もしも、字が読みづらい場合は、フォントを調節もしくは画面解像度を変更もしくは 全画面表示して下されば宜しいかと存じます。


「 髪 長 私 学 」 ご感想パート トップページへ 感想をお送りください
<最新投稿>へ (VOL.409) <最新投稿>へ (VOL.448)




第1〜6編は、 “第1部”

第7〜9編は、 “第2部”

第10〜14編は、 “第3部”

第15〜19編は、 “第4部” をご参照のこと。



< 目   次 >
第 20 編   .......2003.4.3(Vol.369)
第 21 編   .......2003.5.25(Vol.384)
第 22 編   .......2003.7.11(Vol.399)
第 23 編   .......2003.8.11(Vol.409)
 
ご  感  想


第24〜26編は、 “第6部”

第27〜31編は、 “第7部”

第32編以降は、 “第8部” をご参照のこと。






「髪長私学」をご愛読の皆様へ


 皆様こんにちは。いつも「髪長私学」をご愛読下さいまして、誠にありがとうございま す。お蔭様で今回「第20編」を発表することができました。ホームページを主催してお られるスネークハートさんをはじめ、数多くの読者の皆様に改めて厚く御礼申し上げま す。前回の作品を年初に発表してから、今回まで随分と時間が空いてしまいました。次回 作を楽しみにして下さっていた方々には、本当に申し訳なく思っております。実は仕事の 関係や体調を壊してしまったりなどして、なかなか執筆できませんでした。私も中年の域 に達する身ですので、仕事の疲れやストレスを随分貯め込んでおりました。諸兄にはよく ご理解して頂けるのではないかと思います。でも気持ちは若者に負けないくらい青春して います!ようやく体調もよくなり、気力も充実してきましたので、これからも皆様のご期 待に応えられるような作品を送り出したいと思っています。

 作品を発表する時に、いつも色んなことを考えます。私の作品を読んで下さるのは、ど のような方々なのだろうかと。昨今、インターネット人口が急激に増え続けていますの で、アクセスするチャンスがどんどん広がっています。『中年ロングヘアー』だから、や はり中年の方かな。それとも長〜〜〜〜〜い黒髪が何よりも大好きだという若い男性の方 でしょうか。女性の方にも読んで頂きたいなあ。色んな方々の姿を想像しています。逆に 皆様も、私のことを想像していらっしゃるかもしれませんね。どんな「中年」なのだろう か。「ぽん」という変なハンドルネームはどんな意味があるのだろうかと。

 次に気になるのは、やはり作品を読んで頂いた後の感想です。どのように感じて頂いた のだろうか。自己満足だけで終わってないかなあ。あの場面、共感してもらえただろう か。皆さんそうだと思いますが、投稿を読んで頂いた読者の方の反応は、とても気になる ところです。反応がないと、ちょっぴり寂しいですね。たとえ「良かった」「悪かった」 だけでも構わないものです。

 様々な場面を作品に織り込んできました。これも思いつく時には次々と出てくるもので す。しかし、スランプに陥ることもあります。一つの作品を2時間ほどで書き上げてしま うこともあれば、2週間を費やしても一向に進まないこともあります。こんな時、我なが ら貧弱な創造力を痛感すると共に、読者の皆様のお知恵を拝借したいなあと思います。読 者の皆様の「長い黒髪」に対する熱い想いを、是非ともお聞かせ願いたいと思います。私 だったらこんな女性が理想だとか。こんなシチュエーションを描いて欲しいとか。「髪長 私学」の登場人物についてのご意見やご感想もお聞かせ願いたいですね。また、女性の方 からご覧になってのご感想も貴重です。男性からの視点で描いているものですから、どう しても細かい心理描写がうまく描けずに悩んでしまうこともあります。女性の立場からの ご意見やご感想も頂ければ幸いです。読者の方の中で、もし長〜〜〜〜〜い黒髪の女性の 方がいらっしゃれば、髪に関するエピソード等もお伺いしたいと思います。これまで以上 にたくさんのご意見やご感想をお待ちしております。ホームベージ上に、ご意見やご感想 を出して欲しくないという方も大歓迎です。そっと教えて下さい。

 今回の作品から、京都女学院の新たな出発を描きました。新しい登場人物にも注目して 下さい。また、今後のストーリー展開に備えて、いくつかのネタふりもしています。「長 い黒髪」の素晴らしさに共感することにおいては、私も皆様と同じです。永遠の憧れであ る女性の長くて美しい黒髪を守り育てたいという想いを、お一人でも多くの皆様にご理解 頂ければ、作者として望外の幸せであります。これからも熱い想いを作品に託していく所 存ですので、今後とも「髪長私学」をどうぞ宜しくお願い致します。

