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第1〜6編は、 “第1部”

第7〜9編は、 “第2部”

第10〜14編は、 “第3部”

第15〜19編は、 “第4部”

第20〜23編は、 “第5部” をご参照のこと。



< 目   次 >
第 24 編   .......2004.3.1(Vol.481)
第 25 編   .......2004.8.9(Vol.512)
第 26 編   .......2005.1.9(Vol.560)
 
ご  感  想


第27〜31編は、 “第7部”

第32編以降は、 “第8部” をご参照のこと。







2004.3.1(Vol.481) 初出___Cont.No.pon24    第25編へ 目次へトップへ

 中村が倒れたという連絡を受けて、理愛は学生寮へと向った。到着するやいなや、 部屋までは小走りになっていた。ドアをノックすると中から声がしたので、 そっと開けてみた。
  中村「やあ、理愛さん。来て早々、申し訳ないねえ」
パジャマ姿のままで迎えてくれた中村の顔を見て、理愛は少し気持ちが落ち着いた。
  理愛「寝てなきゃダメですよ」
中村を諭すように言った。
  中村「朝、起きたら全身が鉛のように重くてねえ。これは疲れがたまっているんだと思ったよ。
      でも大したことはないから」
  理愛「東京からこちらに来るまでに忙しい毎日だったんでしょ。休養する暇もなかったからよ」
そう言いながら、バッグを横に置いて上着を脱いで膝の上にたたんだ。
  中村「こんな恰好でごめんよ」
理愛に言われてから中村はベッドの上に大の字になった。
  理愛「2、3日は静養するようにと言ってましたよ」
  中村「いや、そうもいかないよ」
  理愛「ダメです。これは学長命令ですから。それを伝えるのが私の役目。無理されたら私が
      困ります」
  中村「先生が生徒に注意をしているみたいだね」
  理愛「だって本当に中村さんのことが心配なんですから」
  中村「わかった。静養するよ。理愛さんと一緒にいると、何だか気持ちが落ち着くよ」
  理愛「本当ですか」
  中村「ああ。癒されてるみたいだなあ。優しい波動がゆったりと広がっていくような」
理愛は嬉しかった。ベッドに寄り添いながら、理愛も心穏やかな時を刻んだ。
  中村「理愛さん、...
彼のリクエストに応えるように、理愛は頷いて髪を解き始めた。
  理愛「来る前に慌てちゃって、うまくまとめられなかったの。だから最初からやり直そうと
      思って」
4メートルにも及ぼうかという見事な黒髪が窓から差し込む陽光にきらめき、 長々と床に横たわっていく。 中村はベッドの上から理愛の肩を抱き寄せた。両手で理愛の首すじの髪を掴むと、 絹のような柔らかい感触が全身に広がっていくのを感じた。
  中村「綺麗な髪だ。あぁ...この感触、最高だね」
理愛は自慢の黒髪を中村の全身に広げ、まるで漆黒のタオルケットのように愛する人を優しく包み込んだ。
  理愛「窓を開けたほうがいいわ」
理愛が立ち上がり、窓のところへ移動したが、あまりの長さゆえに髪は中村の体の上に横たわったまま 動かなかった。窓からそよ風が音も立てずに吹きぬけた。 中村が手に持っていた毛先に近い黒髪が風に揺れ、ほのかな髪の匂いが心地よく漂った。 思わず黒髪を顔に押しつけた。誰もが羨む理愛の究極の黒髪を自由にできる満足感に酔いしれた。
  中村「あーっ、何て幸せなんだ!」
理愛はそんな中村を見て可笑しかった。理愛の髪を持ったまま、静かに目を閉じた。 何かをイメージしているようだ。しばらくして中村は呟いた。
  中村「理愛さん、紙とペン」
理愛は白く細い指で自分の髪にペンを結びつけ、中村に差し出した。
  中村「理愛さん、洒落がうまいねえ。ペンはいいんだけど、髪じゃなくてペーパーだよ」
紙と髪を勘違いしてしまった。理愛は照れくさそうにバッグからメモ帳を取り出して中村に渡した。 中村はペンを持ち、その右手に理愛の黒髪をグルグルと巻きつけた。 そしてしばらく沈思黙考して文字を記した。「涼風」理愛はじっとその文字を見つめた。 さらに中村はペンをぎこちなく動かした。「馨香」
  理愛「すずかぜ。えーっと...これは難しい字。何て読むのかしら?」
  中村「理愛さん、ありがとう。素晴らしいイメージが浮かんだよ」
  理愛「イメージ?」
  中村「そう。新しい髪女の名称だよ」
中村は晴れやかな表情になった。納得するものが考えられなくて行き詰まっていたのだが、 理愛の黒髪が中村の心の引き出しを開けて、新しい名称を出してくれたのである。
  理愛「それが新しい校名?」
理愛の黒髪をマフラーのように首に1回2回と巻きつけながら言った。
  中村「これがイメージにぴったりだよ。涼風に優しく揺れる長〜〜〜〜〜い黒髪。
      そして、その風に乗って髪の心地よい香りが遠くまで広がっていく

  理愛「何かロマンチックな感じね」
  中村「これで決まりだ。今まで色々と考えたけど、最高のものができたよ。名称は学長から
      一任されているから、了解を得られたら決まりだ」
  理愛「中村さん、新しい校名は」
  中村涼風馨香女学院(すずかぜけいこうじょがくいん)
  理愛「涼風馨香女学院」
中村の後からつぶやいた。
  中村「仕事が一つ片付いて、気持ちが楽になったよ」
  理愛「さっきより顔色がよくなったみたいね」
  中村「そうかなあ。理愛さんのお蔭だよ」
両手で顔をツルッと撫でた。理愛も愛する人と一緒にいると時間を忘れそうになる。 中村は理愛のスーパーシルキーを何度も撫でながら満足感に浸っていた。
  中村「理愛さんの髪は処方箋だね。薬はいらないよ。この優しい感触が身も心も癒してくれる
      から」
  理愛「この髪が中村さんの元気の素になってくれたら私も嬉しいわ。ここまで伸ばしてきて
      よかった」
  中村「でも本当にすごいよね、この長さ。まだ伸び続けているんだろ?」
  理愛「ええ...、まだね」
  中村「切らないでほしいな...」
理愛は中村を見つめた。自分が大切に守り育ててきた黒髪を愛する人に手櫛で優しく梳かされ、 これ以上ない心の充実感を味わっていた。 しかし数カ月後には、この絶品の黒髪にハサミを入れようとしていることを、 この場でとても言い出すことができなかった。
  理愛「中村さん、もし...もしもよ」
少し間をおいて言った。
  理愛「私が髪を切ったらどうする...?」
優しく、そして少し冗談ぽく問いかけてから窓のほうに目をやった。 理愛は中村の言葉を待ちながら反応を見守った。
  中村「そりゃ天と地がひっくり返るくらいの大事件だよ」
  理愛「そうよね。大騒ぎになるかもね」
  中村「理愛さんでも髪を切りたくなることがあるの?」
  理愛「一瞬ね」
  中村「一瞬?」
  理愛「ええ、一瞬。長い髪が好きでなけりゃ、ここまで伸ばしたりはしないわ。でも、
      お手入れが本当に大変だし、何をするにも髪に気をつかわなきゃいけないしね」
  中村「そうだね。これだけの長さを維持しようとすると、とてもじゃないけど大変な苦労が
      いるよね。でも理愛さんが髪を切るなんて想像できないなあ」
理愛はそれ以上何も言わず、彼の腕に抱かれなから、ただ長〜〜〜〜〜黒髪を任せるだけだった。


 理愛が学生寮から戻ってきたのは昼の休憩時間が過ぎた頃だった。そのまま学生食堂へ行って 昼食を済ませることにした。学生たちが食事を済ませた後で、人はほとんどいなかった。 三つ折りにした長すぎる黒髪を気遣いながら椅子に腰掛けた。膝の上に丁寧に髪を置いて食べ始めた。 そこへ香理奈が遅い昼食にやって来た。
  香理奈「あらっ、理愛じゃない。遅いのねえ」
  理愛  「うん。午前中、中村さんのところへ行ってきたの」
  香理奈「そうか。ダウンしたそうね。で、具合はどうだったの」
  理愛  「大したことなかったみたい」
  香理奈「恋人の顔を見て、疲れもふっ飛んだんじゃない」
  理愛  「それならいいんだけどね」
  香理奈「ところで仕事のほうはどう?」
  理愛  「うん、少しは慣れたかな。秘書見習といっても、今は接客だけだし」
  香理奈「そう。うちでは中村部長の評判は良いわよ。仕事の指示は的確だし、スタッフへの
       気配りはバッチリだし、みんなすごく意欲的に仕事をしているわ。モチベーション
       を高めるのがうまいのよね」
  理愛  「いいなあ。私も...」
  香理奈「恋人同志が同じ職場だと、何かと余計な気を使うんじゃない。でも、理愛はちょっと
       心配だよね。特にうちの部署は超ロングの子ばかりだから、部長の気持ちも
       ついついなんて...」
理愛は少し顔を曇らせた。
  香理奈「ああ、ゴメン。別に理愛を心配させるつもりじゃないのよ。だけどさあ、ひょっとすると
       理愛よりも髪が長いかも知れない人がいるの。斎藤さん
第23編)、知ってる?」
  理愛  「ええ、編入してきた人よねえ。学部も違ったから話したことはないわ。だからよく
       知らないの」
  香理奈「就職活動でかなり苦戦しているらしくて、部長に相談しているみたいよ。彼女も
       部長と同じ学生寮から通っているから」
  理愛  「そうなの。私よりも...」
  香理奈「うん。でも、何だか理愛に遠慮しているみたい。斎藤さんの履歴書を見たんだけど、
       髪の長さを3メートル50センチと書いてるの。どう見たって、もっと長いはず
       なのに」
  理愛  「仕事の時は髪を解いているわけでしょ」
  香理奈「うん」
  理愛  「彼女、ちょっと小柄だから、余計に床に引きずる髪が長く見えるんじゃないの」
二人は食事をテーブルに置いたまま、食べるのも忘れて話に夢中になった。
  香理奈「ううん、絶対に長いって! 私の目は確かよ。どうしても髪女に就職したいみたい。
       だから理愛に遠慮しているのよ。理愛よりも髪が長いとなれば、学長の心証を
       悪くするんじゃないか
と」
  理愛  「そんなこと気にしなくてもいいのに」
  香理奈「そうはいかないわよ。だって理愛は髪女を代表する髪長美女だもん」
  理愛  「やめてよ、美女だなんて。私なんか全然。本当にそれほど長い黒髪なら、髪女に
       とっては貴重な人よね。何だったら私が髪を切れば、斎藤さんも悩まなくて済む
       かも知れないわね」
不思議なことに、理愛は自分のことを決して美人だなんて思っていない。 周りからは、可愛くてスタイルも良くて、 しかも後輩からは慕われる素晴らしい女性であることは間違いないはずなのに。 それはおそらく理愛が育った環境によるのかも知れない。親戚に同世代の女性が多く、 しかも美人ぞろいであった。話題はいつも彼女たちの美しさに集中して、 理愛はそれほど「美人」という評価はなかった。ただ、髪が美しいという誉め言葉は、 理愛のためにあったようなものだった。だから、理愛も髪だけは他のどの女性にも負けない という自信が、今の超ロングヘアーを育ててきたのだと言えよう。
  香理奈「何バカなこと言ってるのよ。理愛が髪を切るなんて」
香理奈は理愛の言葉を軽く流して本気にしない。
  理愛  「香理奈...」
理愛は一呼吸おいて、改まって香理奈を見た。
  香理奈「どうしたのよ、そんな顔してさあ」
  理愛  「実は私ね、切ろうと思ってるの...
  香理奈「...」
  理愛  「そろそろロングヘアーとも卒業しようかなって...」
  香理奈「何言ってるのよ、理愛。あなた本気? どうして、どうしてよ」
香理奈はまだ本気にしていなかった。
  理愛  「卒業認定を受けてからにしようと思っていたんだけど、少し早くなるかも..」
  香理奈「理愛、本気? どうしてよ。学長が許さないわ」
  理愛  「ううん、父は了解済みよ」
  香理奈「まさか...」
  理愛  「私も少しは行動範囲を広げようと思ってるの。でも、この髪じゃね」
膝の上に置いた自慢の黒髪を少し手で持ち上げるフリをして言った。
香理奈はまだ信じられない気持ちである。
  香理奈「どれくらいカットするの?」
  理愛  「これくらいかな」
香理奈は絶句した。理愛が肩のところに右手をあてて見せるなど、到底考えられなかった からである。カットすると言っても、引きずりヘアーのままだろうと思った。 それがどうであろうか。これまでの理愛が生きてきた人生をすべて清算するかのような発言である。
  香理奈「そ、そんな...。理愛は髪女を担っていく人なのよ。これからどうするのよ
       ...」
  理愛  「香理奈、それが私にとって重荷なの...」
すこし語気を強めて言った。香理奈にはまだ理愛の発言が信じられなかった。 本当に本心なのかどうか。
いつの間にか食事はすっかり冷めてしまっていた。





 トラブルを乗り越え、ようやく学校の中に賑やかな声がこだまするようになった。 かつてのような光景が蘇った。髪長坂を多くの生徒たちが上って行く。 長〜〜〜〜〜い黒髪を春の爽やかな風に遊ばせながら。 学校も涼風馨香女学院として新たな歩みを始めた。 新たなスタートとともに、髪長財団としての活動も忙しくなってきた。 ロングヘアーカフェの残務整理に忙しかった飯田涼香第20編)が戻って来た。 学長室に久しぶりに姿を見せた。リラックスした雰囲気でみんなが語り合っていた。
  学長「飯田さん、色々と大変だったねえ。本当にお疲れさま」
  飯田「しばらく振りです。やっと一段落しました」
  理愛「お疲れさまでした。飯田さんがいないと心細くって」
  飯田「何言ってんの。理愛さんが私の分まで頑張ってくれたから、ロンカフェに専念
      できたんだから」
  学長「まあ、ゆっくりしてくれとも言えないけど、これから忙しくなるよ」
  伊藤「学校のほうは何とか無事にスタートできたけど、今度は財団の事業のほうだね」
  飯田「学長、今後はロンカフェ、どうなるんですか」
  学長「今回はしばらく休業ということにしたが、これからどんどん展開していくよ」
  飯田「それで安心しました」
  伊藤「飯田さんが中心になって、これからの展開を考えていったらいいんじゃないかな」
  飯田「そうですよね。あんなコーヒーショップは他にないですからね」
  理愛「本当に。ロングヘアーの魅力をあんなにアピールできる場はないわ」
  飯田「理愛さんがロンカフェのスタッフになったら、お客さんは驚くだろうな」
理愛の髪を見て言った。
  伊藤「その姿で働いてみたらどう?」
  飯田「お客様からは注目度ナンバーワンね!」
  理愛「私、高校生の時に応募したんですよ。でも、そのときは不採用だったんです」
  伊藤「へーっ、そんなことってあるの」
  飯田「多分髪が長すぎたからじゃないかしら。スタッフの一期生たちは長い人でも
      足首くらいまでの髪だったからね」
  理愛「でも今では引きずりっ子もいるもんね」
  飯田「そうよ、そんな引きずりっ子をもっとスタッフとして迎えたいわ。それにしても
      理愛さん、すごいね、その長さ」
  理愛「飯田さんだって、もう3メートルに届いたんじゃない?
  飯田「あと少しってとこかな」
  学長「頼もしいねえ二人とも」
  飯田「学長。ロンカフェの名前なんですけど...何かいいものはないでしょうか」
  学長「うーん、そうだなあ。これから店舗を増やしていきたいと思っているんだが、
      そうなると名前を付けたほうがいいかなあ」
  飯田「いくつか考えているんですけど」
  伊藤「どんな名前?」
  飯田「ラプンツェルというのはどうかしら」
  伊藤ロングヘアーカフェ ラプンツェル
  学長「ああ、あのグリム童話に出てくる長い髪の女の子の名前だね」
  飯田「そうです」
  伊藤「その話なら知ってるよ。何でも長〜〜〜〜〜い髪を塔の上から下ろして王子様と
      出会うという話だろう」
  飯田「まあそんなところね」
  学長「その少女の髪がとんでもない長さなんだよね」
  飯田「そうなんですよ」
  学長「塔の上から20エレもある長い髪を下ろしていたということだから」
  伊藤「20エレって何ですか?」
  学長「長さの単位だよ。ヒトの腕の長さを基準に決められたそうなんだ。1エレが
      だいたい60センチから80センチくらいの長さに相当するんだよ」
  伊藤「それってスゴイですねえ。仮に1エレが60センチとすると、20エレで...
      えーっと...」
  理愛「12メートルよ!」
  伊藤「12メートル! もし1エレが80センチとして計算すると16メートルだよ!!」
  学長「しかも少女が塔に閉じ込められたのが12歳の時、そして王子様と出会ったのが
      15歳の時だからねえ」
  飯田「15歳で髪が12メートル以上もあったってわけか」
  伊藤「やっぱりおとぎ話の世界だね」
  理愛「でも...ラプンツェルは髪を切られてしまうんじゃなかった?」
  飯田「そうか...。ちょっとそのあたりが気になるなあ...」
  伊藤「その女の子は三つ編みだよねえ。ロンカフェは髪を編まずに下ろした状態での
      接客だからね」
  学長「うーん、そうか。みんな色々と意見を出して考えていくとするか」
  飯田「そうですね。お客様に親しまれるようなお店にしていきたいですからね」
 新しいロンカフェの中身も楽しみなところだ。また財団では新たな事業も計画している。 髪長の魅力を余すところなく表現できるものが、これからいくつか出てくることであろう。 涼風馨香女学院の存在感を高めていく取り組みが進むなかで、やはりどうしても気になるのが 理愛の髪のこと。どうして4メートルに及ぼうかという見事な黒髪にハサミを入れようとしているのだろうか。 果たしてこれが理愛の本心なのであろうか...


