに、その腕にはツインテールのやはり胸あたりまで届くぐらいはある髪の毛が垂れ下がっている少女が横になって抱きかかえられていた。もちろん、この少女はここの小学校の児童である。そして、少女を抱いていたのは…声が高くて長い髪の姿からしても女の子のようだったが、実は男の子でやはりここの小学校の男子児童であった。そして、その児童の口もとには赤い血が垂れて残っていた。少女の首には、その少年と同じ大きさの口でかみつかれた跡があった。
「先生、この女の子の血を吸いました。」
「おほほほ。ご苦労様。その子をそこの床に寝かせなさい。」
「はい、先生。」
 ゆっくりと、少年が抱いていた少女を女教師の命令通りに床におろした。
「さあ、おまえも目をさますのよ。」
 女教師は、少女の頭の上に両手をかけた。するとまもなく、少女の目がかっと見開いていた。そして、ゆっくりと起き上がり、その場に立っていった。
「おふたりとも、先生の前に立ってならびなさい。」
「はい。」
 ふたりの児童が同時に返事して、また女教師の命令通りにその場に直立したのであった。女教師が、不気味にまた話し始めた。
「うふふふふ、わたしの名は長髪流毛(おさげるげ)。ロングヘア星からやってきて、この地球を征服し、女王になるのが目的よ。おまえたち子どもたちの血がいちばんおいしい好物よ。おまえたちはどんなことでもわたしの命令にしたがう。」
「はい、先生。」
「はい、長髪流毛先生。」
 ふたりは、首を軽く前に振った。
「おーほっほっほ、ふたりともこれで、今日からりっぱなロンゲルゲの吸血鬼よ。」




「まず、男の子のほうにきくわね。おまえは、何年生?」
六年生です。」
 男子児童が答えた。
「家族は?」
「両親とぼくだけで、ひとりっこです。」
「そう、じゃあ、こんどは女の子のほう、まず、何年生?」
五年生です。」
「そう、家族は?」
「両親と、おねえちゃんと妹がいます。」
「じゃあ、あなたは三人姉妹のまんなかということね。ちなみに、おねえさんと妹は、あなたと同じように髪の毛が長いの?」
「おねえちゃんは腰のところまで長くしてるけど、妹はおかっぱです。」
 女教師は、少女のツインテールの髪をなでながらまた話をつづけた。
「うふふふ、わかったわ。あなたはさっそく、おうちに帰ってまず妹さんを襲って吸血鬼にしなさい。おねえさんのほうはこの男の子に襲わせるわ。そして子どもたちがみな吸血鬼になったら、女の子たちだけで両方の親を襲うのよ、ふふふふ。」
「先生、わかりました、さっそく行ってきます。」
 少女はすばやく理科室の外に出ていき、女教師と男子児童が残っていた。!
「おほほほ、あの女の子からたっぷり血を吸ったようね。」
「はい、先生。」
「じゃあ、おまえはもういちどわたしが血を吸うわ。それから、あの女の子の家に行ってくるのよ。」
「はい。」
 女教師は、男子児童の長い髪を片手でなではじめた。男子児童の頭には、白い布のヘアバンドが巻かれていた。もともとは、この女教師のもので、男子児童をあやつるために巻き付けていた、恐ろしい悪魔のヘア小物なのである。
「うふふふふ。おまえをまず最初の実験に使って成功だったわ。わたしたちは、ロンゲルゲ。その名のとおり、この地球上の人間をすべてロングヘアにしてわたしの下僕にするのがこの地球にやってきた目的よ。おまえは髪の毛が長い女の子が好みのようだから、わたしの狙いにかなったかっこうの獲物よ。はじめてわたしの髪の毛を見たときもじろじろ見ていたのがわかっていたし。」
 そういうと、女教師は髪止めをはずし、頭に巻いていた黒髪をばさっとおろしたのであった。その髪の長さは膝をこえてもう少しで床にとどきそうなところまであった
「さあ、もういちど。」
 女教師は男子児童の両サイドの前髪も背中のほうにはらうと、ばさっと男子児童の肩に自分の黒髪をかぶせ、男子児童の首にかみつきだした。恐ろしい牙がはえて男子児童の血がしたたり、何度も女教師が舌ですくいあげていくのであった。その間男子児童はうつろに目をあけてじっと立ったまま、まさに女教師の人形のようだった。
 男子児童の肩から背中にゆったりと広がっている黒髪は、実は女教師が襲いながら、さきほどこの男子児童が襲っていた少女と同じように長くさせていたのである。この恐ろしい女教師は、髪の毛の長い女の子と、そういう女の子を好みにしている男の子を狙って下僕にしようとする恐ろしい妖怪なのである。では、短い者なら狙わないかというと、実はそうではない。髪の短い者は実は殺すというのである。ただ、子供たちにはこれから髪の伸びる可能性もあることから、すぐに皆殺しにはせず、時が来たら下僕の少女を使って殺させて地上の者全員をロンゲルゲにしてしまおうという、恐ろしい計画を企てていたのである。
「そういえば、おまえの名前をきいてなかったわ。なんというの?」
昌浩です。」
 やっと、この男子児童が話を始めた。
「女の子のほうの名前や家はわかるの?」
「すぐ近くに住んでいる、摩亜弥という子です。」
「おほほほほ、じゃあ、一年下だけど、遊んだこととかあるのね。」
「いえ、ないです。話したこともないです。よく見かけるのでかわいいと思って気にしていました。」
「そう。うふふふふ、ちゃんと吸血鬼になる前のこともおぼえているわね。でも、すっかり吸血鬼になりきってるわ。うふふふ、でも、先生に血を吸われると、気持ちいいでしょ。」
「はい、とっても。」
「髪の毛こんなに伸びたのもうれしいでしょ。」
「はい。すごく気に入って、自分でもこうふんしちゃいます。ずっと、このまま自分の髪の毛を長くしていたいです。」
「おほほほ、すっかり悪魔の心になりきったようね。これで、またあなたも、べつの女の子を襲いたくなるわ。もう、ひとりの女の子を襲って吸血鬼にしたのだから、あなたはもう立派な吸血鬼よ。」


 その、摩亜弥という少女の帰宅した家では妹がすでに帰っていた。
「あ、摩亜弥ねえちゃん、おかえり。」
 だが、その場をすぐ通りすぎていってしまったため、妹はけげんな表情をした。
 すぐその後に姉が帰ってきた。中学の制服を着て、さきほど摩亜弥を襲った少年の好みどおり、長くした黒髪は両サイドの前髪を後ろに黒いヘアゴムでたばねて後ろの髪といっしょに背中を覆っていた。
「ただいま。」
「あ、おかえり。京香ねえちゃん。ねえ。」
「どうしたの、嗣代ちゃん。」
「摩亜弥ねえちゃんのようすがおかしいの、ぜんぜんしゃべらないの。」
「なんかいやなことでもあったんでしょう。ごめんね、わたし、宿題やらなくちゃいけないから、終わったらわたしが遊んであげるから。」
「ほんとう?うれしいな。」
 姉の名は京香、妹の名は嗣代で幼稚園に通っていた。
 嗣代は、摩亜弥のようすを見ようと部屋のほうへ入っていった。嗣代のほうに背中を向けたまま、摩亜弥がうつろな姿で立っていた。
「摩亜弥ねえちゃん…あっ。」
 ツインテールの黒髪をとつぜん真横に舞い上がらせながら、摩亜弥が嗣代のほうを振りむき出した。すぐその場で不気味な笑いを始めた。
「う…ふ…ふ…ふ。」
「摩亜弥ねえちゃん、急に、どうしたの、ああっ!」
 摩亜弥の目が光り、口から牙も光り出してあらわれ、すぐに嗣代の首を目がけてとびついてきた。
「くくくく。」
「きゃーっ!」
「な、なにかしら、摩亜弥の部屋のほうだわ。悲鳴が聞こえてきたわ。」
 姉の京香もおどろいて摩亜弥の部屋のほうにかけつけたが、部屋ではふたりがならんで立ったままであった。
「さっきの悲鳴は、なにかあったの。」
「なんでもないわよ、京香ねえちゃん。」
「摩亜弥のようすが変だっていってたけど、だいじょうぶなの?嗣代ちゃん。」
「摩亜弥ねえちゃんは、なんともないわよ。京香ねえちゃんは自分の部屋でゆっくり宿題やっててよ。」
「わかったわ。」
 京香の出ていった後、ふたりの妹は不気味な笑いを始めた。
「うふふふふ。」
「嗣代もロンゲルゲの一員よ。さあ、嗣代はママが帰ってきたら襲うのよ。パパは京香ねえちゃんに襲わせるわ。」
「京香ねえちゃんはどうするの?まだ、ロンゲルゲになってないわ。」
「もうすぐなるのよ。ほら、来たわ。」
 摩亜弥を吸血鬼にしていた昌浩が家に招かれて入り、さらに京香の部屋に向かっていたのである。
 京香は、自分の部屋をあけっぱなしにしていてこの間トイレに寄っていた。そのため、あいていた京香の部屋に昌浩はすんなり入ってベッドの下に隠れ、京香を待っていたのである。
「ふふふふ。」
 京香が戻ってきて、また学習机の前の椅子にすわろうとした時、昌浩が京香の長い黒髪に覆われた背中を目がけてとびかかりはじめていた。
「うっ、背中に、なに?あっ。」
 京香の両方の脇の下から、別の人間の手が出て来て首のほうへ伸ばそうとしていた。
「くくくく。」
「きゃ、きゃあーっ!」
(つづく)



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感 想





2003..9.13(Vol.418) 初出___Cont.No.kamil02    第三話へ 目次へトップへ




「くくくく。」
「きゃ、きゃあーっ!」
 地球人を手下にして征服を狙うロンゲルゲの恐ろしい女吸血鬼、長髪流毛は、子どもたちの血を好物にしていた。自慢の美しく超長い黒髪によってある少年を誘いだし、少年が最初の犠牲者になった。少年も髪の毛が長い女の子を好みにしていたためロンゲルゲとして洗脳されてしまい、ひとりの少女を襲って仲間にしていった。
 少女の家に訪れたその少年は、少女の姉にまた襲いかかっていたのである。
 摩亜弥の姉、京香の首が前にがくんと垂れ、ひとつに後ろで束ねていた両サイドの前髪ごと片手でわしづかみにしながら、昌浩は京香の首すじに牙をつきたてて血を吸い始めていた。
「うっふっふっふ。仲間がふえていくわ。」
 水晶玉にそのシーンをうつしとっていたのは、恐ろしい女吸血鬼の長髪流毛で、この小学校に新人の教師としてなりすましていたのである。
「こんどはこの子どもたちが両親を、そして男の子のほうの両親も女の子たちに襲わせてロンゲルゲにしてやるわ。くくくく。」





 次の日の午後、小学校の六年一組の教室では、男子児童だけが残って授業を受けていた。
「女子はまだ戻ってこないのかよ。時間なくなっちゃうぞ。」
「帰りが遅くなるよな、おれたちの。」
「はいはい、静かに。女子が戻ってきたら、すぐ男子も保健室に行って体重測定に行けるよう準備していなさい。」
 担任の女教師が、児童たちをなだめていた。
「そしたら、はだかになっておいたほうがいいってこと?」
「こら、女子のみんながびっくりするでしょ。あ、戻ってきたようね。」
「よーし、じゃあ、みんな行っていいんだな。」
「行こう、いこう。」
「あ、ちょっと、男子たち、もう。ほんとにみんな気が早いんだから。」
 保健室を管理して体重測定をやろうとしていたのは、新人教師で理科の担当も兼ねていた、長髪流毛という女性教師だった。正体は恐ろしい吸血鬼で、前日もとなりのクラスの男子生徒をさっそく最初の犠牲者にしていたのである。宇宙のロングヘア星から来た侵略者で、その長い黒髪をいまは白い三角巾に巻いて隠していたが、ほどくと立っても床に届きそうな長さを持っている妖怪である。
「じゃあ、六年一組男子のみなさんは、こっちの理科室でパンツ1枚残して着ているものをみなぬいでいてください。ひとりずつ呼び出しますので待っていてくださいね。」
 全員が、保健室の隣にある理科室に誘導された。
「なんだい、ただ身長と体重をはかるだけなのに、どうしてまた待たされるんだい。」
「もう六時間目が終わるよ。帰りが遅くなっちゃうよ。」
「ぼくなんか、塾もあるのに。」
「おれもだよ。」
「ああっ、なんだいあれ。」
「ううっ、すごいけむりが。」
 理科室にある水道の蛇口から、奇妙なまだらの煙がはきだされてきたのである。それは大きくなって、やがて理科室全体を包みこみ、室内にいた男子全員の息を苦しくさせてきたのである。
「く、苦しい、なんだ、このけむりは。」
「あけろー。ドアを。」
「おかしい、だめだ。あかないぞ。」
「ううっ!」
 室内の部屋に煙が充満して、とうとう何人かが煙を吸ってばたばたと倒れはじめた。やがて、煙がおさまって消えた時にはすでに全員が倒れてしまっていた。
 そのころ、女子だけになっていた六年一組の教室では、担任の女教師が指示を出していた。六時限目の授業も終了のベルが鳴っていた。
「もう男子も時間がかかりそうだから、女子は今日だけみんなで掃除をやって終わったら帰っていいです。」
「わーい!」

 男子全員が倒れていた理科室で、ようやくひとりの男子が起きだした。やがて、少しずつ起きてきて、全員がほとんど同じ時に目覚めていた。しかし、その男子たちには奇妙なことが起こっていた。
「おい、おまえの頭、なんだそれ。」
「そういうおまえは。」
「頭じゃなくて、髪の毛だよ。」
「ああっ、まわりのみんなも。」
「どうなってんだ。」
「なんか、いつもにくらべて頭が重い気がする。」
「鏡見てみろよ。あそこの大きい鏡だよ。」
「あっ!」
 男子生徒の髪の毛が、ほとんど全員急に伸びていたのである。しかも、女子のように首がかくれる以上に、ある何人かはそろってマッシュルームになっていたり、ある者は肩までかかっていたりした。そして、ひとりだけだったが、栄二という者が腰から尻にとどくぐらいまで伸びていたのである。しかも背が高いほうであるから、長さも余計に目だっている。
「ど、どうしよう、こんな女みたいな髪の毛になって、外へ出られないよ。」
「ほんとだ、栄二だけがすごく長いけど、どうなってんだい。」
 そのとき、理科室の扉が開いた。出てきたのは長髪流毛先生だった。
「遅くなったから、出席順にその場で並んでください。もう、女子もほかのクラスも帰ったから、廊下には誰もいないからはだかでも出られます。並んだらそのまま私についていって保健室に入ってください。」
「はだかはまだいいよ。先生、この頭、ほかの人に見られたらどうするの?」
「まあ、みんな、髪の毛が急に伸びたのね。でも、いいじゃない。ひとりだけってわけじゃないから、みんなでいっしょに出てくれば恥ずかしいこともないのよ。」
「それもそうか、よし、みんないこうぜ。」
「先生、ぼくは…。」
 その時、栄二が、列からはずれて行くのをいやがった。
「あら、あなたはどうしたの?」
「ぼくはとくにひとりだけこんな長くなってるんだ。みんなに変な目で見られちゃうよ。」
「わかったわ。じゃあ、あなただけちょっと残っていなさい。」
 結局、栄二を除く全員が保健室に向かい、理科室には栄二と長髪流毛先生が残っていた。

「先生、どうやったらこんな長い髪の毛、隠すことができるんですか。」
「隠す?おほほほほ、どうして隠すっていうのかしら。」
「えっ?」
「長く伸びて困っているなら、ふつう切ろうっていうんじゃないの?そう考えなかったの?」
「ええ、たしかに。」
「うふふふ、その髪の毛はね、じつは切ることはできないのよ。先を少し切りそろえるぐらいならできるけど。」
「ええっ?切れない髪の毛?どうしよう。」
「困ることないわ。ほんとうは、あなたは自分の髪の毛を長くできて、うれしいんじゃなくて?」
「えっ?先生、いったい…。」
「できれば切りたくないと思っているわよ。先生には、あなたの心の中もわかるのよ。」
「どうしてまた…。」
 まさしく、栄二は小さい頃から髪の毛を長くしてとくにおさげや三つ編みをしている女の子を見ると、自分もできればあんなことがやってみたいと思い続けていたのは事実である。そのために、今のびている髪の毛もできれば切らないでずっといられたらとも思ってしまったのは事実だが、そのことが、初めてほかの者にわかられてしまった栄二は戸惑ってしまった。
「おほほほ、どうしてあなたたちの髪の毛が伸びたのか、教えてあげましょうか。あなたたちの好きな女の子と同じ長さになったからなのよ。」
「えーっ?」
「おほほほ、どうやらあなたのクラスでは丸顔の美江子ちゃんって子がいちばん人気があるみたいね。五人くらいいたかしら、あの子かわいいから。マッシュルームの髪形になっていた男の子が。美江子ちゃんと同じようにね。」
「じゃあ、そういう子たちは、みんな美江子ちゃんが好きっていうこと。」
「ほほほほ、そのとおりよ。あなたはだれか、言ってあげましょうか。」
「ええ?やだ。ぼくは好きな女の子なんて。」
「それこそ隠してもだめよ。あなたは沙弓ちゃんでしょ。」
 事実、沙弓というその女の子は、お尻まで髪の毛を長くしてよくツインテールの髪形をしている、この学校で最も髪の毛の長い生徒だった。ただ、体型もやや太めで顔もあまりかわいほうではなく、近づいて来る男子がまずいなかった。しかし、栄二はその沙弓の髪の毛に憧れ続けていた。
「好きっていうほどのことでも。」
「でも、気があるのはたしかだわ。べつに、仲良くしたいというより、あなたのあこがれているのは本人ではなくて髪の毛ね。沙弓ちゃんの髪の毛を見て、自分もできたら女の子になったらあんな長い髪の毛してみたいとか、日頃から思っていたでしょ。いま、おのぞみどおりの姿になってよかったじゃない。」
「先生、でも、こんな姿はずかしくて外に出られない。」
「うふふふ、沙弓さんのこと好きな男の子、あなただけだったようね。ほかにだれかいればあなたと同じ髪の長さになっていたんでしょうけど、ライバルがいなくてよかったわね。そしたら、沙弓さんをあなたひとりのものにすればいいわ。あの子、顔はそんなにかわいくない子だけど、襲いがいがあるわよ。うふふふふ。」
「先生、なんかようすが変だよ。」
「そうかしら…。」
「あっ。」
 長髪流毛先生が三角巾をほどいて、巻いていた黒髪をほどき、ばさっと垂れさせていた。
「うふふふ、ふ、ふふ…ふ、ふ。」
 不気味な笑い声を発しながら、目を光らせ、口からも牙があらわれはじめた。
「ああ…、せ、先生は吸血鬼…。」
「うふふふ、そうよ。あなたも吸血鬼になって、こんどはあなたの好きな沙弓ちゃんを襲って吸血鬼にするのよ。あこがれの女の子の髪の毛にさわることができるようになるのよ。」
「うわあーっ!」
「くくくく。」
 ついに、長髪流毛先生が正体を表わし、栄二の首にすばやくがぶっとかみついたのである。長髪流毛の長い黒髪が栄二の肩におおいかぶさった。栄二の超長く伸ばされていた髪の毛を長髪流毛はひとまとめにわしづかみに片手で握って栄二を苦しめた。
「いたい、先生、うう…。」
「あなたも、これで先生のおもいどおりに動くロンゲルゲになるのよ。くくくく。」
(つづく)



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2003.9.23(Vol.420) 初出___Cont.No.kamil03    第四話へ 目次へトップへ