                                 「髪長私学」執筆者 ぽん




2003.4.3(Vol.369) 初出___Cont.No.pon20    第21編へ 目次へトップへ

 学校は久しぶりに活気に満ちていた。朝から賑やかである。今日から入学予定者の手 続きが始まったからである。学校法人解散という衝撃的な出来事があり、行き先を失っ た生徒たちは泣く泣く学び舎を後にした。多くの生徒は京都女学院の復活を信じなが ら、先生や友人たちとの再会を待ちわびていたのである。しかし、中には別の学校へ転 校していった生徒も少なからずいた。澤田学長を筆頭に職員たちが必死になって復学を 呼びかけたことで、ほとんどの生徒を呼び戻すことができたのである。定員に満たない 人員は、改めて募集しなければならなかった。それは教職員も同様で、例の茶谷一派の 騒動で辞めていった者もいたからである。課題は山積したままであるが、とりあえずこ の日を迎えられたことは大変喜ばしいことであった。午前中に中等部の入学手続きに忙 しく動き回っていた伊藤が、学長室へ報告にやってきた。
  伊藤「学長、中等部の手続きが終わりました」
  学長「やあ、お疲れ様。どうだったかな」
うず高く積み上げられた書類を傍らに置き、大好きなコーヒーを飲みながら伊藤に尋ねた。
  伊藤「8割くらいですね。でも生徒たちの嬉しそうな笑顔を見て、本当に感激しましたよ。それに
      何よりも無事だったからなおさらです」
伊藤は何カ月か振りの忙しさを楽しんでいるようであった。一時はどうなるかと思った こともあっただけに、嬉しさのあまり、グッとこみ上げてくるものがあった。
  学長「無事って何がだ?」
  伊藤「決まってるじゃないですか。髪ですよ、長〜〜〜〜〜い黒髪!ひょっとして髪を切って
      しまう生徒がいるんじゃないかと思って、すごく心配だったんですよ。でもよかった。
      いやー、みんな綺麗な黒髪でしたよ。キラキラと輝いて。まさに『髪長憲法』健在って
      とこですね!」
  学長「そうだなあ。実は私も心配したんだが、取り越し苦労でよかったよ。午後からは新入生の
      手続きだったかな」
  伊藤「ええ、そうです」
  学長「それなら野口くんに加わってもらおうか」
  伊藤「はい、わかりました」

 その野口は事務室で、午前中に手続きを終えた書類の整理を黙々とやっていた。 今春、大学を卒業して就職したばかりのフレッシュマンである。大手企業の内定を辞退し てまでも、京都女学院に就職した変わり者である。というのも、彼と共に内定していた 同期の仲間たちは、例の騒動でさっさと辞めてしまったからである。野口は残った。周 囲からの様々な声にも動揺することなく、この仕事をやっていく決意を固めていた。理 由は明快である。彼は何よりも、女性の長〜〜〜〜〜い黒髪がこの上なく好きだからで ある。そのきっかけは、彼が小学校5年生の頃にまで遡る。同じクラスに一人の女の子 が転校してきた。どこにでもいるような普通の女の子であったが、他の女子生徒と違っ ているところに彼は心を奪われた。そうなのだ。「異常なくらい髪長〜〜〜〜〜 い!!」彼女を初めて見た時、心の中でそう叫んでいた。膝まで届いた三つ編みに、女 子生徒たちは興味津々であった。逆に男子生徒たちは無関心。男が女の子とおしゃべり するだけで、他の男子生徒たちが冷やかすような雰囲気であった。野口もその雰囲気に 同調して、いかにも無関心であることを装うようにして過ごした。そのために、彼女と はほとんど話をすることもなく終わってしまった。しかし、その女の子との出会いが、 野口の心の中に眠っていた長い黒髪に対する好奇心を呼び起こしたのである。これほど までに長い髪をした女の子が周りにいなかったため、彼女が全く別世界から舞い降りた 天使のように思えたのである。
 長い黒髪の女性が大好き。髪が長ければ長いほど好き。 それも魂を揺さぶられるほど大好きであるにもかかわらず、その気持ちをひたすら隠 し、自分の心の奥深いところにギュッと押し込めてしまうのであった。だから彼がいわ ゆる髪長フェチであることを、家族も友人も誰一人として知る者はいなかった。また野 口は、そんな自分を恥ずかしいとさえ思っていた。そのために長い髪に関する話題に接 した時には、いかにも興味なさげな態度をとってしまうのである。長〜〜〜〜〜い黒髪 の天使との出会いが、ある意味で彼の苦悩の始まりだったと言えよう。就職の面接の際 にも、自分は髪長フェチであることには全く触れず、教育に関する仕事がしたいという 志望動機で押し通した。そんな野口が念願叶って髪女で仕事をしている。午前中に入学 手続きのために登校してきた髪長少女たちを目の前で見たことにより、平常心でいられ ないほど気持ちが高ぶっていた。事務室に戻って来た伊藤が、そんな野口に声をかけ た。
  伊藤「野口くん、真面目だねえ。そんなに頑張ると疲れるよ。もっと力を抜いてやらないと」
  野口「はい。こちらの書類は終わりましたので、あとはこれだけです」
伊藤は野口が処理した書類をチェックしながら言った。
  伊藤「きっちりとできているなあ。うん、バッチリ。野口くん、どうだった? 見ただろう? 午前中。
      見渡す限りの超ロングヘアー。やっぱりドキドキするものがあるだろう」
  野口「はあ...。まあそうですね...」
ワクワクするほどにのってくるかと思いきや、あまりにも気のない返事に伊藤は拍子抜 けしてしまった。
  伊藤「長い髪にはあまり興味がないのかなあ」
  野口「そんなことはないですけど...」
相変わらず煮え切らない。伊藤はこれ以上この話題に触れなかった。野口にすれば、本 当は素直に言いたかった。大手企業を辞退してまで髪女に就職したのだ。興味があるに 決まっている。大好きだと体中の細胞が叫んでいる。しかし野口の気持ちとは裏腹に、 いつもこんな態度を取ってしまうのだ。知らず知らずのうちに、自分の本当の気持ちを ガードするために、心の周りにレンガを積み上げてしまっていた。そのために、このレ ンガの要塞が本心を外に出さないようにしてしまったのである。女性の長い黒髪に興味 を持つ知人や友人がいなかったばかりに、こんなことに執着することを、後ろめたいこ とだと思い込むようになってしまった。長い黒髪が大好きだと口にすることも到底でき なかった。そんなことをしようと思うと、恥ずかしさがこみ上げてくるのであった。伊 藤への返事も、結局は自分の正直な気持ちを捻じ曲げてしまったのである。この心のカ ベを破壊しない限り、野口の屈折した心の歪みは、今後も彼自身を苦しめることになる だろう。伊藤は野口の人物像がまだ掴めないようだった。本当に長い黒髪に興味がない のだろうか。野口はそんな印象を伊藤に与えた。