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ご 感 想 



<編集・発行者からのお願い>
今回「髪長私学」の再スタートとともに、ファイルを「第6部」と新たにしましたと同時に、 これまでの第1〜5部までのファイル中、あまり表示が綺麗でなかった箇所を作り直してみました (例:
それから、第2部のタイトル画がこれまで状態が悪かったので、 この機にそれも修正しました(それにしても、GIFってのは、まったく取り扱いにくい!)
ですので、読者の皆さんは、これを機にぜひとも、 これまでの第1〜5部のファイルも再ダウンロードしていただきたく存じます。
第1部第2部第3部第4部第5部







2004.8.9(Vol.512) 初出___Cont.No.pon25    第26編へ 目次へトップへ

 香理奈は理愛のことが心配だった。自慢の超ロングヘアーをバッサリ切ると言ったあの日のことが頭から離れない。 冗談とも思えない理愛の表情までもが思い浮かぶ。仕事に集中できず、一人ぼっちの部屋に佇んでいた。 見習いスタッフたちは午前中の授業に出席するので、朝から職場は静まり返っていた。 いつもより早く出勤した香理奈は、理愛のことを相談しようと思いながら中村が来るのを待っていた。 足音が館内に響き、こちらに近づいて来た。時計をちらっと見る。いつも通りだ。中村の笑顔がそこにあった。
  中村  「おはよう!」
  香理奈「あっ、部長。おはようございます」
  中村  「どれどれ?」
  香理奈「どうかしました?」
中村は香理奈の背中を覗きこむように見た。
  中村  「おー、今日も綺麗な髪だねえ」
  香理奈「ありがとうございます」
あまり気持ちが入った返事ではなかったので、中村は不思議に思った。
  中村  「ん? 何か元気がないみたいだねえ」
中村は鞄を机の上に置いて、ゆっくりと椅子に腰掛けた。
  香理奈「あの...ちょっとお話があるんですけど」
  中村  「どうしたの、そんな真剣な顔をして」
  香理奈「部長、理愛のことはご存知ですか」
  中村  「理愛さんのこと...」
  香理奈「理愛が髪を切るということ
  中村  「...」
あまりにも突然のことなので、香理奈の言葉が理解できなかった。
  香理奈「この前、理愛と話した時、そう言ってたんです。私、とても信じられなくて。
       しかもあの長い髪をバッサリ切るつもりだって...」
香理奈の目が潤んでいた。
  中村  「どういうことだ?。それは初めて聞くよ」
  香理奈「どういうことなのか、私にもさっぱり...」
しばらく思案して中村が言った。
  中村  「香理奈さん、この話、まだ誰にも言ってないよね」
  香理奈「ええ、私は誰にも。理愛がしゃべってないなら、誰も知らないと思います」
  中村  「そうか。しばらく黙っていてくれないか」
  香理奈「ええ、それはいいですけど...」
  中村  「心配だろうけど、この件は私に任せてほしい」
  香理奈「わかりました。このままだと大変なことになってしまいそうです。
       部長、何とかして下さい」
中村は頷き、腕を組みながら考え込んだ。
  中村  「今日はまだ誰も来ないのかなあ」
  香理奈「午前中に授業がありますから」
  中村  「ああ、そうか。理愛さんも?」
  香理奈「ええ」
そこへ電話が鳴った。慌てて香理奈が出た。
  香理奈「部長、学長がお呼びです。すぐに学長室まで」
  中村  「そうか、わかった」
中村はすぐに学長室へ向った。恐らく理愛のことではないかと思った。


 学長室のドアを開けると、いつものようにコーヒーを飲む学長の姿があった。
中村は直感的にその表情から苦悩の色を読み取った。こんな雰囲気での話し合いは好きではない。 ここは少し雰囲気を変えないと建設的な内容にはならないと思った。中村は暗い話が嫌いである。 みんなどうしてそんな表情で人と話をするのだろうか。中村にとって、どうも苦手なシチュエーションであった。 学長を一目見て、笑顔で接しようとした。
 中村「おはようございます。いつものヤツですね」
コーヒーを飲むまねをして学長に語りかけた。
 学長「出勤早々、呼び出してすまないねえ。実は中村さんに相談したいことがあってねえ」
 中村「そうですか。あっ、その前に私もコーヒーを頂きますね」
 学長「ああ、どうぞ。今日は秘書がいないのでセルフで頼みますよ」
コーヒーメーカーに残っていたコーヒーをカップに注いでソファーに戻ってきた。
 中村「学長は本当にお好きですねえ」
 学長「酒よりもこっちのほうが美味しいくらいだよ」
少し雰囲気が和らいだように思えた。
 中村「でも学長、飲みすぎは禁物ですよ。何しろカフェインの致死量はわずか10グラム
     と言いますから」
思わずコーヒーを口に含んだまま、大きな目を見開いて中村を見た。全身が固まってしまったようだ。
 中村「これは本当の話ですけど、コーヒー200杯分くらいの量ですから影響はありませんよ」
 学長「中村さん、驚かせないで下さいよ。しかしたった10グラムというのはすごいね」
 中村「まあ、何でもほどほどが良いってことですよ。髪の長さは別としてね」
先程よりも表情が穏やかになってきたようなので、中村は本題に入ろうとした。
 中村「ところで学長、私に相談というのは」
また少し暗い表情をつくりながら、学長は話を切り出した。
 学長「実は...。学長を辞めようと思っているんだ。もう、どうしていいのか...」
そう言ってから、しばらく沈黙があった。それがとても長く感じられた。
 学長「理愛が髪を切ると言い出したんだ。しかもあの長い黒髪を肩のラインまでカット
     すると...」
中村はあくまで冷静に話を聞こうと思った。
 中村「私も香理奈さんにその話を聞いて驚いたところです。でもどうしてそんなことを...。
     それで学長は許可されたのですか」
学長は何も言わず、ゆっくりと首を立てに振った。
 中村「学長ご自身が最もして欲しくないことを、どうしてお認めになったのですか」
事の真相を聞きたいと思ったので、つい大きな声になってしまった。
 学長「たまたま理愛の部屋にあった日記を見たんだ。それには長い髪を伸ばすことや、
     これからもずっと維持していくことに疲れ果ててしまったと。髪をバッサリ切って、
     普通の女性になりたいと...。あの子は一人で悩んでいたようなんだ」
 中村「私が取材に来たときに理愛さんと話して、彼女の長い黒髪に対する思い入れが
     とても強いなあと感じましたけどねえ。絶対に切るつもりはないと言ってましたから、
     とても信じられないですね。亡き父親の遺言にも等しいものだと感じましたから。
     学長、その日記を開いてご覧になったのですか」
 学長「わざわざ開いて見るようなことはしないよ。部屋の入り口近くに置いてあったんだ」
 中村「開いたままで?
学長は頷いた。中村は直感的に作為的なものを感じた。あの理愛が本気で髪を切るなんて考えられない。 何か理由があるはずだ。
 中村「理愛さんはいつ髪を切るつもりなのですか」
 学長「夏休みに入る前にも...」
 中村「それじゃあ卒業認定を受けられないばかりか、職員としても処分される可能性も
     あるじゃないですか。もっとも処分を下すのは学長ご自身ですけど」
 学長「そうなんだ...理愛が髪を切ることは、他の生徒たちにとってあまりにも影響が
     大きすぎる。しかも大学は中退、あるいは除籍になるだろう。そして職員として
     懲戒解雇もありうる。私としても、理愛だけを特別扱いするわけにはいかないから。
     理愛を処分して私も責任を取る」
中村はそれでも冷静になって学長の話を聞きながら善後策を考えていた。
 学長「そうなれば私は学長を辞任する。そしてその後は中村さんに任せたい...」
弱々しい口調で言い終わると、がっかりしたように肩を落とした。
 中村「学長、何を弱気なことを言ってるんですか。私がここへ来たのは、そんな言葉を聞く
     ためじゃありませんよ。学長とともに、素晴らしい学校を築き上げていこうと思った
     からですよ。学長は今、おいくつですか?」
 学長「今年で50になる...」
 中村「まだ50歳でいらっしゃる!私のような若輩者が言うのも何ですが、まだまだ
     お若いし、大事を成すのはこれからですよ。そんなことで落胆してどうするんですか!」
病気をしてから、随分弱気になってしまったなあと思った。
 学長「うーん...」
 中村「マクドナルドのハンバーガーで巨富を築いたレイ・クロックは、その店をチェーン
     展開しようと決意したのは52歳の時ですよ。ドイツの大哲学者イマヌエル・カントが
     『純粋理性批判』を発表したのが57歳。カーネル・サンダースはねえ、66歳の時に
     倒産を経験して財産を無くしてしまうんです。でも、フライドチキンの製法とフラン
     チャイズシステムの販売を考えてレストランに売り込もうとしたのはそれからのことです。
     しかし、誰も契約してくれなかった。彼が何度目の交渉で成功したかご存知ですか」
 学長「いや...」
 中村「千六回目の交渉で、初めてイエスの返事をもらったそうですよ。コーンフレークの
     製造販売で大成功したウィル・ケロッグは46歳の時には、まだ医者である兄の
     手伝いをして薄給に甘んじていた。どうです?学長。諦めずに信念を持ってチャレンジ
     し続ければ、必ず事は成りますよ。50歳なんて、まだまだ人生これからです。
     学長はこの髪女をここまで発展させてこられたじゃないですか。自信を持って下さいよ!」
アメリカに留学している時、中村はアメリカンドリームに触れ、数多くの成功者の研究もした。そして その成功哲学の思考回路が彼の精神的な支えであった。だから弱気になった学長を目の前にして、 ついつい熱弁をふるってしまったのである。
 学長「中村さん。あなたは本当に考え方が前向きだ。しかもモチベーションを高める話術には
     恐れ入るよ。この歳になって中村さんから激励されて情けないくらいだ。どうも弱気に
     なってしまっていたようだ。あなたに励まされて、やる気が涌いてきたよ。中村さんを
     スカウトして本当によかった」
 中村「それでこそ、本学の学長ですよ。先ほどの話ですけど、理愛さんがそういう行動をした
     場合には、今仰った事態になるかも知れません。しかし、私には理愛さんが髪を切る
     理由がわからないのです。ここは私に任せてもらえませんか」
 学長「何か妙案でも」
 中村「私に調べさせて下さい。これは理愛さんの本意ではないと思います。必ず何かあると」
 学長「私には何もできないからなあ。ここはすべて中村さんにお願いしますよ」
 中村「わかりました。最善を尽くします。私にとっても理愛さんがショートカットになるなんて
     一大事ですから! くれぐれも言っておきますけど、私は学長に協力するために来た
     わけですからね。そんな弱気にならないで下さいよ」
 学長「わかった。本当に心強いよ。中村さん、どうかよろしく頼みます」
学長は深々と頭を下げた。
 学長「中村さん。もう一つお願いがあるんだが、豊田くんをこちらに来させてくれないだろうか」
 中村「私は構いませんけど」
 学長「どうも親子だとやりにくいこともあるし、どうしても甘くなってしまうんだ。あの子にとっても
     よくないと思うんだよ」
 中村「そうですね。それでは理愛さんを髪長統括部に異動させましょうか」
 学長「勝手なことばかり言って申し訳ない。中村さんから色々と教えてやってもらいたいんだ」
 中村「わかりました。それでは学長、私からもお願いなのですが...」
 学長「ああ、何でも」
 中村「まず、統括部で見習いとして研修中の学生のことなんですが、彼女たちの今後はどうする
     おつもりですか」
 学長「ああ、そうだったねえ。どうも理愛のことで頭がいっぱいだったようだ。彼女たちは
     成績も優秀であり、ビジネスの能力にも長けていると私が見込んだ学生たちだ。
     しかも本学に相応しい素晴らしく長い黒髪の持ち主でもある。中村さんから見て、
     適性があると判断できるようならば、是非とも本学の職員として採用したいと
     思っている」
 中村「そうですか。それはよかった。彼女たちは実によく気がつくし、私のフォローをしっかりと
     してくれています。ですから採用には何ら問題はないと思っています」
 学長「そうか。ではその件も中村さんにお任せしますよ。彼女たちに内定を出してやって下さい」
学長との話し合いを終えて戻って来た中村に、香理奈が心配そうに声をかけた。
 香理奈「どうでしたか。やはりあの話でしたか」
 中村  「そうだね。でも何か理由がありそうだ。こちらで調べてみるよ。この話は内密にね」
 香理奈「はい、わかりました」


 仕事を途中で切り上げた中村は学長の自宅へ向った。そして、学長の奥様から話を聞いた。 理愛の最近の様子や日常で変わった出来事がなかったかどうかなど、つぶさに聞き取りをした。 理愛の様子も普段と変わりはないということだ。毎朝5時に起きて、丁寧に髪の手入れを欠かさない。 それほどまでに愛着を持っている長い黒髪をどうして切るつもりなのか、全く理解に苦しむ。 だからこそ、中村は理愛が髪を切ることが本心から出たことではないと思った。
 合点がいかないまま帰ろうとした時、理愛宛に小包が届いた。奥様は送り主に覚えはないという。 中村は奥様の許可を得て、その小包を預からせてもらった。 その足で知人の大学教授を彼の研究室に訪ね、さっそくX線透視装置で小包の中身を確認することにした。 その結果、中身は驚くべきものであった。やはり何かある。中村はそう確信した。


 寮へ戻った中村は、今後のことを考えていた。何よりも理愛が行動を起こす前に手を打たなければならない。 しかも、理愛に気づかれないように、事を内密にしながら進めるということも必要だ。静かに瞑想をした。 そして彼の東京の事務所にいるスタッフに、この件に関する調査を依頼した。
しばらくして中村の部屋へ訪ねて来た女性がいた。斎藤美森である。

(ここからしばらくは、斎藤美森嬢の言葉だけ紫文字といたします。)

 中村「忙しいのに呼び出してすまないね」
 斎藤「いえ、そんな。お話があると伺ったのですが」
 中村「今日は仕事を途中で切り上げて悪かったね。何か困ったことはなかったかな」
 斎藤「ええ、特には。昨日、部長から指示があった件は済みました。書類を部長の
     机の上に置いておきました」
 中村「そうか。ありがとう。ところで、その後、就職活動はどう?」
 斎藤「なかなか思ったようには...」
少し暗い表情になり、声を落として答えた。
 中村「難しいようだねえ。やはり髪のことで...」
 斎藤「それもあると思いますけど...。うまくまとめても、この長さですから目だって
     しまって、面接ではそのことを聞かれますね。仮に内定をもらっても、入社してから
     切りなさいなんて言われたら困りますから。だからいつも不安で」
中村は彼女の話を聞きながら、三つ編みにしてきつくまとめた髪を見た。
 中村「何だか窮屈そうで髪が可哀相だね」
 斎藤「ええ。うまくまとめても、こんなに大きくなっちゃって...」
 中村「もし斎藤さんが希望するなら、うちの職員として働いてみる気はないかい?」
 斎藤「えっ...、それ本当ですか?」
 中村「キミの仕事ぶりを見ていて、とても好感を持っているよ。能力も高いと思った。
     学長からも高い評価をもらっているんだ」
 斎藤「うれしい!」
両手で鼻と口元を押さえ、堪えきれない表情になった。
 中村「頑張ってくれるね」
美森は言葉にならないくらいに感動し、手を押さえたまま大きく頷いた。
 中村「よかった。これで有能なパートナーを確保できたわけだ。それに
     長〜〜〜〜〜い黒髪も切らずに済むわけだしね。いや、切ってもらったら、
     こちらが困るよ」
笑いながら安堵の表情を浮かべた中村を見て、目に涙を浮かべながらも美森は明るさを取り戻した。
 斎藤「部長...本当にありがとうございます。ああ、すごく嬉しい! あの...
     あとの二人の研修生はどうなるんですか」
 中村「もちろん内定を出すつもりだ。この件は学長から任されているからね。二人とも
     本学にとっては必要な人材だと思っている」
 斎藤「よかった。これでみんなと髪女で働けるんですね。何だか夢みたい!
     髪を切らずに頑張ってきて、本当によかった」
 中村「斎藤さん。その窮屈そうな髪、早く楽にしてあげようよ」
 斎藤「そうですね。じゃあ、ちょっと失礼して」
美森は大きなお団子を包み込んだネットを取った。
 中村「ちょっと手伝わせてもらえないかなあ」
美森は軽く頷いて中村に任せることにした。
 中村「これ、どこが毛先なのかなあ?」
 斎藤「ここです」
そう言いながら、指でそこを触ってみせた。編み終わった30センチほどの髪を頭部とお団子の間にはさみこんで巻きつけていた。
 中村「これが毛先か」
左手で大きなお団子を押さえながら、右手で毛先を持って解き始めた。
1回、2回、3回...反時計回りにゆっくりとお団子に沿いながら解いていくと、 彼の腕が段々と大きな円を描くようになっていく。 中村が両手を広げて持てるくらいの長さに三つ編みを解いても、まだ大きなお団子が美森の頭上にあった。
 斎藤「あーっ、部長」
ちらっと後ろを振り返った美森は、まるで子どもを叱るように笑みを浮かべながら言った。 その瞬間を美森に見られてしまった中村は、少しバツが悪そうな顔をしながら軽く頭を下げた。 それが普段の中村からすればあまりにも滑稽な姿だったので、美森は思わず噴き出してしまった。
 中村「いやー、すっごく綺麗だからね」
 斎藤「イヤだ部長」
美森の三つ編みを鼻に近づけ、匂いをかいだところを見られてしまったのである。
 中村「斎藤さん、髪、本当に綺麗だねえ。先のほうまで傷みがないよ。それにこの
     ツルツルの手触り。きちんと手入れしているんだね」
美森の三つ編みを手の中で滑らせながら、その心地よい感触にうっとりしてしまった。 やっとのことで大きなお団子を解き終えると、部屋には長々と三つ編みが横たわっていた。
 中村「長いねー!これスゴイよ、本当に」
 斎藤「でも部長、あの人にはかなわないと思いますけど...」
 中村「あの人?」
 斎藤「そう、あの人!」
やっと気づいた中村であったが、彼女にも負けないくらい素晴らしい超ロングである。
 中村「三つ編みも解いて、長い黒髪をリラックスさせてあげようか」
話題を変えるように中村は美森の三つ編みを解き始めた。前髪を作らない見事な髪長である。 さすがにボリュームは理愛に及ばないものの、色艶は抜群であり、長さは理愛を凌ぐのではないかと思った。 床一面を埋め尽くした黒髪。その一束を握りながら中村は言った。
 中村「でもよかったよ。この髪が無事で。これからも髪女のためにこの髪を存分に
     活かして欲しいものだね。もしも切ったりしたら懲戒処分だからね」
 斎藤「はいっ、わかりました。一時はどうなってしまうのかと不安でしたけど、やっと
     自分を取り戻したような気持ちです」
とりあえず、髪女を代表する3名の採用が内定したことは、中村にとっても喜ばしいことであった。 しかし、問題は山積している。まだ大きな山を乗り越えなければいけない。 しばしの甘味に酔いながらも、新たな対応に苦慮する中村であった。





 翌日、人事異動が発表された。学長室前の掲示板にも貼り出されていた。
中村直柔(なおなり) 副学長(髪長統括部長兼務)に任命する。
澤田理愛 髪長統括部への異動を命じる。
豊田香理奈 学長室への異動を命じる。
野口雄太(のぐち ゆうた) 髪長統括部への異動を命じる。
そして、髪長統括部で見習スタッフとして研修中の3名に内定通知の書類が渡された。 澤田学長は娘の理愛を手元で指導したいと思っていたが、やはり親子であるために甘くなってしまう。 髪を切る件にしても、理愛を止めることができなかった。 それに何よりも、髪を切る決心をした娘を職場で見るのが忍びなかったのであろう。 中村に何とかして欲しいと思ったのが本音かも知れない。 また、事務局に配属されていた野口 (参照 :
第20編第21編 を学長に頼んで異動させたのは中村であった。 京都女学院時代の混乱の中、職場を去らずに残ってくれたことは聞いていたが、 それほどまでに長い黒髪に対する魅力がわかる男ではないかと思ったためであった。 その野口は上司の伊藤から異動を聞いた。
 伊藤「野口君、中村部長のところへ異動だよ。部長直々のご指名だそうだ」
 野口「えっ、そうなんですか」
 伊藤「いやー、羨ましいなあ。あそこで仕事ができるなんて」
心底羨ましそうに言った。
 野口「でも、どんな仕事をするのか...」
 伊藤「当然、長〜〜〜〜〜いク・ロ・カ・ミのお仕事だよ!好きなんだろ?本当のところは」
あまりそれに関して話題にもしない野口がじれったくて仕方がなかった伊藤は、ここぞとばかりに白状させようとした。
 野口「まあ...そりゃ...うん、長いほうがねえ...何と言うか...」
 伊藤「相変わらずだなあ、もういいよ。でも、部長の前ではいこじになるなよ」
 野口「はぁ...」
 伊藤「今から新しい部署に行ってきな。あっ、そうだ。今日は中村部長、東京へ行くそう
     だから休みだよ。豊田さんから指示を受けて仕事を始めてくれればいいよ」
 野口「わかりました」
上司の伊藤の前では平静を装ったが、大声で叫びたいくらいの喜びを堪えていた。 髪長統括部へ近づいていくと、胸の鼓動が高まり、緊張から口の中がカラカラに乾いた。 ドアをノックして中へ入ってみると、黒い大きな柱が目に飛び込んできた。
香理奈「あっ、野口さん。今日からこちらでしたね」
振りかえった瞬間に、身の丈ほどの黒髪がふわっと広がり、彼女の体を包み込むように巻きついた。 顔の半分を隠してしまった黒髪を、素早く両手で分けて背中に流した。 その一連の動きに見惚れて、返事をするのも忘れてしまった。
 香理奈「野口さん!」
 野口  「あっ、よろしく...。すっごい綺麗なロングヘアーですね。何だかうっとり
      してしまいましたよ」
躊躇することなくストレートに自分の気持ちを表現できたことに、我ながら驚いた。 部署が変わると性格も変わるのだろうか。いや、そうじゃない。自分自身に正直になろうと思った。 気持ちに変なバイアスを自分でかけることがバカバカしくなった。ただそれだけだ。 初対面で自慢のロングヘアーを誉められて、さすがに香理奈も嬉しそうだ。
 香理奈「いえいえ、そんなこと...。あっ、それより野口さん。今日は部長がお休みで
      すから、この書類に目を通して、意見をまとめておいて欲しいとのことですよ。
      隣の部屋で作業をして下さいね。理愛も別件の仕事をしていますから」
 野口  「理愛さんというのは、確か澤田学長の?」
 香理奈「あれっ、知らなかったの。理愛も統括部へ異動になったんですよ」
何という幸運であろうか!これほどラッキーだと思ったことはないだろう。 事務局では女性職員は髪をまとめて仕事をしている。大きなお団子を見ながら髪の長さを想像する楽しみはあったが、 やはりダウンスタイルを間近で感じることができないのが物足りない。しかし、ここはどうだ!まとめ髪は禁止だという。 部長の方針であろうか。しかも理愛と一緒に仕事ができるなんて。あの髪長クイーンの超ロング。 野口はまだ理愛に会ったことはなかった。事務局と髪長統括部は別棟にあるため、あまり普段は行き来がなかった。 噂にだけは聞いていたが。可愛くてスタイルは抜群。髪は先細りもなく、傷みもない艶やかで豊かなストレートの超ロング!! 4メートルはあろうかという見事な黒髪。果てしなく床を這うダウンスタイルに急接近。 うぉーーーーーー!!もう、心から雄叫びをあげたい衝動に駆られる野口であった。 心拍数が上がるのを体で感じながら、静かに隣の部屋へ入った。 すると...出たーーーーーーっ!! まさにド迫力の先制攻撃。 いきなり目に飛び込んできた光景は、天井から床に流れ落ちる黒髪の巨大な滝。 下るほどにその水量は増し、床に届く頃には、あたり一面を覆い尽くす大海原と化していた。 目前に広がる絶景に立ち尽くし、心臓の鼓動が重低音となって頭の中で鳴り響くのであった。
 理愛「あっ、ちょっとすみません。あのー、コレちょっと持って下さーい」
上履きを脱いで、机の上に立ったまま、野口に話しかけた。適度に湿り気がある優しい声であった。 理愛は取り外したばかりの蛍光灯を野口に渡そうとした。 この興奮状態の最中、五感が停止状態にある野口は、理愛の言葉に反応できなかった。