「うう、いたい、たすけて。」
「うふふふふ、うふふふふ。」
 うめき続ける少年の声と、不気味に笑い続ける女の声が理科室に交錯している。だが、その両方とも外側には聞こえないようになっていた。地球人を手下にして征服を狙うロンゲルゲの恐ろしい女吸血鬼、長髪流毛は、子どもたちの血を好物にしていた。なかでも、この少年、栄二のように長い髪の女の子を好む男の子に目をつけ、吸血鬼にしてさらにまた別の髪の毛が長い女の子を襲わせようとしていたのであった。
 長髪流毛に首筋をかみつかれ、血を吸われた栄二は、そのままがくっとなって身長の半分ほどまで長くのばされた黒髪ごと首を後ろにたれていった。なおもその首筋をなめつづけては血を吸い上げる長髪流毛は、栄二を抱き上げてまもなく室内にあるテーブルの一箇所にねかせた。長髪流毛は、長くなっている栄二の黒髪が汚れないようにまたおだんごにまるめていた。
 そのあと、長髪流毛は栄二の両肩に手をかけ、ゆっくりと栄二の上半身を起き上がらせると、おだんごにしていた栄二の髪の毛をほどいて栄二の背中いっぱいに覆わせた。やがて栄二の両方の目がぱっと開いて金色に光りだした。理科机からゆっくりと床におりて、長髪流毛の前に直立の姿勢で歩いたのであった。栄二の黒髪を頭から両手でそれぞれの両側にさすりながら、長髪流毛が不気味に話し始めた。
「うふふふふ、栄二くん、あなたも今日からロンゲルゲよ。わたし、長髪流毛の命令には絶対服従、長髪流毛の下僕となって行動するのよ。」
「はい、わかりました。長髪流毛先生。」
 栄二は鏡の前にこのあと連れてこられ、長くなった自分の黒髪姿を、長髪流毛とともに見せられていた。
「おほほほ、みごとにあなたの好きな沙弓さんと同じように髪が伸びたわね。おだんごでも目立つから、あしたまでその髪の毛が気づかれないようにしておくわ。いつものように生活していればいいのよ。」
「はい。」
 すると、長髪流毛はヘアブラシを取り出して栄二の長い髪をとかしはじめ、左半分の髪を白いリングの輪ゴムにゆわえ始めた。そして耳もとの位置までそのリングをしばるとそこから三つ編みを結いはじめていた。長髪流毛が不気味に笑い続けた。
「うふふふふ。この男の子も髪の毛を長くしたことで、すっかりロンゲルゲの心になりきったわ。そうだわ。もうひとりぐらい、仲間を用意してあげるわ。」





 午後の学校からの帰り道、帽子をかぶっていた勝徳が四つ角にあった交通事故防止用の鏡の前でその帽子をぬぎはじめた。すると、帽子のなかにまるめていた黒髪がばさっと勝徳の肩から先、わきの下あたりまでにおおいかぶさっていた。
「おほほほ、なにをにやにやして見とれているの?」
「はっ、あっ、なあんだ、長髪流毛先生か。びっくりした。」
「そんな、見にくい鏡じゃなくて、ほら。こっちに公園の洗面所があるでしょ。そこに入ってみたら?」
「えっ?でも、先生、あそこのトイレはくさいよ。」
「あれを見たら、ほら。」
「あっ。」
 その便所から出てきたのは、勝徳のかねてからあこがれていた亜紀という、勝徳よりふたつ学年下の少女で、えんじのヘアバンドを頭にまきつけ、髪の毛を胸のあたりまでとどくほどおろしていた。
「うふふふふ、あなたの好きな女の子はあの子。だからあなたの髪の毛もこんなに伸びたのよ。」
「先生…。そんなこと、どうして?」
「やっぱり顔が赤くなっているわね。あの子も入った便所なのだから、いっしょに行きましょう。」
「先生、こっちは女子便所だよ。」
「あなたの見たがっている鏡はこっちしかないわ。」
「先生、なんで、すごく力が強い。」
 長髪流毛に手首を強く握られたまま、勝徳は女子便所のほうに連れていかれたのであった。
「さあ、こっちよ。」
「やだ、女子便所に入るなんて。」
「おほほほ、いまのあなたの姿見たら、だれだって一瞬女の子だと思うわよ。だからあなたをいっしょにこっちへ連れてきたのよ。ほら。」
「ああっ。」
 勝徳は、その女子便所にあった鏡に、髪の伸びた自分の姿をうつして見とれていた。
「ふふふふ。亜紀ちゃんもいつかやっていたような髪形をしてみるといいわ。」
「えっ?」
「ほら、おさげの姿よ。あなたも亜紀ちゃんみたいな髪形してみたいとかよく思ってたでしょ。」
「先生、いったい…。」
 すぐに長髪流毛は、勝徳の左側の髪の毛をまとめあげ、ピンを入れて整えて三つ編みを結いはじめたのだった。両方の髪の毛先に黒いヘアゴムがゆわえられ、胸に髪の毛先がおろされた。勝徳はまたその自分の姿を鏡で見せられていた。ほんとうの女の子であればかわいらしいおさげの髪形だが。
「ふふふふ、にあうわ。」
「はずかしいよ。」
「じゃあ、こっちへちょっと隠れてなさい。」
「えっ?あっ。」
 女子便所の一室の扉をあけるとすぐに長髪流毛は勝徳をそのなかにつきとばしておしこめたのであった。長髪流毛もその後に入って扉を閉じた。
「おほほほ、亜紀ちゃんがいま使っていた便所よ。」
「先生、なにをするんですか。」
「おほほほ、この便所からは逃げられないわ。くくくく。」
 長髪流毛の目が赤く光り出して、勝徳が苦しみはじめた。
「あっ、ううっ、ぐぐっ。」
 長髪流毛は勝徳の身体に両腕で抱きつき、その両腕を背中にまわしていま編んだ勝徳の三つ編みの髪の毛のなかほどをわしづかみにし、勝徳の背中にはらうとその毛先をそれぞれの手で握ってひっぱりはじめた。頭にまとめていた長髪流毛の黒髪もほどけてばさっと勝徳の肩を覆いだした。
「うふふふふ。」
「先生、いたい、髪の毛ひっぱられて。」
「ふふふふ、これも髪の毛を長くできたから味わえる痛みなのよ。あなたもよく亜紀ちゃんのような女の子のおさげ髪を見るとひっぱりたくなってたでしょう。」
「ああ…。たすけて。」
「この便所で叫んでもだれにもきこえないわ。きこえたらたいへんよ。あなたが女子便所にいて、しかもこんなすがたになって入ってるんだから、まちがいなく変態と思われるのよ。」
 長髪流毛の口から牙も光り出して、勝徳に噛みつき、血を吸いはじめたのであった。長髪流毛が抱きしめているために、勝徳は身動きできなくなっていた。
「う、ううっ。」
「あなたも、ロンゲルゲになるのよ。うふふ。」





 翌日、その小学校の六年一組では、女子ばかりが早く登校してきて、男子はなかなか現われなかった。
「ねえねえ、男子のほう、変なことがあったんだって?」
「髪の毛が急に伸びたらしいよ、みんな女の子みたいに。」
「このぶんだと、男子全員、外に出るのもはずかしくなって、みんな欠席じゃないかしら。」
「きのう、体重測定の前に理科室で起きたんだって。帰るときはもうその姿だったっていうから、どうやって帰ったんだろうね。」
「そりゃあ、帽子で隠せるんだろうけど。」
「でもさあ、きのうよく女子のほうがそんな目に合わなかったよね。たまたま、学級委員のじゃんけんで女子が勝って、先にやるほう選んだから。もし、女子があとだったら、事件に巻き込まれて私たちが大変なことになってたでしょ。」
「そういえばそうね。けどさあ、髪の毛が伸びただけのことでしょ。だったら、べつに女子なら髪の毛長くしたっておかしくないわけだから。」
「それだったら、わたしは親に許されなかったから髪の毛長くできなかったけど、伸ばせるならいいわね。」
「わたしは暑苦しくなりそうで長くしたいとは思わないわ。」
「ねえ、男子たち来たわよ。急にみんなでそろって。」
「あっ。」
 女子ばかりいた六年一組の教室に、ぞろぞろと男子が、しかも髪の毛の伸びていた姿で入ってきたのであった。初めて見る女子たちは、最初はぼうぜんとしているばかりだったが、やがて笑い声がしてきた。
「やっだー、男の子たちみんな、どうしてそんな女みたいに髪が伸びたの?」
 男子のひとりが答えた。
「知らねーよ、みんな、急にこうなってたんだ、な。」
「きもーい。髪の長い男なんて、あんな肩まであって。」
「それに、文夫くんはあざがあるじゃない、どうしたの?」
「ゆうべ、かーちゃんに髪の毛ひっつかまれて、はさみ入れたけど切れなくてめちゃくちゃになぐられたんだ。」
「おまえもか、おれもだよ、こんな女みたいで気持ち悪いからってよ。夕飯ぬきになっちまったよ。」
「まあ、かわいそう。でも、はさみ入れても髪を切ることができないですって?」
「それ、どういうことかしら、ちょっといま、はさみ持ってきたら?」
「もういいよ。切ろうとしたらからだも痛くなるんだ。」
 女子たちはけげんそうに見ていた。
「まだ、あいつが来ないな。栄二が、あれなんかすごいぞ。このへんまで伸びてたから。」
「ってことはお尻のところまで、もしかして沙弓さんと同じぐらいあるってわけ?」
「やーだ、想像するのも。」
 沙弓がこれに反応して答えた。やがて、栄二が現われていたが、髪は短い姿だった。
「あれ、栄二、おまえ、あんなに長くなっていた髪の毛はどうなったんだ、切れたのか。」
「栄二くんの髪がお尻まであったなんて、うそじゃない。男子のみんなは変なこというわね。」
「うそじゃないよ。あ、ほら。」
「あっ。」
 ひとりの男子が栄二に近づくと、栄二の首をつかみ、短くしていたと思われた髪を引っぱり始めた。髪が抜け、実はカツラだったのである。そして、そのなかからは前日に長髪流毛が結っていた、それぞれ三つ編みにしたツインテールの二本の髪が栄二の腰までぱらっとおろされたのであった。
「きゃあー、あははは。」
「ほんと、きもーい。」
 女子たちがみんな笑い出した。もともと気が弱い栄二の性格だっただけに、栄二もうなだれるばかりだった。特に栄二が片思いを寄せている沙弓は、栄二の姿を見てまた笑い続けるだけだったので、栄二の心が余計に傷ついていた。ほかの男子は、髪の毛が伸びてもみんな同じくらい伸びているのだから恥ずかしいという思いもなく、堂々と教室に入って来られたが、栄二の場合は余分に目立つ長さのために、恥ずかしい思いを余計にしなければならなかった。
「いくら、男子の長髪もふえているからって、おさげや三つ編みまでするなんてねー。」
「ずっと、カツラでかくしていたってわけか。洗ってないからくさいぞ。」
 そこへ、もうひとり長髪流毛に襲われていた勝徳も入ってきた。
「べつに、男が三つ編みしたっていいだろ。」
 勝徳は、後頭部にまとめていた二本の三つ編みの髪をうなじからほどいて両方の肩におろしはじめた。
「きゃあ、勝徳くんも三つ編みに、どうして。」
 そうこうしている騒ぎのなか、教室には長髪流毛が入ってきた。この日は担任の先生もお休みということで、授業を変わりに受け持つとのことであった。男子のほとんどは、自分たちの髪が伸びた姿をほかの先生にほとんど見られずにすんだことで多少安心した顔を見せていた者も多かった。
「はい、みんな静かに。えーと、第一時間目の授業を始める前に、きのうの男の子たちがみなあんなふうになってますが、原因を調べています。あまり騒いだりしないように。」


 二時間目の授業が終わって、三時限目が体育だったため、この日は男子が教室に残って女子が理科室に行って体操着に着替えに行っていた。
 髪をツインテールにしたままの沙弓がひとあし先に着替えを終えて廊下に出ると、長髪流毛が現われて沙弓を呼び出した。
「沙弓さん、ちょっと。」
「なんですか?先生。」
「実はね、申し訳ないんだけど、きのう体重測定で記録するときにあなたのところで桁をまちがえて数字を記入してね。それで、わるいんだけどもういちどやり直したいと思うの。まだ休み時間あるからいい?」
「わかりました。」
「ほんと、悪いわね、じゃあ、保健室にいらっしゃい。」
「わかりました、長髪流毛先生。」
 体操着のまま沙弓は保健室に案内された。
「男の子も入ってくるかもしれないから、上着はこのカーテンのなかで、ベッドでぬいだほうがいいわ。」
「はい。」
 長髪流毛は沙弓を保健室内にある寝室に誘ったが、そこでは恐ろしいことが始まろうとしていた。
 ベッドの通路にもうひとり、暗くてよく見えないが何者かが背中を向けて立っていた。沙弓と同じ女ものの体操着の姿で、髪の毛を背中を覆うぐらい広げてお尻が隠れるほどまであった。
「だっ、だれかしら。あっ。」
 とつぜん不気味に長い黒髪ごと振り向いた顔は、沙弓に片思いを寄せていた栄二だった。
「うふふふ。」
「栄二くん、きゃあーっ!」
 三つ編みにしていたツインテールの髪もほどいて栄二は、目を光らせて口のなかから牙もあらわしてきた。長髪流毛先生が命令する。
「うふふふふ、栄二くん、さあ、今よ。沙弓さんを襲って血を吸い、沙弓さんも仲間にしなさい。」
「はい、先生。」
「いやよ、やめてよ。ほんとうに気持ち悪い姿、きゃあーっ!」
 沙弓は逃げようとして栄二に背中を向けたが、栄二がすぐに沙弓の背中にとびかかり、両手で沙弓のツインテールの髪をわしづかみにしてそれぞれの手でひっぱりはじめた。
「くくくく。」
「きゃあーっ、いたー、たすけて、長髪流毛先生もどうして。」
「おほほほほ、わたしはロンゲルゲ、おまえたちを仲間にするために来たのよ。」
 長髪流毛の顔も不気味な姿になって、沙弓が驚きの声をまたあげた。
「きゃあーっ!」
 栄二が沙弓の髪のはえぎわのところに牙を刺し、血を流しはじめた。うなじのほうに血が流れ出ると、栄二は沙弓の髪の分け目をなめはじめた。ばさっと沙弓の両肩にも栄二の前髪が覆われていたのであった。栄二は沙弓のうなじから首すじをなめながら血を吸い続けた。
「くくくく。」
 がくっとなって倒れた沙弓を、栄二が抱き上げて保健室内にあったベッドの上に仰向けに寝かせた。長髪流毛がまた命令した。
「よくやったわ、栄二くん、そしたら、沙弓さんの身体の上にのって、沙弓さんを起こすのよ。」
 栄二は、沙弓のツインテールの髪をゆわえている耳もとのヘアゴムに手をもってきて、ヘアゴムのあるところをわしづかみにしていた。そのまま身体を起きあがらせると、沙弓の両目がかぱっと開いた。口のなかからも牙がはえて光り出していた。
「うふふふふ、これで沙弓さんも、栄二くんと同じロンゲルゲの仲間になったわね。」
 長髪流毛は最初の狙い通り、栄二をまず襲って栄二が片思いをしている相手の沙弓をこうして襲わせ、ふたりとも長髪流毛の手下として加わったのである。
(つづく)



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2003.10.3(Vol.427) 初出___Cont.No.kamil04    第五話へ 目次へトップへ


「うふふふふ、うふふふふ。」
相変わらず、不気味な笑いを続けているのは、小学校の教師になりすましたロンゲルゲの女王、長髪流毛(おさげるげ)だった。長い髪の毛の女の子と、その長い髪の女の子が好きな男の子を狙って、手下にして世界征服をはかろうという恐ろしい女吸血鬼なのである。
「さあ、沙弓さんも、栄二くんといっしょに、ロンゲルゲの仲間をふやしにいくのよ。」
「はい、長髪流毛先生、わたしは今日からロンゲルゲの一員として、忠実に先生の命令に従います。」
うつろな表情で、沙弓はたどたどしく答えていたのだった。



「うふふふ、しっかり答えられたわね。そうだわ。わたしがもういちど栄二くんの血を吸うから、あなたはしっかりどうやって人間を襲って血を吸えばいいか、よく見るのよ。」
「はい。」
「じゃあ、そうだわ。じまんの髪の毛も乱れているからととのえてあげる。そうだわ、きのうは髪の毛をひろげたまま血を吸っていたから、またおさげにしてあげるわ。あなたのお気に入りの。沙弓さんも、彼の髪の毛を半分編んであげて。」
「はい、先生。」
 長髪流毛が栄二のお尻まで伸びた黒髪をけんめいにブラッシングすると、栄二の髪をふたつに分けてヘアピンを何本も入れられ、沙弓が左半分を、長髪流毛が右半分の髪を直接三つ編みに結いはじめていた。けさはツインテールにしていた髪の毛をさらに三つ編みにしていた栄二だったが、こんどは勝徳のしていた三つ編みと同じ女学生のようなおさげ髪で、もちろん勝徳より長めである。毛先に黒いゴムがそれぞれゆわえられて前に垂らされた。
「ふふふふ、栄二くん、先に鏡を見てみる?」
「はい。」
 保健室にも理科室と同じく大きな鏡があり、栄二は自分の三つ編みのおさげ髪をつまみながらその鏡の姿を見ていた。
「じゃあ、いくわね。」
「ああっ!」
 長髪流毛は、鏡を見ていた栄二の背中にとつぜん抱きつき、栄二のそれぞれのわきの下から両腕を伸ばして右手で毛先を、左手で編まれている髪の毛のなかほどをわしづかみにしてひっぱりはじめた。そして、うなじの分け目のところを舌でなめると、首すじにがぶっとかみつき始めて栄二の血を再び吸いはじめていた。沙弓もその場面をまじまじと見続けているのであった。


 四年生の教室が近くにある女子便所でも恐ろしいことが起きていた。
 用足しをしようと、四年生の亜紀が一室に入ると、長い髪を下ろしていた背中にとびつき、亜紀の口を片手でふさぐ者があった。
「うっ、うぐぐぐ。」
「くくくく。」
 亜紀の口をふさいだ背中の者は、もう一方の手で亜紀の背中のまんなかほどまである黒髪をわしづかみにして、首すじに牙を刺しはじめた。首すじから血が流れ、背中からさかんに舌でなめあげていた。その主は、前日に長髪流毛によって、公園で吸血鬼にされてしまった勝徳だった。亜紀と同じ長さになった髪を女学生のような三つ編みのおさげにして、黒いヘアゴムをそれぞれの毛先にゆわえていた。体操着にきがえて、女子のようにふるまいながら女子便所に入り、亜紀が来るのを待ち伏せていたのである。
 がくっとなったところへ、長髪流毛が便所に入ってきて、勝徳が亜紀を襲った一室をあけはじめた。
「あっ、長髪流毛先生、亜紀ちゃんの血を吸いました。」
「うふふふ。しっかり髪の毛をにぎっているわね。こんどは、ヘアバンドをひっぱって起こしなさい。」
「はい。」
 亜紀の頭に巻かれていたえんじ色のヘアバンドに、勝徳が指を入れてぱちんとさせると、亜紀の目もぱかっと開いた。勝徳に抱き上げられていた身体をゆっくり起こして、長髪流毛の前に立ち上がった。
「うふふふふ、亜紀ちゃんも、今日からロンゲルゲの一員よ。わたし、長髪流毛の命令には絶対服従、長髪流毛の下僕となって行動するのよ。」
「はい、わかりました。長髪流毛先生。」
 うつろな表情で、亜紀も答えた。
「さあ、亜紀ちゃん、ほかの者を襲いにいくのよ。」
「はい、長髪流毛先生。」
 長髪流毛の命令で亜紀が足早に去った後、そこに残っていた勝徳も長髪流毛にふたたび誘われた。
「勝徳くんは、もういちどここで私が血を吸ってあげるから。」
「はい、先生。」
 勝徳は、便所内の目の前にある鏡を見ながら、片手で自分の肩にかかっていたかたほうの三つ編みのおさげ髪の毛先をつまみながら、うつろに答えていた。
「うふふふ、あなたもやっぱり、もうすっかりその髪の毛が気に入ったようね。その長い髪の毛をあなたのものにしたのと引き替えに、あなたは悪魔に心を売ったのよ。」
 長髪流毛は、もうかたほうの勝徳の三つ編みの髪の毛先をつまんで、勝徳の口元になでさせていた。
「はい。もっと、女の子を襲いたいです。」
「おほほほほ、あなたもロンゲルゲになりきったわ。じゃあ、昨日は、正面から吸ったから、こんどは背中にまわってうなじのところから吸ってあげるわ。さあ、そのまま、鏡を見つづけなさい。」
「はい。」
 勝徳の背中にまわった長髪流毛は、勝徳の脇の下から両腕を入れて、勝徳の両方の三つ編みにした髪の毛先を強く引っぱりだし、さらにうなじに口を近づけて髪の分け目のところを舌でなめはじめた。さきほど、やはり三つ編みのおさげの姿になっていた栄二と同じような襲い方だった。
「うふふふふ。」
「あん、先生、きもちいい…。」
「おほほほほ、叫び声も女の子みたいだこと。さあ、目をしっかりあけて、鏡のなかの先生の顔を見るのよ。」
「はい。」
 長髪流毛はまた目を光らせ、口から牙をはやして、勝徳の三つ編みにしているおさげ髪を両手でそれぞれひっぱりながら。勝徳の髪の分け目に近いはえぎわの首すじに噛みついたのであった。勝徳もまた、鏡で自分の顔を見ながら、恐ろしい吸血鬼の顔に変わっていくのであった。