 澤田は学長室で職員の人事を調整していた。新しい船出には多少なりとも不安が残 る。人材不足は否めない。追って人材を補強していかざるを得ない。伊藤が呼ばれ、確 定した人事案についての意見を求められた。
  学長「どうかなあ。当面はこれでいこうと思うんだが」
  伊藤「そうですね。特に異論はありません」
  学長「よし。では伊藤くんに事務局長を任せるからな」
  伊藤「はい、ありがとうございます」
伊藤は人事案の書類を見ながら、責任の重さを感じていた。
  学長「学校の名称の件だが、意見はまとまりそうかな」
  伊藤「そうですねえ。依然としてこのままでいこうという意見も少数ながらありますけど、
      名称を変えて再出発する方がいいという意見が多くなってきていますね」
  学長「それでは意見の調整を頼むよ。その方向でいこう」
「京都女学院」という名称を変えようという方向で動き出した。しかし、まだ具体的な 名称が決まっているわけではない。いくつかの候補はあるが、現時点ではまとまってい ない。「京都女学院」という名称よりも「髪女(かみじょ)」と呼ばれて親しまれてき たこともあり、生徒たちも名称変更に対する抵抗はなかった。これも早急に決めなけれ ばならない問題である。
  伊藤「ところで今日は学長お一人ですけど、スタッフは...」
  学長「ああ、スタッフねえ。飯田さんはロンカフェの引継ぎがあるので、来週からの勤務という
      ことになる。それから理愛は有休を取っているよ。今日は確か美容院へ行く
      と言ってたかなあ」
  伊藤「えっ、び、美容院ですか?」
  学長「ああ、そうだ。学生気分を切り替えて、心機一転がんばるつもりじゃないかな」
  伊藤「ま、マジですか?! いや、あ、あの...学長、ほ、ホントに...ですか?」
  学長「何を言ってるんだ。そんなことより、午後からの仕事も頼むよ」
  伊藤「そんなことって...、あっ、はい、わかりました」
そう言われても、理愛さんが美容院だもんなあ。これは一大事だよ。気にするのも当然 さ。まさか...とは思うけど。いや、でも仕事に差し支えるから、ひょっとしてあの 髪を...。うーん、いくら何でもそれはないよなあ...。心の中でつぶやきなが ら、東京出張の際に新幹線の車内で経験したあの場面を思い出していた。


 ここで簡単に人事について触れておこう。学長は澤田健一郎(さわだ・けんいちろう)。 髪長財団理事長も兼務する。財団顧問は弟の澤田康二郎(さわだ・こうじろう)。 副学長は空席のままであった。中村が就任を固辞したためだ。事務局長は前述した 伊藤誠雄(いとう・まさお)。広報部長は本田久利男(ほんだ・くりお)。どこかで 聞いたことがある名前だなあと思われた方も多いことだろう。以前に中村が髪女の卒業 生を取材した時に登場した人物である(参照 : 第10編。 自動車販売会社の部長をしていた本田を、澤田 学長が口説き落としてスカウトしたのである。本田には、財団の運営にも大いに尽力し てもらおうと期待しての配属である。読者諸氏は思っているだろう。そんなことより も...女子職員はどうなっているのかと。
 それでは彼女たちの配属を紹介しよう。澤田学長の秘書として飯田涼香(いいだ・すずか)。 京都女学院生え抜きの彼女は、大学在学中からロングヘアーカフェの事実上の 店長として活躍してきた。聡明で機転がきくところは学長秘書として適任である。 ロンカフェの店長を歴任しただけあって、彼女の黒髪はまさに絶品。床に長く尾を引く その光景は、誰もが息をのんで見つめてしまう。そして秘書見習として澤田理愛(さわだ・りえ)。 一人前の秘書として活躍するまでには、まだまだ紆余曲折が予想される。余談 だが、学長室の女性スタッフの二人、飯田涼香と澤田理愛の髪の長さを合わせると、何 と6メートルをはるかに超えてしまうさすがに澤田は、身近にそのような女性スタッ フを置きたかったのだろうか。
 事務局には二人の女性が配属された。以前にも紹介したが、ここで再度触れておこう。 まずは栗原瑞穂(くりはら・みずほ)。前髪をつくった 超ロングヘアー。髪が少し栗色がかっているため、髪の柔らかさを醸し出し、全体的に 穏やかな雰囲気を漂わす女性である。2メートルを超えるスーパーロングと大きな瞳、 その目尻が下がったところが何とも愛くるしい。もう一人は黒崎麻衣佳(くろさき・まいか)。 足首まで伸びたサラサラの黒髪は、ボリュームたっぷりのワンレングス。 ぽっちゃりした彼女は、人懐っこさを感じさせるえくぼがチャームポイントである。