(ここからしばらくは、理愛嬢の言葉だけ青文字といたします。)

 理愛「あのー、すみませーん。コレお願いしまーす」
 野口「あっ、あっ...、はい」
やっとのことで口を開いた。端が黒くなって切れてしまった蛍光灯を受け取った。
 理愛「そこに新しい蛍光灯がありますから、渡してもらえませんか」
野口は辺りを見まわしたが、そんなものはなかった。
 野口「蛍光灯ですか...。ちょっと見当たりませんけど」
 理愛「床に置いてあると思うんですけど」
再び足元をよく見ると、黒髪の大海原に埋もれている蛍光灯を見つけた。
 野口「あっ、ありました。コレですね」
この時、自分でも信じられないくらい大胆になっていた。蛍光灯に絡んでいた大量の黒髪も一緒に手で握った。 何と優しい感触なんだろうか。か弱そうで、それでいて芯が強そうな感じが手から全身に伝わった。 大海原からすくい取った黒髪は柔らかくて、とてもしなやかであった。こんな感触は勿論生まれて初めてだった。 理性のブレーキは焼け焦げ、体中の血液が一ヶ所に集まり、心の中は大音響とともに爆発を繰り返していた。 新しい蛍光灯に絡みついた艶やかなシルクの生命体を右手でそっと取ると、それを理愛に手渡した。 理愛が受け取ろうとして少し下を向いた途端に、漆黒の巨大な滝が野口の頭上から襲いかかり、 彼の視界を遮ったかと思うと、瞬く間に全身を包み込んで髪長のっぺらぼうと化してしまった。 世界一の黒髪のすだれ状態の中、野口のハートは沸点に達していた。 そしてK点超えの大ジャンプのごとく大空へ飛び出して行きそうであった。 理愛はそれに気づかずに、受け取った蛍光灯をはめ込もうと奮闘していた。 しばらくはこの状態のままでいようと野口は思った。 理愛の髪を握り締めたり、両手に持ってゆらゆらと揺らしてみたりした。 その特上の黒髪を頬に軽く擦りつけた感触に、彼の大事な部分が激しく反応した。何というしなやかさなのだろう。 頭から顔、そして肩にかかった黒髪は素直なまでに足元まで静かに伸びて広がっていた。 恍惚状態とはまさにこのことを言うのだろう。全身を駆け巡る血液は更に勢いを増し、 股間の膨張は限界を超えようとしていた。作業を終えた理愛は、やっとそれに気づいた。
 理愛「ああっ、ごめんなさーい。私の髪が!」
 野口「これ、いいですねえ。目の前が真っ暗ですよ! いやー、こんなの初めて!」
 理愛「ごめんなさい、野口さん」
 野口「いえ、いいんですよ」
そう言いながら、大胆にも自分に覆い被さった理愛の超ロングを両手でまとめて持ったまま立っていた。
理愛は蛍光灯の交換を終えて、自分の黒髪に気をつけながら机の上から下に降りようとした。うまく降りられるように、 野口は理愛の果てしなく長〜〜〜〜〜い黒髪を彼女の足元から自分の方へ引き寄せた。 さり気なくする動作に、野口の優しさを感じた。
 理愛「こんなところを見られて恥ずかしいわ。ごめんなさいね。髪が長いといろいろと
     大変なもので」
 野口「スゴイですね,本当に!噂には聞いていましたけど、これほどまでに素晴らしい
     ロングヘアーだとは」
 理愛「ありがとうございます。でも、お仕事をするには不便ですよね」
照れながら理愛が笑った。
 野口「あっ、そうだ。遅れましたけど、今日から髪長統括部に異動になりました野口です。
     よろしくお願いします」
 理愛「こちらこそ、よろしくお願いします。澤田理愛です」
可愛いなあ。ルックスも声もスタイルも文句無し。しかもこの髪の長さはどうだ。 床に広がった髪の先がどこにあるのかもわからない。折り重なった艶やかな黒髪は、新しい蛍光灯に照らされ、 その光の帯が幾重にも走る。その昔、二葉亭四迷がアイ・ラヴ・ユーを「死んでもいい」と和訳したそうだが、 理愛の超長〜〜〜〜〜い艶々で漆黒の黒髪に全身を巻き込まれた野口の心境も、 まさに「このまま死んでもいい」というものであった。少なくとも、時間が止まって欲しいと念願する野口であった。
 野口「澤田さんも今日からこちらなんですよね」
 理愛「ええ。学長室を追い出されちゃって。この髪のこともあるし...」
 野口「えっ、髪のこと?」
 理愛「いえ、何でもないの。こっちの話」
 野口「何度も言いますけど、本当にスゴイですよ。これだけ長いと普段の手入れも
     大変でしょうね。髪、この長さなのに全然傷んでないから」
 理愛「もう、これが当たり前になっちゃってますから。だって物心ついた頃には髪が
     長かったから」
 野口「まだ伸びてるんですか」
 理愛「伸びてるんですよね、まだ。どこまで行くんでしょうね」
笑いながら理愛は自分の髪を手で持って優しく撫でた。
理愛と野口の髪談議はまだまだ続いた。





 その頃、某所では不穏な会話が交わされていた。
「理愛の奴、よく決心しましたねえ」
「当然よ。何と言っても実の父親のこととなれば、断れないだろうよ」
「でも、あの超長い髪を切るとは、余程のことですよ」
「そうだなあ。これでおとしまえをつけることができる」
「それで、いつ?」
「まだ日を決めてはいないが、早いほうがいいだろう。奴の気持ちが変わらないうちにやろうと思う」
「相当長いですよ、あの髪。高く売れるんじゃないかと...」
「バカ野郎!そんなこと考えてもいないさ。素直にバッサリ切って、ハイ終わりじゃあ面白くも何ともないだろう」
「それじゃあ、どのように」
「あの自慢の長〜〜〜〜〜い黒髪をメチャクチャにしてやるのさ!」
「メチャクチャにですか」
「そうよ。まずはサンドペーパーで綺麗に髪を磨いてやるのさ」
「それは..。艶やかな髪が...」
「勿論さ。あの自慢の黒髪を磨きに磨いて艶を消してやるのよ。キューティクルがボロボロに剥がれ落ちて、 煤けたゴワゴワの髪にしてやるのよ!艶も水分も失った、おどろおどろしい化け物みたいなロングヘアーさ。 それが4メートルもあるんだからなあ。哀れな姿をじっくりと眺めてやろうじゃないか」
「そいつをブラシで梳かしてやると、髪が引っかかって、大量に切れたり抜けたりしますよ。 しかしそれはスゴイやり方ですね」
「これはまだ序の口よ。それから少しずつライターの火で焦がしていく。 ジリジリと音を立てながら髪を焼いて短くしていくのさ」
「一瞬にして切るよりも残酷ですね」
「当たり前よ。俺の恨みを晴らすには、これくらいのことをやってもまだまだ足りないくらいさ」
「それから?」
「おう。それからはなあ、ボロボロの髪を三つ編みにさせて、バリカンでカットしていくのよ。 奴の髪をケチョンケチョンに切り刻んでやる」
「そりゃあ、強烈ですねえ。理愛の奴、どんな顔をするやら」
「ボロ髪になった理愛の記念撮影をして、澤田に送りつけてやる。黒髪無惨ってやつさ! ハハハハハハハハッ。アーッハハハハハハハ」



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2005.1.9(Vol.560) 初出___Cont.No.pon26     目次へトップへ

 いつもの時刻に出勤して、髪長統括部の部屋へ入る。中村は自分のデスクにどっかと腰かけて、 今日の仕事のスケジュールを確認した。んっ? 今日は日曜日だったよなあ。どうして仕事をしに来たのか...。 自分でもよくわからない。でも、来た以上は仕事をして帰ろう。最近、特に忙しくなってきたからなあ。 そう自分に言い聞かせて、書類に目を通していた。髪長統括部の副学長室に一人。 静寂の中で時を刻む置き時計と書類をめくる音だけの空間。誰にも邪魔されることなく、集中できる環境がそこにあった。
 しばらくして、隣のスタッフの部屋に誰かが入ってきた。髪長統括部はスタッフの事務所と中村がいる部屋とに分かれている。 部屋のドアを開けたままにしておいたので、スタッフルームの様子が少しだけ見える。誰が来たのだろうか。 今日は休日のはずだが...。中村は体を傾けて、隣の部屋を覗き込んだ。おやっ? 見慣れない女性がいる。 あんな髪の短い職員がいたかなあ? すぐさま隣の部屋へ行ってみた。
 中村「どなたですか?」
その女性の後ろから声をかけた。すると、その女性が振り向いて挨拶をした。 彼女の顔を識別するのに少し時間を要した。次の瞬間、心臓が止まりそうな衝撃が中村を襲った。
 中村「理愛さん!
何ということだ。その女性というのは、身の丈をはるかに超える長さとその圧倒的なボリューム、 そして髪の先まで艶と潤いに溢れた漆黒のシルキーヘアーの持ち主であり、 すべての学校関係者を魅了し続けてきたあの澤田理愛だとは...。
 中村「理愛さん、そ、その髪は!? ど、ど、どうして、そんなことを!」
 理愛「あらっ、中村さん。おはようございます」
いつもと変わらぬ笑顔で挨拶する理愛。そんな理愛に戸惑いを隠せない中村。
 中村「いや...、おはようございますじゃないだろう!」
少し大きな声になった。
 理愛「どうしたんですか。そんな大きな声で」
 中村「そんな大きな声って...。その髪だよ、髪!
 理愛「ああ、これっ? 変えてみたかったの。ほらっ、すごく軽くなったでしょ」
頭を左右に振って無邪気に笑う理愛に、ますます腹立たしさを感じた。 そして胸を締めつけられるような悲しみに打ちのめされそうになった。
 中村「どうしてなの...理愛さん」
今度は力なく、弱々しい声で言った。目の前の愛する女性がまさか...。こんな姿になってしまうとは。 中村にとっては見るに耐えない姿であった。無惨にも切り落とされ、あまりにも短くなってしまった理愛の髪が、 まるで大けがをした傷口のように痛々しかった。ミディアムレイヤーとでも呼ぶのであろうか。 毛先にシャギーを入れ、その毛先がかろうじて肩にかかる長さになっていた。 髪全体にふんわりとパーマをかけ、ダークブラウンの髪の色が艶やかな輝きを奪い取っていた。 頭を動かしても、髪全体がまとまって少し動くだけ。キラキラと輝きながら流れ落ちる漆黒の大滝は、 もう過去のものとなってしまった。4メートルもあった絶品の黒髪。それを惜しげもなくカットしてしまうなんて、 正気の沙汰ではなかった。

 理愛は中村の愕然とした様子を尻目に、何もなかったかのように仕事を始めた。そこへ 野口が出勤してきた。
 野口「おはようございます。あっ、理愛さん、髪切ったの?」
 理愛「ええ。どう、この髪?」
 野口「いいですねえ。すっごく可愛い。前髪もカールしてて、とても素敵ですよ」
 理愛「ありがとう。よかった。そんなふうに言ってもらえて」
 野口「似合いますよ、すごく。前の髪は、いくら何でも長過ぎましたから。あんな長い髪、正直
     言って気持ち悪いですからねえ」
 理愛「頭も気持ちも軽くなってイイ感じでしょ」
ショートにした髪がお気に入りの様子である。
 野口「何事も度が過ぎるのは良くないですよ。髪も同じ。他のスタッフにも切るように言い
     ましょうか」
次の瞬間、バーンという大きな音がした。中村が力いっぱい両手で机を叩き、素早く立ち 上がって野口を睨みつけた。
 中村「何だとーっ! もう一度言ってみろ!!」
 野口「部長、何をそんなに興奮しているんですか」
 中村「何が似合っているんだ。髪を切ることを勧めるだと!!」
 野口「髪を引きずるような女性よりずっと素敵ですよ。こんな髪じゃ仕事をするにも邪魔だし」
 中村「何だとーっ!! もう一度言ってみろ! この野郎!!」


 あっ...。体全身にぐっしょりと汗をかいていた。夢だったのか。 手を伸ばして、枕元に置いていた目覚まし時計を取った。まだ午前6時。 何という夢だ。まさにナイトメアー。でも、夢で良かった。 そうだ。今日は休日だったなあ。夢の中で怒鳴って疲れたよ。夢に見るくらい、中村は理愛の髪のことが心配だった。 しかも、本当に髪をバッサリという可能性も否定できないような状況のため、心が休まることはなかった。
 朝食を済ませて少し気持ちが落ち着いた。食後のコーヒーを飲みながらパソコンに向った。 依頼していた調査の件がメールで届いていた。やはりそうか。理愛は本心から髪を切りたくないのだ。 何とか理愛に髪を切らないように説得しなければならない。これはなかなか厄介な問題だ。メールを読み終わって、そう思った。 心を落ち着けて考えよう。中村は一人静かに瞑想を始めた。そこへ意外な来客があった。
 中村「これは、学長。どうなさいましたか。こんなところまで訪ねてこられるとは」
 学長「いや、悪かったねえ。折角の休日なのに申し訳ない」
 中村「いえいえ、さあどうぞ」
 学長「ちょっと相談したいことがあってねえ」
 中村「あの件ですか」
中村は澤田学長を自室に招き入れ、先ほど受け取った調査報告の詳細を話し始めた。
 中村「学長、理愛さんの件ですが、私のスタッフに依頼していた調査報告が届きましたので
     お話します」
学長は軽く頷いてソファーに座り直した。
 中村「理愛さんが髪を切ろうとしているのは、自分の意志ではないということです」
 学長「やはりそうか。私もそう思っていたのだが。それなら何故、理愛は髪を切ると言い出した
     のか」
 中村「脅迫されています
 学長「何、脅迫...?」
 中村「ええ。実は学長がいらっしゃらない時にお宅を訪ねたんですよ。その時にちょうど理愛さん宛に
     荷物が届きまして。そこで奥様の承諾を得て、その荷物を預からせてもらったの
     ですが...」
 学長「それが...」
 中村「その中身を調べると、長い黒髪が大量に入っていたんです
 学長「髪?」
 中村「そうです。髪です。しかも切り刻まれた三つ編みが...。つなぎ合わせると、2メートル
     以上にはなります」
 学長「何ということだ」
 中村「しかも、あれだけの量となると、数人分の髪でしょうね。管理室から盗まれたものでは
     ないかと...」 
管理室というのは、生徒たちの抜け落ちた長い黒髪を保管するところである。生徒たちは、 自分の抜け毛を学校に設置してある髪長ボックスに入れる。それをまとめて保管するのであるが、 内部の者でなければ髪を持ち出すのは不可能である。
 学長「そうか...」
学長は考え込んでしまった。
 中村「何か心当たりでも」
学長はゆっくりと頷いて話し始めた。
 学長「中村さんが来る以前の話なのだが...」
 中村「例の対立抗争に関係することですか」
 学長「そうだと思う。考えられるとしたら、私と対立して去った彼らだろう。私と理愛に対する
     報復だろうな。彼らは私の髪長推進論に創立当初から反対していたんだ」
 中村「結果的に退職に追い込まれたことを恨みに思ってのことですか」
 学長「そうだろう」
 中村「それにしても、脅迫の内容が理愛さんの実の父親に関係することなんですよ」
 学長「桜葉のことで...?」
 中村「ええ」
 学長「それはどういうことだ?」
 中村「うちのスタッフの調査によれば、理愛さんの父親、つまり桜葉さんが商社マンとして
     イギリスに駐在している時に、当時の金額にして25万ポンドの借金をしていたようです」
 学長「何? 25万ポンド...。そんなに多額の借金をしていたのか」
 中村「そのようですね。日本円でおよそ5200万円ほどになりますかねえ」
 学長「桜葉が借金なんて、あいつの性格からして信じられないんだよ。とても堅実な男だった
     からなあ」
生前の親友を思い出しながら、何度も首を傾げた。
 中村「その担保が桜葉さんがロンドンで購入した住宅のほかに、
     何と娘の自慢の黒髪なんですよ!
 学長「何ということだ!」
 中村「イギリスにいる債権者が債務不履行を理由に、理愛さんの髪を引き渡すように
     求めていたんです

 学長「その借金は全額返済していなかったのか?」
 中村「2000万円ほど残っていたそうで、それを学長が仰る『彼ら』が弁済したようですね」
 学長「すると、彼らが理愛の髪を好きにできるということか」
 中村「そうなりますね。理愛さんは学長に迷惑をかけずに、実の父親の借金を肩代わり
     しようと思っているようです。しかも、それを自分の髪で!」
 学長「何ということだ! どうして私に言ってくれなかったんだ。それくらいの金なら私が
     何とかする」
中村も考え込んでしまった。たとえ学長が借金の肩代わりをしてやろうとしても、おそらく理愛は断るだろう。 自分の実の父親のことで、いくら養父でも迷惑をかけたくないのだろう。 何といっても、これまで大切に守り育ててきた長〜〜〜〜〜い黒髪を差し出す覚悟を決めているのだから。


 重苦しい気持ちを引きずりながら月曜日の朝を迎えた。このままではいけない。中村は 気持ちを切りかえて出勤した。5名のスタッフたちは、仕事の準備に取りかかっていた。 理愛もいつもと変わらない様子であった。挨拶をして副学長室に入った。始業のチャイム が鳴ってすぐ、野口がやってきた。
 野口「失礼します。部長、この書類に印鑑をお願いします」
 中村「この書類だね」
野口に確認してから印鑑を押して渡した。
 中村「ところで野口くん。髪の長い女性をどう思う?」
 野口「はぁ???」
どうしてそんなことを聞くのかといった表情で、野口は中村のほうに顔を近づけながら聞いた。
 野口「部長、どうされたのですか。どう思うって、そんなこと聞かれても...。大好きです!
     と答えるしかありませんよ。ボクはもう自分の好きなことは好きと堂々と言いますからね。
     以前だったら、こんなふうに人には言えませんでしたけど」
 中村「うん...。そうだよねえ。例えば...例えばだよ。スタッフの誰かが、ある日突然
     バッサリと髪を切って出勤してきたらどうする?」
 野口「そんなことあるわけないでしょう。何を言ってるんですか部長は。バッサリやられたら、
     こっちが放心状態になりますよ」
 中村「そうだよなあ。髪を短く切ってしまった女性に、よく似合っているなんて言わないよなあ」
 野口「当たり前ですよ! 部長、どうしたんですか今日は?」
 中村「いや、何でもないよ」
夢の中での野口とは違うということを、ただ確かめたかっただけである。 でも、そんなことを質問している自分が可笑しかった。そう思いながら、印鑑を押した書類を野口に手渡した。
 野口「部長、これ違いますよ」
 中村「えっ?何が」
 野口「部長の押印はここじゃありませんよ」
まったく違うところに印鑑を押していたことに気づいた中村は、改めて印鑑を押し直した。
 野口「部長、大丈夫ですか? 本当に今日はヘンですよ」
 中村「いやいや、ちょっと疲れているのかなあ。すまない。例の企画の件、理愛さんと詰めて
     くれないか。今日中に頼むよ」
 野口「わかりました」
 中村「あっ、そうだ。それから理愛さんに言ってくれないか。後で打ち合わせをするから、
     私のところに来て欲しいと」
 野口「了解です!」
弾んだ声で返事をした。野口にとって毎日がドキドキワクワクの連続であった。 異動日初日に、理愛から受けた髪長マジックの洗礼が忘れられない。 それ以来、理愛と一緒に仕事をすることが嬉しくてたまらないのである。 すぐさま会議室で打ち合せを始めようと出て行った。