 ところで、長髪流毛が最初に襲った少年、昌浩によって襲われていた摩亜弥の姉である京香は私立の女子中学校に電車で通っていたが、その京香がある駅から同じ電車に乗ってくる姿を下校中に見かけて気にとめた者がいた。これも私立の男子中学に進学していた、小学校の時に同級生だった男子の敬幸である。
「あれは、京香さんでは。あんなに髪の毛を長くしていたんだ。」
 小学校で同じクラスだった時にはまだ京香の髪は肩のあたりまでだった記憶の敬幸は、久しぶりに好きだった女子の姿を見ていっそう思いをつのらせていた。そして、少し遠い位置ではあるが、京香の後ろ姿をじっと見つづけていた。
「後ろからなら気づかれないだろうから、じっと見てもいいだろうな。けれど、すごくきれいな京香さんの髪の毛、うらやましい。自分も女の子に生まれていたらあの子みたいな髪に…。」
 敬幸も性格はそのような考えを持つように女性的であった。小学校の時にもひそかにずっと京香にあこがれていた敬幸はまた胸をときめかせはじめたのだった。だが、その京香は他人の血を吸うおそろしいロンゲルゲになっているのである。
 しばらくすると、京香が背中におろしていた髪の毛の左側半分をわしづかみにして前にもっていき、三つ編みに結いはじめたのだった。
「京香さん、急に髪の毛を…、あっ。」
 敬幸は、京香が自分の髪をきっちりと編んでいる姿を眺めてますます興奮してくるのであった。そして、二本にまとめられた三つ編みの髪を背中にまた垂らしたが、そのとき、とつぜん奇怪なことが起こっていた。
「きゃあー!」
 悲鳴が起こったのは、車内である大人の男性が倒れたからである。少し混雑してきていたが、その男が周囲の乗客にもたれかけるように倒れていたのであった。しかし、敬幸はそのことにも無関心を装うかのようにして、すぐにまた視線を京香の髪の毛に向き直させていた。ところが…。
「あっ。」
 敬幸は、京香の三つ編みの髪の毛にいくつもある編み目が光りはじめるのを見た。しかもそれら編み目の一箇所ずつにあらわれた光は、まるで目玉のような姿にどんどんかわっていった。すぐに多くの目玉が京香のおさげ髪の上にあらわれてきたのである。
「これはいったい、こんな変なものが京香さんの髪に…。」
 そして、敬幸にその背中を見せている京香の隠れた顔には、片手で口をおさえながら不気味な笑うしぐさがあった。
「う…ふ…ふ。わたしの餌食になりたいようだわ。」
 敬幸は、京香がロンゲルゲになっていることも知らず…。
(つづく)



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2003.10.13(Vol.431) 初出___Cont.No.kamil05    第六話へ 目次へトップへ

  SNAKEHEART様。
 毎回のご感想ありがとうございます。
 いやあ、
表まで作成されたのには参りました。
 そうですね。最初、第四話のサブタイトルについては、そういうとらえ方もあったのかと、なるほどと思いました。もともとは、たしか「闇に光る目」というどなたかのホラー漫画のタイトルにひっかけて考えつき、最初は「髪に光る目」にしようかと思ったのですが、ちょっと安易な気もしたので「三つ編みの髪に光る目」としておけばわかりやすかったかもしれませんが、それもわかりすぎるから「黒髪に光る目」として、何のことだろうかと迷わせてみた効果が出ていたというところでしょうか。ほんとうは、「髪のパープル・アイ」とでもしたかったのですが、それではあまりにもあからさますぎますからね。
 表については、たしかにこれまでは長髪流毛先生にあやつられながら男子が女子を襲うというパターンになっていますが、今後はその期待通り?逆の場面がふえてくる予定です。男性の読者にとってはきっとそのほうがよりゾクゾクしてくるかもしれませんね。実際、その場合はより怖く残酷に描いていくつもりです。
 では、本話に参りたいと思います。

 ここは、ドラマ制作中のスタジオを控えた待合室にて…
「やあ、原作者の髪伊良さんですね。水島由香さんをうまく使って撮影が進んでいるようですね。」
「ええ、おかげさまで。」
「しかし、この話は非常におもしろいと思うのですけど、ちょっと気になることがあるんですが。」
「はい、どういうことでしょうか。」
「この、長髪流毛(おさげるげ)というんですか。子どもたちの、それも髪の毛が長い女の子の血ばかり狙う妖怪というのなら、世の中の女の子はみんなこわがって髪の毛を長くしなくなるんじゃないかと思うのですが。」
「ははは、そんなことはありませんよ、こういう話になっているのですから。」
「えっ?」
「ちょっと、また横道にそれますけどね。」
「また、内容も突飛ですが、やりかたも突然ですね。」


☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★


 ここは、ある山のなかに最近新設された某公立高校で起きていた出来事である。
 激しい山崩れがあって、嵐とともに土砂が学校に押し寄せ、教室で授業を受けていた生徒たちも教壇に立っていた教師も、その土砂をもろにかぶってしまい、しかも校舎は崩れてすぐ脇にあった谷底に転落していったのである。
 時間は、いつのまにか夜になっていた。この惨状では全員が死亡したと見られたが、わずかに息をして目覚めた者もいた。
「ここは、どこ?わたしはいったい、あっ。」
「秀美さん、生きていたの?ああ、よかったわ。」
「その声は、玲子さん、はっ、あっちに直子さんも。」
 髪をツインテールにしていた玲子と、三つ編みのおさげに髪を結っていた直子が、ポニーテールの秀美の前に姿を現わしていたのであった。長さはみな胸のあたりまでである。
「ほんと、たいへんよ、学校じゅうのみんな、ほとんど死んでいるわ。」
「えっ?」
「ほら。あそこに、あんなに死体が。」
「きゃあーっ、いったい、みんな、どうしたの?わたしたちが生き残っているなんて。あっ、あれは男の子たちだわ。」
 ふーふーと、息をつぎながらやってきたのは三人の男子生徒だった。
弓夫くん正哉くん、それに光一くんだわ。」
「よかった、光一くんが生きていたなんて。」
 そのせりふの主は直子で、ひごろからひそかに光一を慕っていたのだが、光一のほうはほかの女子生徒が好きなのである。
「おい、生きている子がまだいたぞ。」
「じゃあ、ほかにも生きている人がいるの?」
「あっちの離れにある体育館のほうに三人いるよ、みんな女の子だけど。」
「三人?だれ?」
「急いでいこう。」
 男女三人ずつ、あわせて計六人の生徒が体育館のほうへ向かい、入っていったが、そこで彼らが目にしたのはまた異様な光景だった。
「あれは、純子さん悦子さん、それに明美さんだわ。」
「揃って棒立ちになって、何をしているのかしら。」
「しかも、三人ともそろって髪の毛をうしろに長くおろしていて。」
 事実、体育館にいた三人の女子生徒は腰まで届くほど髪が長かったから、玲子たち三人よりさらに長い髪の持ち主である。
「そういえば、わたしたち三人とも、髪の毛が長いわね。」
「もしかして、そうだわ。ひょっとして、わたしたちみんなは、髪の毛を長くしていたから生き残っていたということ?」
 そのとき、棒立ちになっていた女子生徒のうちひとりである明美が振り向き、とつぜん不気味に話し始めた。
「そのとおりよ。」
 そして、次に悦子が振り向きだした。首の向きをかえるのにともなった長い髪の毛の動きも不気味である。
「ふふふふ。わたしたちは、長髪流毛(おさげるげ)先生に救われたのよ。」
「ふふふふふ。」
 純子も振り向き、また不気味に笑いながら六人の集まっているところに近づきはじめた。
「三人ともようすが変だわ。あっ、ちょっと、あれ。」
「きゃあ、男の子たちが、みんな。」
「えっ?どうしたんだい、ぼくたちになにか。」
「せなかのほうさわってみてよ。」
「それに、そこに大きな鏡もあるし、見てみたら、三人とも。」
「ええっ?」
「あっ。」
「ぼくの髪の毛が…。」
 弓夫、正哉、光一の三人の男子生徒も、髪の毛がいつのまにか伸びてしかも明美たちと同じように腰まで届いていたのである。
「おほほほ。ここにいる男の子たちはみな長い髪の毛の女の子が好きだからこのような姿になったのよ。そして、こうして生き残っていられるのも、わたしたちとおなじロンゲルゲになるからよ。」
「なあに?その、ロンゲルゲって。」
「あっ。」
「きゃあっ。」
 純子が弓夫に、明美が正哉に、そして悦子が光一に正面からとびつき、各々首に噛みつき始めたのである。直子に慕われていた光一は、実は悦子のことが日頃から好きだったのである。
「くくくく。」
「くくくく。」
「うわあーっ。」
「きゃあ、吸血鬼だわ。」
 髪の毛をおろしていた三人の女子生徒たちは、ロンゲルゲになっていたのである。そして、髪の毛が長く伸びた男子生徒をひとりずつ襲い、自身の黒髪を男子生徒たちの肩にばさっとかけて男子生徒たちの気を狂わせながら血を吸いはじめ、三人の男子生徒もいったんがくっとなったが、ロンゲルゲの女子生徒の片手に首をもたれかけて抱きかかえられていた。
 すぐにその後、まず悦子が制服のスカートのポケットから大きなピンク色のリボンを取り出して光一の髪の毛をひとまとめにしたうなじのところに束ねていた。続いて明美正哉の髪を一本の三つ編に結いはじめて毛先に黒い太めのゴムをゆわえた。そして純子弓夫の髪をふたつに分けてそれぞれ耳の下のところに白いボンボンをゆわえたおさげにして、そのあと三人とも男子生徒の髪の毛をゆっくりなでると男子生徒たちも目覚め、口をあけるとみな牙がはえていたのであった。
「男の子たちもみんな、吸血鬼に…。」
「うふふふ、ちょうどいいわ。さあ、ひとりずつ襲いなさい。」
 ロンゲルゲの三人の少女たちは、各自が自分の髪によく結んでいたヘア小物をそれぞれの男子生徒の髪に結んで命令を送りこんでいるのである。男子生徒たちは、ヘア小物につたわってきた命令を受けて行動し、ほかの少女をロンゲルゲにしようと襲うのだった。
「きゃあ。」
「ああっ。」
 純子に襲われた弓夫秀美のポニーテールを、明美に襲われた正哉玲子のツインテールを、そして悦子に襲われた光一直子の三つ編みのおさげ髪をわしづかみにして背中からうなじに牙を向けて突き刺し、血を吸い始めるのであった。その場面を水晶玉からのぞきながら不気味に笑う長髪流毛の姿があった。
「う…ふ…ふ…ふ。」


☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★


「どうです。」
「ははあ、髪伊良さんの言いたいことがわかりました。つまるところ、髪の毛を長くしている者は生き延びることができて、そうしない者は死ぬということになっているわけですね。男の子の場合は、長い髪が好きな者であれば自分も髪の毛を長くすることによって生きられるというわけですね。」
「そのとおりです。髪の毛を長くすれば殺されることはありません。」
「そしたら、みんな髪を伸ばそうと思うようになりますね。でも、女の子は髪の毛を切らなければ生きられるけど、男の子の場合は長い髪の毛の女の子を好きにならなければ殺されるということですね。人それぞれ好みもあるでしょうに、どうしても短い子のほうが好きという男の子はどうしたらいいんでしょうね。」
「まあ、これはいずれはそういうことになるということだけで、まだまだ先は長いですから、長い目でなりゆきを見ておいてくださいよ。」
「なんともごまかしたような感じですね。いずれにしても、悪魔に魅入られているからには死なせるわけにはいかないということですね。」
「洗脳した者にとっては大切な人材として選んでいるわけですからね。殺させはしないです。」
「それならば安心していいわけか(笑)。」
「いや、安心はできませんよ。この先はほんとうはどうなるか(笑)。おっと、横の話がまた長くなりすぎたから、本番に戻るとするか。



「京香さん…。」
「うふふ…、ふ…ふ…ふ…ふ。」
 下校中の電車のなかで、左手には学生かばんを持ちながら、右手を口にあてて不気味な笑いを浮かべる京香の後ろ姿を、小学校の時に同級生でいまは別々の私立学校に通っている、敬幸が見つづけていた。敬幸は、小学校の時にまだ肩までの長さだった京香の髪がいまは腰まで伸びているその姿に見とれてしまい、より京香を好きになっていた。その京香は髪の毛を二本の三つ編みのおさげにして背中へ垂らせていたが、髪の毛の何箇所もある編み目にそれぞれ不気味な目玉がひとつずつ開いていて、敬幸は驚いて身動きもできなくなっていた。敬幸が慕っている京香は、世界征服を企てるために長い髪の少女たちを手下にしつつあるおそろしい吸血鬼の妖怪・長髪流毛(おさげるげ)によってまた襲われた少年に血を吸われ、ロンゲルゲの一員になっているのである
「男の人が倒れている!」
「おい、たいへんだ、心臓が動いてないぞ。この男は!」
「えっ?死んでるんですか?」
 京香のおさげ髪に見とれていた敬幸も、周囲の騒ぎにはさすがに無関心ではいられなくなった。だが、周囲にいた者がとつぜん、敬幸のほうを指さして叫びはじめたのだった。
「きゃあーっ!あんた、髪の毛が。」
「えっ?」
 敬幸は、自分のことを指さしていることに気づいた。いわれているように首のうしろのほうに指を入れてみると、たしかに髪の毛が伸びているようだった
「ばけものめ。ほら、電車が駅にとまった。出ていけ。」
「ええっ?いったい。」
 敬幸は、その時とまった電車の駅におりて、自分の姿がどうなっているのかあわてて鏡をさがしだした。この駅のホームに鏡はなさそうなので、便所に行けばあるだろうと走っていった。改札口にかかる橋を登って、敬幸はもちろん男であるから、男子便所に入ったのだが、とつぜん中にいる者にどなられた。
「こら!女子トイレはあっちだ!出ろ!」
 敬幸はおどろいて、すぐとなりにある女子便所に仕方なく移っていった。こんどはなかから女性が出て来ても何も言われず、不思議がらずに出ていったことから、自分はまさか女の姿になってしまったのかと思って、おそるおそる便所内にある鏡を見はじめた。
「ああっ!」
 やはり、髪の毛が腰まで伸ばされていたのである。ちなみに、京香はセーラー服を着ていたが、敬幸は学生服ではなく私服のGパン姿だったので、女に思われても無理はなく、電車で周囲の者に騒がれたのは、そのとき急に髪の毛が伸び出したところを見られていたためである。
「ど、どうしよう、はっ。」
「あんた、小学校の時同じクラスにいた子ね。なあに?女の子に化けて女子便所に入ってるの?許せないわ。」
「えっ?あっ!」
 振り向くと、そこにやってきたのは、さきほど車内にいた京香だったのだ。やはり、三つ編みのおさげの姿のままだった。そういえば、敬幸は京香に対してあこがれてはいたが、話をしたことはほとんどなかった。そのために、話しかけられた敬幸は心臓も止まりそうな驚きを一瞬感じたが、同時に自分にふりかかる恐怖の始まりでもあった。

「こっちへいらっしゃい。」
「ああっ。」
 敬幸は京香に片腕をつかまれ、便所の一室に無理やり入れられてしまった。京香もその一室に一緒に入って扉を締められてしまった。
「京香さん、男みたいに力が強くなってる。」
 ロンゲルゲになっている京香も、長髪流毛と同じような魔力が与えられていたのである。
「あんた、さっきから、電車のなかでわたしのこと、じろじろ見ていやらしいこと考えてたでしょう。」
「えっ?そんな、いやらしいことだなんて。」
「この髪の毛をごらん。」
 京香は、背中におろしていた三つ編みの髪の毛のうち一本を指で前にさしだし、その何箇所もある編み目にある目玉をまた光らせていた。
「ああっ!ううっ。」
 髪の編み目にある目玉の光を受けて、敬幸は悶え始めた。
この髪の毛にある光は、自分を見ている者の心がどんなにいやらしいかがわかるようになっているの。髪の毛からわたしの頭のなかにそれがつたわってくるから。さっき電車のなかで死んだ男は実は女性のお尻ばかりねらって満員電車でさわっていた痴漢よ。だから、あの男はこの光を受けさせて殺したわ。」
「えっ?京香さん、人を殺したの?そんな、人殺しをするなんて…。」
「おほほほ、わたしはもう地球の人間じゃないわ。」
「人間じゃなくなったって?」
「わたしはロングヘア星人のロンゲルゲとして行動しているの。地球の人間の法律だったら、勝手に人を殺すことは許されないけど、わたしたちロンゲルゲは人を殺すことも許されているの。ただし、長髪流毛先生の許可をもらってね。」
「その先生って…。」
「わたしたちが卒業した後の小学校に新しく入ってきた先生よ。妹がまず学校で最初にロンゲルゲになって、わたしも家でロンゲルゲになったわ。」
「そのロンゲルゲって…、京香さんにはもう、人間の心はないの?」
「そうよ。襲われたときはいやだったけれど、こうしてなりきってしまうと気持ちがすごくいいのよ。とくにあのようないやらしい痴漢を殺せると思えばずっと人間より暮らしやすいわ。ほんとうにああいう男はいるだけで世の中の女の人がみんな困っているのだから、殺したほうが世の中のためなのよ。」
「もしかして、ぼくも殺されるの?」
 敬幸は、たしかに京香の長い髪を見つづけて興奮していたことを認めざるを得ないと思い、その痴漢と同じように自分も殺されるのではと一瞬思った。
「うふふ。あの痴漢は女の子のお尻ばかりねらっていたけど、あんたの場合は髪の毛のようね。そういう場合はね、いまのあんたがやっているように髪の毛が伸びてしまうのよ。」
「それじゃあ、ぼくのこの髪の毛が長くなったのも…。」
 やはり、敬幸の髪の毛が伸ばされたのも、痴漢が死んだのも、京香の髪に与えられた魔力のためだったのである
「おほほほ、はっきり言って、あんたのような男に思われて迷惑よ。だから、ほんとうはあんたも殺したいところだけど、長髪流毛先生の命令であんたをロンゲルゲとして生かすようにと言われているの。だから、あんたはロンゲルゲになるのよ。」
「ああっ、京香さんの口から牙が…。」
「くくくく。」
 とうとう、京香は敬幸の肩にとびついて、敬幸の首に牙を刺し、かみついて流れ出る血を吸い始めたのであった。そして、京香自ら長く伸ばさせた敬幸の髪を片手でわしづかみにしてもういっぽうの手で敬幸の肩から身体を強く抱きしめて敬幸を悶えさせるのだった。
「うっ、ううっ…。」
 この光景をまた水晶玉にうつしながら、学校の理科準備室の暗闇にいて、また不気味に笑う長髪流毛の姿があった。
「ふふふふ、ロンゲルゲがふえていくわ。京香さんには、こうして特別な魔力を与えていたし…。」
 京香の髪の編み目を光らせるという魔力を与えていたのも、実は長髪流毛のしわざだったのである。
(つづく)



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感 想





2003.10.23(Vol.435) 初出___Cont.No.kamil06    第七話へ 目次へトップへ

  Snakeheart様。
 毎度ご掲載ならびにご感想ありがとうございます。
 また、このたびは、「髪長私学」や「バージン・ヘア」と並んで独立した小説コーナーにしていただきありがとうございます。ますます、腕(指先かな)をふるって意欲がわいておりますので、今後とも宜しくお願い致します。




「くくくく。」
「うう、うう…。」
 ある駅の女子便所の一室で、セーラー服に腰までとどく二本の長い三つ編みのおさげ髪を垂らしている少女が、小学校の時の同級生で自分を慕っていた男の子の首にかみつき、血を吸っていた。その二本の長い三つ編みの髪の毛は不気味に揺れ動き、少女の背中をまるでへびがはうように形をくねらせて動き始めていた。髪の毛の編み目が光り、目玉がそれぞれのたくさんある場所に現われて、ちょうちょ結びの黒いヘアゴムでゆわえている毛先もへびの顔になっていた。少女は、長い髪の者を手下にしてゆくロングヘア星人の女王・長髪流毛に襲われた少年によってロンゲルゲになった京香で、京香に血を吸われている敬幸もロンゲルゲの仲間にされようとしていた。京香の魔力によって、敬幸の背中にも黒髪が長く腰まで伸びておろされていた。京香には長髪流毛によって特別な魔力も与えられていたのである。
「うふふふふ。」
 顔をあげた京香の唇には、吸い切れなかった真紅色の血が少しずつ垂れていた。敬幸はがくっとなってその場に長い黒髪をだらんと垂らして京香の腕にもたれていた。
「京香さん、よくやったわ。」
「あ、長髪流毛先生。」
 京香の髪にさしているいちばん大きなUピンに、実は長髪流毛の命令が入ってくるようになっていたのである。
「その男をあなたのおもいどおりに動かす権利も京香さんに与えるから。」
「はい。わかりました。」
 しばらくして、敬幸は目をさました。京香は敬幸の血を吸いつくした後、女子便所の一室で壁にもたれかけさせていた。
「はっ、ぼくはそういえば、ここは女子便所、はっ、京香さん。たしか、三つ編みだったのに、またほどいたの?」
 京香は、敬幸が気絶している間、三つ編みにしていたおさげ髪をほどいて背中におろしていた。
「気がついたようね。それに、ロンゲルゲの心になりきってないみたいだし。」
「たしか、ぼくの背中にのびていた髪の毛は…。」
「おほほほほ。汚れないようにまとめておいたわ。あなたはロンゲルゲになったのだから、もう、外へ出てもだいじょうぶよ。鏡を見なさい。」
 敬幸は、京香に言われたように便所の一室から出て洗面台の鏡をのぞいてみた。敬幸の頭にはヘアバンドのようにした三つ編みの髪の毛が左右から巻かれていたのである。そのふたつの髪の毛先がたがいに反対側の耳の下を通して後頭部のうなじのところで毛先のヘアゴムで結ばれていたのだった。その黒いヘアゴムは京香がさきほど三つ編みにしていた時の髪に結んでいたもので、京香が髪をほどいていたのも敬幸の髪をまとめるためだったのである。
「こんな、きれいに編まれているのがぼくの髪の毛…。」
「うふふふ。おろしてあげるわ。」
「あっ。」
 京香は、敬幸のたがいに結んでいた髪の毛先にあるヘアゴムを、それぞれの髪が離れるようにはめなおした。そして、巻いていた額からも髪の毛をあげて元の位置に戻した。すると、敬幸の背中にさきほど京香がしていたのと同じように二本の三つ編みの髪の毛が垂らされ、敬幸は女学生のような姿になった。すぐに敬幸は垂らされたかたほうのおさげ髪を首の横から前に垂らしてまた鏡を見つづけていた。ずっとあこがれていた髪形になれたことに、敬幸はだんだん興奮状態になってくるのであった。
「これで、この男もロンゲルゲになりきるようになるわ。」