  伊藤「学長、中村さんの処遇についてなんですが」
  学長「中村さんには私の片腕として、学校と財団を含めたすべての運営に携わってもらう
      つもりだ。彼もその点に異存は無い。ただ、いきなり上から見下ろすような関わり方は
      したくないと言うんだ。現場をつぶさに見ていきたいという考えのようだ」
  伊藤「なるほど、中村さんらしいですねえ」
  学長「彼には髪長統括部長という役職で仕事を始めてもらう」
  伊藤「ええっ、何ですかそれ???」
  学長「ハハハハハッ。別にこれという特定の仕事はないが、髪長統括というくらいだから、
      生徒から学校運営まで全部に関わるってことだよ」
  伊藤「うまく考えましたね。でも中村さん一人では大変でしょう」
  学長「もちろんその通りだ。だから有能な女性をスカウトしたよ」
  伊藤「えっ、誰ですか?」
  学長「中村さんが明日にもこちらに来ることになっている。その時にわかるよ。それにあと3名、
      スタッフ見習として加わってもらうつもりだ」
  伊藤「おっしゃっていた大学のビジネスコース専攻の3名ですね」
  学長「そうだ」
  伊藤「ところで中村さんは、またホテル住まいですか」
  学長「いや、現場を見たいという希望に沿って、中村さんには学生寮に住んでもらう。
      寮長としてね」
  伊藤「なるほど、適材適所ですね」
二人は満足そうに笑った。先ほどの理愛のことが気になったが、伊藤は午後からの準備 のために事務室へ戻っていった。





 午後からの入学手続きに新入生が学校に集まってきた。
  伊藤「野口くん、午後からの手続きは栗原さんとやってもらうからね。オリエンテーションは
      オレが担当するから,その時はよく見ていてくれよ」
  野口「はい、わかりました」
  伊藤「栗原さん、じゃあ頼んだよ」
  栗原「わかりました。野口さん、そろそろ行きましょうか」
栗原は野口とともに手続きを行う会場へ向かった。一緒に歩いている間も、野口はどう しても意識してしまって口数が少ない。栗原の髪を意識しないでおこうと思えば思うほ ど、ますます心の押さえがきかなくなってくる。
 中等部に入学する生徒たちが、友達同志で楽しくおしゃべりをしながら校門をくぐって来る。 初等部から進学する生徒、中学入試を突破した生徒、合わせて90名が集まった。 新しくなった制服に身をつつみ、みんな少し緊張しているようだ。 初等部からの生徒は、さすがに髪が長い!春風に揺れる 髪の先が、膝の後ろからふくらはぎをくすぐる。黄色のブレザー、白いブラウスにス クールカラーのワインレッドのリボン。ダークグリーン系のチェックのスカート。実は この新しい制服は、理愛がデザインしたものであった。滝のようにスーッと流れ落ちる 見事な黒髪が、少し短めのスカートから伸びる素足を更に際立たせている。野口は心臓 が飛び出しそうになるくらい興奮してきた。栗原は配布する書類を準備していたので、 野口がそんな気持ちでいることすら気づかなかった。髪が長い職員は、後ろで一つに束 ねて黒いネットに自慢の黒髪を押し込めていた。残念ながら素晴らしいロングヘアーを 堪能することはできなかったが、動物のしっぽのようになったネットの大きさが、野口 の想像力をことさらに刺激するのであった。そこへ一人の生徒がやって来た。
「先生、野口先生!」
その声に我にかえった野口は、生徒の方へ目をやった。
  野口「おーーっ、那由多! 那由多じゃないか!!」
目をやった先に見なれた笑顔があった。
  山城「先生、どうしてここにいるの?」
  野口「ここで仕事をすることになったんだよ」
  山城「へー、信じられない。こんなところで会うなんて。少し不安だったけど、先生と一緒
      だったら那由多すごーく心強いなー」
山城那由多(やましろ・なゆた)。覚えておられるだろうか。中等部の推薦入試で見事 に合格を果たし、入学式では新入生代表に選ばれた生徒である。 (参照 : 第16編
  野口「那由多、よかったなあ」
  山城「はいっ、先生のお蔭です。お母さんもすごく喜んでくれたし」
  野口「先生も心配したぞ。那由多のことだから、多分大丈夫だと思っていたけど、もしもダメ
      だったら大変なことになっていたもんなあ」
  山城「ホントに。先生は私の命の恩人です」
  野口「またゆっくりと話そう。もう始まる時間だから」
山城那由多は野口に促され、席に戻っていった。
生徒と親しげに話していた野口を見て、栗原が話しかけてきた。
  栗原「野口さん、あの子を知ってるの?」
  野口「うん。実はあの子に受験を勧めたのはボクなんですよ」
  栗原「へー、そうなんですか」
  野口「学生の時に、あの子の家庭教師をしていたんだ。どうしても京都女学院に合格させ
      なきゃならない事情があってね」
  栗原「公立へ行きたくなかったのね」
  野口「そうなんだ。地元の公立中学に進学すると、髪を切らなきゃならない」
  栗原「それってひどーい! まだそんな校則があるの? 信じられない」
  野口「校則はないけど、必ず部活をする決まりなんだ。それもほとんどが体育系
      のクラブで。だから必然的に長い髪をしているとねえ...」
  栗原「切らざるを得ないってことね」
  野口「そう。あの子の先輩たちも、中学生になって長い髪を切ってしまったという現実を見てる
      から」
  栗原「今日は髪をまとめているけど、入学式の時に見たの。すっごく長くて綺麗な髪だったわ。
      あの歳であんな長い髪をしているなんて信じられなかったもの。多分私と同じくらい
      じゃないかしら」
野口は思わず栗原に聞いてみたかったが、彼のメンタルブロックがそれを阻んだ。この 話題に触れずにおこう。そう思ったが、心の中では想像がどんどん膨らんでいった。栗 原が髪をまとめているので、どれくらいの長さなのかわからない。しかし、「しっぽ」 の大きさから想像すると、その長さは相当なものだと思った。一度だけ、那由多が髪を 解いたところを見たことがあったので、同じくらいだと言う栗原の髪の長さへの期待は ますます膨らんでいった。
  野口「他の私学も受ける予定だったけど、運悪く風邪を引いてしまって受験できなかったんだ。
      だから、結局この学校が最後の砦だったってこと。もちろん第一志望だけどね」
  栗原「それじゃあ、野口さんはあの子の長い黒髪の運命を握ってたってわけか。そう言えば、
      あの子の髪を学長もすごく誉めておられたわ」
何と言っても12歳にして2メートル7センチ。毛先まで瑞々しく潤いを保ち、全く先 細りしていない汚れなきワンレングス。まさに「天使の黒髪」である。職員の中には 『理愛2世』と噂する者もいた。那由多のお蔭で野口の気持ちも落ち着き、おまけに栗 原とも打ち解けることができた。ナユタはまさに野口にとって「天使」であった。