 野口の後、すぐに中村の秘書役が入ってきた。斎藤美森とともに職員に採用された一人である。
 中村「ああ、オグリさん。今日の来客は午後からだったよねえ」
髪長統括部は部長の中村、野口の男性2名、そして澤田理愛と斎藤美森、他2名と合わせて女性4名という布陣である。 読者諸氏にはまだ紹介していなかった「他2名」が気になるところではないだろうか。 専ら中村のスケジュール管理を任されている女性が、「オグリさん」と中村が呼んでいる職員である。 本名は小栗栖 愛(おぐりす・あい)というのだが、中村は「オグリさん」と呼ぶ。そのほうが呼びやすいからであろう。

(ここからしばらくは、小栗栖愛嬢の言葉だけ青文字といたします。)

 小栗栖「いえっ、部長。午前中にお越しになりますよ」
 中村  「あれっ、そうだった? オグリさんも同席してほしいんだ。すごーくインパクトがある
      からね」
くすっと笑いながら言った言葉に、彼女は首を傾げてその理由を聞こうとした。
 中村  「まあ、すぐにわかるよ。とにかく頼みます」
 小栗栖「はい、わかりました」
 中村  「そうだ、オグリさん。この前のミーティングで出してくれた意見だけど、すごく良い発想
      だねえ」
 小栗栖「そうですか。ありがとうございます」
 中村  「やはり女性の感性は鋭いねえ。男だと、例えば楽しいとか不愉快という気持ちも
      数通りの感じ方しかできないそうだけど、女性は数十、いや数百通りの感じ方が
      できると言われているそうだからねえ」
 小栗栖「へえーっ、そうなんですか。そう言われれば、女ってそうかも...」
 中村  「何と言っても、今は女性が主導権を握っている時代だからねえ」
 小栗栖「主導権ですか?」
 中村  「そうだよ。今までは企業側主導のマーケティングで市場が動いていたけど、これからは
      通用しない。消費者主導の時代だよ。しかも、その消費の主役は女性だ。旅行へ行く
      のも食事をするのも学校選びも...。勿論ファッションだってそうだよね」
 小栗栖「そう言えばそうですよねえ」
 中村  「消費に関しては断然女性が主導権を握っているわけ。だから女性の感じ方や考え方を
      ビジネスに反映していかないと勝ち残れない時代なのさ。男の発想では限界に来て
      いるってこと。髪長財団の事業展開に関しても、オグリさんたち女性の意見がとても
      大事になってくるんだよね。だから期待してるよ!」
 小栗栖「はいっ!」
 中村  「何を笑ってるの?」
 小栗栖「いえ、別に。部長って女性に対する理解がすごくある方だなあと思って」
 中村  「そうかなあ...。その割にはモテないけどね」
 小栗栖「誉め方が上手というか、私達のモチベーションを高めるのがウマいというか...。
      うまく説明できないんですけど、先輩たちが就職した会社での話を聞いていると、
      ここはすごく働きやすい職場だなって思うんです」
彼女の言う通り、中村は意識して彼女たちのマネジメントをしていた。 人をいかにやる気にさせるかを常に考えながら接しているのである。 ところが不思議なことに、彼女たちの絶品の黒髪をほとんど誉めたことがない。髪を誉められることに慣れている彼女たちにとって、 逆に仕事上のことで評価されることのほうが嬉しいのかも知れない。 髪を誉めるにしても、とても巧妙な言いまわしで言葉にする。それほど彼女たちの髪をこと細かに観察して、 誉めるところを普段から捜しているのだろう。 いずれにしても、中村のもとで働きたいという職員は多い。部下の能力を引き出すのに長けているのである。

 中村  「オグリさん、この書類に目を通しておいてほしいんだ」
そう言って、彼女に今日の来客との打ち合わせの準備をしてもらおうと思った。小栗栖 愛。 筆者も中村のように彼女のことを「オグリ」と呼ばせてもらうことにしよう。 オグリは中村から書類を受け取ると、書類を脇にはさみ、両手で自慢の黒髪を優しく抱え込むようにしてソファーに座った。 髪を踏まないように、ゆっくりと黒髪の束を引きずりながら歩く姿がことさらになまめかしく感じられた。 真剣に書類に目をやる彼女のワンレングスの黒髪が、肩から徐々に崩れ、顔を覆い尽くしてしまった。
 中村  「オグリさんの黒髪は潤いがあって本当に見事だねえ」
 小栗栖「そうですか、ありがとうございます。部長、初めてですよ。髪を誉められたのは」
流れ落ちた両サイドの髪を手で持ち上げ、肩の後ろにやりながら言った。
 中村  「そうだったかなあ」
 小栗栖「職員に採用された時は、すごく嬉しくって。でも実際に採用された人たちを見ると、
      斎藤さんも西園寺さんも私よりずっと素敵な超ロングだし、ちょっと自信がなかったん
      です。髪質もそうですけど、色も真っ黒で重い感じがするから。澤田さんなんて、とても
      勝てないなって」
 中村  「いや、そんなことはないよ。しっとりと落ち着いた感じだし、髪の先まで濡れているような
      輝きがあって、とっても綺麗だよ。どうしても毛先に近づくほど水分量が少なくなって
      バサつくものだけど、その点、オグリさんの髪は驚きだよね」
ここまで言われて嬉しくないはずはない。普通にしていても笑みがこぼれてしまう。 彼女が言っていたように、オグリの髪はまさに「カラスの濡れ羽色」。真っ黒で、まるで濡れているような艶やかな髪。 しかもボリュームもあるワンレン超ロング! あの理愛でさえも嫉妬しそうなほど、毛先まで潤いのある見事な黒髪の持ち主である。
 小栗栖「そんなふうに言われると、自分の髪に自信が持てるようになります」
 中村  「オグリさんほどの見事な黒髪の持ち主でも、自信がないなんて驚きだよ。この髪なら
      オグリさん、十二単姿がピッタリくるだろうねえ」
 小栗栖「そうですかねえ。でもそんなにおだてないで下さい。その気になっちゃいますよ」
 中村  「いいんじゃない」
 小栗栖「中学でも高校でも、クラスメイトからは『濡れ髪ちゃん』なんて呼ばれてたんですよ。
      先生からは、『髪を洗ったまま、乾かしていないのか』なんて言われたりして」
 中村  「そうなの」
いつの間にか彼女の背後に回り、中村は彼女の「濡れ髪」に手櫛を通しながら見事な黒髪を‘検分’していた。 オグリはその無邪気で子供っぽいところが、仕事に情熱を傾ける普段の姿と落差があって可笑しかった。
 中村  「どれくらいあるの? オグリさん」
 小栗栖「う〜ん、ちょっとわからないですねえ。最近は測ってないですから」
 中村  「職員の髪もきっちりと把握しておく必要があるなあ、部長として。職員も測定会をして、
      常に髪の状態をチェックしておかないとねえ。生徒たちの模範となるのは当然として、
      外部へのアピールという点でも重要だし。ちよっと測らせてくれないかなあ
 小栗栖「そうですねえ、高校時代以来だから。お願いしようかなー」
中村マジックですっかりご機嫌のオグリは、二つ返事で上司に髪を任せてしまった。 いつも持ち歩いている巻尺をポケットから取り出すと、その先をオグリに差し出した。
 中村  「これ、頭のてっぺんで持っててくれる?」
 小栗栖「はい。それにしても部長、随分と用意がいいですね」
笑いながらオグリは頭の上で巻尺の先を持ち、自分の髪を見つめていた。 中村は両手に彼女の超ロングをまとめて持ち、巻尺と合わせながら手の中をゆっくりと滑らせていた。 そこへ野口が入ってきた。
 野口  「失礼します。部長、この件ですけど...、あれっ?」
仕事の進め方を部長に聞こうとして来たのであるが、その部長が何とオグリの髪の長さを測ろうとしているではないか。 一瞬、その光景に戸惑ってしまった。
 中村  「あぁ、野口くん。いいところに来た。ちょっと手伝ってよ」
 野口  「手伝うって...」
まさか、えーーーっ、本当に?! ひょっとしたら目の前の「作業」を部長と一緒にやれってことか!
 中村  「そこを持って、ほらほらそこだよ」
言われるままに、長〜〜〜〜〜い黒髪にそっと手をやる野口。その感触が手から全身にじわっと伝わっていく。 まるで川面に波紋が広がるように。
 野口  「小栗栖さん、なっがいですねーーー!! うわ〜〜〜〜〜、すごいよコレ!」
 中村  「ほらほら、どこまで伸びるんだろう。おおっ、2メートル、3メートル...」
 小栗栖「ええっ、そんなにあります?」
 野口  「すごいっすよー!」
野口はオグリと中村の間に入り、髪の束と巻尺を、両手を広げて支えていた。
 中村  「野口くん、オグリさんの髪は感触がちょっと違うだろう?」
 野口  「違うって?」
 中村  「潤い髪だよ! 何て言ったらいいのかなあ、その...手にしっとりと馴染むという
      感じかなあ」
 野口  「部長、そんなこと言われてもピンとこないですよ。僕は部長のように自由に髪を触る
      ことができないんですから。いろんな人の髪を触らないと、そんなことわかりませんよ」
心から部長の立場が羨ましいと思った。生徒や職員の髪を触ると、世間で言うセクハラになる。 しかし、澤田学長と髪長統括部長の中村だけは治外法権なのである。それにしても不思議である。 女性なら誰でも自分の髪を触られるのは嫌だろう。しかし、こと髪女の生徒と職員に関しては例外である。 髪を触られることに何の抵抗もないばかりか、むしろそれを喜んでいるようなのである。 野口には全く理解できなかった。当然、これには理由があるのだが。
 小栗栖「どれくらいありますか?」
 野口  「身長の2倍以上はありそうですよねえ」
 中村  「そうだねえ」
ニコニコしながら毛先の部分を握りながら言った。
 野口  「小栗栖さんは身長何センチですか?」
 小栗栖「158センチなんですけど...。身長の倍だと、3メートル16センチですよねえ。
      そんなに長くはないと思うんですけど」
 中村  「おぉっ。これはすごいよーー! えーっと」
毛先を慎重に巻尺に合わせてメモリを読み取った。
 中村  「3メートル...」
 野口  「スゴイやー! ええっ、3メートル?!」
 中村  「3メートル58センチ!
 小栗栖「へえーっ、スゴ〜〜〜〜イ!! そんなに長かったんだ」
思わず本人が叫んでしまった。
 中村  「いやーっ、素晴らしいよ、この潤い髪は! 純和風の超ロングだね。これは最強の
      『武器』になるなあ」
 小栗栖「武器って...?」
 中村  「来客向けの武器だよ。まあ、後でわかるから」
 野口  「部長、ボクはいいところに来たもんですね! こんなに長〜〜〜〜〜い黒髪を
      この手で感じることができるなんて幸せいっぱいですよ」
 小栗栖「野口さんも超ロング、好きなんですねっ!」
満面の笑みになって野口は頷いた。
 中村  「ずーっと大切にしてよね。これは業務命令だよ」
 小栗栖「はいっ、わかってます。ところで部長、アレもついでにお願いしたいんですけど...」
 中村  「ああ、アレね」
 野口  「何ですか、アレって?」
 中村  「コレだよ」
オグリの超ロングを見事な手さばきで手元に手繰り寄せ、首の後ろのところで束ねたかと思うと、それを自分の肩にかけた。 そして両手でオグリのおでこから頭上、さらに首へと叩きながら揉みほぐした。 見事なまでの素早い手の動きが、オグリの頭でポコポコと小気味良い音を立て、彼女をうっとりさせた。 澤田学長直伝の髪長マッサージである。
 中村  「これだけ長いと肩こりもひどいだろうね」
 小栗栖「マッサージしてもらうと、すごく気持ち良いですよ! こんなにこっていたなんて。
      普段はあまり感じないんですけどね」
あんなに素晴らしい超ロングヘアーを自由に操れるなんて、これほど野口にとって羨ましいことはない。 早くあのような身分になってみたいものだと思った。


 しばらくして、予定通りに来客があった。
 小栗栖「部長、お客様がお見えになりました」
 中村  「そうか。じゃあ、最初は私が応接するから、オグリさんは後から入って来てくれないか」
 小栗栖「わかりました」
中村はそう言い残して、一人で応接室へ向った。正直言うと気が重かった。 これまで交流がなかった学校の校長が挨拶に来るからである。髪女とは比較的近くにある学校であるが、 互いの校長が相手に良い印象を持っていなかったからである。 今年の春に就任したばかりの校長が、社交辞令のために来たのであろうと思っていた。 応接室に入ると、すでに中村を待っていた。
 中村「いや、どうもお待たせ致しました。中村と申します」
そう言いながら名刺を差し出した。中村が入って来ると客人はすぐに立ち上がり、自己紹介をしながら名刺を差し出した。
 原  「どうも初めまして。と申します」
 桂  「初めまして。と申します」
 中村「どうぞお掛け下さい」
二人をソファーに腰掛けさせて、自らもゆっくりと腰をおろした。
 中村「学長の澤田は、髪長財団の仕事で忙しくしておりまして...」
 原  「そうですか。実は澤田先生には随分ご迷惑をおかけしましたので、本日はそのお詫びも
     兼ねてお伺いした次第です」
 中村「澤田のほうからも、色々とこれまでの経緯は聞いておりましたけど」
 原  「私どもの前校長のことで、お気を悪くされているのではないかと...。この度、私が校長
     に就任しまして、この機会に女学院さんとも友好的なお付合をしたいと思っております」
 中村「いやー、そうでしたか。お互い近くにありながら、交流がないというのも不自然ですから
     ねえ」
 桂  「全く仰る通りです。私も教頭として原とともに今回、是非ともこちらとお近づきになりたい
     と存じまして」
最初から意外な展開に少し戸惑った中村であったが、話が良い方向に向っていることに安堵していた。
学長から聞いていた話によると、髪女からほど近くにあるこの学校は男子校で、 その前校長が筋金入りの髪長嫌いであった。「あんな気持ち悪い髪をした生徒が通う学校へは絶対に近づくな!」 と言うのが口癖であった。そのため、生徒との交流は全くなく、教職員たちも互いに行き来することはなかった。
 原  「中村先生、実は我々は女学院さんと交流したかったのですが、前校長の指示でそれが
     叶わなかったんです。でも今回、私と桂が学校運営を任されたことで念願を果たそうと」
 中村「そうでしたか。実は私のほうから友好的なお付合をお願いしようと思っていたんですよ」
 原  「そうでしたか」
 中村「でも、前の校長先生の仰ることも理解できますけどねえ。こんなに長い黒髪の生徒
     ばかりだと、初めて見る方は異様な感じを受けるでしょうから」
 桂  「いえいえ。それにしても、前校長は言い過ぎですよ。原と私は長〜〜〜〜〜い黒髪の
     女性が大好きでして...」
 原  「それで今回、お伺いするのを楽しみにしておりました。ひょっとして我々の訪問を拒否
     されるのではないかと案じていましたが、快く迎えていただいて光栄です」
 中村「それはよかった」
中村の名刺を見ながら原校長は、その肩書きに興味を持った。
 原  「中村先生は副学長というお立場でいらっしゃいますよねえ。この『髪長統括部長』という
     のはどういった...」
 中村「これですか。私も最初は面白い役職だと思いましたよ。学長の澤田が私をスカウトした
     時に付けてくれたものなのですが、簡単に言えば、ロングヘアーに関するあらゆる仕事
     をせよということでしょうね」
笑いながら答えるしかなかった。良い雰囲気で話が弾んでいた。
 中村「ああっ、すみません。お茶も出さずに失礼しました。お飲み物は何がよろしいですか?
     お茶、コーヒー、紅茶...。アルコールは置いてませんけど」
 原  「あはははっ、いやいや、それではコーヒーを」
 桂  「私も同じで」
 中村「そうですか。ちょっとお待ち下さいね」
中村はすかさず受話器を取り、コーヒーを持って来るように指示をした。
 原  「それにしても見事ですねえ。生徒さんたちの髪は!」
 桂  「本当に私、感激しましたよ!」
 原  「ちらっと見えただけなんですけど、相当な長さですよねえ。制服が見えないくらい全身が
     髪で覆われているようで」
 中村「中等部では膝下くらいの長さが普通ですね。高等部になると床まで届くくらい伸ばして
     いる生徒も多くいます。最近は身長よりも長く、床を引きずる生徒もいますからねえ。
     大学では身の丈以上が当たり前になっていますよ。彼女たちにとっては、あの髪も
     制服の一部なんです」
 原  「すごいですねえ!我々のような長い髪の女性に憧れを持っている者にとっては、ここは
     まるで竜宮城のようだ。いやーっ、素晴らしいの一言です。そうだなあ」
 桂  「その通りですよ。こんなことを言うのは何ですが、もっと近くで見てみたいなあと思います
     ねえ!」
 中村「その言葉を待ってましたよ。まもなくうちの部署の職員がコーヒーをお持ちしますから。
     それから今後、両校の友好的なプロジェクトの窓口として、担当者を決めて対応させ
     ますので」
 原  「それはありがたいことです。で...、その方は女性の職員さんですか?」
少し期待を込めて原校長は聞いてみた。その答えを横に座っている桂教頭も思わず身を乗り出して中村の言葉を待った。
 中村「ご期待通りにしましょうか。私では興ざめでしょうからねえ」
笑顔で二人の顔を交互に見ながら言った。
 桂  「いえっ、興ざめだなんて...」
 原  「ありがとうございます。今日は伺ったかいがありましたよ」


「失礼します」
女性の声に反応するように、原校長と桂教頭の顔は入り口のほうを向いていた。
 中村「オグリさん、足元に気をつけて」
オグリは中村の後ろを通って、向いに座っている原校長の前にコーヒーを置いた。そしてその横の桂教頭にもコーヒーを出した。
 中村「オグリさん、こちらに」
中村に促されたので、彼女が中村の横に座った。原校長と桂教頭の二人は口をポッカリと開けたまま、 床に長々と横たわったオグリの髪を見ていた。中村は二人の視線の先を見ると、すぐさま立ち上がった。
 中村「ドアが開いたままだね」
そう言いながらドアを閉めようとした。オグリの髪が部屋の外にまで伸びていたので、ドアが閉められなかったのである。 中村はそっと彼女の漆黒の「濡れ髪」を手に持ち、部屋の外にまで横たわっていた髪を引き寄せて部屋に入れた。
 原   「中村先生、この方の髪、本物ですよねえ?!」
 中村  「本物かどうかお尋ねだよ」
笑いながらオグリに言った。
 小栗栖「初めまして。小栗栖 愛と申します。よろしくお願い致します。髪は勿論本物ですよ!」
 桂   「ひ、ひきずってますよねえ...。すごい、本当にすごい!私はこんな長い髪の女性を
      見たのは初めてですよ。個人的には、長ければ長いほど好きなんですけど、これほど
      まで長いとは...。もう大感激です!!」
 原   「私もですよ! 恥ずかしいんですが、感激のあまり、体の震えが止まりません」
声も震えるほどの興奮状態である。
 中村  「彼女の髪はご覧の通り真っ黒で艶があり、毛先まで保湿が行き届いています。その分、
      ちょっと重い印象を与えるんですけど、手にするとほらっ、とてもしっとりとして
      いるんですよ」
ますます二人は呆気にとられた。徐に目にも眩しいほどの長〜〜〜〜〜い黒髪を手に持つ中村が心底羨ましかった。
 原   「あの...小栗栖さんでしたよねえ。どれくらいの長さなんですか? その素晴らしい
      ロングヘアーは」
 中村  「さっき長さを測ったよね」
 小栗栖「ええ。身長の倍以上ありますよ!」
 桂   「身長の倍以上!」
 小栗栖「はい。3メートル58センチあります」
 原   「見事だ! 本当にスゴイ!! 言葉にできないほどの素晴らしさですよ」
 桂   「こんなにも髪の長い女性がいたなんて...。人生、長生きするものですねえ」
中村と小栗栖は、こんなに感激してもらえるとは思ってもいなかったので、予想外の反応に大満足であった。
 中村  「それでは早速、両校の友好大使を呼びましょうか」
 原   「小栗栖さんじゃないんですか?」
 中村  「ええ。彼女は私の仕事のサポートをしてくれていまして、ここのところ多忙なんですよ。
      それで、もう一人、うちの部署の者がおりますので、彼女に窓口になってもらいます。
      彼女に来るように言って」
中村はオグリに言った。オグリは軽く頷いて席を立ち、お盆を脇に抱え、 超ロングの「濡れ髪」を踏まないように気をつけながら出て行った。その様子を食い入るように二人は見つめていた。 彼女が出て行った後も、長く伸びた髪だけがゆっくりと動きながら床を這っていた。