「ふふふ、ぼくの髪の毛がこんなきれいに…。うっ、ううっ、血、血がほしくなってきた。」
「おほほほ、ちょうどよかったわ。ほら、さっそくあなたの好みの者が。」
 その時、ランドセルを背負って頭の上をピンク色のリボンでひとまとめに結んだポニーテールの髪の毛先をそのランドセルの上に垂らしていた小学生の少女が便所に入ってきたのである。腰まで届いているから、リボンをほどけば膝あたりまではありそうな少女だった。敬幸は、いま自分のいた便所の一室に入ろうとしているその少女の後ろ姿を見てより萌えてくるのであった。
「ううっ、血、血がほしい…。」
「さあ、いまよ。敬幸くん、あの女の子の血を吸ってロンゲルゲにするのよ。」
「はい。京香様。」
「くくくく。」
 敬幸は京香に動かされて、便所の一室に少女が入るのと同時にすばやく背中を押されて一室に入れられると、扉を閉められてしまった。
「うふふふ。」
 その閉めた扉を背にして京香はまた手を口に当てながら不気味に笑い続けるのだった。
「きゃーっ!」
 便所のなかではもちろん、敬幸が牙を少女の首に向けていた。少女のひとまとめにしたポニーテールの髪のなかほどをわしづかみにしながら、正面から敬幸は少女の首にかみついていた。ほんとうは背中からかみつきたかったが、ランドセルを背負っていたので正面から襲っていたのだった。
「くくくく。おまえもロンゲルゲになるんだよ。」
 扉の外では京香がずっと立ったままだった。
「これで、彼もロンゲルゲになりきったわ。うふふふ。」
 しばらくして、扉から出て来た少女に京香は頭からポニーテールの長い髪をなで、また顔の上に両手でまじないをかけていた。
「おほほほほ。おまえもこれでロンゲルゲだ。おまえのまわりにもまた仲間をふやしていくがいい。」
「はい。京香さま。」
 少女はうつろな表情で答えて、駅の女子便所を後にしてゆっくりと歩いていった。
 その後、京香はいま少女を襲って女子便所の一室に残っていた敬幸をまた襲うために再びその一室に入って扉を閉めた。敬幸の口もとにも少女の血が少ししたたり落ちていた。
「ご苦労さん。さあ、もういちど吸ってあげるわ。背中を向けなさい。」
「はい、京香さま。」
 少女と同じように返事をした敬幸は、京香の完全な下僕となっていた。京香は、三つ編みのおさげ髪を背中に向けた敬幸のその二本の髪の毛先を両手でそれぞれわしづかみにして引っぱると牙を敬幸のうなじに向けてまた突き刺したのであった。長髪流毛が栄二や勝徳にしていたのと同じように、京香は同級生だった手下の敬幸にかみついて再び吸血していたのであった。
「どくどくっ…、うふふふふ、くくくく。気持ちいいでしょ。」
「あ…、ああん、あん。」





 長髪流毛のいる小学校では、京香の妹である摩亜弥のいる五年一組とは別のもうひとつのクラスである二組にも長い髪の女子児童と、またそうした女の子を好む髪フェチの男子がいた。
 男子のほうは背の高い準一、女子のほうは背は比較的小柄な由紀恵といって、前の年に四年生の途中で準一が転校してきた時にまだ肩ぐらいまでだったのが、一年たって腰のところまで伸びていた。ほとんど話をしたこともないが、準一はひと目で由紀恵を好きになってしまい、伸びていく髪にいっそう片思いをつのらせていた。もちろん、由紀恵のほうはその好意に気づいておらず、また由紀恵にとって性格的に女々しい準一は好みのタイプではなかった。なお、この学校では四年生から五年生に上がるときのクラス替えはない。
 由紀恵は、後ろに前髪ごと背中におろしていることが多かったが、ときにひとまとめにしたり、耳より低い位置でカラーゴムをくくっておさげにしていることもあり、それを見るたびに準一は萌えるのだった。五年生になって由紀恵がポニーテールを初めてした時にも準一は興奮していたが、もっともあこがれのある三つ編みの姿をまだ見たことはなかった。
 六年一組の男子に髪の毛が長くなるという事件のあった翌日、由紀恵は初めて自分の髪を三つ編みに結っていた。両サイドの髪をそれぞれ編んで、たがいにひたいの上にヘアバンドのようにして巻き、前髪のなかに隠しながら後頭部まで巻きつけて両方の髪の毛先を後ろにおろした髪のなかでとめていた。準一は初めて見た由紀恵の髪形を見てまたいっそう興奮するのだった。
「どうして、あの子の髪の毛を見ると…。」
 休み時間に便所にかけこんだ準一は、大便用の一室に入ってはいていたズボンをぬぎ始めたが、そのとき、室内にあった水道管からまだらの煙がふきはじめた
「うっ、なに?この煙は、あっ。」
 たちまちに煙が室内を覆って、その場に準一はがくっとなって倒れてしまった。もちろん、髪フェチの男の子を狙う長髪流毛のしわざである。
「うっふふふ、この子の場合は、べつなやりかたを考えてみるのもいいわね。」
 水晶玉にそのようすをうつしとって見ている長髪流毛の目が不気味に光っていた。

 準一が目をさますと、便所で倒れていたはずなのにいつのまにか理科室にいてテーブルの上に寝かされていたことがわかった。
「ここは、きのう事件があったとかいわれている理科室、ううん?なんか頭が重たい感じだな。なにかが背中をひきずってるよう。」
 テーブルから立ち上がって準一は大きな鏡を見に行って驚いた。
「ああっ!」
 自分の頭には髪の毛を全部まとめたおだんごができていて、水色の大きなボンボンがあるゴムがゆわえられており、さらにそこから一本の三つ編みになっている髪の毛が後ろに垂れ下がって、準一の背中のなかほどまで届き、毛先は太い黒のゴムでゆわえられていたのである。
「いったい、こんな、いつのまにこんな女みたいな髪の毛に、もしぜんぶほどいたら、どのくらい長くなってるんだろう、はっ。」
 となりの準備室で物音が聞こえた。
「きゃあーっ!」
 女の子の悲鳴も、その準備室のほうから聞こえた。
「あの声は…。」
 それは、準一が日頃からあこがれている由紀恵の声であるとまぎれもなくわかっていた。
 だが、準備室の扉をあけようとしてもなかなか開けなかった。いっぽう、この理科室から廊下へ出る扉のほうも、二箇所とも開けなかった。窓もあけられない。
「どういうこと?この理科室は。それに、ぼくはずっとこのままでここに…。」
 しかし、数分すると理科室から準備室に通じる扉もようやくあけることができた。
「しかたない。こっちから外に出よう。あっ、廊下への出口があいてるぞ。あそこにいるのは…。」
 準一は、真っ暗な理科準備室から明りのさしている廊下に面している扉のほうへ歩くとき、その扉を出てしめようとしている者の姿を見つけた。だが、実はそれはあの恐ろしい長髪流毛であった。
「うふふふふ。」
 扉をすぐに閉めて長髪流毛は口に手をあてながら不気味に笑っていた。
 その後を準一が扉をあけようとしても、またあかなくなっていた。
「どうして?いったいどうなっているの、あっ、うわーっ!」
 準一の背中になにかがとびついていた。それは、たいていの学校の理科準備室にはある人体模型であった。
「なあんだ、これか。あったところに戻さないと先生におこられるからな。だけど、どうして出てきたんだろう。ケースはあっちだったかな。」
 人体模型をもとあったケースに入れて戻そうと、ケースのたてられているところへ準一は運ぼうとした。そのケースのあるところに外側から薄いあかりがさしていた。
「あっ、あそこだ、ふたがあいている。よし。」
 そのケースのほうへ向かおうとしたが、ケースのなかに別のだれかが入っていたことに気付いた。
「ああっ。」
「くくくく。」
 光のあてられたところには、人間の頭の部分で三つ編みの髪の毛がほかの髪の毛ごとひたいに巻かれているのが見えた。
「こ、これはたしかけさ、あの子がやっていた、あっ。」
 準一は、けさ自分を興奮させた由紀恵の髪とわかったが、その三つ編みの髪から、何箇所かのある編み目に目が現われてきたのである
「うわあーっ。目、目が。」
「おほほほほ。」
 不気味な笑い声の主は、紛れもなく由紀恵だった。準一の前に姿を現わしてきた。
「ええっ?どうしてこんなところに…、あっ。」
「うふふふふ、ひごろからわたしの髪の毛をじろじろ見ていたでしょう。お返しよ。」
 ヘアバンドのように巻いていた三つ編みの編み目に開いていた目がいっせいに光り出した。準一はそれらの光を受けて苦しみだした。
「ううっ、うう、うう。」
 由紀恵が、もがいている準一のほうに近づいていた。準一は、ケースに戻すために抱きかかえていた人体模型もその場に投げ捨てた。そして、準一にとびついてばさっと長い前髪を準一の頭にかけ、片手で準一の背中におろされていた一本の三つ編みの髪の毛先をわしづかみにして引っぱり始めた。
「くくくく。」
「いたいよ。どうしてこんなことするの、はっ。」
 由紀恵の口からも光が出てきて、牙があらわれはじめた。
「うふふふふ。」
「うわあーっ!」
 由紀恵は、長髪流毛によって吸血鬼にされていたのである。そして、長髪流毛は由紀恵を慕う準一に、由紀恵を使ってまたロンゲルゲの手下にしようとしていたのであった。廊下でそのようすをまた水晶玉にうつしとっている長髪流毛がぶきみに笑い続けていた。
「おほほほ。好きな女の子に襲われて吸血鬼にされるのも、男の子にとっては本望なんじゃないかしら。」
 由紀恵は準一の首すじにかみついて血を流させ、舌でさかんになめて吸い取っていた。
「くくくく。さあ、あなたも、吸血鬼になるのよ。」
「ううっ。」
 由紀恵も不気味に笑い続けていた。
(つづく)



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感 想





2003.11.3(Vol.440) 初出___Cont.No.kamil07    第八話へ 目次へトップへ

SNAKEHEART様、毎回のコメント、本当にありがとうございます。
NO.437にお書きになられている疑問の件について、まず申し上げます。

>少女達の言葉がオバサンくさくなっている件
ロンゲルゲになった女の子たちはもちろん地球人ではなく、仰るように魔女の領域に入ってしまうので、たしかにこれをいま風の日本人の言葉でしゃべらせたらやはり違和感があると思います。ロンゲルゲは女社会ですから、女の子にはなるべく女らしくさせるようにしています。

>由紀恵は以前から準一の好意に気づいていたのではという件
これも仰るように、ロンゲルゲになったことで超能力が特に女の子には与えられるようになっています。まあ、この点はちょっと痛い点を突かれたかなと思います。あるいは長髪流毛が由紀恵に教えて彼を襲わせるようにしたというケースとしてもよいと思います。そこらへん、説明をつけ忘れていました。

>女子が男子をいたぶっている件
最初はずっと、男子に女子を襲わせてきましたが、これものちの怖さを増幅するための伏線だったようなもので、女子が男子を襲う場面こそはよりリアルに描けるように、地球の法律では考えられないような残酷さをましています。今回の内容にもありますが、ロングヘア星人は女性上位の世界ですので、女の子はすぐにロンゲルゲになりきってしまうのです。

あと、イラストは長髪流毛の役をやっている由香さんだけでなく、いろんな登場人物の特に吸血場面が描かれるといいかなと思っていますが、そこまではまだ無理かな?長さや髪形も本文に合わせて描かれる方がいらっしゃいますと嬉しいと思います。

今回はまた、より怖い内容になってくると思います
では、ここから本文をどうぞ。

「くくくく、くくくく。」
「うっ、ううう。」
「うふふふ。」
 両サイドの三つ編みの髪をヘアバンドのようにして頭に巻きつけた由紀恵が、残りの前髪を準一の両肩にばさっとかけ、準一の首すじに噛みついて血を流させていた。ロンゲルゲの女王でここの小学校の教師になりすましている長髪流毛によって準一は髪の毛を長くさせられ、頭の上でおだんごにまとめられてそこから一本の三つ編みに結われていた姿になっていた。その一本の三つ編みの髪のなかほどを由紀恵の片手でわしづかみにされ、もうかたほうの手で身体のまわりを抱きしめられながら、準一は悶えていた。長髪流毛が襲って吸血鬼にしていた由紀恵が、また準一を襲って吸血鬼にしようとする姿を、となりの理科室で長髪流毛は水晶玉に浮かべてにやにやと眺め続けていた。
「くくくく。」
「ああ、ああん、ああ…。」
 由紀恵に血を吸い尽くされた準一は、その場でがくっとなった。
 しばらくして、理科室の扉から準備室に移って長髪流毛が現われた。
「あ、先生、たっぷり血を吸いきりましたわ。」
「うふふふふ、よほど、あなたのことが好きらしいわね。」
「やっだー、こんなきもい男、わたしはきらいよ。」
「そのわりには、しっかり襲っていたじゃない。それに、吸血鬼になればこの長い三つ編みの髪の毛が意外と似合うようになるかもしれないわよ。」
「よけい気持ち悪いわ。」
「ふふっ。どうする?由紀恵さん、この男をとくべつにあなた専用の下僕にしてもいいわ。気に入らなければ、殺すこともできるの。女の子には特権が与えられるのよ。」
「そうね、まあすぐ殺すのもなんだし、ちょっと、扱ってみようかしら。」
「うふふふふ、とにかく、この男に好きな女の子を襲わせるようにすればいいわ。」



「あっ、起き出したようだわ。」
 がくっとその場に床に倒れていた準一だが、しばらくして目をさまし、起き上がり出した。
「はっ、こ、ここは…、理科準備室?由紀恵さんが、それに長髪流毛先生も…。」
「先生、ちょっと待って。まだなりきってないみたいだわ。」
「うふふふ、由紀恵さん、心配いらないわ。となりの理科室の鏡のあるところに、この子を連れていくのよ。」
「鏡のところですって?」
「そうよ、さあ、この子の腕を引いて起こしておあげ。」
「はい、先生。」
 由紀恵は、長髪流毛の命令通り、床にすわったままの準一の身体を起こしながら腕を引いて立たせた。そして、理科室の鏡のほうに連れていった。
「いったい、どうしたの?ぼくをどこへ。」
「うふふふふ、わたしといっしょにくればいいのよ。」
 準一は、編まれている自分の髪の毛も長くなっていることも忘れている様子だった。しかし、由紀恵に鏡を見せられて、おだんごとそこにまとめられた水色のボンボンから一本の三つ編みにまとめられた髪の毛が長く垂れ下がっていることにようやく気づいたのであった。
「こ、これは…。」
 準一は、鏡を見ながら、自分の右手を頭の上にもっていておだんごのあるボンボンのところをさわり、そのまま垂れていた三つ編みの髪の毛をさすって、肩の前に毛先が見えるようにおろしはじめた。そして、黒い太めのゴムでゆわえられている毛先をつまみはじめた。
「どう?あんたは三つ編みがお気に入りでしょう。」
「こ、こんなに長く…。はっ。」
 やがて、準一の表情も少しずつ不気味に変わっていった。
「う、ううっ…。」
「どうしたのかしら。」
「う、う、うふふふふ。」
 急に、準一は不気味な笑い声を浮かべ始めた。
「先生、こいつ、急に笑い出したわ。」
「おほほほ、だんだん自分の姿に見とれてロンゲルゲになりきっていくのよ。」
「そうなんですか。」
「やっぱり、男のくせに女の子みたいに髪の毛を長くして三つ編みやおさげもしてみたいといつも思ってたのよ。あの男の子は。」
 長髪流毛の言うように、準一は鏡を見て自分の長くなった髪の毛に見とれているのだった。
「うふふふ、ぼくの髪の毛がこんなに長くなって、うふふふふ、これでロンゲルゲになれたから、別の長い髪の毛の女の子を襲える。うふふふ。血…、血がほしい…。」
「おほほほ、由紀恵さん、どうやらこの男の子も、吸血鬼になりきってきたようね。」
「まあ、ほんとうに女のくさった子ね。」
「さっそく、彼に近づいてなんでも命令してみたら。」
「わかりました、先生。」
 由紀恵は鏡に見とれている準一に後ろからゆっくり近づき、まず準一の一本にまとめられた三つ編みの髪の毛をするするっとなではじめた。そして、鏡に写っている準一の顔に向かって話しかけた。
「おほほほほ。おまえもロンゲルゲ。わたしの下僕よ。わたしの命令にはなんでもしたがう。」
「はい。」
 硬直した準一が首を縦に振りながら抑揚のない声で返事をした。
「ではさっそく、学校の外へ行っておまえの好きな長い髪の毛をした女の子を誰かつかまえに行きなさい。」
「はい、由紀恵様。」
 理科室の扉が由紀恵の目から放った光線によってあけられると、準一もその扉から由紀恵の魔力によってすばやく追い出されていった。それを後ろで見ていた長髪流毛が、由紀恵に声をかけた。
「由紀恵さん、かんたんに追い出しちゃうの?」
「あんなきもい男の姿なんて、ずっと見ていたくありませんわ。」
「まあ、役に立たないと思ったら、あなたが殺すのも勝手だからね。」





 さて、こちらは最初に長髪流毛によってロンゲルゲになっていた昌浩に襲われていた摩亜弥の妹、嗣代が通っている幼稚園で、昼休みのある教室の裏のほうで異様な状況が起こっていた。ひとりの女子園児が草むらのそばで倒れてそのまま寝込んでしまった。
「うふふふ。」
 草むらからは、別の女子園児が現われて、倒れた園児を抱き上げて草むらに隠れていった。倒れた園児は腰まで届いている髪の毛を前髪だけてっぺんに青いリボンでまとめて後ろの髪といっしょに背中におろしていたが、抱き上げた園児は耳が隠れる程度のおかっぱだった。その園児は草むらから続いている、摩亜弥のいる学校に出て来た。そこには、嗣代も別の園児を抱いて立っていた。その園児は嗣代とともにショートカットだった。顔を合わせると嗣代がもうひとりの園児を案内するようにしていっしょに校舎に入っていった。
「摩亜弥ねえちゃん、もうひとり女の子を連れてきたわ。ほら、私がこのまえ連れてきた子も、さっそくもうひとりの子を。」
 そこは理科室で、ツインテールの髪を両側に垂らした摩亜弥が立っていた。
「まあ、よくつれて来たわね。うふふ、じゃあ、あなたはそのままその子を抱いて隣の準備室に行って。長髪流毛先生がいるから、その子を先生に渡すのよ。」
「摩亜弥ねえちゃん、この女の子はどうするの?」
「嗣代のつれてきた子はまた短い髪の子ね。わたしがこの子の血を吸ってロンゲルゲの一員にするから。」
「長い髪の子だと先生に血を吸われるの?」
「違うわ。昌浩にいちゃんによ。」
「ええっ?いいなあ。わたしも昌浩にいちゃんに血を吸われたいしだれかの血を吸いたい。」
 昌浩は一番年長であるだけで、べつにここにいる女の子たちとはもちろん兄妹ではない。
「ふふふふ、嗣代、どっちにしても、これから髪の毛が伸びた時のお楽しみよ。」
「まだだめ?」
「ぜんぜん、三つ編みできるぐらいまでしないとね。」
 摩亜弥は、嗣代の頭の短い髪をなでていた。その後、まだ気絶したままの女子園児の首に摩亜弥が噛みつき、血を吸い始めた。嗣代はその場面をうらやましそうに見つめていた。
 嗣代は摩亜弥によってロンゲルゲの一員にはなっているが、吸血能力は与えられていなかった。事実、摩亜弥の言うように髪の毛を長くしている者でなければ他人の血を吸うことはできないのである。そして、もうひとりの髪の毛が長い女子園児が長髪流毛を通じて昌浩に引き渡されたように、男の子は髪の毛が長い女の子だけ血を吸うことができ、嗣代が連れてきたように長くない髪の女の子は女のロンゲルゲだけが血を吸ってその子をロンゲルゲにするのである。ロンゲルゲになった子で長い髪の女の子には吸血能力のほか特別な力や自分の吸った相手を下僕にする権利も与えられるが、短い髪の子はその手下としてロンゲルゲにする仲間を連れてくるなどいわゆる補助というのか手伝いを命令どおりするだけである。いっぽう、男の子は長い髪の女の子の血を吸うことはできるがその子を下僕にはできない男の子によってロンゲルゲになった女の子はその男の子をさらにロンゲルゲにした女の手下になるのである。これらがロングヘア星人のいわゆるおきてなのである。