 時間になり、入学手続きが始まった。まずは入学の手続きの書類を一人ずつ提出させ る。野口と栗原は受付の席に着いた。生徒たちは二列に並んで、野口と栗原のところへ 書類を持ってくる。その書類を受け取って、不備がないかどうかをチェックするのであ る。机を挟んで生徒と向かい合う形になるが、野口の平常心は既にどこかへ吹き飛んで しまっていた。生徒が椅子に座ろうとして身を屈めた時に、必ずと言っていいほど前髪 が顔を隠すように流れ落ちる。それを両手でかき分けたり、顔を少し上向き加減にし て、左右に振って髪の乱れを直すのであった。お尻や足で自分の髪を踏まないように注 意して座る仕草も、野口にとっては余りにも官能的であった。ふわっと風に乗って漂っ てくるシャンプーの甘い残り香が、野口の集中力を妨げるには十分過ぎるほどの誘惑に なった。


感想をお送りください

ご 感 想 







2003.5.25(Vol.384) 初出___Cont.No.pon21    第22編へ 目次へトップへ

 入学手続きの書類を提出し終えた生徒たちは、各々席に着いた。少し広めの会議室にパ イプ椅子が並べられ、90名の生徒たちが渡されたパンフレットを膝の上に置いて座って いた。程なく伊藤がやって来て、受付の場所に着席した。間もなくオリエンテーションが 始まる。野口と栗原は生徒たちの後ろへ移動して、伊藤の話を聞く準備をした。ほとんど の生徒の髪は、床に着きそうなまでに長い。場内は見渡す限りのロングヘアー。制服も椅 子も、そして生徒の背中をもすっぽりと覆い隠している漆黒の滝を目の当たりにして、野 口は体が震えた。伊藤の話を聞いて丁寧にメモを取る栗原の横で、野口は暴走しそうにな る自分の心を必死で押さえていた。伊藤は入学式についての話や学校生活についての簡単 な説明を行った。生徒たちは説明に従いながらパンフレットをめくった。およそ1時間の 内容であったが、野口は用意していたメモを取るのも忘れていた。長〜〜〜〜〜い黒髪に 心を奪われ、説明の中身はほとんど頭に入っていなかった。わずかながら覚えていること と言えば、学校内では髪をまとめたりせずに、解いた状態にしておくこと。原則として、 膝よりも髪を長く伸ばすこと等であった。野口は那由多を見つめた。今は髪をまとめてい る彼女も、入学後は髪を解いて学校生活を送るのである。そんな場面を思い浮かべるだけ で、体中が熱くなってきた。
 オリエンテーションが終わり、那由多が野口のところへやって来た。
  山城「先生、疲れた」
  野口「1時間くらい我慢できなくてどうするんだ」
  山城「そんなこと言ってもー」
頬をふくらませ、まだあどけない表情で拗ねて見せた。
  山城「ちょっと先生、聞いた? 学校にいる時、髪を解くんだって」
  野口「規則だから仕方ないなあ。わざわざ髪をまとめる手間もいらないから楽だろう」
  山城「でも大変だよ...先生、那由多の髪、どれくらい長いか知らないでしょう?」
  野口「すっごく長いというのは知ってるけど...一度だけ見たことあるよ」
  山城「そうだった? あっ、そうそう。髪をまとめる時間がなくて、そのままで勉強を教えて
      もらったことがあったね。今はまとめてるけど、これでも2メートル以上あるんだよ。」
  野口「2メートルか。すごいなー。毎日大変だろう、そんな長い髪で」
  山城「うん、でももう慣れてるから。これからもっと大変になるもん。学校では髪、引きずった
      ままで歩かなきゃいけないから」
  野口「すぐ慣れるよ。最初はちょっと大変だけど」
  山城「髪のお手入れも、自分でできるように練習しなきゃ。今まではお母さんに手伝って
      もらってたから」
  野口「中学生になったからって、別にお母さんに手伝ってもらってもいいじゃないか。こんな
      長い黒髪しているんだから、一人ではできないだろう」
  山城「ううん、ちがうの。髪のことは全部自分でやれるようにしないといけないの」
少し嬉しそうな顔で那由多は言った。
  野口「どうして...?」
不思議そうに野口は聞いた。那由多はもったいぶるように言った。
  山城「寮に入るの」
野口は驚いた。家庭教師として那由多の性格までよく知っている野口は意外に思った。一 人っ子で甘えん坊の彼女が、親元を離れて生活する決心をしたなんて。寮生活をしなくて も、通学することは十分に可能なはずなのに、両親がよく承諾したものだ。
  野口「おまえ、本当に大丈夫か? どうして自宅から通わないの」
  山城「へへっ、自立したかったの。親から」
  野口「お母さんは反対しただろう」
  山城「うん。でもお父さんが味方してくれたから」
  野口「そうか。それなら自分で髪の手入れができるように頑張れよ」
  山城「はーい」
新しい生活に胸をときめかせる那由多であった。二人が話しているうちに、ほとんどの生 徒は既に会場を後にしていた。野口は、慌てて部屋を出ていく彼女の後姿を見送った。