 桂   「今日は興奮して眠れそうにありませんよ」
 原   「本当にそうですね。我々の窓口になって下さる方も、ひょっとしてあんなに髪の長い
      ...?」
 中村  「小栗栖よりも長いんじゃないですかねえ」
二人は互いに顔を見合わせ、少し興奮ぎみでその女性を待った。しばらくして「彼女」が入ってきた。 先ほどの小栗栖 愛は、「濡れ髪」と言われるように真っ黒なワンレングスの超ロングだったが、 「彼女」は少し眉にかかる前髪が、その動きによって細かく揺れ、髪はいかにも柔らかくて優しい感じを与える。 前髪はつくっているものの、髪のボリュームはかなりのものである。
 中村  「髪、気をつけてね。彼女が担当することになります」
 西園寺「初めまして。西園寺 典子(さいおんじ・のりこ)と申します。よろしくお願い
      致します」

(ここからしばらくは、西園寺典子嬢の言葉だけ紫文字といたします。)

 原   「こちらこそ、よろしくお願いします。面と向って言うのも何ですが、綺麗なお嬢さんだ」
 西園寺「ええっ?」
直球をど真ん中に投げ込まれた典子は、どぎまぎしてしまった。
 桂   「素晴らしいお嬢さんですねえ」
 中村  「うちの職員は、見かけはともかく、頭はキレますので...」
 原   「いやいや、これはお手柔らかに」
 中村  「オグリさんよりも長いよねえ」
 西園寺「そうですねえ。少しだけですけど...」
 原   「もう、言葉も出ないほど素晴らしい! もう奇跡的ですねえ、この長さは」
 中村  「うちは髪長統括部という名前の通り、すべての女性の模範になるようなロングヘアー
      を目指していますから、仕事に関しても髪に関しても優等生揃いですよ。うちにはあと
      二人いますが、西園寺よりも長いですよ!」
 原   「これより長い女性が?!」
 西園寺「4メートルくらいありそうですよ」
中村に確認するように典子が言った。
 桂   「4メートル? もう爆発だーーーーーーっ!!」
 原   「桂くん...」
 桂   「いやっ、これは失礼しました。もう先ほどから私の思考回路が機能停止状態でして
      ...」
典子は自慢の黒髪を右手でスーッと引き寄せ、膝にかけるように置こうとした。
 西園寺「あっ、気になりますよねえ。すみません」
 原   「いえいえ、そのまま、そのまま。素晴らしいロングヘアーですから、どうか我々の見え
      るところにお願いします」
髪を後ろへやろうとしていた典子を制止するように言った。横にいる桂教頭も、何度も首をタテに振って同調した。
 中村「ところで両校の交流についてですが、藤森学院(とうしんがくいん)高校さんには理数科
     があって、理系の教育に素晴らしい成果を上げておられるようですね。うちは女子校
     ですから、どうしても理系科目が弱い。そこを強化したいと考えています。是非とも協力
     していただきたいし、ご指導願いたいと思います」
 原  「うちは医歯薬系大学の進学に力を入れてきましたので、その分野ではノウハウを持って
     います。積極的に協力させてもらいますよ。逆にうちは文系が物足りない」
 中村「えっ? あれほどの進学実績を出しておられるのに...」
 桂  「英語が弱いですね。女学院さんは、すべての生徒さんが英語堪能ときている。その
     ノウハウをうちにも入れたいところです」
 原  「個人的にも英語で会話ができたり、英字新聞を読んだりできたらなあと思うんですよ。
     勉強しようと決意しても長続きしなくて...」
 中村「わかりました。お互いの得意とする教科で指導者の交流をしていきましょう」
 原  「ありがとうございます。それと中村先生、もう一つ...これはお願いなんですが」
 中村「どのようなことでしょうか?」
 桂  「進学一辺倒の指導では、どうしても偏った教育になるのではないかと考えまして、
     スポーツの指導にも力を入れてきました。3年前には体育科も設置しましたが、
     お蔭様でようやく成果が出始めまして」
 原  「実はうちの野球部が春季大会で優勝しましてね。今度は夏の大会に向けて期待が
     高まっているんですよ。甲子園に出るようなことになってくれればと。そこで女学院
     さんにも協力をしていただきたいと思いまして...」
 中村「はあ...?」
 原  「うちは男子校ですので、応援も地味でして。こちらの生徒さんにも応援をしてもらえれば
     と...」
 西園寺「チアーガールですね!」
 原  「そうそう、それですよ」
 中村「いいですねえ! 早速うちで検討しましょう。チアーリーダー部を創設してでもやりま
     しょう。やってみたい生徒たちはいますよ! いなけりゃ、うちの部署でやりますから」
彼女たちのチアーガール姿を想像して、ちょっとエッチな表情になっていたのかも知れない。
 西園寺「部長!」
中村をたしなめるように典子が言った。
 中村「ちょっと調子にのりすぎましたね。とにかく両校にとって良い形になるように協力しま
     しょう」
中村はちらっと腕時計を見た。
 中村「原先生、桂先生。私はこれから予定が入っていますので、これで失礼させていただき
     ます。後は西園寺に申し付けて下さい」
 原  「あっ、そうですか。どうもお忙しいところを本当にありがとうございます」


 二人は中村が退出するのを見送って、改めてソファーに座り直した。目の前で西園寺が手帳を見ながら 今後のスケジュールを確認しようとした。
 西園寺「あの、これからの予定ですけど、定期的にこのような場を設けていただきたいのです
      が、よろしいでしょうか」
 原   「勿論、そうしていただきたいですね。西園寺さんのご都合に合わせますよ」
 西園寺「いえっ、そんな...。それでは、当分はメールでやり取りしながら、それぞれの案件
      を詰めていきましょうか」
 原   「そうですねえ。それでいいね、桂くん」
 桂   「はい、それでお願いします」
 西園寺「今日はお二方とも驚かれたでしょう? こんな常識はずれの髪をご覧になって」
 原   「いいえ! 常識はずれだなんて。素晴らしいですよ。本当に感激しました」
 桂   「我々二人とも、ロングヘアーの女性が大好きでしてねえ。しかし、今の若い女性たちは
      綺麗な黒髪をわざわざ茶色に染めてしまったり、髪を傷めつけるようなことを平気で
      するもので...。見るに耐えないですよ!」
 西園寺「そうですね。若い女の子はどうしても流行に敏感ですし、みんなと同じように流行を
      追うことがオシャレだと思っているんですよね。また、みんなと同じでなきゃ不安
      なんですよ。仲間はずれになったような心境になって」
 原   「それが我々からするともったいないと思うんですがねえ。そのままの黒髪がどれほど
      美しいかわからないのかなあ。何だか嘆きたくなりますよ」
 西園寺「私たちは、流行を追うことだけがオシャレだと思っていません。黒髪のロングヘアー
      だって立派なオシャレだし、これほど美しいものはないというポリシーで髪を伸ばし
      てますから」
 桂   「そう、それですよ。今日はお伺いして本当によかった。こちらは素晴らしい学校ですよ」
少しためらいながら、原校長が話を切り出した。
 原   「西園寺さん、こんなことをお願いすると叱られるかも知れませんけど、敢えて言わせて
      もらいますと...。いえ、イヤなら正直に言ってもらって構いませんから...」
典子はわからないフリをして小首を傾げたが、校長が言おうとしていることの察しはついていた。
 原   「あの...何と言うかその...」
校長のじれったさに業を煮やした教頭が言った。
 桂   「あの...西園寺さん。本当に素晴らしい髪ですよねえ。そのご自慢のロングヘアーを
      ...このちょっとだけでいいんですけど、その...」
相手の言いたいことが手に取るようにわかっているだけに、大の男がしどろもどろになっているのが可笑しかった。 この辺でもういいかなと思った。
 西園寺「私の髪、どうですか? ちょっと感触を確かめてもらえませんか。小栗栖さんのように
      しっとりしてないかも知れませんけど」
 原   「本当にいいんですか?」
 桂   「うわ〜〜〜、またまた感激です!!それでは失礼させてもらって」
二人はそーっと典子の超ロングヘアーに手を伸ばした。校長はゆっくりと髪に手を置いて、少しずつ撫でるように手を動かした。 教頭は親指に人差し指と中指を添えて、黒髪をつまんでみた。
 原   「あーーーーーーー!!」
 桂   「おおおおおっ!!」
人間は興奮したり感動したりすると、母音(あ・い・う・え・お)でしか言葉にできないようだ。
 西園寺「どうですか、私の髪...」
 原   「素晴らしい! 実に素晴らしい!!」
 桂   「柔らかいこの感触が素晴らしいですね。こんなに長いのに、全く傷みもなく、見事に
      手入れが行き届いてますよ」
 原   「ちょっといいですか?」
典子の返事を待つ前に、校長は彼女の黒髪をマフラーにしてしまった。柔らかい感触が首から全身に広がる。 こんな感触は初めての経験だ。この超ロングの黒髪は、私にとって最強の武器かも。 これなら、おねだりすると何でも叶えてもらえそう...。二人を見て、そう思った。
 西園寺「校長先生、教頭先生。もうすぐロングヘアーカフェがオープンします。
      『ラプンツェル』という名前ですけど、是非お越し下さいね」
 原   「それはますます楽しみだ。必ずおじゃましますよ。髪のことをもっとお聞きしたい
      ところなんですけど...。是非これもお聞きしたいと思いまして」
そう言って、一旦は髪の話題に区切りをつけた。
 原   「西園寺さんも英語がお得意ですか?」
 西園寺「はい。うちの生徒で英語が話せない子はいませんよ」
 原   「ほーー、それはスゴイ。でも、私などは何度英語の勉強をしてもダメなもので
      ...。何か秘訣でもあるのですか?」
 西園寺「簡単に言いますと、耳の問題ですね」
 原   「耳...ですか?」
 西園寺「ええ、耳です。人間は20ヘルツから2万ヘルツの音域のすべてを聞き分ける能力を
      持って生まれてきます。でも日本語だけを聞いて育つと、外国語を聞き取れなく
      なってしまうんです」
 原   「それはどうしてですか?」
 西園寺「言葉の周波数が違うからです」
 桂   「言葉の周波数ですか?」
 西園寺「ええ、そうです。日本語というのは、周波数が125ヘルツから1500ヘルツまで
      の低い音域の言葉なんです。ですから、それに慣れてしまうと、それ以上の高い
      音域の言葉が聞こえなくなってしまうんです。耳が低い音域に適応してしまうからです」
 原   「なるほど。ということは、英語はもっと高い音域の言葉ということですか?」
 西園寺「その通りです。英語は2000ヘルツから1万2000ヘルツの高周波数を含む言葉
      ですから、日本人には聞き取れない音が含まれているんです。そのため、うちの授業
      では『耳づくり』から始めているんですよ」
 原   「これは初めて聞く話だ。それで私の耳では英語を聞き取ることができなかったのか」
 西園寺「館内に音楽を流しているのが聞こえると思いますけど」
 原   「クラシック音楽ですね」
 西園寺「ええ。これも生徒たちの『耳づくり』なんですよ」
 桂   「この音楽がですか?」
 西園寺「流しているのはモーツァルトの音楽ですが、これは8000ヘルツ以上の高周波音なん
      ですよ。ちなみに胎児が母親のお腹の中で聞く胎内音も8000ヘルツの高周波音だ
      そうです。つまり、この高周波音を聞いていると、すべての音に対して反応する耳に
      なるというわけです」
 原   「なるほどねえ。これを英語学習に応用しておられるということですか」
 西園寺「ええ、そうです」
 桂   「うちも女学院さんに学ばなければねえ。この『耳づくり』を」
 原   「そうだなあ。英語に関してはよくわかりました。ところで西園寺さん。その長〜〜〜
      〜〜〜い黒髪についても、女学院さんの取り組みをお聞きしたいのですが...」
また先ほどの髪に関する話題に戻す原校長であった。
 西園寺「ええ、いいですよ」
快く承諾してくれた西園寺に二人は感激して、自らの興味をぶつけるのであった。髪長談議は予定の時間をはるかに超えて続いた。 途中で退出した中村は、例の問題について理愛と話し合うのであるが、果たしてあの超ロングヘアーを守り抜くことができるのであろうか。 また、ロンカフェ『ラプンツェル』のオープン、藤森学院との交流とチアーガールの件、そして髪長財団の事業展開等々。 各部署から早く書いてくれと急き立てる声が聞こえてきそうだが、力不足の筆者には酷な注文である。 これらの展開は次回以降に譲らせてもらうことを、読者諸氏にお願いしなければならない。


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長編連載小説「髪長私学」(ご感想)パート
Qちゃん さん  2004.3.2(Vol.482) 初出___Cont.No.Q013    
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「待ちに待った第6部,歓迎!」

いやー,ブランクが長い分再開編として読み応え充分でした. 今回は前半の理愛さんの心の葛藤が主とみましたが, 後半の「ロングヘアーカフェ ラプンツェル」もひょっとするとこれからの展開に重要なストーリーなのかもしれませんね. 理愛さんがウルトラロングヘアを切るかもしれない, という設定は読者をやきもきさせるに充分ですが, その原因が斎藤さんとの髪長競争を自ら退くため, というのはちょっと短絡過ぎるような気がします. 私は図らずもウルトラロングヘアの持ち主となってしまった理愛さんしか持てない心の内を作者がどう描いて行くのか興味があります. それから「ラプンツェル」というグリム童話は私が子供の頃TVで放映され, それからというもの原作の訳本を繰り返し読んでロングヘアに対するイメージを膨らませてきました. 「ラプンツェル」の主人公こそが私の原体験だったのかもしれません. 当時はエレという単位がよくわからなかったのですが, 半世紀経って初めてそれが12〜16メートルだと言うことが理解できました. といことは挿し絵から想像されるより遙かに長いといことなんですね. DYQさんも4メートルを超えたことですし, 理愛さんの髪もさらに伸びても何の不思議もありません.
ますます佳境に入った「 髪 長 私 学 」の今後に期待しております.

<編集・発行者からの御礼>
Qちゃんさん、早速のご感想ありがとうございました。
「ラプンツェル」と言えば最近、どっかのシャンプーのCMで これを真似たものがありますが、王子が髪を掴むとブチッと切れてしまうという、 あまり気持ちの良くないCMですよね。
「髪長私学」では、こういうCMよりももっとロマンティックな “現代日本版ラプンツェル” みたいな ものを期待してしまいますね。
今回もまことにありがとうございました。
長編連載小説「髪長私学」(ご感想)パート
SNAKEHEART  2004.3.4(Vol.483) 初出___Cont.No.snake024    
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「編集・発行者からの御礼−−第24編」
ぽん さん、春・弥生の訪れとともに再スタートされた「髪長私学」の新作「第24編」のご執筆・ご発表、 ご苦労さまでした。まことにありがとうございました。
前回の「第23編」から実に7ヶ月ぶりになるんですね、ホントに久しぶりと言う感じがしましたし、 とても楽しませて頂きました。「髪長私学」の新作が無いと、「中年ロングヘアー」という食卓に なにか一品足りないような感じがしますもんね。
内容も再スタートに相応しかったでしたね、髪女の新しい名前も決まりましたし....「涼風馨香女学院」 ですかァ、なんだかその文章を見ているディスプレーの中からも、その涼風に乗った長〜〜〜い髪の 馨しい香りが漂ってきそうな、実に爽やかな新ネームですね(^_^ )。 と同時に(反面と言うべきか)、理愛さんの髪問題という暗雲も前回から引き継がれてましたネ。 これらに関しましてはまた後でもう1度....。

さて、今回の「第24編」は、大きく3つのパートに分かれていたように見えましたね (原稿でも、そういう風に区切られてましたし).... ・寮室での理愛さんと中村氏との会話、・食堂での理愛さんと香理奈さんとの会話、 ・学長室での4人の会話....と。
先ず第1のパート“寮室での理愛さんと中村氏との会話”ですが、ここでは先ず何と言っても (繰り返しますが)髪女の新しい名前ですね。「涼風馨香女学院」に落ち着かれたんですね。 この名前は私が窓口となって募集した中の1つでしたので、どの方が発案されたのか知っておりますし、 その方から「名前は伏せてほしい」と言われてますので、勿論この点は伏せさせて頂きます。
受け取った時点から『実に爽やかで素敵な校名だな』と思っておりましたし、ぽんさんが気に入られた事も 聞いておりましたので、『小説中でどういう形で命名するのかな?』と楽しみにしておりましたが、 流石に上手いシチュエーションでそれを描かれましたね。前回の “中村氏が倒れた!” という知らせが ここに繋がるとは予想しておりませんでした。
それとここではやはり、 > 理愛は自慢の黒髪を中村の全身に広げ、まるで漆黒のタオルケットのように愛する人を優しく包み込んだ > 窓のところへ移動したが、あまりの長さゆえに髪は中村の体の上に横たわったまま動かなかった という2つのシーンがとても官能的ですよね。 そーーいえば故 George Harrison の「Let It Down」という曲の中に “Let your hair hang all around me”(君の髪で僕をすっぽり包んでおくれ) という官能的な1節がありましたっけ。


次に第2のパート“食堂での理愛さんと香理奈さんとの会話”ですが、 ここで大きな割合を占めていたのが斎藤美森嬢の髪についてでしたね。 前回第23編の中で、 > 豊田「彼女が過小申告していることは確かですね」・・・香理奈は何かを知っているように という何か謎を秘めている様な含みが有りましたが、どうやらその答えは、 > どうしても髪女に就職したいみたい・・・理愛よりも髪が長いとなれば、学長の心証を悪くするんじゃないかと というのが真実かどうかは分かりませんが、香理奈さんはそう推察されていたようですね?  このあたりなにか斎藤美森嬢の『髪を切りたくない』という切ない思いが感じられて、読んでいるこちらも一緒に とても切なくなってきました。 「吸血怪人ロンゲルゲ」にも、髪を切られるように圧力をかけられていてふさぎ込んでいた少女が 出てきましたが、こういうキャラクターはロングヘアー小説に哀愁を与えてくれて、 私の様なロングヘアーLOVERの読者の感情移入を誘ってくださいますね。 斎藤美森嬢と彼女の髪の行く末もこれからとても気にかかるところです。 是非ともハッピーに事が収まるように願います(とんだ食わせ物の性悪キャラではないように....^_^ )

さて、実はこの理愛さんと香理奈さんの会話の中に、私にはとても興味深いセリフが有ったんですヨ ....> 「彼女、ちょっと小柄だから、余計に床に引きずる髪が長く見えるんじゃないの」 です。このセリフの中になんとなく、理愛さんの斎藤美森嬢へのちょっとした対抗意識が、 私には感じられたんですよ(勿論、真意は私には分かりません)。
このところ「髪を切りたい....」と繰り返し言ってきた理愛さんが今更対抗意識を持つのは 矛盾している様に思えるのですが、でもその矛盾がかえって人間らしいなァと感じたんですよ (人間の心の中には、様々な矛盾が葛藤していると私は思いますので)。 勿論これは私の勝手な想像ですので、間違っていたらお許しください。
それから、 > 理愛は自分のことを決して美人だなんて思っていない・・・親戚に同世代の女性が多く、しかも美人ぞろい .... という設定がとても面白かったですし『上手いなァ』と思いました。 ナルホド、美形の家系だったんですね。そういう環境に育てば確かに、かなりな美人でも自分の容姿・容貌には 自信が持てなくなるだろうなァと思います。それに理愛さんはかなり繊細な方のようですから、 そういう性格の方って、なかなか優越感を持つことができませんもんね。
ですので、理愛さんはやはり髪にだけは一種の優越感を持っていて、その心がついつい 斎藤美森嬢への対抗意識を見せてしまったのじゃあないかな....と私は感じてしまいました。
“人間の心理” という複雑ですが興味深いものを描いてくださって面白いなァと私は思いました。