 その夜も恐ろしいことが起きていた。
 摩亜弥とは別の小学校に通うある男の子が文房具を買って夜道を歩いていた。その途中で見かけた女子高校生の後ろ姿に、ひと目で興奮してしまった。
「なんてすごく長い三つ編みの髪の毛、ほどいたら地面につくぐらいあるかな。」
 セーラー服を着て黒いかばんを抱えたその女子高校生は、二本の三つ編みにまとめたおさげ髪で、その編んでまとめた太めの黒いヘアゴムがある位置もスカートの下裾にかかるほどあり、髪の一番毛先はひざの裏に届くほどあった。男の子はその女子高校生の髪をもっと眺めてみたいと思って少し後ろからひそかにつけて歩き始めたのであった。体型は太めで顔もそれほどかわいい感じのしない女子高校生で背が高かったが、それだけに髪の長さは1メートル半ぐらいはありそうだった。
 いつのまにか、公園の森に入っていた。その森に囲まれた広場に出て来た。すると、べつのポニーテールにしていた少女が現われた。実は前日、駅の女子便所で京香によってロンゲルゲにされた敬幸がその場で襲ってロンゲルゲにしていた小学生の少女だったのである。そして、女子高校生とは姉妹で、少女も自分の姉を京香に紹介して、敬幸に襲わせて女子高校生はロンゲルゲになったようである。
「おねえちゃん、案内したからもうすぐ来るわよ、いやらしいおじさん。」
「そう、ありがとう。」
「おじさんが入った後、この森のまわりには、だれもほかの者が入れないように電磁バリヤーを張らせたわ。」
「そう、じゃあ、これごほうびにあげるわね。」
「うん。ごちそうさま。」
 女子高校生がかばんから取り出したて妹に渡そうとしていたのは、なんと生きたままのゴキブリであった。驚いたのは傍らで見ていた男の子である。
「えっ?なんだろう、こんな夜に女の子がほかに来るなんて、ああっ。」
 もっと驚いたことに、姉の女子高校生が手にしていたゴキブリをその妹は長いポニーテールの毛先を揺らせて、まるでゲームセンターの賞品を取るような機械のように手づかみするようにそのゴキブリを毛先でつかまえ、またその髪の毛が腕のように動いて少女の髪のはえぎわのあるうなじのところにゴキブリを運ぶと、うなじから口が開き出し、その口のなかに生きたままのゴキブリが運ばれて飲みこまれ、口が閉じられた。少女の正体は妖怪図鑑にあった二口女だったのだと思って、見ていた男の子が驚いてしまい、しかたないから逃げようといま来た森のなかの道を引き返そうとした。

 ところが、その道を戻ろうとしたら先へ歩けなくなった。さきほど妹が姉に対して言ったとおりに、本当に電磁バリヤーが張られたようである。
「いったいこれは…、どうしよう。あっ。」
 少女たちのいた広場のほうをもういちど振りかえると、そこには中年の男性が女子高校生と抱き合っていた。先ほどの姉妹の会話からすると、どうやら、これは女子高校生がいわゆる援助交際というのに中年男を誘ったようである。
「なんだ、しょうがないエロおやじだな。あっ。」
 その中年男は女子高校生と抱き合いながら、両手を女子高校生のお尻のほうに延ばしていた。そのちょうど女子高校生の三つ編みの毛先が垂れている髪の下をかいくぐってお尻をじかに揉み始めた時、女子高校生の双方の三つ編みの髪の毛が首筋の最初に髪が交差しているあたりから不気味に動き始めていた。そして、風もないのに髪の毛先だけが揺れ動き始めたかと思うと上向きにくねらせて男のそれぞれの手首にずるずるっと一本ずつの双方の三つ編みの髪の毛が巻きつきはじめたのである。
「ううっ、い、いたい、苦しい…。」
「くくくく。」
 男が急に悶え始めていた。手首に巻きついたおさげ髪が相当な威力を持っているようである。事実、男の両手をそのまま上に髪の毛で持ち上げたかと思うと、男の身体も宙に上がり始めた。夜で真っ暗だったので見えにくかったが、女子高校生といやらしいことをするために男は裸にもなっていたようである。その男の身体は両方の手首を女子高校生のそれぞれのおさげ髪の毛先につかまれたままで持ち上げられ、三つ編みにまとめられたまま逆立つようにして浮き上がった髪の毛によって男の身体は逆さに裏向きになっていた。そして、女子高校生の頭がおさげ髪の分け目からとつぜん二つに割れ始めた
「ああっ、あの女子高校生も、もしかして妖怪?」
 その割れた分け目のところへ男の逆さになった裸の身体が飲み込まれていった。男の身体も小さくなって女子高校生の頭に飲み込まれ、髪の毛先がようやく手首から離れてまた女子高校生の背中に垂らされ、頭の分け目も閉じられた。男はあとかたもなく女子高校生の髪の毛に食べられたのか。
「うわあっ、髪の毛のなかから…。」
 見ていた男の子は驚き続けるばかりだった。元の位置に戻された女子高校生のひざ裏まである三つ編みの髪の毛先から、ゴロゴロッと人間の骨片らしいものがたくさんこぼれ落ちてきたのである。その様子は、どこか恐怖の世界にあるような人食い花のような髪の毛だった。
「いったい、あの長い髪の毛は…。」
 驚いてたちすくむ男の子だが、周りを電磁バリヤーに囲まれた公園の広場からとにかく抜け出さなければと思って別の道に入ろうとしたが、その道には、さきほどいた女子高校生のポニーテールの妹が立ちはだかっていたのである。
「あっ。」
「見ていたわね。いまの場面を。」
 さきほど、ゴキブリを髪の毛でしかもうなじの口で食べていたことを思い出した男の子は、恐怖におびえるばかりだった。その男の子に対し、女子高校生も超長い三つ編みのお下げ髪を大きく揺らせながら振り向いて、妹とともに近づこうとしていたのであった。
 男の子の運命は?

(つづく)



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感 想


イメージイラスト
    題名  「人食い髪」

(もしも、絵が見づらい場合は、全画面表示もしくは画面解像度を変更して下されば宜しいかと存じます。)

作成:SNAKEHEART    
2007.8.12(Vol.788) 初出___Cont.No.i07s1    目次へトップへ


 


本イメージイラストは、イラストレーターが思い浮かんだイメージで描いたものです。
従いまして、原作者(髪伊良さん)のイメージとは必ずしも一致していないかもしれませんことを、 お詫びいたします。


イラストレーターのコメント


大 画 像(上 の 絵
100ppiへ
(431KB)
66ppi(200KB)
 ....上図


大 画 像(下 の 絵
100ppiへ
(267KB)
66ppi(115KB)
 ...右図





2003.11.13(Vol.442) 初出___Cont.No.kamil08     目次へトップへ

前回もまたありがとうございました。気になる点については、ほかの読者の方々も大勢いらっしゃると思いますので、いちおう説明をつけくわえておきました。今回の「ロンゲルゲの女の子たちがなぜ男の子に好意を持つようになってきたかについては、本文を追っていただければおわかりになるかと思われますので。

「う、うわっ。」
「くくくく。」
「くくくく。」
 夜の公園で、またひとりの少年に恐怖が迫っていた。
 女子高校生のお尻の下まで毛先が届いている二本の三つ編みのおさげ髪に惹かれて後ろをつけてしまった少年は、その女子高校生がひとりの中年男性をその髪の毛で殺害した現場を見てしまったため、迫ってくる女子高校生に自分も殺されてしまうと思って怯えていたのであった。反対側からは、女子高校生のも迫ってくる。うなじにも口があるという二口女という類の妖怪がやはり長いポニー・テールの少女の姿をしていた。



 少年が女子高校生のほうを振り向いたところでふたりにはさまれてつかまってしまった。女子高校生に両方の肩をそれぞれの手で押さえられ、その妹には腰の両側を押さえられている。もう、少年に逃げ場はなかった。女子高校生の顔は初めて見たが、あまりかわいいというイメージではなかった。
「あんた、さっきからわたしのあと、つけてたでしょ。」
 女子高校生にすごまれて、少年はもう認めざるをえないと思った。
「ごめんなさい。」
「やっぱりね。許せないわ。」
「ほんと、男は子どもの時からみんないやらしくなってるんだわ。」
 後ろにいる妹も口を合わせている。
「あの、ぼくもさっきいた男の人と同じ目にあうんですか?ぼくも殺されちゃうんですか?」
「おほほほほ、まずあんたのいやらしさがどの程度のものか、見てあげるわ。」
「ああっ。」
 女子高校生の目が赤く光り出した。そして、女子高校生の背中のほうへおろしていた両方の超長い三つ編みの髪の毛も風もないのに舞い上がり始め、毛先が少年の顔を目がけてとびつき、顔をなでた後に両方のそれぞれの腕のところに移って、少年の腕に巻きついたのである。その髪の毛が少年の腕をきつく絞めあげはじめ、少年はもだえはじめた。
「う、う…、くるしい…。あっ。」
 女子高校生の妹が、少年の着ていた半ズボンのベルトをゆるめてぬがせようとしたのである。
「うふふふ、さっきのおじさんと同じように、はだかになっておねえちゃんの髪の毛に食べられるのよ。」
「や、やだ、恥ずかしい。やめて。」
「さっきのおじさんはうれしがっていたわよ。奥さんも子どももいないから、好きな女の子に殺されるの本望だって。だからよろこんで裸になってたのよ。」
「ぼ、ぼくは死にたくない…、親も悲しみます。ほ、ほんとうにごめんなさい。ぼくを食べないでく、くださ…い。ううっ。」
 するとやがて、女子高校生の赤くなっていた目から光が消えた。
「おほほほ、尋子、もういいわ。あなたは、あなたのことを好きになっている喜久夫くんの母親と妹を襲いに、その子の家に行けば。」
「わかったわ。」
 女子高校生の妹が、少年の背中から離れていった。そう、実は、最初に
予告編で出て来た少女と同一人物だったのである。ちなみに、尋子という名の妹に対して、姉である女子高校生は紗真耶(さまや)という名であった。また、少年の名は勇一で小学五年生だった。
「子どもを殺すのはかわいそうだと思うからね。そのかわり、ロンゲルゲになるのよ。」
「ええっ、ロンゲルゲって。」
「おほほほ、この鏡をごらん。」
「あっ。」
 勇一の肩の両側に、自分の黒髪が長く伸びてひろがっていた。しかも、紗真耶と同じ髪の長さになるため、背の低い勇一の髪は尻から膝をこえてもう少しで地面に届くくらいまでになっていた。
「うふふふふ、女の子顔負けに髪の毛が長くなったのよ。うれしいでしょう。」
 勇一は自分の髪をわしづかみにしてたしかめていた。
「こんな、長い髪の毛に…。」
「でも、そのままじゃ、おうちには帰れないわね。」
「ううっ。」
 紗真耶が勇一のその髪の毛をまたわしづかみにして引っぱりながら、勇一の身体を抱きしめ始め、首に牙を突き刺していた。
「おほほほほ、おまえもこれでロンゲルゲになるのよ。」
 こうして血を吸われていったんがくっとなった勇一は、少したってから目をさまし、不気味な長い黒髪を揺らせながら公園の外に出て夜の街なかをさまよっていた。さきほど、尋子によってぬがされかけていた半ズボンもすでに上げ直していた。
「く…く…く、く、く、く、血…血がほしい…。」
 暗闇で他人にはわからなかったが、その顔も不気味な表情であった。


 また、話は前後するのであるが…。


 美しい黒髪を背中でふたつに分け、またそれぞれきれいに三つ編みにしている者の姿があった。髪を編んでいたのは違う者で、保健室のなかの大きな鏡を前にしてじっと立っていたのは摩亜弥で、摩亜弥の髪を編んでいたのがその摩亜弥をロンゲルゲにした昌浩だった。昌浩は自分の頭に紺色のヘアバンドを巻いていて、前髪を後ろの髪とは分けて両方の肩より前に垂らしていた。
「ほら、両方とも三つ編みにできたよ。」
 できあがった摩亜弥のふたつにまとめられた三つ編みの髪を、昌浩は摩亜弥の胸のほうに両方とも垂らさせ、また鏡によく見えるようにした。
「わあ、ありがとう、昌浩にいちゃん。でも、あたしがやりかたを知らない三つ編み、どこで覚えたの?」
「いつも女の子でそういうことをしている子の髪の毛眺めたり、ヘアカタログの本とか買って読んでいたし。」
「男の子でヘアカタログなんて買って、家の人とかほかの人は知ってたの?」
「ううん?隠れてね。」
「うふふふ、やっぱりそうね。そういう女の子が好きなことわかっちゃうと恥ずかしいでしょ。」
「たしかにね、そろそろ血を吸おうか。」
「あっ、じゃあ、髪の毛を前に垂らしたままで、脇の下から手を入れて髪の毛先をつかんで…そう、そうよ。」
 摩亜弥に言われるように、昌浩は摩亜弥の背中から自分の両手をそれぞれ摩亜弥の脇の下に入れて、前に垂らしている摩亜弥の三つ編みのおさげ髪の先をつかみ、引っぱり始めた。そして、摩亜弥の首の右側から自分の首をのり出させて牙を摩亜弥の編まれた髪のはえぎわに近づけていた。昌浩の右側の前髪も摩亜弥の肩の上にぱらっとかかって摩亜弥の身体の前に垂れていた。昌浩の牙が勢いよく摩亜弥の首すじに刺された。
「くくくく。」
「ああ…、気持ちいいわ。」
 摩亜弥は、自分の髪の毛先をつかんでいる昌浩の右手首をまた自分の右手で握り始め、昌浩の手首を動かしていた。昌浩の表情が急に変わり出した。
「あっ、ちょっと摩亜弥ちゃん、だめだよ。」
「うふふふ。」
 摩亜弥は自分の胸に昌浩の手を触れさせようとしていたのであった。そこへ、長髪流毛が入ってきた。
「摩亜弥ちゃん、だめよ。昌浩くんに変なことさせちゃ。ずっと水晶玉で見ていたけど。」
「うふっ、わたしのおっぱいさわらせたらどんなふうに感じるかなあって思って。だって、わたしの髪の毛を編んでいた時からにやにやして、わたしの血を吸おうとした時はもっといやらしい顔つきになってたの、鏡で見えたわよ。」
「摩亜弥ちゃん、昌浩くんはね、女の子にやさしくしたいといままでいつも思い続けてたのよ。そういう機会がなかったから、すごくうれしがってるのよ。」

 その保健室に、摩亜弥の妹である嗣代や、嗣代のほかに摩亜弥がロンゲルゲにしていた幼稚園の女児たちも入ってきた。
「摩亜弥ねえちゃん、わたしも昌浩にいちゃんと遊びたい。」
「わたしも。」
「なによ、おまえたちはあたしの奴隷のくせに。」
 そこへまた長髪流毛が割って入った。
「摩亜弥ちゃん、あなたがこの子たちを奴隷にしているのなら、あなたはわたしの奴隷よ。あなたをロンゲルゲにした昌浩くんはわたしがロンゲルゲにしているんだからね。そうだわ、わたしいま、近くの中学から呼び出されて、ちょっと用事があって出ていくから、みんな留守番してくれる?」
「先生、ぼくが摩亜弥ちゃんから吸った血は、いまは吸わないんですか?」
「夜中になったら、墓場で吸ってあげる。そのほうがムードが出るでしょう。」
「じゃあ、わたしたち、いま昌浩にいちゃんと遊べるのね。」
「どうぞ。」
「わあーい。」
 困ってしまったような顔をしたのはもちろん昌浩で、どうして遊んであげていいかわからなかった。
「昌浩くん、自然に相手してあげればいいのよ。摩亜弥ちゃんもなかよくね。」
 長髪流毛はそういうとすぐに教室を出ていった。

 廊下に出た長髪流毛は、やはり自分が襲ってロンゲルゲにした栄二と会った。
「あの、先生…。」
「なにかしら?」
「沙弓ちゃんが、血を吸わせてくれないんです。」
「だったら、いくらでも髪の毛長い女の子、ほかにいっぱいいるでしょ。」
「でも、やっぱり沙弓ちゃんから吸いたい。」
「うふふふ、あなた、沙弓さんに一途なのね。まあ、自分に一途になってくれるのを喜ぶ子も多いけど、まず、あなたはちょっとやりかたが乱暴よ。それじゃ女の子に好かれないわね。」
「でも、ロンゲルゲになっているのに。」
「いい?栄二くん。ロンゲルゲになったからといっても自由に女の子を襲えるわけではないわ。昌浩くんを見たら?全然女の子にもてない子だったのに、あんなに女の子が寄ってくるようになったんだから。わたしたちロングヘア星人はね、女中心の社会よ。女の子によく思われない男は、場合によっては殺されるかもしれないのよ。」
「ええっ?殺されるって。」
「女の子から血を吸えなければわたしもあなたから血を吸えないし、へたすると飢え死にしてしまうのよ。よーく考えておいてね。」
 長髪流毛はそう言って校舎の出口に向かっていった。栄二は少し驚いていたが、反省しているようにはあまり見えない感じであった。
 保健室では、嗣代がさっそく昌浩の前髪にさわりはじめた。
「きれい、昌浩にいちゃんの長い髪の毛。」
「ちょっと、ひっぱっちゃ痛いよ。乱れちゃうでしょ。」
「三つ編みしようと思って。」
「嗣代、あんたには無理よ、まだ。でも、昌浩にいちゃんってやっぱり髪の毛長くしたほうが似合うし、きれいになったわ。ロンゲルゲになる前はきもいと思ってたけど。」
「摩亜弥ねえちゃんのこと、いつも追っかけてたでしょ、昌浩にいちゃんは。」
「もう。よわっちゃう。」
「うふふふ。」





 さて、長髪流毛の出かけた中学とは、もちろん同じ学区であるから、昌浩たちが卒業すれば進学することになる公立の学校であるが、たしかに長髪流毛に来てほしいという電話があったのは事実であった。
 ちょうど昼休み中の中学校の敷地に入った長髪流毛は、まず獲物になりそうな長い髪の女子生徒がいないかどうかを見回した。この中学はもちろんみな制服を着ているが、摩亜弥の姉である京香が通う私立の中学や、その京香が襲った男子生徒のまた襲わせた女子高校生である紗真耶のようなセーラー服ではなく、地味な感じの制服だった。
「長い髪の毛の子、ぜんぜんいないみたいね。あっ、あそこに…。」
 長髪流毛は、校庭のはじのほうにあった木陰にぽつんとひとりでいた女子生徒の後ろ姿を見つけていた。体型は太っていて身長も高いほうであるが、ふたつにまとめた三つ編みの髪もややルーズな太めの編み方をしていて、毛先はウェストぐらいまでだった。さっそく、長髪流毛はその女子生徒のいるほうへ足をゆっくりと運んでいった。
 ロンゲルゲの恐怖の魔の手が女子中学生にも…。



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「吸血怪人ロンゲルゲ」(ご感想)パート
SNAKEHEART  2003.8.21(Vol.411) 初出___Cont.No.snake00    
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編集・発行者からの御礼−−「吸血怪人ロンゲルゲ」予告編
髪 伊良さん、 「呪いのロングヘア」 「へび髪の吸血少女(前編)」 「へび髪の吸血少女(後編)」 (いずれも思いの丈ぶっちゃけコーナーPART5に収録)そして 「ロングヘアのおにいちゃん」に続くロングヘア小説の第5弾 (ロングヘアーホラー小説としては第4弾) 「吸血怪人ロンゲルゲ」 ....かなりの大作になりそうで今回はその予告編との事でしたが、いや〜〜早くも期待に胸が膨らみますネ〜〜。 ホラーとも言えましょうしSFとも言えそうですね(& お笑いとも言えたりして ^_^ )
この “ロンゲルゲ” という名前の響き....なんとなく懐かしいですネ、実は1972年に放送された 「超人・バロム1」と言う番組に出てくる怪人がみんな “○○○ゲルゲ” という名前だったんですよね ....おお〜〜そう言えば “カミゲルゲ” という怪人も居たなァ(^_^ )、勿論髪の毛の怪人でしたけど (30年以上も前なので詳しい内容はもう忘れましたが)....そうそうそれからこの「バロム1」と言う番組、 主役の1人の猛少年のお姉さん役の女優さんがロングヘアーだったなァ(途中でセミロングにしたけど)。
ま、「バロム1」と言う番組の話はさて置きましても、この名前の響きに懐かしさを感じている読者の方々も 結構いらっしゃるのでは?