澤田学長は仕事を終えて自宅へ戻った。いつものように書斎で本を読もうとしたが、理愛 のことが気になって部屋を訪ねた。

(ここからしばらくは、理愛嬢の言葉だけ青文字といたします。)

  澤田「理愛、入ってもいいかなあ」
  理愛「はーい、どうぞ」
澤田がドアを開けて理愛の部屋へ入った途端、足が止まった。部屋中が漆黒の海。
  理愛「あっ、ごめんなさい。今日、教えてもらったことをおさらいしているところなの」
足の踏み場もないくらいに広がった理愛の究極の黒髪。美容院へ行って、4メートル近い 髪のまとめ方をアドバイスしてもらい、それを自分でやろうとしているところであった。 澤田は娘のあまりにも長くて美しい黒髪に、しばし言葉も忘れて見入ってしまった。理愛 は慌てて部屋中に広がった黒髪を素早く手繰り寄せて、父の居場所をつくった。
  澤田「ほぉー、いつ見ても本当に綺麗だなあ」
  理愛「そう? いつの間にか、こんなに伸びちゃった。でも全然切ってないよ、お父さん」
自分の髪を見つめる父の気持ちを察して理愛は言った。
  澤田「そうか...」
安心したようにぽつりと言った。
  理愛「今日は疲れた」
  澤田「どうしたんだ?」
  理愛「友達のお母さんが美容院をやってるんだけど、そこに行ったの。今日は休みでお客
      さんがいないからって言うから」
  澤田「理愛のために、わざわざ時間を取ってもらったのか」
  理愛「そうなの。でも私が間違えてしまって...。お店の休みは今日じゃなくて明日だったの。
      だから私が行った時にはお客さんがいて...」
  澤田「相変わらずそそっかしいなあ。向こうも驚いただろう」
  理愛「うん、でも折角来たんだからと言って、アドバイスをしてもらったの」
  澤田「よかったじゃないか」
  理愛「だけど、それがもう...すごく恥ずかしかった」
  澤田「恥ずかしいって、何が?」
  理愛「だって私、注目の的だったもの。髪を解いてブラッシングしてもらっている時に、お客
      さんがみんな私を見るの。そしてそのうちにひそひそ話が聞こえてくるの。最初は
      うわーっとか、長〜〜〜〜〜いとか。そのあとは本当に切るのとか...。段々声が
      大きくなってきて、人も何故だか増えてきてね。中にはカメラを持っている人もいる
      のよ。もうどうしようかと思った」
  澤田「お客さんもびっくりしただろうな。こんなに長い髪を見たのは初めてだろうから。
      ましてや美容院に来たということは、その髪を切ると誰もが思うからなあ」
  理愛「お客さんの一人が、本当に切るの? 切っちゃダメだって美容師さんに詰め寄る一幕も
      あって。何だか私、客寄せパンダちゃんになったみたいで、早く帰りたかった」
  澤田「そうか。生まれて初めての美容院も、大変な経験だったってわけか」
  理愛「そう。だから今日はくたくた。でもお蔭で私に合ったまとめ髪が見つかったから、
      お仕事もこれでバッチリよ!」
  澤田「理愛、その髪のことなんだが...」
  理愛「髪がどうかしたの?」
  澤田「仕事の時も髪を解いたままでいなければならないんだよ」
  理愛「ええっ、そんな...。でも、どうして?」
  澤田「理愛は臨時職員とは言え、正式には身分は学生だ。と言うことは、学生の規則が適用
      される」
  理愛「つまり、学内にいる時は、髪をまとめてはいけないということ?」
  澤田「そうなんだ。今までは、その長さ故に理愛には髪をまとめることを認めてきたが、そう
      いう訳にもいかなくなる。ましてや父娘であるために無用な批判を招きかねない」
  理愛「えー、それじゃあこの髪を引きずりながらお仕事するの?大変だなあ」
  学長「そこでだ。前から本音を聞きたいと思っていたんだ」
  理愛「本音?」
  澤田「そうだ。理愛の黒髪は長さも艶も、学内では及ぶ者がいない。これは誰もが認める
      ところだ」
澤田は少し間をあけて、次の言葉を心の奥からしぼり出すように言った。