最後の第3のパート“学長室での4人の会話”ですが、ここでの話題の中心は何と言っても ロングヘアーカフェ・ラプンツェルでしたね。ぽんさんは以前、「髪長私学」を連載される前に 「ロングヘアーカフェ」という投稿をしてくださいましたが (思いの丈ぶっちゃけコーナーPART3)、いよいよそれが 小説の中に登場する訳ですよね。髪女の新ネーム「涼風馨香女学院」に続いて「ロングヘアーカフェ・ラプンツェル」 という新しい名前も決まったところもいかにも再スタート編らしかったです。 それから、“エレ” のことも教えてくださってありがとうございました。
加えて、このパートに於いては、久々の再登場キャラが2人出てましたね.... 伊藤氏と飯田涼香嬢。伊藤氏は第21編以来だったんですね?  それから飯田涼香嬢は第20編以来で.... たしか飯田涼香嬢はレングスとしては、理愛さん、斎藤美森嬢に次ぐナンバー3ですよね?? ....「髪長私学」はこれまでレングス的には理愛さんが独走してた感じでしたが、今後、 斎藤美森嬢、飯田涼香嬢も絡んでの三つ巴になりそうな予感もしてきまして(?)....益々面白くなりそうですネ。
それと今回、小説中では軽く触れられてましたが、 > 新たな事業も計画している の1節も気にかかります。色んなバラエティに富んだ“ロングヘアービジネス” の数々が 今後見られそうな予感がしますネ。現在大不況に喘ぐ日本経済にとってもこれは起死回生のヒントになるのでは ないでしょーーーカ?(^_^ )

今後の色んな楽しみ・期待が膨らんでまいりました(勿論、理愛さんの髪問題も気にかかりますが)。 次の「第25編」も楽しみに待たせて頂きたいと存じます。
今年も「髪長私学」よろしくお願い申し上げます。新作の力作「第24編」のご執筆とご発表、まことにありがとうございました。

長編連載小説「髪長私学」(ご感想)パート
ぽん さん  2004.3.9(Vol.485) 初出___Cont.No.pon016    
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 Qちゃんさん、ご感想をお寄せ頂きまして、誠にありがとうございました。前編から随分ブランクがありましたが、期待しながら待って下さっていたようで大変嬉しく思います。今回はグリム童話『ラプンツェル』を話題にしてみましたが、Qちゃんさんもこの作品をかなり読み込んでおられたとのことですね。私はNHK教育テレビの人形劇で初めて知ったのですが、それ以来、あの驚異的な髪の長さが今でも脳裏に焼き付いています。この『ラプンツェル』と『髪長姫』は我々髪長ラバーにとって究極の理想像ですからね。もし、20エレもある黒髪の三つ編みを目の当たりにしたら、心臓が飛び出るほどの興奮に包まれるでしょう。主人公のラプンツェルは15歳にして20エレの長さですから、『髪長私学』に登場する女性たちの髪の長さも、4メートルと言わずに更に長〜〜〜〜〜くしてみようかな...フィクションですからね。
 理愛の髪のことも気になるところですね。斎藤美森と髪の長さを競って、結果的に負けを認めて髪を切る...。Qちゃんさんが仰るように短絡的に思えますね。実は他に理由があるのですが、それは今後の展開に譲ることにします。ロングヘアーカフェをはじめ、これから登場する「髪長ビジネス」にもご期待下さい。今後ともご支援よろしくお願い致します。


 スネークハートさん、ご感想を頂きまして、誠にありがとうございました。いつも思うのですが、各場面のリテールから登場人物の心理描写にいたるまで、実に細かいところまで読み込んで頂き、作者として本当に嬉しく思います。まずは斎藤美森が髪を切りたくないという気持ちを次回編に描こうと思っているのですが、理愛が彼女に対して対抗意識を持っているように感じたとのことですね。理愛が髪を切ろうとしているのに、今更どうして対抗意識なんだ...、と、色々と考えられそうなところです。私もあえて断定的には描きませんでした。本当に理愛が彼女に対してどのように思っているのか、これから明らかになっていくと思います。でも、このあたりの心理についても、スネークハートさんが鋭くご推察なさっているのはさすがだなと思いました。
 理愛が自分のことを決して美人だとは思っていないということに関してですが、以前に某女子大の心理学の先生の本に書いてあったことなんです。女子大ですから、当然教え子の中に誰もが認める美人の生徒もいるそうですが、その先生によると、自分の周りに美人が多いという環境に育つと、決して自分は美人ではないのだと思い込んでしまうそうですね。理愛も髪だけは誰にも負けないという意識を持って育ったことは確かなことですが、それを斎藤美森への対抗意識に繋げるあたりの推理は、私自身まったく考えてもいませんでした。さすがに鋭い読者でいらっしゃるなあと思いました。
 女性たちの髪の長さについてですが、理愛と美森はおよそ4メートルということでナンバー1、ナンバー2は間違いないところですね。ただ、久々に登場した飯田涼香がそれに次ぐ長さかどうかは不明です。なにしろ中村がいる髪長統括部には超ロングの女性がいますからねえ。4名の女性たちが中村のもとで仕事をしています。豊田香理奈と斎藤美森はご存知の通りですが、あと2名の女性たちがまだ登場していませんよね。相当なレングスにしようかな...と思っているのですけどね。
 新しくスタートした涼風馨香女学院の学校行事やロングヘアーカフェ等の髪長ビジネスのゆくえ、更にはこれから登場する超ロング女性のキャラクターにも注目して下さいね。今後ともご支援よろしくお願い致します。

<編集・発行者からの御礼>
ぽんさん、Qちゃんさん(&私 ^_^ )のご感想へのレス、まことにありがとうございました。
> 今回はグリム童話『ラプンツェル』を話題にしてみましたが .... そのうち『髪長姫』も何らかの形で取り入れて見られたらいかがですか?(それとも既にどこかで取り入れられてたのカナ??)
私事で恐縮ですが、私もこの前の作品で『ビーナスの誕生』をちと取り入れちゃいましたしネ(表紙をご覧下さればお分かり頂けると思いますが)、 次の作品でも、ある古典作品を取り入れる予定がありますしね。
> 実に細かいところまで読み込んで頂き .... ああ〜〜いえいえ、見落としがちなさりげない一言から、複雑な心理の一端が垣間見れると面白いですからねぇ。
それとこれまで私、結構見落としてきた所も多かったですから、最近はわりと注意して読ませて頂くようにしております (でも、それでも見落としている所も多いかと思いますが)
> 本当に理愛が彼女(斎藤美森嬢)に対してどのように思っているのか、これから明らかになっていくと思います .... はあ、と言うことはやはり、“何らかの意識はしている” みたいですネ(^_^ ).... ま、あまり詮索して今明らかになり過ぎると、(他の読者の方々の)次回への楽しみが薄れかねませんので、 これ以上はツッ込まんとコ(笑)
> 某女子大の心理学の先生の本に・・・自分の周りに美人が多いという環境に育つと、決して自分は美人ではないのだと思い込んでしまうそうですね .... “子供の頃からそういう環境だと” 一層そうなるでしょうね。 子供の頃の体験って大きいでしょうからねぇ。
そういう本もヒントになさっているんですね。こうして裏話や参考文献なども色々お聞かせいただけると楽しいですね。
> 新しくスタートした涼風馨香女学院の学校行事や .... ああ〜〜ナルホド、ビジネス以外にも “学校行事” も色々と有るんですね。

次回作の「第25編」楽しみにしております。 今回もまことにありがとうございました。
長編連載小説「髪長私学」(ご感想)パート
AAA さん  2004.8.14(Vol.512) 初出___Cont.No.AAA001    
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久しぶりに読ませてもらいましたけど、何回読んでも飽きないですね!

今日からオリンピックが本格的に始まりましたけど、早速ソフトボールのオーストラリアの選手で かなり髪が長いと思われる選手を見つけました!

<編集・発行者からの御礼>
AAAさん、「髪長私学」に感想を下さいまして、まことにありがとうございました。
丁度偶然にも新作の「第25編」の発表と同じ日になりましたねぇ(^_^ )。
> 早速ソフトボールのオーストラリアの選手でかなり髪が長いと思われる選手を見つけました! .... ええ〜〜そうなんですか!! う〜〜んっ、私、オリンピックはこれまで『対象外』と思ってきましたが、 じゃあこれからは気をつけて見ないといけませんねぇ。
“長いと思われる” ということは、“素直にそのまま下ろしている” と言う訳ではないんでしょうねぇ??  ちなみに私も自身の作品で “野球ネタ” を考えておりましてねぇ、 2回あるいは3回先に描こうと予定しているんです(ま、ずっと先ですけどね ^_^ )。

ご投稿、まことにありがとうございました。
「世界一のロングヘアー」の続きも楽しみにしております。

長編連載小説「髪長私学」(ご感想)パート
Qちゃん さん  2004.8.15(Vol.513) 初出___Cont.No.Q014    
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 久しぶりの髪長私学の投稿(第25編)、感激して読まさせていただきました。 このサイトが休 止したときこの小説も終りかと、心配いたしましたが、再開第1回は前にも増してミス テリアスな展開になってきましたね。 理愛さんが脅迫されていた(?)という展開は ちょっと予想外なものでしたが、物語がこのままずるずるといってしまうとは思われ ませんでしたから、この展開も作者が心配されているほどのことはないと思います。  人間にはみな嫉妬心はあるものですから、4mオーバーの黒髪を見てしまえば、サド 的な気持ちが湧いてくる人もいると思います。 ましてこの物語では前に粛清された一 派のことがその後全く書かれていませんでしたから、そろそろ何かやらかすのではと 心配していました。 理愛さんに届けられた荷物の中身は多分長髪愛好者にとって恐怖 の対象である「はさみ」ではないでしょうか。 さてこう書いてくると粛清派対理愛、 中村の構図と決めてかかっているようで申しわけありませんが、理愛さんのこのよう なピンチに対して、中村さんがどうのような行動に出るのか第26編が楽しみです。

PS:斎藤さんの髪が理愛さんよりわずかに短く、また量が少なめに表現されていてほ っとしています。理愛さんの髪はまだ伸びつづけているようですが、フィクションなの ですから、DQYさんの4.2m、XQPさんの5.068mを超えて我々の理想の長さにまで理愛 さんの髪を伸ばしてくださるよう期待しています。
長編連載小説「髪長私学」(ご感想)パート
サクラ さん  2003.8.16(Vol.513) 初出___Cont.No.sak005    
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まさか、新しいメールアドレスで送る最初の感想文(第25編)がこんな文になってしまうとは。
でも、送ってしまいます。
で、私は最後の一文に「え〜〜〜〜〜っ?!」と思ってしまいました。
最後の文には賛否両論あると思いますが、私は「否」の立場で書いています。
最後の文の某所って某巨大掲示板群(ご存知でない方がいらっしゃったら、ごめんなさい)か長崎の小六女子児童殺害事件で使われたHPや日記等のことですか?
私も、よく考えてみました。
まさかとは思いますが、某巨大掲示板群だとこういう文になるのではないのでしょうか。
(※:尚、A:とB:は、利便上付けたものです)
A:「理愛の奴、よく決心しますたねえ」
B:「当然よ。何と言っても実の父親のこととなれば、断れにゃいだろうよ」
A:「でも、あの超長い毛を切るとは、(・A・)イクナイ!!ことですよ」
(以下、略)
※:某巨大掲示板群の文章の解釈には色々あり、別の人がやったらまた別の文章になると思います。

私はあの小包の送り主は、野口さんか茶谷だと思います。
でもまさか、「女たちのジハード」(確か昔、そんなドラマあったような)で斉藤さんや豊田さん、また生徒たちでないといいのですが。
例え違っていたとしても、それは絶対阻止しなければなりません。
先の小六女子児童殺害事件というのもありましたし。
やはり、理愛さんの長い髪は断髪(長さが判明した以上)するのでしょうか。
私は、それも絶対に嫌です。
そうしたら、私の二重まぶたもこの世に存在しなくなってしまいます。

最後に重ね重ねになりますが、某巨大掲示板群の用語をご存知でない方がいらっしゃったら、また、解釈が違っていたりしていたらごめんなさい。

<編集・発行者からの御礼>
Qちゃんさん、サクラさん、ご感想ありがとうございました。
ま、この(ご感想)パートでは私の方からのコメントは極力差し控えさせて頂く方針ではありますが、
> 最後の文の某所って某巨大掲示板群・・・のことですか? .... いや〜〜(私は作者ではありませんので、知ったようなことは言えませんが)、 そういうネット上での会話ではないと思うんですけどネ、私は。
文字通りの “某所”....例えばあるホテルの1室とか、ある地下室のような場所で、 謎の人物2人きりで交わされている会話 ....という風に私はイメージしましたです。勿論、私には分かりませんけどね。

お二方とも、本日はまことにありがとうございました。
長編連載小説「髪長私学」(ご感想)パート
ぽん さん  2004.8.17(Vol.514) 初出___Cont.No.pon017    
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 AAAさん、ご感想をお送り下さいまして、誠にありがとうございます。何回読んでも飽きないとのコメント、大変嬉しく思います。作者としては、色々な場面で髪長ワールドの素晴らしさを何度も実感して頂きたいと思っています。繰り返し文字を追うと、最初は気づかなかった登場人物の会話や仕草から、また違ったイメージを感じることもありますよね。AAAさんのような読者の方々に支えられて、この『髪長私学』も第25編まで続けることができました。これからもご支援下さいますよう、よろしくお願い致します。また、ご感想をお待ちしております。どうもありがとうございました。


 Qちゃんさん、ご感想を頂きまして、誠にありがとうございます。いつもHPが更新されると即、反応して下さいますよね。とても嬉しく思います。HPの休止とともに、この『髪長私学』もなくなるのではないかと心配して下さったようですね。いやいや、まだ続いているんですね、これが。
 今回も鋭い洞察をなさっていますね。「理愛が脅迫されているのではないか」「粛清派対理愛・中村の構図」など、作者の意図した通りの読みをされています。京都女学院時代に粛清された反学長派の動きを最後に描きましたが、理愛を取り巻く状況が、これからしばらくは厳しいものになっていきます。そこで中村がどのように絡んでいくかも、これから注目して下さい。理愛宛に送られてきた小包の中身ですが、実は「ハサミ」ではなく「○○○○」です。次回には明らかになりますよ。
 澤田理愛と斎藤美森の髪長ライバルの争いも、これからの展開に譲ります。髪の色艶は双方互角ですが、ボリュームは「前髪派」の理愛が「ワンレン派」の美森を圧倒しています。しかし長さはというと...。実は未決着なんですよね...。理愛がバッサリなんてことになると、美森が「涼風馨香女学院」の初代クイーンなんてことになるかもしれません。いずれにしても、今後の展開をどうぞお楽しみに。どうもありがとうございました。


 サクラさん、ご感想を頂きまして、誠にありがとうございます。最後の場面に早速反応して下さいましたね。作者として、この部分に対する読者の方々の反応に注目していました。実はこの部分を書こうかどうか、随分と迷いました。「反学長派」の行動を描くためには、どうしても必要だったのですが、その表現に苦慮しました。こんなことを白状するとサクラさんに嫌われてしまいそうですが、理愛の長〜〜〜〜〜い黒髪に対して、もっと残忍なしうちを考えていたのです。最終的に、あのような表現にしたのですが、かなり嫌悪感を抱かれたようですね。
 『髪長私学』はすべての場面を詳細にイメージしながら書き進めるのですが、当然、この場面もイメージしながら...。正直言って、精神的に非常にタフな作業でした。特に澤田理愛は私が大好きなキャラですので、彼女の髪をこれほどいじめることに耐えられない気持ちになりました。ストーリーに深く入り込んでしまう性格の私としては、本当に辛かったですね。
 理愛が髪を切ることに断固反対の立場のサクラさんですが、ほとんどすべての読者の方々も同じでしょうね。理愛には髪女のイメージキャラクターとして、また女子学生たちのカリスマ的存在として、永遠に自慢の超ロングを伸ばし続けて欲しいと思っているのは私も同じです。サクラさんは「女たちのジハード」を懸念されているようですが、そこまでは作者として考えていませんでしたよ。ただ、周囲には理愛に対する多少の嫉妬心が、今後の展開でありうるかも知れません。
 最後に「某所」の解釈ですが、サクラさんが仰る巨大掲示板群のことではありません。単に、「ある場所」という意味で描きました。反学長派のいる事務所とでもお考えいただければと思います。これからも波乱万丈の展開になると思いますが、是非、ご感想をお聞かせ下さいませ。どうぞよろしくお願い致します。ありがとうございました。

<編集・発行者からの御礼>
ぽんさん、AAAさんとQちゃんさんとサクラさんのご感想へのレス、まことにありがとうございました。
> 実は「ハサミ」ではなく「○○○○」です .... 私は実は「ハサミ」は考えなかったですねぇ、『バクダンかな?』と最初想像したんですよ(^_^ )。
ま、「バクダン」かどうかは別にして、「ハサミ」ではなく4文字の物体と言えば、例えば.... 「カミソリ」(ゾ〜〜〜)、「シャンプ」(ちょっと無理がありますね ^_^ )。 まあでも次回に明らかになるというのはありがたいですネ。
> 「女たちのジハード」を懸念されているようですが、そこまでは作者として考えていませんでしたよ .... それは安心しました。私も実は『もしかして斎藤美森嬢カナ?』とちょっと心配しておりましたので (あまり「ボタバラ」的な女同士のドロドロ劇にはしてほしくないもので ^_^ )。

次回作の「第26編」楽しみにしております。 今回もまことにありがとうございました。
長編連載小説「髪長私学」(ご感想)パート
SNAKEHEART  2004.8.23(Vol.516) 初出___Cont.No.snake025    
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「編集・発行者からの御礼−−第25編」
ぽん さん、本サイト再開そうそうに「髪長私学」の新作「第25編」をご執筆してお送りくださいましてまことにありがとうございました。 そしてまた今回はすごいボリュームの大力作でしたね、ご苦労さまでした。重ねてありがとうございます。
今回更には、その圧倒的ボリュームに加えまして、なにやら謎を含んだミステリアスな展開にもなってきまして (小包の中身は? 最後に出てきた謎の人物達の正体は? そして理愛さんが髪を切る決心をした本当の原因は?)、 益々面白くなってきましたねぇ。これまでの「髪長官能小説」に加えて「推理・サスペンス」的な要素まで加えられて(?)きまして、 実に奥深い大河小説の様相を呈してきた感じがしました。

では、細部の方に目を向けさせて頂きまして.... 全体構成としまして今回の「第25編」は、大きくは3つの主要パートで構成され、 そして最後に、実に不吉なされど最もこれからの展開を左右しそうな予感がするパートが加えられていた ように見えました。その全体構成もとてもよく練れているなぁと思いました。
その “最後のパート” については後に回しまして、先ずは “主要な3パート” は
  ・中村氏と香理奈さん及び澤田学長との会話
  ・中村氏と斎藤美森さんとの絡み・会話
  ・野口君と理愛さんとの絡み・会話....と分けられようかと思います。

先ず第1のパート“中村氏と香理奈さん及び澤田学長との会話”ですが、このパートは髪長官能シーンは少なかったのですが、 ここ数回(いつ頃からでしたか?....少なくとも第20編 −−2003年4月3日発表−−以降である事は間違いないですよね) 本作品で話題になり続けてきた理愛さんの髪切り発言の謎の一端が明らかになりそうになったことで、 ある意味では今回最も重要なパートだったと言えるかもしれませんね。
> 「理愛の部屋にあった日記を見たんだ・・・髪をバッサリ切って、普通の女性になりたい」 ・・・「開いたままで?」 > 理愛宛に小包が届いた・・・中身は驚くべきものであった .... う〜〜んっまさしく謎が謎を呼ぶ不思議な展開ですね〜〜。そしておそらく最後の不吉なパートとも 何か関係が有りそうな予感がしますね〜〜....このあたりの謎を盛り上げる演出と次回への持ち越し方も非常に巧みですネ。
その他にこの第1パートで私が印象に残った点といえば、先ず香理奈さんの優しさ、それから、
> 「カフェインの致死量はわずか10グラムと言いますから」 .... これは私も澤田学長と一緒で一瞬ドキっとしました(笑)。 私もコーヒーをよく飲みますから。それからそれから、
> 「レイ・クロックは・・・52歳の時、カーネル・サンダース・・・66歳の時、・・・」 .... それと私がこれまでずーーっと感心してきたのが(私の趣味の話で申し訳ございませんが)日本映画の特撮の父と言われた 円谷英二さん。この人が最初のゴジラを作って一躍脚光を浴びたのが53歳の時だったことですね。 この作品が日本映画の技術に与えた影響は計り知れないものでしたし、その後亡くなるまでの16年間で作り上げた 映像の数々は、当時はおじいさんと呼ばれていた年齢の人とはとても思えない凄い物ばかりでした。
まあつまり、年齢なんてのは “気の持ちよう” ですよね。それに年齢を重ねる事は、豊富な経験・知識となってプラスに働きますもんね。
それにしても > 「理愛が髪を切ることは・・・理愛を処分して私も責任を取る」 .... いや〜〜1人の女性が髪を切るだけで学長が引責辞職までするとは!!....なんとも凄い世界ですよね。 現実もそんな世界になってほしいなぁ!