それにしても今回の予告編....いや〜〜早速笑わせて頂きました(って、ホラーなのに笑っていいのかな??)。 なんとまあ、由香さんが主演女優ですか!!!....こりゃまた光栄の極みでございますが(^_^ ) ....ありゃま、なんと吸血鬼の役ですか! しかもいきなり髪伊良さんに血を吸われちゃったりして.... う〜〜〜っ
でもその後で、龍宮城の乙姫様のような髪様、じゃあなかった神様になって喜久夫君の夢枕に 立って「願いを1つかなえてやろう」という奇想天外な展開にはもう爆笑しちゃいました。
> 成績が上がっておこづかいがいまよりふえるようになる・・・それじゃあ2つじゃないか・・・夢のないやつだな .... このギャグも最高に面白いですネ。ずーーーっと昔の赤塚不二男氏あたりのギャグ漫画やドリフのコントを 見ているかのような懐かしいフィーリングも感じてしまいました。 由香さんにしては少し言葉が乱暴な感じもしますが(^_^ )、でもその姿がホント目に浮かぶようですよ。
> 「おほほほほ、それでは、どろーん…。」 .... このセリフの中に擬音まで入っているのが、またまた笑えますね。ホント髪伊良さんのギャグ感覚には 脱帽しますヨ。
ところで、> 「子どもは好きだと思うんですが」 .... はい、由香さんは子供が大好きです(参照:「髪長お正月」)、 ただし未だ子供が出来るような行為はした事がありませんが(えっ! ^_^ )。 ちなみに今制作中の「横分けにする・完結篇」では子供がちょっとだけ絡む予定です(宣伝 ^o^ )

そして由香さんの髪様ならぬ神様が消えた途端、目を覚ました喜久夫君の頭からは長い黒髪が伸びていて ....『あれっ、どこかで読んだ様な展開だな』と思いきや、 >「まさか、どこかのお話みたいに・・・」 .... ちゃんと書かれてましたね(^_^ )。そうそう「呪いのロングヘア」 でしたよね。
更には、 > パパの浮気相手が髪の長い女の人だったから、真理にも絶対に長くさせないのに .... この設定の再登場にもまたまた笑わせて頂きました。
それにしてもホント、気の弱い男の子が突然ロングヘアーになってしまうというストーリーが お好きなんですネ(笑)。
それから、 > わたしのヘアゴムに命令を入れるから、あなたはわたしの思いどおり動くようになるのよ .... このあたりはまさしくロングヘアーホラーSF小説ならではの超能力ですよね。 そしてまたまた 2本の三つ編みをわしづかみにして、首筋から血を吸って....たしか 「へび髪の吸血少女」でもありましたねぇ ....この展開もなにやらお好きなようで(笑)。


それにしても、ロングヘア星ですかァ....いつもながら(髪伊良さんの作品は)実に奇想天外と申しましょうか、 ご発想がユニークと言うか独創的ですが、 遂に地球外にまで話が発展してしまいましたねぇ (だからロングヘアーホラーに加えてSF小説とも言えましょうかネ)。
でも今思ったんですけど、もしも今から1000年前に、宇宙人が望遠鏡で地球の日本を見ていたとしたら、 『この星はロングヘア星か!?』と驚いたかもしれませんね(^_^ )。
でも私もぶっちゃけ話、今となってはロングヘア星人(えーーーっと、オサゲルゲでしたヨネ?)の力でも借りたい心境ですよ、 この現在の日本のロングヘアー女性が絶滅の危機に瀕している状況には。 1000年前の平安時代とまでは言いませんけど、せめて10年前のワンレンブームの頃の状態にまでは戻ってほしいですねーー。
その意味でもオサゲルゲさんには救世主として期待したいですし(由香さんが演じると言うのも相応しくて光栄ですネ ^_^ )、 我々ロングヘアーLOVERたちの望むような世界を作りあげてくれそうな期待が持てそうですね ....今回の「吸血怪人ロンゲルゲ」には。

次回から始まる本編、とても期待しております。
繰り返させて頂きますが、今回の「吸血怪人ロンゲルゲ」の予告編、本当にありがとうございました。

「吸血怪人ロンゲルゲ」(ご感想)パート
SNAKEHEART  2003.9.7(Vol.416) 初出___Cont.No.snake01    
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編集・発行者からの御礼−−第一話「ロンゲルゲの侵略」
髪 伊良さん、いよいよ本編が始まった「吸血怪人ロンゲルゲ」、 その第一話「ロンゲルゲの侵略」のご執筆とご発表、 本当にご苦労さまでした。まことにありがとうございました。
実は前回の予告編を読ませて頂いたときは、てっきり小学校3年生の喜久夫君と同級生の尋子ちゃんが 主人公だと思ったんですけど、今回の第一話(本題)を読ませて頂いたら小学6年生の昌浩君と5年生の摩亜弥ちゃんが 中心になっていたので意外な感じがしました。 それと予告編の神様のパート(没シーンとの事でしたが)と今回の第一話とは全然違った展開でしたし.... う〜〜〜んっ一体全体これからどのような展開になるのカナ? もしかしたら毎回のオムニバス形式にでもなるのカナ?? ....とか色々想像しちゃいました。
でもそういう(我々読者にとって)今後の展開の見通しがつかないと言うのは、とってもワクワクですよね。 本当にこれからの続編を読むのが楽しみです。

さて今回の第一話ですが、最初にタイトルが出ずに、いきなり事件が起こりそして謎の美女(? ^_^ )が登場し、 そしてタイトルがバン!と出てきて....おお〜〜まるでテレビドラマを見ているみたいでした (「ウルトラQ」がそんな感じだったなァ)、勿論劇場映画でも良いんですけどネ。 こういう趣向を凝らした始まり方に先ず感心しましたし、これまた第二話以降の始まり方も楽しみになってきました。
例えば....TVを見ていたら時報が「プ・プ・プ・ピーーン」と8時を知らせたと同時に、画面には先ず校舎の外観が映り 「きゃぁーー!」「ひゃぁーー!」という悲鳴が轟くファーストカット。 そして画面が切り替わって廊下にポタポタと滴り落ちる血が映り、 次に理科室の中で若く美しい(?)女教師が不気味な口調で吸血鬼となった子供達に語りかけ、 その高らかに笑う女教師の顔が画面一杯に映ってストップし(ネガ像になったりして)、 そしてその女教師の顔の上に「吸血怪人ロンゲルゲ」第一話「ロンゲルゲの侵略」のタイトルが出て、 不気味なテーマ音楽と共に「原作:髪伊良(さん)」「出演・・・長髪流毛:水島由香」のテロップが流れる ....と言った一連のファーストシーンがホント目に浮かぶようでしたよ。 それだけ文章に臨場感が有って、読者である私がこの不思議な世界にトリップさせられた訳ですよね。
タイトルが出る前にちゃんと長髪流毛さんが自己紹介と目的を語っている点もホント、ツボを押さえてらっしゃいますよね。

そしてタイトルが出終った後、いよいよ長髪流毛さんがその本性と凶暴性をあらわにしますよね。
> 「この地球上の人間をすべてロングヘアにしてわたしの下僕にするのがこの地球にやってきた目的よ」 .... まあ一般の人が読めば「下僕にするのは分かるけど、でもなんでロングヘアーにする必要が有るの?」と 思うかもしれませんが、そこがロングヘアーサイトで発表される小説ならではの良い所ですよね!!(^_^ )  そして....
> 「はじめてわたしの髪の毛を見たときもじろじろ見ていたのがわかっていたし」 .... おお〜〜〜、このロングへアー好きの男の下心をちゃんと見透かしていて、そこに付け込んでくると言う展開 ....以前の「へび髪の吸血少女」 でも有ったと思いますが、なにか読んでいてゾクゾクと快感を感じてしまいますねぇ (ロングヘアーフェチの私としてはちょっとマゾ的ですが)。 それもここでは大人の女性が小学生の男の子の下心を見透かしていると言う点が、 いかにも掌の上でもてあそんでいるかのようで。そしてそして....
> その髪の長さは膝をこえてもう少しで床にとどきそうなところまであった .... いや〜〜〜この点は、(主演に抜擢くださった)由香さんの髪の長さにちゃんと合わせて書いてくださいまして、 由香さんの所属事務所長(?)の私としても本当にありがたいです(感謝・感謝)。 血を吸う時にでも > ばさっと男子児童の肩に自分の黒髪をかぶせ ....と、ちゃんとロングヘアー吸血鬼ならではの描写を加えてくださる所が素晴らしいデス。

そしていよいよ長髪流毛さんが本格的な活動を始めましたねぇ、それも自分ではあまり手を下さずに 子供を利用して。 なんとなく楳図かずお氏の「へび少女」で、妹のカンナちゃんを利用してお姉さんのサツキちゃんを へび少女にしようとした作戦を連想しちゃいました。
> あなたはさっそく、おうちに帰ってまず妹さんを襲って吸血鬼にしなさい。
> おねえさんのほうはこの男の子に襲わせるわ
.... このあたりの分業制による手の込んだ作戦がまたまた良いですよね〜〜、 男の子に女の子を襲わせるという気配りをちゃんとしていただいて(^_^ )。 そして....
> 京香は、自分の部屋をあけっぱなしにしていてこの間トイレに寄っていた
>あいていた京香の部屋に昌浩はすんなり入ってベッドの下に隠れ、京香を待っていたのである
.... おお〜〜このトイレに行った間に忍び込むと言う卑劣さが素晴らしい!  読んでいてホント快感を感じますよ(^_^ )。私もやってみたいなぁ....勿論やる筈ないけど。

いつもながら(勿論今回も)、ホラー漫画のエッセンスとロングヘアーの官能描写が巧みに融合された ストーリーと文章表現には本当に堪能し楽しませて頂いております。 次回の第二話以降もとっても楽しみです。
「吸血怪人ロンゲルゲ」第一話「ロンゲルゲの侵略」のご発表、本当にありがとうございました。

「吸血怪人ロンゲルゲ」(ご感想)パート
SNAKEHEART  2003.9.17(Vol.419) 初出___Cont.No.snake02    
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編集・発行者からの御礼−−第二話「髪の毛が長くなった男の子」
髪 伊良さん、いよいよノッテきました「吸血怪人ロンゲルゲ」、 その第二話「髪の毛が長くなった男の子」のご執筆とご発表、 本当にご苦労さまでした。まことにありがとうございました。
前回の第一話「ロンゲルゲの侵略」からわずか10日でのご発表ですもんね、 すごく意気込みも伝わってまいりました。
前回の第一話は主に昌浩君と摩亜弥ちゃんが長髪流毛さんのターゲットでしたが、 今回の第二話は主に栄二君がターゲットにされましたね.... ですが昌浩君篇を前回では完全に終らせず今回に少し残して冒頭に持って来て導入部にした と言う展開が素晴らしかったですネ。先ずはその今回(第二話)の導入部ですが....
> 自慢の美しく超長い黒髪によってある少年を誘いだし、少年が最初の犠牲者になった .... いや〜〜考える事がコワイですネ〜〜、超長〜〜〜い髪の毛で男を誘い出して下僕にするなんて ....私なんてイチコロでしょうねぇ。 まったくロングヘアーフェチの私が読んでいてドキっとさせられました。そして....
> 水晶玉にそのシーンをうつしとっていたのは、恐ろしい女吸血鬼の長髪流毛で .... でましたねーーー、水晶玉! これぞまさしく魔女の証明!.... いや〜〜ホント益々 “それらしく” なって来て面白くなってきましたねぇ。


そして長髪流毛さんのターゲットが、昌浩君と摩亜弥ちゃんから栄二君と沙弓ちゃんに移りました。 でもその前段階として、“身体検査につけ込んで男子生徒を洗脳する” 作戦を取りましたが、この発想がまた 素晴らしいですね〜〜、それに読んでいてとても懐かしくもありましたデス。
男子と女子が部屋を分けられてそしてパンツ1枚にさせられて順番待ちさせられる光景.... 『ああ〜〜そう言えば、そういう事もあったなァ』ってもう30年以上も前の懐かしい記憶がなんとなく蘇ってきて、 読んでいて楽しくもありました。 「バージンヘア」もそうなんですけどこうして小学校を舞台にしている小説って、郷愁を誘ってくれて とても楽しくなって来ますよね。
だがその男子生徒たちが閉じ込められた密室のある隙間(ここでは水道の蛇口)から煙が噴出してくる という展開....おお〜〜これまたSFやホラーの王道的展開ですネ。 先ほどの水晶玉と言い、しばらく見かけなかったこういうホラー的小道具が 続々と飛び出してくる展開もまた(違った意味で)とても懐かしくて楽しいです。

そしてこの前(4日前)も申しましたけど、 気がつくと、好きな女の子と同じ髪の長さになっていたという発想はもう最高に傑作・ケッサクでした。 この煙は男子生徒の心の中を読み取ってそれを具現化する能力を持っているのか?....まあそんな 科学的考証をコジツケる必要もないですよね、兎に角その発想が面白すぎですヨ.... これぞまさしく(こういったロングヘアーサイトだけでしか読めない)ロングヘアーSF小説ならではのご発想ですネ。
でもこの栄二君みたいに自分1人だけが特別に髪が長くなったら確かにビックリするでしょうねぇ ....そしてその理由を > あなたはだれか、言ってあげましょうか・・・沙弓ちゃんでしょ .... と、ズバっと指摘されたらもう身の毛も総立ちする程ギクーーっ!とするだろうなァ。 ホントこれもコワイ発想ですよ。加えて....
> 沙弓さんのこと好きな男の子、あなただけだったようね。ほかにだれかいれば
> あなたと同じ髪の長さになっていたんでしょうけど、ライバルがいなくてよかったわね
.... この追い討ちをかける毒舌がまた子気味いいと言うか、私も思い当たる所が有るだけにギク!ギク!と させられますよ....『もしも私が栄二君と同じ目にあったら』と思うと。
でもホント、もしも男子全員がこの様に、好きな女の子と髪が同じ長さになったとしたら、どいつが自分と同じロングヘアーフェチか 分かる訳ですから....うんっ、実際にこんな事が起こったら面白いことも確かでしょうネ。


いや〜〜今回もまたまたユニークで独創的なご発想(ユニークと独創的は同じ意味とちゃうんかい!? ^_^ ) と様々な懐かしい小道具や舞台(身体検査、水晶玉、密室の煙など)の描写をとても楽しませて頂きました。 次回の第三話もとても楽しみです。
「吸血怪人ロンゲルゲ」第二話「髪の毛が長くなった男の子」のご発表、本当にありがとうございました。

「吸血怪人ロンゲルゲ」(ご感想)パート
SNAKEHEART  2003.9.27(Vol.424) 初出___Cont.No.snake03    
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編集・発行者からの御礼−−第三話「長髪流毛のたくらみ」
髪 伊良さん、もうとめられない絶好調の「吸血怪人ロンゲルゲ」、 その第三話「長髪流毛のたくらみ」のご執筆とご発表、 本当にご苦労さまでした。まことにありがとうございました。
今回もまたまた前回の第二話「髪の毛が長くなった男の子」からわずか10日でのご発表ですもんね。 しかもこれまでで最大のボリュームでしたし。
近いうちに、この「吸血怪人ロンゲルゲ」も(「髪長私学」のように)この思いの丈ぶっちゃけコーナーから独立させて、 「長篇連載ホラー小説・吸血怪人ロンゲルゲ」として1コーナーにさせて頂きますつもりです。 少しお待ちくださいね。


さて、今回第三話なのですが、最初に気が付きましたのが、前回に引き続きまして、 > 地球人を手下にして征服を狙うロンゲルゲの恐ろしい女吸血鬼、長髪流毛は、子どもたちの血を好物にしていた .... と冒頭の方で必ず毎回説明文を入れて下さる事がとても親切で面白いです。それとなんと言っても 毎回のタイトル名が、新しい原稿を受け取るたびにとても楽しみなんです。
それにしても今回もまたまた長髪流毛さんの悪知恵が炸裂しまくりでしたね.... 子供を便所に閉じ込めて > 「この便所で叫んでもだれにもきこえないわ。きこえたらたいへんよ。あなたが女子便所にいて、 しかもこんなすがたになって入ってるんだから、まちがいなく変態と思われるのよ。」 と弱みに付け込んで血を吸ってロンゲルゲにしたり (勝徳君の前にいきなり現れる神出鬼没さもケッサク)> 「きのう体重測定で記録するときにあなたのところで桁をまちがえて数字を記入してね。 それで、わるいんだけどもういちどやり直したいと思うの。」 と、わざとらしいウソこいて (「桁まちがえる」って、どんな間違いなんでしょうねぇ....笑)、 沙弓ちゃんを保健室に連れ込んで栄二君に血を吸わせたり >「わかりました、長髪流毛先生。」というセリフも 何となく笑えるんですよね。沙弓ちゃんも『長髪流毛なんてヘンな名前だな』とか思わないんでしょうかねぇ? ^_^ ) ....なんかちょっとやる事が大人げない様な気もしますが(笑)、まあそれがまた面白いんですよね (だって宇宙人ですもんね。地球人とは価値観が違いますよね)。 髪伊良さんもとっても楽しんで書かれているようにお見受けしますが???