  澤田「その髪、どこまで伸ばそうと思ってる?」
理愛はしばらく考えて、長〜〜〜〜〜い黒髪を両手で束ねながら言った。
  理愛「わからない...」
  澤田「いつも髪の手入れをしているところを見るんだが、本当に大変そうに思ってねえ。
      理愛が好きで伸ばしているのは知っている。でも、その代償があまりにも大き過ぎる
      と思うんだ。休みの日だって、ほとんど一日を髪の手入れに費やしているだろう。
      若い女の子なら、外で楽しく遊ぶだろうに。将来は学校経営にも関わって欲しいし、
      そのためにはハードスケジュールもこなしていかなければならない。その長さでは
      大変だろう。勿論、もっと長く美しく髪を伸ばして欲しい気持ちは変わらないが、
      それはあくまでも第三者の立場からのものだ。もし理愛が、周囲の期待に応えようと
      して苦しんでいるのだとしたら、私としては本意ではない」
澤田は自分が相反することを言っていると知りながらも、苦しい胸のうちを明かした。理 愛は髪を指に絡めながら黙って聞いていた。
  澤田「髪を短くしたいと思ったことはないか。その長さを保っていくのに疲れていないか?」
  理愛「...」
  澤田「本音を聞かせて欲しい。別に今でなくてもいい」
  理愛「...」
  澤田「取り込み中に邪魔をしたね」
そう言いながら、澤田は部屋を出ていこうとした。
  理愛「お父さん...」
理愛の言葉を聞いて、澤田は改めて座り直した。
  理愛「私の髪、自分ではすごく好きだし、他の人にはない長さが自慢なの。でも、切りたい
      という気持ちもないわけではない。毎日のお手入れはとても言葉では言えないくらい
      大変だし、髪を風になびかせて歩けるくらいなら、どれほど楽でいいことかと思う。
      お父さんの言う通り、みんなの期待を裏切らないようにしなければと思って、これ
      までずっと切る勇気がなかったの...」
理愛は言葉の一つひとつを自分にも言い聞かせるように話した。
  澤田「そうだったのか。よく話してくれたね。私や学校のために髪を伸ばさなくてもいい。理愛
      が心底伸ばしたいと思えば伸ばせばいいし、短くしたければカットしても構わないよ」
  理愛「ほんと...?」
  澤田「ああ」
澤田は理愛の艶やかな長〜〜〜〜〜い黒髪を手に取りながら言った。
  澤田「それじゃ、切るか?」
理愛はゆっくりと頷いた。
  澤田「どれくらい?」
胸が締めつけられるような気持ちをぐっと堪えながら聞いた。理愛は右手を自分の膝のあたりにやった。
  澤田「そうか、わかった。それならば卒業認定を受けてからにしよう。前期集中講座をクリア
      すれば、秋にも要卒単位を満たすだろう」
  理愛「ええ。秋になれば...」
  澤田「でも、このことは誰にも言わないようにしておこう。理愛の大切な人にもな」
理愛は心のつかえが取れたのか、少し明るい表情になった。





 翌日、遂にあの男がやってきた。久しぶりに京都に戻ってきた中村は、新しい事業に携 わるにあたり、気持ちも新たに髪女の校門をくぐった。職員たちは笑顔で挨拶をして、彼 を歓迎した。中村は真っ先に学長室へ向かった。中村の姿を見た澤田は、両手を差し出し て握手を求めた。
  学長「いやー中村さん、よく来てくれた。本当に心強いよ。さあさあこちらへ」
澤田はソファーに中村を招き、自分も彼の斜め向かいに腰を下ろした。
  中村「気持ちを新たに頑張りますので、どうぞよろしくお願い致します」
  学長「こちらこそ、期待しています。よろしくお願いします。何と言ってもまだ始まったばかりだ。
      私の力不足で学校全体を混乱させてしまったが、どうしても理想の教育を目指したい。
      社会人として、持てる能力を存分に発揮できる女性を育成したい。
      是非とも力を貸して欲しいんだ」
  中村「わかりました。私も全力でやらせて頂きます」