次に第2のパート“中村氏と斎藤美森さんとの絡み・会話”ですが、 ここで特筆すべきはなんと言っても、これまでは会話の中で想像することしか出来なかった(そして本人もまとめ髪スタイルしかしてこなかった) 美森嬢の髪がついにお披露目なったことですよね。それにしても.... > 「その窮屈そうな髪、早く楽にしてあげようよ」 .... いや〜〜いつもながら言葉巧みに髪をほどかせますね〜〜〜中村氏ったらばもう(^_^ )
> 「これ、どこが毛先なのかなあ?」 .... いかにも “尋常な長さではない” 事をとてもユーモラスに表現なさってますよね。更には、
> 右手で毛先を持って解き始めた・・・彼の腕が段々と大きな円を描くようになっていく .... う〜〜んっよくぞここまで正確に、スーパーロングヘアーほどきシーンをシミュレーション・想像ができますね〜〜、ホント。 実際にはまず殆ど有りそうにないシチュエーションでしょうに。 (このシーンに限らず全体の様々なシーンに共通していますが)ここまで詳細に丁寧に文になさるのは、 とってもたいへんなエネルギーでしょうねぇ。
そして、> ボリュームは理愛に及ばないものの、長さは理愛を凌ぐのではないか .... うんっ、私はこういうの好きですネ、“一人勝ちさせない”というのは。 (だから長年、某在京球団には反感を持ってましてネ ^_^ )


で、いよいよ第3のパート“野口君と理愛さんとの絡み・会話”なのですが、 そこに入る前にまず面白かったのが、人事異動が掲示板に貼り出されていた(ホント丁寧ですね〜〜)ことと “髪長統括部” という 部署名ですネ。そして次に香理奈さんが野口君にジャブをかましてくれて、そしていよいよお待ちかね 理愛さんの登場ですが....まあ、今回はこれまでで最もスゴイ登場の仕方だったのではないでしょうか!!
> 静かに隣の部屋へ入った。すると...出たーーーーーーっ!!・・・ 天井から床に流れ落ちる黒髪の巨大な滝 .... いや〜〜部屋に入って、いきなりこんな光景が目に飛び込んできたら、もしも心臓の弱い人ならばその場でショック死するかも 知れませんよ(笑)。カウンターパンチそのものですよね。 この時の野口君の驚き・興奮・そして感動は『この場で死んでも悔いはない!』くらいではなかったでしょうか!?
それにしても、このような身の丈をはるかに超えるスーパーロングヘアー女性に蛍光灯を取り替えさせるという発想はただただもう 素晴らしい!!!!。 よくぞこのような素晴らしく面白いアイディアが思いつくものだと本当に感心いたしました。
“蛍光灯を取り替えるために(髪をほどいたまま)机の上に立つ”....これこそは、“髪が身の丈をはるかに超えている” ことを (日常生活の中で)最も明確にそして官能的に見せてくれる(魅せてくれる)シチュエーションじゃあないでしょうか!! (ラプンツェルよりもずっと自然なシチュエーションだと思いますよ)....そこに気付かれるとは、 ぽんさんは本当にスゴイ!!
そしてその上に、まだ長さが余った髪の海の中に蛍光灯が埋もれているなんて....こりゃあもう、ダメ押しの中のダメ押しです。 “止めをさす” という感じです。


まあ、この第3のパートを読んでいると、“理愛さんの髪は永遠に不滅” と感じさせてくれるのですが ....そこににわかに超不吉な影を落とす本「第25編」最後のパート
う〜〜んっいったい誰と誰がこの会話をしているのか?....なんとなく想像も付きそうなのですが、でもその想像が外れてるかもしれませんねぇ。 まあ、それは次回以降の楽しみにさせて頂きたいと思いますが....でも、このHPで小説を発表なさっている皆さん (アールジェタンさん、髪伊良さん、AAAさん、そして勿論ぽんさんも)、本当に “次回へのつなぎ方” がお上手ですよね。 連続ドラマのツボを心得ているというか、そして同時に髪フェチのツボも押さえておられて。
ところで、この最後のパートについて、ぽんさんは『過激な表現で、かなりの抵抗があるかな』と心配なさってましたが ....まあでもフィクションですから、現実よりも少々飛躍した過激な点があっても仕方ないと思いますし、 こういう悪役(もしくは敵役あるいは反対勢力?)もフィクションにはある程度必要とも私は思いますので ....まぁ(この最後の会話が実行に移されたわけではない今の段階では)そう気になさる事はないと私は思いますヨ。 個人的には笑わせても頂きましたし(^_^ )。

では、この感想もかなり長くなってきましたのでこのへんで終わりに致しまして、 次の「第26編」も楽しみに待たせて頂きたいと存じます。
新作の超力作「第25編」のご執筆とご発表、まことにありがとうございました。

長編連載小説「髪長私学」(ご感想)パート
アールジェタン さん  2004.8.24(Vol.517) 初出___Cont.No.R006    
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「私も髪長総括部に入れて下さい」

 アールジェタンです。先日は、「バージン・ヘア」にとても励みになる感想を頂きまして、本当にありがとうございました。ぽんさんのおかげで、私も益々やる気が湧いてきました。次の回も、ゆきちゃんとは、違った意味で可愛いらしい彩ちゃんが登場する予定ですので、どうぞ楽しみにしていて下さい。(って、ここで宣伝するなーっ!ちゅーの) さて、新しい名称も決定した新生髪女のスタートは、中村氏のアイデアと行動力で、順調にいくのかと思いきや、いきなり大変なことになりそうですね。バラ色の寮生活も束の間に、新副学長に一任された役目は、あまりにも厳しそうですが、理愛さんの髪を守るための戦いが、どんなものになるのか、とても楽しみです。男・直柔の活躍に期待しましょう。

 それはそうと、新名称を考案された方は、なかなか良いセンスをお持ちのようですね。ダジャレやパクリばかりの某原作者とは、エライ違いです(笑)。偶然にも飯田さんの名前から取ったようになっていますが、飯田さんといえば、やっぱり「ロンカフェ」ですよね。私的には、三人娘や七星さん達が、長〜〜〜〜〜〜〜い黒髪と悪戦苦闘しながら働く姿が、描かれるのを楽しみに待っています。それにしても、「涼香」って良い響きですよね。「美森」もそうですけど・・・。斎藤さんについては、今回は大活躍というか中村氏の餌食になっていますが、中村さんも益々大胆になってきましたねー。総括部4人の超ロング美女に囲まれて、最後は黒髪のベッドで寝てしまうのでしょうか?

 ということで、今後は、野口君も含めた髪長総括部が、主な舞台となりそうですね。中村氏と理愛嬢、美森嬢との三角関係、野口氏と女性総括部員との絡み等。既に、理愛嬢とは、彼にとって運命的ともいえる出会いをしておりますが、あの蛍光灯取り替え事件は、今回最も私が好きな場面です。本当に素晴らしい設定ですね。基本的に髪という部分は、隠さなくてもいいわけですから、あのようなごく日常的な出来事の中に、大きな喜びがあるのだなーと改めて思いました。そう考えれば、我々も結構幸せな人種なのかもしれませんね。あの理愛さんの黒髪の洪水の中に手を入れたと思ったら今度は、黒髪の雪崩攻撃ですからねー。その時の理愛さんの困った様子も、野口君には、たまらないものだったでしょうが、理愛さんには、中村氏、あなたには、那由多ちゃんという娘がいますので、浮気なんかしたら、いや、それも面白いかな?

 とにもかくにも、ぽんさんは、私などとは違い、色々なことに詳しいようですので(中村氏が、澤田学長を励ました時の数々のサクセスストーリーの豊富さには、驚きました)、髪長事業に関しても、かなり現実味のある面白い展開が期待出来そうですね。それでは、総括部の男性職員が、理愛さん達の長〜〜〜〜〜〜い黒髪を誤って踏んづけたりしないことをお祈りしております。

<編集・発行者からの御礼>
アールジェタンさん、ご投稿ありがとうございました。
いつもながら(と言っては失礼かも知れませんが ^_^ )飄々(ひょうひょう)としたとても楽しいご感想でしたが、 さすがにスルドイ所を見てらっしゃいますよね。 “蛍光灯取り替え事件” が今回のクライマックスと感じられた所は私と同感でしたね。

これからも「髪長私学」を応援してくださいね。「バージン・ヘア」の第6話も楽しみにしております。
本日はどうもありがとうございました。
長編連載小説「髪長私学」(ご感想)パート
長 友三 さん  2004.8.31(Vol.518) 初出___Cont.No.yuzo001    
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「理愛さん 髪を切らないで!」

理愛さんが 4mに達しつつある 美しく長い髪を、バッサリと切ってしまいたい!
最初学長にその意志を伝えた時はヒップラインの位置で髪を切り およそ4分の1の 長さに髪を短くするも 約1mの髪の長さは維持したいと思ってられたようですが、 今回の’髪を切りたい!’の話題では なんと肩の辺りまで長い黒髪を短く切り落と してしまいたい!と言ってましたね。なぜ理愛さんが 長い髪を肩までしかないヘ アースタイルに短く切りたく思うようになったのでしょうか?理愛さんの美しい長い 髪に 鋭く光る刃が 黒艶する髪の肩の位置で入り バサッバサッと胸に突き刺さる 音を立てて黒髪が切り落とされ、無残にも髪が20分の1程に短く切られてしまった 短い髪型になった理愛さんの姿を想像もしたくありません。

次回は 理愛さんが髪を切りたくなった真相、理愛さんが髪を切って欲しく思ってい るケシカラン連中の正体。について載せて欲しく思います。

<編集・発行者からの御礼>
長 友三 さん、ご投稿ありがとうございました。
8月より(不本意ながら)投稿の方法を複雑にしてしまいましたのに、こうして以前と変わりなく投稿をお送りくださいまして、 本当に感謝いたします
理愛さんの髪を守る為の署名活動(?)も徐々に盛り上ってきたようですねェ(笑) ....はたして、ぽんさんはどういう応えを出してくださるのカナ?(^_^ )

これからも「髪長私学」を応援してくださいね。
本日はどうもありがとうございました。
長編連載小説「髪長私学」(ご感想)パート
ぽん さん  2004.9.5(Vol.522) 初出___Cont.No.pon018    
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 スネークハートさん、ご感想を頂きまして誠にありがとうございます。いつもながら細やかな部分まで読み込んでおられ、実に素晴らしいご感想を書いて下さいますね。作者として本当に励みになり、大変嬉しく思います。
 今回は、理愛が髪を切りたいという真相を、少しずつ描いていこうと思いました。これは理愛の本心ではなく、他の圧力のようですね。でもどうして...? それは今後に譲りますが、タイムリミットが迫っていますので、余談を許さない状況です。中村の動きにも注目して下さいね。
 斎藤美森と理愛の長〜〜〜〜〜い黒髪を存分にお披露目した第25編でしたが、美森の髪を解くシーンについては、作者自身だったらズバリ「こんなふうにやるよ!」と手のうちを明かしてしまいました。書きながら大いに楽しませてもらいました。理愛の蛍光灯交換シーンにも絶賛のお言葉を頂戴して、大変嬉しく思います。実はこのシーン、以前から考えていたもので、いつかどこかで使おうと思っていました。これもすべて作者の願望なのですが、今回は久しぶりの登場となる野口くんに作者に代わって体験してもらいました。美森と理愛。今後、何かと髪について比較される二人を印象づけようとの意図もあって、このようなストーリーの構成にしてみました。
 問題の最後のシーンですが、スネークハートさんのコメントで少し気持ちが楽になりました。これからも多少の波乱はあると思いますが、今後の展開に是非ともご期待下さい。どうもありがとうございました。


 アールジェタンさん、ご感想を頂きまして誠にありがとうございます。毎回、あれも描こう、これも...というように、ついつい欲張って消化不良を起こしてしまうのですが、アールジェタンさんが仰る「ロングヘアーカフェ」の話題に早く入りたいと常々思っているんですけど...。「飯田涼香」もあれっきりですからね。髪女の生徒たちが働く姿、自慢の長〜〜〜〜〜い黒髪を武器にしてお客様を堪能させるシーンの数々、いやー、今からワクワクしてきましたねえ。是非とも楽しみにしていて下さい。
 登場人物の名前を誉めていただくと、作者としてすごく嬉しいものです! 「涼香」や「美森」みんな作者の想いが入っていますからね。自分の恋人...、いやいや失礼。年齢からいうと娘のような気持ちで名付けています。アールジェタンさんも、おそらく同じではないでしょうか。
 中村、野口、そして超髪長職員の理愛と美森。更にまだ登場していない「他2名」。そんな部署で作者も働いてみたいですね。月曜日の朝もブルーになることは絶対にないでしょう。理愛と美森を今回はクローズアップしましたが、同じ部署で働く「他2名」の職員にも今後注目して下さいね。
 「澤田学長を励ました時のサクセスストーリー」ですが、パクリのオンパレードですよ。ちなみに参考文献は以下のものを使いましたので、興味がおありでしたらご覧下さいませ。
 理愛の蛍光灯交換シーンを「今回最も好きなシーン」と絶賛して頂き、本当に嬉しく思います。作者も楽しみながら描きました。日頃から超ロングの魅力をどのように描いたら魅力的なのだろうかと、そればかり考えています。夜、寝る前に、理愛や他のキャラクターたちに超ロングヘアーを存分に披露してもらっています。勿論想像の世界で。そのなかで浮かんだ一つのシーンが「蛍光灯交換」でした。理愛もなかなか面白い設定を作者にアピールしてくれたものですね。あっ、それから「山城那由多」彼女もあれっきりでした。「那由多」という名前がアールジェタンさんにとって、すごく印象深く受止められているようですね。実はこの名前、私の過去の...なのです。
 『バージン・ヘアー』の彩ちゃんの登場、とても楽しみにしています。何と言っても汚れなき純粋な黒髪は、多くの男性たちを魅了していますからね。次回作、大いに期待していますよ! お互いにロングヘアーの魅力を大いに主張していきましょう。どうもありがとうございました。
参考文献 
 『加速成功』道幸武久著 『カント純粋理性批判入門』黒崎政男著 
 『成功の9ステップ』ジェームス・スキナー著 『人生のスパイス』ウィリー・ジョリー著



 長 友三さん、ご感想を頂きまして誠にありがとうございます。すごく感情のこもったご感想に、いたく感激致しました。「するどく光る刃が黒艶する髪の肩の位置で入り...」非常にリアルな表現に、胸がキューッと締めつけられるような気持ちになりました。「髪を切らないで」という長 友三さんのお言葉。それほど理愛の超ロングヘアーを大切に思って下さっているのですね。作者としても、このようにファンの方々から理愛への「思いの丈」を頂戴すると、理愛が自慢の黒髪をカットする決意を思いとどまらせざるを得なくなりますね...。
 今後の展開で、理愛の「髪切り発言」の真相や、「ケシカラン連中」についても描いていくつもりです。まだまだ波乱万丈な場面が続きそうですが、今後とも『髪長私学』をどうぞよろしくお願い致します。また、他のキャラクターなどについても、ご感想をお待ちしております。どうもありがとうございました。

<編集・発行者からの御礼>
ぽんさん、アールジェタンさんと長 友三さん(&私 ^_^ )のご感想へのレス、まことにありがとうございました。

> タイムリミットが迫っていますので、余談を許さない状況です .... 確かにそのとおりですネ。そのタイムリミットを目前にして『なんとかしなければ....』と中村氏や澤田学長の焦り (されど時間だけが非情にも過ぎていく)が描かれると、これから一層緊迫感が増しそうですネ。
> 美森と理愛。今後、何かと髪について比較される二人を印象づけようとの意図もあって、 このようなストーリーの構成にしてみました .... ええ、美森さんと理愛さん、続けて登場させ、両嬢の髪の魅力をそれぞれ違った形で描かれて、今回の構成はとても巧みだったと 思いますヨ。

次回作の「第26編」はとても気になりますので、『早く読みたいな』と楽しみにしております。 今回もまことにありがとうございました。
長編連載小説「髪長私学」(ご感想)パート
髪 伊良 さん  2004.9.20(Vol.526) 初出___Cont.No.kami001    
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だいぶ以前からのものなので、途中から読み出すと話の筋がどうなっているのかなと思ったりしていたのですが、 とにかく髪の長い者たちで学内を固めていこうということでしょうか。
そういえば、かつては私立の女子高校で全員三つ編みにしないとダメだという校則を持っていたところがいくつかあったと思うのですが、 厳しくても髪の毛がいやでも長くできるからそういう学校があったっていいのではと思います。 男子の入学を認めても絶対三つ編みにするということであれば、学校の人気もより出るでしょう。
そういえば、最後に残っていた全員三つ編みの学校って、山●、●村、貞●の各学園ではなかったでしょうか。 三つ編みにしたら…じゃなくて、三つつなげたら、どこかで聞いたような。


それぞれ皆様(ぽんさん、アールジェタンさん、AAAさん)、がんばっていただきたく思います。

<編集・発行者からの御礼>
髪 伊良 さん、実にお久しぶりでございました。ご投稿ありがとうございました。

> かつては私立の女子高校で全員三つ編みにしないとダメだという校則を持っていたところがいくつかあった .... これは、入学前はショートヘアーの女子生徒でも、入学すれば長く伸ばさせて三つ編みにさせるという校則だったのでしょうかねェ?  だとしたらば、三つ編みという規則は有るにせよありがたい校則ですよね。

「ロンゲルゲ」の方も再開を期待しておりますし、「髪長私学」も応援してくださいね。
本日はどうもありがとうございました。
長編連載小説「髪長私学」(ご感想)パート
Qちゃん さん  2005.1.15(Vol.561) 初出___Cont.No.Q015    
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「新年の第26編、読み応えたっぷり!」

東京は冬とは思えない雨が朝から降りっぱなしです.なんとなく憂鬱な気分でしたが、 「髪長私学」第26編を読んで中年の心(もう壮年というべきか)に熱いものが蘇ってきました. 理愛さんが髪を切っていしまえばこの小説も意味がなくなるので、 文頭の章はうそ(この小説自体フィクションなのですが)だとはわかっていても、思わずひきこまれてしまいました. しかし理愛さんの亡くなられたお父様がイギリスに借金を残していたなどという設定は、 浅薄な私の脳裏には浮かんでこない発想です. なんとなく小説の進行がスリラー風になってきて、イギリスの大推理作家であるコナンドイルを思い出してしまいました. 理愛さんが4mを越す髪と共生する苦しみ(?)と、 ヴィクトリア女王時代のロングヘア+コルセットという淑女のたしなみがなんとなく私の頭の中で重なっています(本当に古い発想ですね). 3mオーバーの小栗栖と西園寺嬢の出現でますます混迷の度を深めてきた第27編を、桜咲く春とともに待ちたいと思います.