それにしても、長髪流毛さん、随分やる事が乱暴ですねぇ.... > 「先生、なんで、すごく力が強い。」長髪流毛に手首を強く握られたまま .... > 女子便所の一室の扉をあけると勝徳をそのなかにつきとばしておしこめた .... > いま編んだ勝徳の三つ編みの髪の毛のなかほどをわしづかみにし .... あ〜〜あ〜〜もう、やりたい放題ですねぇ(笑)。
でも毎回毎回、趣向を凝らした子供の “だまし方” と “弱みへの付け込み方” と “利用の仕方” は ホント読んでいて楽しいです(ホラーなのに楽しんで良いのカナ? ^_^ )。
“トイレの中で襲う” と言う手口は以前にも「へび髪の吸血少女」 でも有りましたね。ニオイが強烈な場所だけに抵抗力も弱っているでしょうから(?)、 襲われると尚更恐怖が増幅される場所でしょうネ。 もし用足し中ならば無防備状態ですから一層そうでしょうし.... 第三者として読む分には面白いですけど、当人の勝徳君の恐怖たるや尋常なものではない事でしょうネ、 まだ力が弱い子供だけに。
『もし自分が当人だったら、どれほど恐怖を感じるだろう....?』と考えながら読む事が、 ホラー小説を読む際には大切な事でしょうネ。 それと当然、恐怖に引きつる子供の顔やその都度の長髪流毛さんの表情などを想像しながら読む事も。

それと朝登校して来た(ロングヘアーにされてしまった)男の子達と、それを見た 女の子達の反応や会話の端々からも、興味を引かれるセリフと言うか思想が見受けられますね.... いくら長髪の男性が増えてき、男女の垣根が低くなってきたとは言え、やっぱまだまだ長髪の男性は異常に見える と言う事ですよね。男の子達の困惑した表情がホント、目に浮かぶようです。
むしろ、小学校のような子供の世界だからこそ余計に異常扱いされるかも知れませんね。 もしもこれが会社の中など大人の間で起こった事ならばさほど異常扱いされない感じがします、私は。
これまで長く生きてきましたが、大人の世界よりもむしろ子供の世界の方が画一化された規則・思想に支配されていた ような覚えが私にはありますから。 その意味でも興味を惹かれましたね、今回(第三話)のこの朝一番のシーンには。


さて次回もまたまたいかなる手段を講じて長髪流毛さんはロンゲルゲを増やそうとするのか?  あるいは長髪流毛さんの悪事にもそろそろ綻(ほころ)びが出始めるのだろうか? ....など色々想像してしまいます。次回の第四話もとても楽しみです。
「吸血怪人ロンゲルゲ」第三話「長髪流毛のたくらみ」、今回もまたまたとても楽しませて頂きました。 繰り返させて頂きますが、ご執筆とご発表、本当にありがとうございました。

「吸血怪人ロンゲルゲ」(ご感想)パート
SNAKEHEART  2003.10.8(Vol.429) 初出___Cont.No.snake04    
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編集・発行者からの御礼−−第四話「黒髪に光る目」
髪 伊良さん、連載開始(予告編は除きまして)から1ヶ月を経過し益々絶好調の「吸血怪人ロンゲルゲ」、 その第四話「黒髪に光る目」のご執筆とご発表、 本当にご苦労さまでした。まことにありがとうございました。
前回も申しましたが)近いうちに、この「吸血怪人ロンゲルゲ」も(「髪長私学」のように) この思いの丈ぶっちゃけコーナーから独立させて、 「長篇連載ホラー小説・吸血怪人ロンゲルゲ」として1コーナーにさせて頂きますつもりです。 少しお待ちくださいね。


で、今回は先ず、ここまでのロンゲルゲにされた登場人物を取りあえずは纏めさせて頂きました。

ロンゲルゲ一覧(第4話まで。ただし予告編は除きます)
(*)赤い数字はロンゲルゲにされた話数を示します。
名前登場話(*) 年齢・所属血を吸われた
相手(感染元)
血を吸った
相手(感染先)
髪の長さ好きな相手備考
長髪流毛
(おさげるげ)
1〜4
初めから
見た目
 20代前半
理科教師
 昌浩、栄二
勝徳
地面の近く ロングヘア星人
昌浩,2 小6
 (2組?)
長髪流毛摩亜弥
京香
背中の真ん中摩亜弥 
摩亜弥 小5昌浩嗣代  昌浩のマドンナ
嗣代 幼稚園摩亜弥  おかっぱ 摩亜弥の妹
京香1,,4 中学生昌浩   摩亜弥の姉
栄二,3,4 小6(1組)長髪流毛沙弓 お尻沙弓 
勝徳2,,4 小6(1組)長髪流毛亜紀 わきの下亜紀 
沙弓,4 小6(1組)栄二  お尻 栄二のマドンナ
亜紀3, 小4勝徳  わきの下 勝徳のマドンナ

こう言ったところでしょうか?....この他にも昌浩君の両親と摩亜弥ちゃんの両親が 既にロンゲルゲにされていると思われますし、今回の第4話のラストに出てきた中学生の敬幸君も 次回あたりロンゲルゲにされそうですねぇ。
今のところは数的には圧倒的に女子が多いですね。それと(これも今のところは)長髪流毛さんを除いては、 女子が男子の血を吸ったケースは無いんですネ....これは次回あたり....どうなるでしょうかネ?(^_^ )


さて、今回第四話なのですが、最初に原稿を頂きまして「黒髪に光る目」というタイトルを見た時には、 『前髪を全部顔の前に垂らして(ギョーカイ(?)用語で “のっぺらぼう”)、その隙間から目が光ってるのかな?』と 連想したのですが....意外や意外、三つ編みの編み目1つ1つに目が出て来るという奇想天外な 妖気的現象の事を意味していたんですネ。そうそうそれから今回もまたまた冒頭で > ロンゲルゲの女王、長髪流毛(おさげるげ)・・・世界征服をはかろうという恐ろしい女吸血鬼なのである と説明文を入れて下さってましたね。

ま、この “まさに編み” に関しましては後でまた感想を書かせて頂く事にしまして.... 今回はなにか今までになく悩ましげなセクシーなシーンが多かったような気がしました。 > 栄二の背中にとつぜん抱きつき・・・わきの下から両腕を伸ばして・・・うなじの分け目のところを舌でなめると > 勝徳の脇の下から両腕を入れて・・・うなじに口を近づけて髪の分け目のところを舌でなめはじめた・・・「あん、先生、きもちいい…。」 .... 栄二君も勝徳君も、長髪流毛さんに血を吸われるのはこれが2回目になる訳でしょうか?  なにやら最早快感(というか悦楽の境地)になりつつある様にも見えますネ(^_^ )。 私は献血が大嫌いで、した事が無いんですけど、でも献血好きの方ってもしかしたらこの様に快感になってるんでしょうか??
くわえて長髪流毛さんもただ単に地球を征服するのが目的なだけでなく、悦楽を求めて地球にやって来た様にも 見えますネ。血の吸い方も随分手馴れてきたというか楽しみ方・性的な快感の覚え方まで修得してきた感じがします。

それに、血を吸うシーンはもとより、(自分が長くさせた)栄二君や勝徳君の長い髪を > 長髪流毛は、勝徳の左側の髪の毛をまとめあげ、ピンを入れて整えて三つ編みを結いはじめたのだった (これは前回)、 > 長髪流毛が栄二のお尻まで伸びた黒髪をけんめいにブラッシングすると、 栄二の髪をふたつに分けてヘアピンを何本も入れられ、沙弓が左半分を、 長髪流毛が右半分の髪を直接三つ編みに結いはじめていた .... まあやってる事は良くないにしても長髪流毛さんは本当に長い髪が好きなんでしょうネ。 この髪をブラッシングしたり編んだりするシーンにも少々悩ましさを感じてしまいますし、 一種の愛情も感じてしまいますヨ。
で、ここまで(第4話まで)読ませて頂いたところ、 長髪流毛さんは男の子の髪ばっかり梳いたり編んだりしていて、女の子の髪には触れていないんですネ ....このあたりはやっぱり長髪流毛さんのご趣向の現われなのでしょうか???

今回新たにロンゲルゲになったのは4年生の亜紀ちゃんですが、前回亜紀ちゃんが出てきたトイレの中で ロンゲルゲにされた勝徳君が、場所は違えど同じくトイレの中で(好きな)亜紀ちゃんをロンゲルゲに したコダワリ方が良いですネ〜〜(この2人はなにやらトイレでつながった “クサイ仲” だったりして ^_^ )。 そしてまたもやその現場に現れる長髪流毛さんの面倒見(?)の良さが感心ですネ。 まさしくロンゲルゲのスーパーバイザーって感じで。 思い通りに計画が進みニンマリほくそえむ長髪流毛さんの顔が目に浮かぶようですよ。そして....
> 「長い髪の毛をあなたのものにしたのと引き替えに、あなたは悪魔に心を売ったのよ」 .... いや〜〜このセリフがにくいですネ〜〜〜。まさにホラーの王道のセリフと申しましょうか。


さて、今回のタイトルでもある問題の「黒髪に光る目」ですが、 先ほども申しましたけど三つ編みの編み目1つ1つに目が出て来るというのはまことに意外な展開でした、 これもロンゲルゲの特徴なのでしょうか?  昔「悪魔くん」という番組に出てきた “百目” という妖怪を何となく思い出しましたヨ。 後ろで倒れた男性は、その目を見て恐怖のあまり倒れたのか?  それともその三つ編みの目からなにか妖気が発せられて倒されたのか? ....いずれにせよ、目の前にいきなりそんな目が出てきたら、誰でもビックリして失神しそうになりますよね。

ま、そういう妖気的な恐さもさることながら、我々ロングヘアーLOVER・フェチたちにとっては、また別の意味でも コワサがありますね....と言うのは、他のフェチたちと比べて我々ロングヘアーフェチたちにとっての利点は なんと言っても “後ろには目が無い” という事。ですから女性の長〜〜い髪の毛を長時間マジマジと見つめていても 相手に気づかれないという利点があるわけですよね。
ですが、もしもこの様に“髪の毛の中に目が有ったら”、女性の長〜〜い髪の毛を後ろからマジマジ見つめる事も 出来なくなってしまう訳ですよね。いや〜〜このあたりなんだか、痛い所を突かれた感じですねぇ。 髪伊良さんの作品は一見荒唐無稽のようでも、実はロングヘアーLOVER・フェチたちの深層心理を 鋭く突いていらっしゃる所が多々見受けられますデス。

さて、>「う…ふ…ふ。わたしの餌食になりたいようだわ。」 というセリフは、京香ちゃんに想いを寄せる敬幸君に危機が迫っている事を意味するのでしょうか? ....ハラハラドキドキしてしまいますねぇ。次回の第五話もとても楽しみです。
「吸血怪人ロンゲルゲ」第四話「黒髪に光る目」、今回もまたまたとても楽しませて頂きました。 繰り返させて頂きますが、ご執筆とご発表、本当にありがとうございました。

「吸血怪人ロンゲルゲ」(ご感想)パート
SNAKEHEART  2003.10.17(Vol.433) 初出___Cont.No.snake05    
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編集・発行者からの御礼−−第五話「少女に与えられた特権」
髪 伊良さん、益々絶好調の「吸血怪人ロンゲルゲ」、 その第五話「少女に与えられた特権」のご執筆とご発表、 本当にご苦労さまでした。まことにありがとうございました。
先ずは先日来予告しておりましたように、今回の第五話よりこの「吸血怪人ロンゲルゲ」を1コーナーとして独立させていただきました。 (時間の問題もありまして)あまり凝ったフォーマットにできなくて申し訳ございませんですが、 しばらくはどうかこれでお許しくださいまし m(_ _)m
それから前回の感想では「ロンゲルゲ一覧表」を作らせて頂きましたが、 これはまた少し回が進んでから更新致しましょうかネ。


さて今回は、2話構成と言う形になってまして、 本文中にも有りましたがまさしく>“突飛な”内容でしたねぇ。 凄いボリュームで、これだけの作品を作られるのは本当にたいへんな労力でしたでしょうね。 改めまして「ご苦労さまでした」。
先ずは “髪伊良さんへの(仮想)インタビュー” があり、次に “本番とは別のエピソード” が始まり、そして再び “髪伊良さんへのインタビュー” があって、 最後に “これまでの続きのお話” に戻るという構成の面白さ・斬新さ・ユーモアセンスが抜群でしたね、今回は。

それにしても、お話が突然とある山村に飛んだのにはこちらもブッ飛びましたヨ。 そーー言えば予告編もここまでの第一〜五話の流れとちょっと異なった感じでしたし、 なんとなくこれから色々とバラエティに富んだエピソードを織り交ぜながらお話が進みそうな予感がしてきて、益々面白くなりそうですね。
しかしまあ、山崩れで学校が全滅して、ロングヘアの女の子とロングヘアが好きな男の子だけが生き残ったなんて ....なんとも凄まじい展開ですネ。よくこんな面白いこと考え付かれますねぇ、ホント(^_^ )。
それにしても長髪流毛さん、この小学校が最初の赴任先ではなかったんですかねぇ?....先にこの山村の高校に赴任して、 そこの高校生9人をロンゲルゲに変えてからこの小学校に来たのでしょうか?....それとも小学校が先で高校が後なのでしょうか?
で、それを考え出すと今度は、長髪流毛さんが地球にやって来た経緯まで興味が湧いてきますねぇ.... 長髪流毛さんはロングヘア星の唯一の住人なのかな?....あるいはロングヘア星には同じ様なロンゲルゲが沢山住んでいて、 長髪流毛さんはその中から選ばれて地球に派遣されたのかな?....それからどんなUFOに乗ってやってきたのかな?....とかネ(^_^ )。

そうそう、そう言えば、 > 「水島由香さんをうまく使って撮影が進んでいるようですね」 .... いや〜〜〜由香さんは果たして、上手く演じておりますでしょうか??? なにせこれが女優デビュー作の上に いきなりの主役ですからねぇ。元々芸能界には興味の無かった地味でシャイな性格の由香さんだけにホント心配ですよ、育ての親としましては(^_^ )。 NGばっかり出して、監督さんや共演者の方々に迷惑をかけてないかな?とかネ。
でもこうして由香さんを実在の人物のように扱って下さって、髪伊良さんには本当に感謝しております.... 殆どの人たちが小馬鹿にして読み捨てている「由香さん」をこのように大切にしてくださって。


さてさて、それではいわゆる>本番の方のお話についてですが....
おお〜〜ついに死者が出てしまいましたねぇ。前回の感想中で書かせて頂きました疑問、 “後ろで倒れた男性は、その目を見て恐怖のあまり倒れたのか?  それともその三つ編みの目からなにか妖気が発せられて倒されたのか?”の答えは、 後者の方だったんですネ。痴漢さんだったんですかァ、しかも死んじゃったとは....こりゃあロングヘアー女性を痴漢する時には気ぃ付けんと いけませんねぇ、もしも相手がロンゲルゲだったら....(^_^ )。

ま冗談はさて置きまして、それからこれも前回の感想中で“女子が男子の血を吸ったケースは無いんですネ....これは次回あたり....どうなるでしょうかネ?” と書かせて頂きましたが、これまた今回冒頭で髪伊良さんが >逆の場面がふえてくる予定ですと仰ったとおりになりましたね。
> 「おほほほ、はっきり言って、あんたのような男に思われて迷惑よ。だから、ほんとうはあんたも殺したいところだけど」 .... いや〜〜なんとも手厳しい(T T)。この言葉って我々ロングヘアーLOVER・フェチたちにはとっても痛い言葉ですよね.... 私も含めて多くのロングヘアーLOVER・フェチたちってのは、ロングヘアー女性に対してコンプレックスを感じてますもんね。 またまた髪伊良さんに深層心理をつっ突かれた感じです。 そう言えば「へび髪の吸血少女」でも > 「奈津美ちゃんも、あなたのことなんか相手にする気などないから、あなたの片思いね。それなら、襲ってもかまわないはずよ」 というセリフが有りましたネ。これまた今回の冒頭の部分で> その場合はより怖く残酷に描いていくつもりですと仰ってましたが、吸血方法もさることながら、 女の子からの場合はこういう“口の攻撃・言葉の暴力”も加わりますもんね、確かに残酷だ。

そうそうそれからこれまた前回の感想中で “三つ編みの編み目1つ1つに目が出て来るというのは・・・これもロンゲルゲの特徴なのでしょうか?”と書かせて頂きましたが、 これに関しては長髪流毛さんの> 「京香さんには、こうして特別な魔力を与えていたし」 というセリフからどうやら、(今回のタイトルにあるように)京香ちゃん特有の能力だったようですね?  こうしてロンゲルゲ1人1人に異なった能力や個性が与えられても面白いですよね。

まあ手前味噌な事を申しまして恐縮ですが、こうして独立させた事で「吸血怪人ロンゲルゲ」もこれまでより 読みやすくなったと思いますし、益々もってこれからの続編が楽しみですネ。
繰り返させて頂きますが、大作・第五話「少女に与えられた特権」のご執筆とご発表、本当にありがとうございました。

「吸血怪人ロンゲルゲ」(ご感想)パート
SNAKEHEART  2003.10.28(Vol.437) 初出___Cont.No.snake06    
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編集・発行者からの御礼−−第六話「悪魔化する少女たち」
髪 伊良さん、今回もまたまた力作だった「吸血怪人ロンゲルゲ」、 その第六話「悪魔化する少女たち」のご執筆とご発表、 本当にご苦労さまでした。まことにありがとうございました。
そろそろ気付いておられる方もいると思いますが、ここまでの6話は全て10日間隔で発表なさってるんですよね。
> 独立した小説コーナーにしていただきありがとうございます .... いえいえ、どういたしましてデス(^_^ )。ホントはねぇ、せっかく由香さんを主演女優に抜擢くださったんですから、 長髪流毛さんのイラストでも表紙に出来ればよかったんですけど、なかなか時間が取れませんもので....m(_ _)m  まあそれでも、アニメGIF化とそれから文字から血を滴らせるのにはちょっとばかり苦労はしましたデス(^_^ )
> 腕(指先かな)をふるって意欲がわいておりますので .... はいはい、こちらも期待しておりますので、どうか頑張ってくださいましまし。


それにしても、まるでウイルスのようにロンゲルゲもどんどん増殖してきましたねぇ、今回も新たに 敬幸君、小学生の少女、由紀恵ちゃん、準一君の4人が仲間入りをしましたが....でも、 ああ〜〜ああ〜〜このたまたま現場に居合わせた小学生の少女....可哀相に(T T)。
> 「どくどくっ…、うふふふふ、くくくく。気持ちいいでしょ」 .... このセリフの中に「どくどくっ…」という擬音が入ってるのが、私は好きですね〜〜。 予告編の中に有った>「おほほほほ、それでは、どろーん…」 というセリフも大好きだったんですが。
ところで、小学生も中学生もロンゲルゲになった女の子達って、なんだか喋り方がちとオバサンっぽくなってしまうようですねぇ(^_^ ) ....>「おほほほほ。おまえもこれでロンゲルゲだ。おまえのまわりにもまた仲間をふやしていくがいい」、 >「おほほほ。好きな女の子に襲われて吸血鬼にされるのも、男の子にとっては本望なんじゃないかしら」 ....なにか小中学生とは思えないような言葉づかいですが、きっと、ロンゲルゲになってしまうと魔女の領域に入ってしまって、 実際の年齢などはもう問題ではなくなってしまうんでしょう....ね???
それにしても前回今回と、随分女子が男子をいたぶっている感じですねぇ (男子が女子の血を吸った時には別にいたぶってないのですが)、 挙句には>「はい、京香さま」とはまるでSMの女王様の世界ですなぁ。
加えて、長髪流毛さんのやり方も回を重ねるごとに、あくどくなってきますねぇ.... 遂にトイレで用足し中の子供まで狙うようになりましたかぁ。 そんな1日の生活の中でも1番襲われたくない瞬間ですよ、ホント。この準一君みたいに、もしもズボンをぬぎ始めた瞬間に毒ガスが吹き始めたら 、私だったらとっさに何をするかなぁ?....やっぱ1番恥ずかしい姿は人目にさらしたくないから、 取りあえずズボンだけは上げてから気を失うかな(笑)....まあ兎に角『せめてトイレの間だけは、襲わんといてくれ!』 と私ならば長髪流毛さんに懇願したいですよ(^_^ )。


今回、何となく懐かしかったのは、理科室のシチュエーションでした。 人体(内臓)模型、骨格模型、アルコール漬けの標本など、理科室って一人で居るとなかなか不気味な場所ですよね。 そんな中に一人取り残されてしかも開けようとしても扉が開かず、更には背中に飛びついてくる人体模型 ....ホント昔懐かしい少年向けホラー映画の一場面を見ているようでしたよ。 読ませて頂いて、準一君の心細さが我が事のように伝わってきました。
ところで、ちょっと不思議に感じましたのは、
> 準一はひと目で由紀恵を好きになってしまい・・・由紀恵のほうはその好意に気づいておらず .... と、由紀恵ちゃんは普段は準一君の事を気にも留めていない様に(読者の私には)感じるのに、
> 「うふふふふ、ひごろからわたしの髪の毛をじろじろ見ていたでしょう」 .... と、この事をちゃんと知っていた事でした。 由紀恵ちゃんは、ロンゲルゲになる前でも、準一君から髪の毛をじろじろ見られている事だけには一応気付いていたのか?? (だけどさほど気に留めていなかった?)  それともロンゲルゲになったために、全てお見通しの千里眼の超能力を持ってしまったのか?? ....でも準一君にすればこんな事をズバっと言われると心臓が口から飛び出そうなくらいドキッ!としますよね。

でも思うんですけど、こうして女子が男子に「私の髪の毛をじろじろ見てたでしょう」とか「あんたのような男に思われて迷惑よ」 など辛辣なセリフを吐きかけるのって、通常の小説とかではなかなか書けないでしょうネ、険(けん)がありすぎて。
ホラー小説だからこういうセリフでも、読んでいて抵抗なく受け入れられるんでしょうネ。 ですのでこういうホラー小説って、我々ロングヘアーLOVERの “つっ突かれたくない深層心理” や “聞かされたくない言葉” まで 明らかにされてなかなか面白いかなと思いますネ。


さてさて、ここまでもうやりたい放題の長髪流毛さんですが、この悪事は果たして永遠に続くのでしょうかネ? ....このままで行ったらもうトンデモナイ世界が出来上がってしまいそうで、『どう収拾をつけはるんかな?』と、 そこまで気になり出してきました。次の第七話(タイトル名も楽しみですネ)も期待して待たせて頂きたいと存じます。
繰り返させて頂きますが、「吸血怪人ロンゲルゲ」第六話「悪魔化する少女たち」のご執筆とご発表、本当にありがとうございました。

「吸血怪人ロンゲルゲ」(ご感想)パート
SNAKEHEART  2003.11.7(Vol.441) 初出___Cont.No.snake07    
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編集・発行者からの御礼−−第七話「人食い髪」
髪 伊良さん、今回もまたまた大力作だった「吸血怪人ロンゲルゲ」の第七話 「人食い髪」 のご執筆・ご発表、本当にご苦労さまでした。まことにありがとうございました。
いや〜〜しかし今回は(淀川長治 調で)「怖かったですネ〜〜、凄かったですネ〜〜、不気味だったですネ〜〜」.... ま、その(今回のタイトルの)“人食い髪” についてはまた後で触れさせて頂く事と致しまして....
先ずは、前回の私の疑問についてお答えくださってありがとうございました。ま実は、疑問というよりは、 独り言というかつぶやきの様なものでしたので、回答までは期待していなかったのでしたが(^_^ )。
> 由紀恵は以前から準一の好意に気づいていたのでは・・・ちょっと痛い点を突かれたかな・・・説明をつけ忘れていました .... ああいえいえ、別にツッコムつもりではありませんで、あくまでちょっとつぶやいただけの事でしたので(^_^ )。
それと説明は(本文中では)完璧になさらなくても良いと思いますヨ、私は。 ああして読者が想像力を働かせられる余地が有るのも面白いかなと思いますので。
> イラストは・・・いろんな登場人物の特に吸血場面が描かれるといいかな .... いや〜〜そこまでくると、もはやプロに近い領域ですのでねぇ....私ではとても無理ですネ(時間もちょっとありませんし....)。 読者の方々の中に描いて下さる方がいらっしゃれば良いんですけどねぇ、ホント。

さて本文についてでございますが....先ずは、準一君気の毒ですネ〜〜、若い身空で(小5でっせー! 若すぎるがな)吸血鬼にされて一生を台無しにされた(?)上に、 > 「こんなきもい男」 > 「まあ、殺すのも勝手だからね」 .... もう踏んだり蹴ったりですね〜〜(^_^ )、ただ単にロングヘアーが好きなだけで何も悪い事してないのにネ。ところで....
> 「まあ、ほんとうに女のくさった子ね」 .... やりましたね〜〜久々に聞きました“女のくさった”....以前にも 「へび髪の吸血少女(前編)」>「あんた、女のくさった子よ」「同(後編)」>「うふふふ、あの女のくさった男の子は・・・」 というセリフが有りまして私は大好きだったんですヨ。
それと今回はもう1つ、 > 「こいつ、急に笑い出したわ」 .... なんかもう徹底的に見下されてますネ〜〜〜、準一君。ホント、コワイわ、ここに出てくるロンゲルゲの女たち(笑)。


さて今回は、ロンゲルゲ(というかロングヘア星)の “おきて” が明かされましたね。ちょっと縦に並べさせていただきますと....
  • 男の子は髪の毛が長い女の子だけ血を吸うことができる
  • 短い髪の女の子は女のロンゲルゲだけが血を吸ってその子をロンゲルゲにできる
  • 長い髪の女の子には吸血能力のほか特別な力や自分の吸った相手を下僕にする権利も与えられる
  • 短い髪の女の子は補助というのか手伝いを命令どおりするだけ
  • 男の子は長い髪の女の子の血を吸うことはできるがその子を下僕にはできない
  • 男の子によってロンゲルゲになった女の子はその男の子をさらにロンゲルゲにした女の手下になる
....ナカナカ複雑な感じがしますが、要するにとにかく長い髪の女性が地位が高く、様々な権限や能力が与えられる という事のようですネ。
ところで、今回ちょっと興味を引きましたのが、嗣代ちゃんの > 「わたしも昌浩にいちゃんに血を吸われたい」 という言葉でした。私の記憶ではたしか、ここまで女子のロンゲルゲは、男子に対して一切好意を持っていなかったような 気がしますので、この嗣代ちゃんの昌浩くんに好意を持っているかのような言葉は少し意外に聞こえました。
この点に関して何となく私は、『嗣代ちゃんはショートヘアーなのでロンゲルゲになりきっていなくって、 故に(女子のロンゲルゲ特有の)冷酷さもまだ薄いのかな??』....なーーんて想像をしちゃいました。 でもあるいは低年齢(幼稚園児)ゆえカナ???


さてさて最後に、今回のタイトルにもなった「人食い髪」についてですが....いや〜〜まったく凄い事を考え付かれますね〜〜。
その前に先ず、“小学生の男の子が、道で見かけた超ロングヘアーの(自分より遥かに年上の)女子高生の後姿に興奮して 後を着ける” というシチュエーションが私はとても気に入りました.... 分かります分かります、私にもよく似た経験が有った様な気がしますし、こういう(年上の女性に興味をもつ)ちょっとオトコになりかけている男児を 出す事が素晴らしいデス!
この女子高生は、前回の第六話で敬幸君からいきなり血を吸われた小学生の少女のお姉さんだったという繋がりも面白かったですし、 それに(この作品に於いて、長髪流毛さんを除いては)初のスーパーロングヘアー女子ですよね?  その妹さんもかなりのロングヘアーのようですから、まさに(かつての野村姉妹のような) “ロングヘアー姉妹” のようですね。 このあたりも想像力が掻き立てられて面白かったです。

援助交際の中年オヤジ(援助交際という発想もサイコー!)を、髪で縛り上げて頭上に持ち上げるなんて、まさに(身の丈に近い)超ロングヘアーでなければ 出来ない技ですよね!....それにしても、そもそも髪というのは(毛根を除いては)細胞としては死んだ細胞だそうで、 神経も通っておりませんし故に切られても痛くありませんし、勿論自力で動く事などできない訳なのですが ....やはりロンゲルゲになってしまうと、きっと、髪に何らかの生命力が与えられてしまうんでしょうネ???  だから長い髪のロンゲルゲほど様々な超能力を持ってしまうんだろうな?? ....と、またまた私は想像してしまいました。

しかしまあ、今回と言い、第四話で殺された痴漢と言い、まったくスケベオヤジ受難ですなぁ(笑)。 でも殺されるのはチト可哀相な気も(彼等にも家庭が有ると思うんだけどナァ ^_^ ).... 特に今回のオヤジは骨にまでされてしまうなんて....いや〜〜スケベも程々にせんといかんですなぁ。 しかし、こんなオヤジ食ったって不味(まず)いでしょうにねぇ....そうだ! そーー言えば妹さんがゴキブリ食ってましたけど、 この“ゴキブリを食う”というのは(気持ち悪さもさることながら)我々ロングヘアーLOVERにとっては、ギクッ!とする 行為でもありますよね....かつてあの「TVジョッキー」でゴキブリを食って死んだ出場者のせいで番組が終り 「髪長美女大会」までも終ってしまったと言う、超苦い経験が有りますのですねぇ。

さてさてさて、この人食い髪の現場を目撃した男の子、いったいどうなるんでしょうかね!? ....またまた怖いところで次回に持ち越してくださいましたねぇ。楽しみに待たせていただきます。
繰り返させて頂きますが、「吸血怪人ロンゲルゲ」第七話「人食い髪」のご執筆とご発表、本当にありがとうございました。

「吸血怪人ロンゲルゲ」(ご感想)パート
SNAKEHEART  2003.11.18(Vol.444) 初出___Cont.No.snake08    
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編集・発行者からの御礼−−第八話「女の子がこわい!」
髪 伊良さん、今回もまたまた“3の日”恒例の「吸血怪人ロンゲルゲ」の新作、第八話 「女の子がこわい!」の ご執筆・ご投稿、まことにありがとうございました。

さて、今回は先ず、前回登場した女子高生とその妹(初登場は第六話)の名前が分かりましたので、 (第四話の感想に続きまして)再度ここまでのロンゲルゲにされた登場人物を纏めさせて頂きました。

ロンゲルゲ一覧
(第8話まで。ただし取りあえずは予告編と第五話冒頭の9人は除きます)
(*)赤い数字はロンゲルゲにされた話数を示します。
名前登場話(*) 年齢・所属血を吸われた
相手(感染元)
血を吸った
相手(感染先)
髪の長さ好きな相手備考
長髪流毛
(おさげるげ)
1〜8
初めから
見た目
 20代前半
理科教師
 昌浩、栄二
勝徳
地面の近く ロングヘア星人
由紀恵
昌浩,2,8 小6
 (2組?)
長髪流毛摩亜弥
京香
背中の真ん中摩亜弥女子ロンゲルゲ
  にモテモテ
摩亜弥,7,8 小5昌浩嗣代 昌浩昌浩のマドンナ
嗣代,7,8 幼稚園摩亜弥  おかっぱ昌浩摩亜弥の妹
京香1,
4,5,6
中学生昌浩敬幸  摩亜弥の姉
敬幸のマドンナ
栄二,3,4,8 小6(1組)長髪流毛沙弓 お尻沙弓 
勝徳2,,4 小6(1組)長髪流毛亜紀 わきの下亜紀 
沙弓,4 小6(1組)栄二  お尻 栄二のマドンナ
亜紀3, 小4勝徳  わきの下 勝徳のマドンナ
敬幸4,,6 中学生京香尋子
紗真耶
京香 
尋子,7,8 小3敬幸  膝あたり? 紗真耶の妹
名前登場話(*) 年齢・所属血を吸われた
相手(感染元)
血を吸った
相手(感染先)
髪の長さ好きな相手備考
由紀恵,7 小5(2組)長髪流毛準一  準一のマドンナ
準一,7 小5(2組)由紀恵  由紀恵 
幼稚園児 A,8 幼稚園摩亜弥?  おかっぱ昌浩 
幼稚園児 B,8 幼稚園摩亜弥  ショート昌浩 
幼稚園児 C7,8(?) 第七話の後、昌浩によって
 ロンゲルゲにされたと思われる
  
紗真耶,8 高校生敬幸勇一 約1.5m 尋子の姉
勇一7, 小5紗真耶  地面近く  

こう言ったところでしょうか?....ちょっと分からない所には、?マークをつけております。
もし間違った所が有りましてもどうか許してください(なにせだいぶ複雑になってきましたので ^_^ )


さて、今回先ず原稿をいただきまして「女の子がこわい!」というタイトルを拝見しました時、私、あの楳図かずお氏の 名作(へび女ものの)「ママがこわい」(1965年作)を先ず思い出しましたよ。
前回ラストで “人食い髪” 現場を目撃した男の子に危機が迫ってきた大緊迫の場面で今回に持ち越されましたけど、 結局はこの男の子(勇一君)、ロンゲルゲになる事で助かりましたねぇ。 私も『この男の子は助かるんじゃあないかな?』と想像はしておりましたが、 ただ “助かり方” は想像とちょっと異なっておりました....私は 『「お前はまだ若いから殺すのだけは許してやろう。だが今日見たことはけっして人に言うではないぞ。 もし誰かに言ったならば、お前を殺しに行くからな」と「雪女」のような展開になるかな?』と想像したのでした。(^_^ )

それから....おお〜〜、予告編とつながっちゃいましたねぇ!(尋子ちゃんの登場と喜久夫くんの名前の登場)  これは意外でしたし、なんとなくジグソーパズルのピースがはまった様な快感を感じちゃいましたデス。
あの予告編は実は『ちょっとたわむれに書かれたのカナ?』と想像してたのでしたが(^_^ )、本編とちゃんと関連が有ったんですね ....あの夢のシーンもまた今後再登場するのでしょうか???
それにしても、> 「あんた、さっきからわたしのあと、つけてたでしょ」 .... いや〜〜やっぱり見抜かれてたんですね〜〜〜。まったくコワイですね〜〜、ホント。 それに男の子で地面に届くくらいの髪になったら困るでしょうね〜〜(ま、でもロンゲルゲになったら、気にならないか)


さて今回後半部では、昌浩君のモテモテぶりが描かれてましたが、昌浩君は天性のフェミニストなのか(?)、 女子ロンゲルゲたちのツボをなかなか押さえているようですね。
> 「いつも女の子でそういうことをしている子の髪の毛眺めたり、ヘアカタログの本とか買って読んでいたし」 「男の子でヘアカタログなんて買って、家の人とかほかの人は知ってたの?」 .... 実際にこういうロングヘアーLOVERの男性っていますので(ネットでもこういうカキコをしばしば見かけますヨネ) 現実が描かれていて面白かったですし、 『念願が叶えられるんだからロンゲルゲになれるって素晴らしいのカナ?』とさえ感じさせられましたです。 幼稚園の子供たちがなついて来る所などはなかなかホノボノとしてましたね。
ところで今回ちょっとエッチなシーンもありましたね.... > 女子高校生の妹が、少年の着ていた半ズボンのベルトをゆるめてぬがせようとしたのである > 摩亜弥は自分の胸に昌浩の手を触れさせようとしていたのであった ....などなど。この点は、ロンゲルゲの女性たちのちょっとした人間らしさが垣間見れた様な気もしました。
そうそう、それから今回とても印象に残ったセリフとしては.... > 「夜中になったら、墓場で吸ってあげる。そのほうがムードが出るでしょう」 ....長髪流毛さん、もうノリノリって感じですね。

さてさてさて、長髪流毛さん今度は中学校に入り込んで、1人の女子に目をつけましたがいったいどうなるんでしょうかね!? ....何となくこれまでとちょっと違った展開になりそうな予感もするのですが....またまた次回も楽しみに待たせていただきます。
繰り返させて頂きますが、「吸血怪人ロンゲルゲ」第八話「女の子がこわい!」のご執筆とご発表、本当にありがとうございました。

<最新投稿>
「吸血怪人ロンゲルゲ」(ご感想)パート
髪伊良 さん  2007.8.14(Vol.789) 初出___Cont.No.kami07a    
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「イメージイラスト」感想

このたびは本当にありがとうございました。まず、頭の中から牙や舌が出てくるということは考えていなかったのですが、そのほうがいいなと思いました。たしか、やまうばという妖怪はふだん若い美少女のような姿でやはり前後に長い黒髪を垂らして頭頂部のところでぱくっと前後に割れて舌が出てきて男の血を吸うというような設定になっていた妖怪図鑑を見たことがあるような。
で、まず上のほうの絵ですが、まさに浮世絵か古典の妖怪図絵を思い起こすような画像ですね。もし、怪奇画像コンクールでもあれば絶対優勝でしょう。女子高生のもともと美人でない顔がより怖い牙も出ている不気味な悪魔の笑い顔になっていて萌えます(笑)。女子高生のおさげ髪に逆さづりで持ち上げられているエロオヤジですが、ちょっとぼかしているとはいえそのところ描いても大丈夫なのかな?本当はそこに髪の毛を結んでしばり苦しめてみたかった…危ないかな?また、妹のゴキブリをつかんでいる超長いポニーテールに口や牙が現れているうなじも、気持ち悪さを限りなくましてますね。それにしても姉ともども人間だった少女たちがこんな恐ろしい妖怪になっている姿を見る心理は、その傍らにいる男の子の心理にだぶってきますね。この半分だけ見える男の子はすでに髪の毛が地面に届くぐらい長くなっている姿で描かれていますが、れっきとした男の子で違和感がないと思います。この男の子がこのあと女子高生に襲われてしまう場面もあったらいいなと思います。小学生ぐらいの男の子なら髪の毛を女の子なみに長くしてもおかしくないんですよね。
下のほうの絵、まさにつりあげられているエロオヤジと同じ心境でいちばんハアハアしたくなってしまう後ろ姿を実にリアルに描いていただきました。人によっては、どうして裸でもないのにあのぼかしている部分があんなふうになるのか不思議がるかもしれませんが、私にとって三つ編み二本の長いおさげ髪は一番そそられる髪型なんですね。そのおさげ髪が不気味に左右にひっぱられるようにしてはっきり出ている分け目のヘアラインがぱかっと割れて恐ろしい牙や舌が出てくる、こうなると動画でもあったらいいですね。この太めでいくつもの編み目を枝毛までていねいに描いて、角度が変わっても乱れずに三つ編みが描かれている、何度でも見たくなる絵ですね。こんなこと考えている私もこの女子高生がいたらきっと食べられるでしょう(笑)。
ぜひ、SNAKEHERAT様にほかの場面でも描いていただきたく思います。

<編集・発行者からの御礼>
髪伊良 さん、イメージイラストのご感想、ありがとうございました。
髪伊良さんには黙って発表したものですから、『もしかして気を悪くなさってないかなぁ?』とちょっと 心配もしていたのでしたが、なんだか喜んでいただけましたようで、安心いたしました。こちらこそありがとうございました。

> 頭の中から牙や舌が出てくるということは考えていなかったのですが、そのほうがいいなと思いました .... ああ〜〜それはヨカッタ。描き終えた後で読み直したとき、『もしかしたら、割れた頭の中が ブラックホールみたいになっているのかなぁ?』とか心配もしたのでしたが、まあでも一般的な視覚効果としては、 やっぱこういう口になるのが1番分かりやすいでしょうからねぇ。
> 男の子はすでに髪の毛が地面に届くぐらい長くなっている姿で描かれていますが .... 実は、『これ、どうしようかなぁ』と考えたところだったんです。男の子の髪が長くなったのは、この時点なのか? あるいは姉妹に追い詰められた時なのか?....まあでも
コメントでも述べましたが、 1枚絵の中で極力多くの事象を表さないといけませんのでね、それで。
> エロオヤジですが、ちょっとぼかしているとはいえそのところ描いても大丈夫なのかな? .... ハハ、だいぶボカしたつもりでしたが、よく見るとあまりボカシが効いてませんねぇ(^_^ )。 こりゃちとヤバイかな? まあいいや(笑)
> ぜひ、SNAKEHERAT様にほかの場面でも描いていただきたく思います .... はい、全話についてイラストにするのはさすがに無理ですが、 PART1から今のPART7まで、バランスよく分散して増やしていこうかなと考えております。

このたびはご丁寧なご感想、ありがとうございました。






メールによるご感想投稿方法

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1日も早く、ウイルス・迷惑(SPAM)メールが絶滅しますように!(怒)



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  4. そして、送信してください。

1日も早く、ウイルス・迷惑(SPAM)メールが絶滅しますように!(激怒)







< イラストレーターのコメント >

このたび初めて、連載小説に挿絵と言うかイメージイラストを入れてみました。
その第1弾として、時節柄今がもっともピッタリと言える「吸血怪人ロンゲルゲ」の中で、 私がもっとも印象に残った「人食い髪」のシーンを選びました。
ま、上でも申しましたが、今回のイメージイラストは、私が思い浮かんだイメージで描いたものでして、 原作者(髪伊良さん)のイメージとは必ずしも一致していないかもしれませんことを、 改めてお詫びいたします。

実はかなりツッコミどころも多いイラストなんですよね.... 「男の子がこんなに近くで見ていたら、正面の少女に見つかって当然やないか」とか 「少女がゴキブリを髪に巻きつけていたのは、おっさんが空中に持ち上げられる前じゃないか」とかね。 あとまあ「ゴキブリがデカ過ぎるやないか」とかも(笑)。
ま、第1点目に関しましては、スキャナーの大きさの限界から、A4サイズに入れないといけませんのでね。 そのサイズの中に4人を描き入れるためには、こういう人物配置にするしかなかった訳ですね。
第2点目に関しては、コマ割りの漫画と違い1枚絵で極力多くの事象を表さないといけませんので、 ちょっと時間的なズレはお許しいただきたいところなのです(汗)。 あと3点目は、まあこれ以上小さく描くと、ゴキブリか何か分からなくなりますのでね。 これもまあコマ割りの漫画と違う1枚絵の辛さです、ハイ(^_^ )。

それと、これは描きあげた後もう1度原作を読み直して気がついたんですけど....原作では > 女子高校生の頭がおさげ髪の分け目からとつぜん二つに割れ始めた・・・その割れた分け目のところへ男の逆さになった裸の身体が飲み込まれていった と書かれてありまして、「おさげ髪の分け目が口になって....」とは書かれていなかったんですよね。
『う〜〜んっ、割れた分け目を口にしてしまって、良かったのかなぁ??』と今ちょっと心配になっているところなのです。 でもまあ一応私はこういうイメージが思い浮かんだ....という訳なのです。

まあねぇ、今回が初めてのイメージイラストと言うか挿絵の制作と言うことでしたが....う〜〜んっ、もう1つ 思ったほど上手く作れなかったかなぁ....髪伊良さんに申し訳ないですm(_ _)m。
上の絵に関しましては、夜のシーンということなので、人物と背景画を別々に描きましてね、 で、背景画に(画像処理ソフトで)ナイトエフェクトというかグラデーションをかけて暗くしまして、 それと人物画をソフトで合成したんですけど....ん〜〜〜んっ、 もう1つ人物と背景とが上手く溶け合っていない感じがしますねぇ〜〜〜。
下の絵に関しましては....実は7月3日にPCが故障しまして、 復旧したのですが、以前使っていた(自分にとっての)最適な画像スキャン設定が分からなくなりましてね。 その影響もあってか、スキャンと画像化がどうももう1つ上手くいかなかった気がしますねぇ。

ちなみに、今回の2枚のイメージイラストの中で、描くのが1番大変だったパートは ....“木(の葉っぱ)”でした。これは冗談でなく真実です。実は2年前に作った「由香さんの海水浴」でも 1番大変だったパートは “海の波” でしたし、ホント背景(自然)を描くのって大変な作業です。 プロの漫画家ってのは背景を描くために膨大な写真や資料を集めているらしいですもんね。

ま、今後ももしお許しいただけますならば、他の連載小説にも今回のような挿絵というかイメージイラストを 入れて行きたいな....と考えております。