<編集・発行者からの御礼>
Qちゃん さん、ご感想ありがとうございました。
この「髪長私学」も(他の小説同様)新年より感想の投稿方法をフォーム形式に改良しましたが、 今回そのフォームからの初投稿ですので、ソフト(Perl)が無事に稼動していることが確認できまして、 こちらとしても助かりました。
できれば作品のブランクの間にも、時折なにか感想をお送りくだされば(ソフトが無事なことが確認できまして) 助かりますので、もしよろしければお願いします。
本日はどうもありがとうございました。
長編連載小説「髪長私学」(ご感想)パート
長 友三 さん  2005.1.17(Vol.562) 初出___Cont.No.yuzo002    
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「理愛さんの長い髪を守れ!」

新年早々「ドキッ!」とさせられる内容ではじまりましたね(註:第26編)。理愛さんが前回「髪を切りたい・・」と発言されました。 今話冒頭部分では 中村氏が出勤すると 理愛さんが4m程もある長い黒髪を バッサリと肩の辺りで切り落とし、 悲しいまでに短く切られたしまった髪にパーマをかけ 艶やかだった黒髪も染めて 本来の髪の美しさと魅力がすっかり失われ、 目をそむけたくなるほど 哀れな髪になった理愛さんを見る場面ではじまりました。 でも幸いにも 理愛さんが髪を切ったのは悪い夢の中でありました。実際には理愛さんは髪を切ってませんでした。 本心では理愛さんは 髪を切りたいと思ってなく、父になった学長に 借金返済で迷惑をかけたくないので 謝金の担保になっていた 自分の長い黒髪を切る事を考えていた事を知り、 読者の小生も少し安心しました。
小栗栖さんの髪も 長くて艶やかそうで魅力的ですね。彼女にも長い髪を大切にして欲しいものです。

<編集・発行者からの御礼>
長 友三 さん、先日の「世界一のロングヘアー」へのご感想に続きまして、今回はこちらにもご感想ありがとうございました。
今のところ稼動しているコンテンツが少ない本サイトですので、こうしていつも速攻でお送りくださいますととても助かります。

前回のご感想の中で、> 次回は 理愛さんが髪を切りたくなった真相、理愛さんが髪を切って欲しく思ってい るケシカラン連中の正体。について載せて欲しく思います。 と仰ってたら、まさにそうなりましたねぇ。
本日はどうもありがとうございました。
長編連載小説「髪長私学」(ご感想)パート
AAA さん  2005.1.20(Vol.565) 初出___Cont.No.AAA002    
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いつも楽しく読ませてもらっています!!それにしても次から次へと長々と髪を引きずる女の子が登場しますね〜(^^) 私もそういう学校があれば、もしかしたら入学してたかも^^;
中村記者も最初の頃と比べると、かなりの髪フェチになっちゃってますね(笑)次も楽しみに待ってま〜す♪♪

<編集・発行者からの御礼>
AAAさん、「髪長私学」に感想を下さいまして、まことにありがとうございました。
> 私もそういう学校があれば、もしかしたら入学してたかも .... それはうれしい事を仰ってくださいますねぇ。そんな考え方をしてくれる小・中・高校生の女性がもっと増えて欲しいですね〜〜。
> 中村記者も最初の頃と比べると、かなりの髪フェチになっちゃってますね .... そりゃあこんな環境にずっと居ると、本能が覚醒してしまうでしょう(^_^ )

「世界一のロングヘアー」の新作と同じ日に 感想をお送りくださいまして、重ねてありがとうございました。
「世界一のロングヘアー」もこれからますます楽しみにしております。
長編連載小説「髪長私学」(ご感想)パート
SNAKEHEART  2005.1.20(Vol.565) 初出___Cont.No.snake026    
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「編集・発行者からの御礼−−第26編」
ぽん さん、5ヶ月ぶりの「髪長私学」の新作「第26編」、ご執筆してお送りくださいましてまことにありがとうございました。
そしてまた今回はおそらくこれまでで1番の超長篇でしたでしょうね、 原稿が(書式情報などにより、テキスト形式時の約1.5倍ほどに膨らんではおりますが、それでも)67kBもありましたから (第24編の約2倍)。ご苦労さまでした。重ねてありがとうございます。
しかも今回は、その圧倒的ボリュームにふさわしく、内容も盛りだくさんでしたね ....まずしょっぱなからショッキングな初夢(?)でカウンターパンチを食らわせてくださった上に、 更には、理愛さんの断髪問題の真相の全貌がついに明らかになり、 (リレーのバトンタッチのように)続けてベールを脱いだ2人の髪長女性、小栗栖愛嬢と西園寺典子嬢 ....5ヶ月のブランクを埋めて余りある内容だったと思います。
本来ならば、いつもの2倍近いボリュームでしたらば、私の感想もいつもの2倍書かなければいけないのかもしれませんが(^_^ ) ....ま、それはちょっとどうかご勘弁を....(笑)

さて、それでは内容を細かく見させて頂きたいと思いますが....
先ずは、本年度最初の作品に相応しく、最初のパートは “(初?)夢” で始まりましたね。 でも最初に読ませて頂いた時は夢とは思いませんでしたねぇ、ショートヘアーになった理愛さんが出てきても ....物語に引き込まれて、考えるいとまが無かったのかも知れませんね。 まぁ、 > 「あんな長い髪、正直言って気持ち悪いですからねえ」 と言う野口君が出てきたところで、『あっ、夢かな』とやっと気付きましたが。
この冒頭の悪夢のシーンでは、いくつか実に面白い表現や素晴らしい表現が有りましたネ。先ずは、 > どうして仕事をしに来たのか...。自分でもよくわからない .... そうなんですよね、夢の中ってホント理解不能な行動をとってしまいますもんね。
それから、 > あまりにも短くなってしまった理愛の髪が、まるで大けがをした傷口のように痛々しかった .... そうなんですよ〜〜〜私も経験が何度もありますが、あこがれ続けていた女性の長い髪がバッサリと切られた時って(例え3cm程でも) その切り口が本当に傷口のように見えてしまうんですよね。まるで出血でもしているかのように。続けての > 漆黒の大滝は、もう過去のものとなってしまった という表現とともに、えも言われぬ喪失感・悲壮感が実に見事にディスプレイより漂っていました。そして
> 「何だとーっ!! もう一度言ってみろ! この野郎!!」 .... いや〜〜この言葉まで乱暴になってしまった(理性も知性も失ってしまったかのような)中村氏が実に面白かった。

まあでも中村氏がこういった夢を見てしまうのも無理はないでしょうね、ここ数編の展開から。 もし私が中村氏でも、心を寄せる女性の髪が切られそうな危機にあれば、相当な強迫観念を持ち続けるでしょうからね。
そして今回の第2のパートでは、ここ数編ずっと問題となっていた理愛さんの断髪問題の 全真相が遂に明らかになりましたね。 “脅迫されていた” というのは前回の第25編の時に分かってましたが、 お父さんの借金 → 娘(理愛さん)の髪を担保に → 「反対勢力」がその借金を弁済 → 彼らが理愛さんの髪の権利者になる という、その脅迫に至る道筋にはもう脱帽しました、『よく、そこまで考え付かれたなぁ!』と。 “これはいつ頃考え付かれたのですか?”と、ぽんさんへ質問させて頂きたいです。
(まあ考えようによっては、“髪の毛で2000万円もの借金が返せる” というのは、「羨ましい」とも言えますが ^_^ )
それと、ここのパートで実に面白かったご発想が > 髪長ボックス でした...でも、以前にも出てきましたっけ???


さて、今回は緊迫ムードは取りあえずはその第2パートまでとなっておりまして(次回に持越しですネ ^_^ )、 次の第3パート以降は、(以前から少しずつ話題にはなっておりまして、 ぽんさんも去年の3月にこの感想パートにて > あと2名の女性たちがまだ登場していませんよね。相当なレングスにしようかな... と仰ってた)2人の髪長NEW FACE女性、小栗栖愛嬢と西園寺典子嬢が遂にベールを脱ぎましたね。 (ここまででもうかなり感想も長くなってきましたので、ここからは少し駆け足にさせて頂きます....謝 m(_ _)m )
まず1人目の小栗栖愛嬢ですが、この “小栗栖” という苗字が実に珍しいと思うのですが、この由来についてもぽんさんにお伺いしたいですネ。
で、彼女は初登場してもういきなり髪の長さを計られましたね、いや〜〜実に潔い!! 登場した最初は なにやら難しそうなビジネス的会話が、徐々に髪の話題に持って行く中村氏(とぽんさん)の ご手腕はいつもながらサスガですね(^_^ )。そして、
> 「職員の髪もきっちりと把握しておく必要があるなあ・・・外部へのアピールという点でも重要だし。ちよっと測らせてくれないかなあ」 .... いや〜〜うまいこと言いますね〜〜ホント(^_^ )。それから > 「女性の感性は鋭いねえ・・・女性は数十、いや数百通りの感じ方ができると」 .... そうなんですってネ、大分前の話ですけど “脳内の悲しみを感じる細胞群の面積は、女性は男性の10倍くらいある” とか 聞いたことが有ります。まあそれだけ感性が豊かと言えるのでしょうし、その女性の感性を参考にするのは大切でしょうネ。 (ただし、そういう女性の価値観だけで一方的に法律を作られても、困るんですけどね)

で、この小栗栖愛嬢の髪は > 真っ黒で、まるで濡れているような艶やかな髪・・・ 手にしっとりと馴染む潤い髪・・・ まさに「カラスの濡れ羽色」 という髪質がご説明されてましたね。髪にも色々と性質があると思うのです、例えば.... ふわぁとボリューム系、しなやか系、つやつや系、そしてこのしっとり系....大体こういった具合でしょうか。 大体この順番に水分が多くなって行くと思いますし、ほぼ反比例してボリュームが小さくなって行く感じもするんですヨネ (しっとり系で、ボリュームの有る髪ってあまり見かけない気がしますので....もっとも私とは、しっとり系の感じ方が違っているかも知れませんが)。
ですが小栗栖愛嬢の髪は、“しっとり系” でありながら > しかもボリュームもある ということですので、これはもう “究極の髪” の1つと言えるでしょうね。そして、
> オグリの髪が部屋の外にまで伸びていたので、ドアが閉められなかったのである .... これはもう、前回の理愛さんの電球取替えシーンにも匹敵するぐらいの、 “超ロングヘアー官能シチュエーション” の1つと言えそうですよね。


そして小栗栖愛嬢の退席から間髪入れず登場した、これまたNEW FACEの西園寺典子嬢 ....今回、この“髪長NEW FACE女性・バトンタッチ”がスゴかったですね。
西園寺典子嬢の髪は > 前髪はつくっているものの・・・髪はいかにも柔らかくて優しい感じを与える といった性質が与えられてましたね。これは上で言う所の、“しなやか系” に なるのでしょうかねぇ? 彼女は今回の初登場ではレングスへの言及はとりあえず、 > 「小栗栖よりも長いんじゃないですかねえ」 という言葉に止まりましたね。具体的なレングス(cm)は次回以降の楽しみと言った所でしょうか? ですが、 ちゃんと “マフラー” というサービスはしていってくれました(^_^ )。
ところで、この西園寺典子嬢って私には、なんとなく少しプライドが高いと言うか、やりて風と言うか、 ちょっと高慢(?)にも感じさせるところが有りましたですね.... > 「うちの生徒で英語が話せない子はいませんよ」 とか > 『これなら、おねだりすると何でも叶えてもらえそう...』 と言ったあたりに。けっして悪い子と言う訳ではないんですけどね。でもそうして1人1人に(髪質と同様)少しずつ違う性格を 与えていくことも大切だと思います(もっとも、ぽんさんは典子嬢にそういう性格を与えたおつもりはないのかもしれませんが)。

さて、今回の作品の後半ではちょっと忘れた感じではありましたが、やはり今1番気になるのは “理愛さんの断髪問題” ですよね。 > 中村は、例の問題について理愛と話し合うのであるが とラストに書かれてましたので、次回は何らかの決着を見そうな予感がしますよね。 次の「第27編」も楽しみに待たせて頂きたいと存じます。
新作の超長篇「第26編」のご執筆とご発表、まことにありがとうございました。

長編連載小説「髪長私学」(ご感想)パート
ぽん さん  2005.1.23(Vol.566) 初出___Cont.No.pon019    
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 Qちゃんさん、ご感想を頂きまして誠にありがとうございます。「髪長私学」をお読みになって、「熱いものが蘇ってきました」とのコメントには感激致しました。しかもコナンドイルだなとど、お褒めの言葉まで頂戴し、何だか恐縮してしまいます。作者など、シャーロック・ホームズの生みの親という大作家の足元にも及びませんよ。
 理愛もあの超ロングヘアーの手入れは大変な苦労がありますが、淑女のたしなみと仰ったように、女性の「美」に対する執念にはスゴイものがありますよね。まさに身を削る思いで美しくなりたいと願う女心には脱帽します。小栗栖 愛と西園寺典子も加わった髪長統括部の今後の動きにも注目して下さいね。また、ご意見・ご感想をお待ちしています。今後ともよろしくお願い致します。


 長 友三さん、ご感想を頂きまして誠にありがとうございます。今回は、ちょっとショッキングな場面からのスタートでした。理愛に対しては、いつも優しく見守って下さり、彼女の髪を心から愛しく思われるお気持ちが、ご感想の文面からジワッと伝わってきました。作者として本当に嬉しく思います。ここ数編の動きにハラハラしていらっしゃることと思いますが、まだしばらくは楽観できないストーリー展開になりそうです。どうかこれからも理愛をはじめ、他の髪女の女性たちを温かく見守って下さいませ。また、ご意見・ご感想をお待ちしております。今後ともよろしくお願い致します。


 AAAさん、ご感想を頂きまして誠にありがとうございます。いつも楽しみにして下さり、作者としても大変光栄に思います。床を引きずる究極のロングヘアーが作者の理想ですから、どんどん、そのようなキャラが増えてきましたね。こんな学校で教師をしてみたいものだと、我ながら思います。そうなると仕事に行くのが楽しくて仕方がないでしょうね。
 取材当日に髪長美女の虜になってしまった中村も、今では言葉巧みに部下の髪を思い通りに楽しむまでになりました。どんどん大胆になってきましたねえ。行き過ぎると心配な面もありますが...。でもそれは、理愛の髪問題のストレスをちょっと解消させてもらっていると思って下さい。本人の名誉のためにも。また、ご意見・ご感想をお待ちしています。今後ともよろしくお願い致します。


 スネークハートさん、ご感想を頂きまして誠にありがとうございます。いつも実に丁寧に読み込んで下さり、作者としても大変嬉しく思います。また、今回は膨大な量になってしまったため、編集には大変ご苦労されたと思いますが、とても読みやすく編集して下さり、心より御礼申し上げます。
 まずは、ご感想の中での質問にお答えしたいと思います。「お父さんの借金→娘(理愛さん)の髪を担保に→「反対勢力」がその借金を弁済→彼等が理愛さんの髪の権利者になる」という一連の流れについてですね。これは理愛の実の父親を紹介した時に、大筋で次のような設定を考えました。理愛は英語堪能、帰国子女、父親が商社マン。そして手元に『マイダス・システム』(スチュアート・ゴールドスミス著)というイギリス人が書いた本があり、25万ポンド(約5250万円)という記述を見て、これは使えるなと考えて一連の流れをストーリーにしてみたのです。執筆初期の頃から、いつかその場面になれば使おうと温存していました。他にも「その場面になれば」という温存ストーリーがいくつかありますので、楽しみにして下さいね。
 次に小栗栖 愛の苗字についての質問ですね。この「小栗栖」は京都にある地名から取りました。明智光秀が山崎の合戦で豊臣秀吉に敗れ、近江に逃れる途中に殺された地が京都の伏見にある「小栗栖」です。「おぐるす」と発音すると思いますが、彼女の苗字は「おぐりす」としました。
 この際ですから、他の登場人物についてもお話しましょう。女性の名前は、そのキャラクターやイメージで考えると以前お話しましたが、苗字については色々なところから取っています。実は作者は京都市出身のため、京都や滋賀など、近隣の地名から取ったものがいくつかあります。先ほどの「小栗栖 愛」のほかに、神崎美咲。「神崎」は滋賀県神崎郡の地名から取りました。また、美咲の友人の逢坂ゆかり。彼女の苗字「逢坂」 は大津市の逢坂山から取ったものです。また、髪女に推薦入試で入学した山城那由多。「山城」というのは、言うまでもなく京都にあった「国」の名です。また、髪女との友好関係を築こうとしている藤森学院は「藤森(ふじのもり)」という地名から取りました。京阪電鉄の駅にもありますので、ご存知の方も多いでしょう。
 地名とともに作者が参考にしたものがあります。事務局長の伊藤、反対派で経理課長だった黒田、生徒会副会長の山縣京子と松方 恵、そして書記の加藤理子。さらに新入職員の斎藤美森と西園寺典子、今回登場した藤森学院の校長の原と教頭の桂。どうですか。おわかりですか? 「伊藤」「黒田」「山縣」「松方」「加藤」「斎藤」「西園寺」「原」「桂」 このように並べてみると、歴史に詳しい方はピンときたのではないでしょうか。そうです。これらは歴代の総理大臣経験者の苗字から取ったものです。「伊藤博文」「黒田清隆」「山縣有朋」「松方正義」「加藤高明」「斎藤 実」「西園寺公望」「原 敬」「桂 太郎」どうですか。今後、登場人物の苗字にも注目して頂けるのではないかと思います。
 西園寺典子のキャラについて、スネークハートさんはちょっとプライドが高い印象を持たれたようですね。「西園寺」という苗字を与えた意図と重なる部分があると思います。これは「西園寺公望」から取りましたが、彼は京都の公家の出身で、御所内に家塾「立命館(のちの立命館大学)」をつくった人物です。そのため、有職故実に明るく、物識りで「おっとり」した雰囲気を出したかったのですが...。ちょっと裏目に出てしまいましたね。文章ですから、セリフの言い方まで伝わりにくいものですからね。しかしスネクハートさんの仰る「やり手」の女性であることは間違いありません。
 この物語の中心人物、髪長統括部長の中村直柔について。彼の名前「直柔」は幕末の英雄で作者も尊敬する坂本竜馬の忌み名から取りました。これは普段は呼ばれない名です。そして、苗字の「中村」は高知県中村市から取りました。彼は高知出身という設定なのです。山城那由多の「那由多」についてはまた後日に...。
 最後に、スネークハートさんの「ふわぁとボリューム系」「しなやか系」「つやつや系」「しっとり系」という見事な「髪質分類」に対して、涼風馨香女学院大学より『髪長博士号』を授与させて頂きます。素晴らしい分析に、作者も大きく頷いた次第です。また、これからもご意見・ご感想をお待ちしております。今後ともよろしくお願い致します。

<編集・発行者からの御礼>
ぽんさん、Qちゃんさんと長 友三さんとAAAさん(&私 ^_^ )のご感想へのレス、まことにありがとうございました。

> 「お父さんの借金・・・彼等が理愛さんの髪の権利者になる」という一連の流れについて・・・執筆初期の頃から .... へえ〜〜そんな早くからだったのですか。もうそろそろ4年になりますよね。 でしたらこの度ついにそのアイディアを発表なさって『やったぁ』というような達成感もお感じになられたのでは??(^_^ )
> 明智光秀が・・・殺された地が京都の伏見にある「小栗栖」です .... そうでしたか、そんなスゴイ地名も知らなかったとは、いや、私もお恥ずかしい次第でございます(^_^;)。
> 涼風馨香女学院大学より『髪長博士号』を授与させて頂きます .... いやはや、そんな名誉な称号を頂きまして光栄でございます。生まれて初めてだなぁ(笑)。 まあ、髪質の分け方には人それぞれの意見が有るとは思いますけどネ。 この前の私の分け方をご参考に、皆さんそれぞれで考えてみられたらいかがでしょうかネ。

次回作の「第27編」も緊迫感漲る展開になりそうな予感がしますネ。
今回もまことにありがとうございました。
長編連載小説「髪長私学」(ご感想)パート
髪 伊良 さん  2005.1.24(Vol.567) 初出___Cont.No.kami002    
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「こんばんは」

しばらくご無沙汰していますが、みなさまお元気ですか。
どうやら、こちらの方もやっと再開されたようで。

今回のお話ですが(註:第26編)、もっとも萌えてしまった?のは、西園寺さんが校長と教頭の二人に同時に髪をなでられようとしているところです。自分も女性だったら体験してみたいですね。それとも男性として髪を西園寺さんのように長くしてふたりのえらい中年女性になでられたりするのもいいかも。

また、前回になっていますが、美森さんの三つ編みの髪のにおいをかぐシーンも。同様に体験してみたいです。

<編集・発行者からの御礼>
髪 伊良 さん、明けましておめでとうございます。ご投稿ありがとうございました。

> 西園寺さんが校長と教頭の二人に同時に髪をなでられようとしているところです .... 男はいくつになっても、ロングヘアー女性の前に出ると子供になってしまう、ってところでしょうかネ(^_^ )

「ロンゲルゲ」の方も再開を期待しておりますし、「髪長私学」も応援してくださいね。
本日はどうもありがとうございました。






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  3. 上の@で 宛先欄に入力した bh4su59g0@kcn.ne.jpb から 前と後の2つのbの文字を消してください
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  4. そして、送信してください。

1日も早く、ウイルス・迷惑(SPAM)メールが絶滅しますように!(怒)



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このメールは当然、HPには掲載いたしませんので、ご安心ください。


  1. メールソフトを起動して、メールの作成ウインドウを開いてください。

  2. 下図を参考に、メールをお作り下さい(OUTLOOK EXPRESSの例)。

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    ただし実はこの前と後の2つのbの文字はニセ文字ですので、
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    B(必須).... 当然、本文は“必須” になりますヨネ(笑)


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  4. そして、送信してください。

1日も早く、ウイルス・迷惑(SPAM)メールが絶滅しますように!(激怒)