「失礼します」
聞き覚えのある声がしたので、そちらの方を見た。
  中村「ああ、理愛さん。やっと来ましたよ」
理愛に笑顔で挨拶をした。理愛も嬉しさを隠しきれないようだ。
  理愛「中村さん、よく来て下さいました。本当にありがとうございます」
そう言いながら、コーヒーを二人の前に出した。中村は理愛の可愛らしい表情を見て、髪 女に来た自分自身の行動に間違いがなかったことを改めて感じた。すぐさま理愛の髪に目 をやって驚いた。
  中村「理愛さん、その髪」
  理愛「ちょっと大変なんですけどね」
  学長「学内のきまりだから仕方ないんだよ。でもね、ここにやって来るお客の驚く顔を見るのも
      楽しみだよ」
  中村「いやー、すごいですよ! その髪で仕事をするなんて。足元に気をつけないと、自分で
      髪を踏んでしまうよ」
なにしろ4メートルに達しようかという桁はずれの長さ。ソファーのそばにいる理愛の長 〜〜〜〜〜い黒髪は、しなやかに流れ落ち、長々と床を這った髪の先は入り口のドアの辺 りまで伸びていた。理愛はコーヒーをテーブルに静かに置くと、膝を少しかがめながら、 床に長々と横たわった漆黒の帯を足に絡まないように手で持ち上げた。そしてゆっくりと 自分のデスクまで歩いた。理愛が移動しても、髪の先の方は床に広がったまま動かなかっ た。
  中村「学長、これじゃ理愛さんは大変ですよ。でも素晴らしいスーパーロングヘアーをいつも
      見ることができるので、個人的にはいいんですけどね」
  学長「理愛には気の毒だが、規則だからなあ。まあここは、うちのピーアールに一役買って
      もらおうか。午前中に来客があってねえ。大層驚いていたよ。この髪を見て」
学長は満足そうに言った。理愛は自分のデスクから、今朝のことを説明するように言った。
  理愛「お客様にコーヒーをお出しした時に言われたんですよ。いくら何でも、そこまでしなくても
      いいのにですって。私がわざわざウィッグを着けていると思われていたそうなんです」
  学長「すかさず言ったよ。これは私の娘で、髪も正真正銘の本物だと。相手はしばらく声が
      なかったよ」
  中村「そりゃそうでしょう。誰だって信じられませんよ。これが本物だって」
  理愛「それからは要件もそっちのけで、私の髪のことばかり。触らせて欲しいとおっしゃったので、
      快くオッケーしたんですけど、髪を首に巻いたり頬づりしたりで、もう独走状態だったん
      ですよ」
髪を触られても、厭な顔をせずに期待に応える理愛自身も嬉しそうだった。
  学長「どうやら私どものファンになってもらったよ。ハハハハハッ」
  中村「理愛さんの髪はすごい武器ですねえ」
学長と共に笑う中村であったが、心のどこかで理愛の髪を他人に触られることに素直に喜べなかった。 学長は上機嫌で理愛にコーヒーのおかわりを頼んだ。
  中村「学長はコーヒーが好きですねえ」
  学長「まあね。こうしてクラシック音楽を聴きながら、ゆっくりとした時間を持つのが好きでねえ」
  中村「これは確か田園交響曲でしたよね」
中村は静かに流れる音楽の旋律を頭のなかでなぞった。
  学長「よくご存知だねえ。その通り、ベートーヴェンの第6番だよ」
  中村「この音楽を聴いていると、心が静まっていい感じですね」
  学長「そうなんだ。牧歌的な雰囲気に浸れるから、なかなかいいもんだよ」
  中村「そう言うと、ベートーヴェンもコーヒーが好きだったようですよ。しかも彼は召使に、
      自分が毎朝飲むコーヒーは、ちょうど60個のコーヒー豆で作らせていたそうです。
      その豆を一つひとつ自分で数えていたほどの愛好家だったとか」
  学長「へーえ、そうなんですか。中村さんは雑学博士だねえ。ああ、そうだ。中村さん、
      まずは職場を案内しましょう。理愛、頼んだよ」
  理愛「はいっ」
この時を待ちかねていたかのように、嬉しそうに返事をした。中村のために用意された部 屋は、事務所を挟んで学長室とは反対側にあった。広さは学長室とほとんど変わらず、中 村の実質的な待遇を思わせた。
  中村「理愛さん、本当に大変だねえ。移動するたびにそのかっこうじゃあ」
  理愛「何だか平安時代のお姫さまになったみたいです」
そう言いながら、理愛は部屋を出て、長〜〜〜〜〜い黒髪をそろそろと両手で手繰り寄せ ると左腕にクルクルと巻きつけた。まずは髪をさばかないとドアを閉められない。そして 理愛自身も身動きが取れないからだ。理愛の黒髪からシャンプーの残り香がほのかに漂っ てくる。横浜で会った時と同じだと中村は思った。
  中村「なるほど」
  理愛「こうでもしないと、普通に歩けないから」
  中村「髪を引きずるのは部屋にいる時だけですか?」
  理愛「ええっ?」
  中村「折角お姫さまになったんだから、どこへ行くのもお姫さまでいるのはどうかなあ」
中村の期待はよくわかったが、理愛もまだ慣れないために、そこまでする余裕がなかった。
  理愛「慣れてきたら考えようかなあ。でも、階段を上り下りする時なんて、どうしていいのか...」
中村は想像した。踊り場から階段の下へ漆黒の絨緞を敷き詰めるように流れ落ちる理愛の黒髪を。


  理愛「ここが中村さんの職場です。中村さんのパートナーも紹介しますね」
そう言って、部屋のドアを開けた。中村が部屋に入ると、見覚えのある笑顔が彼を出迎えた。
  中村「ああっ、これはこれは。香理奈さん、久しぶりですねえ!」
中村の秘書役として活躍する女性というのは、自動車販売会社で営業をしていた 豊田香理奈であった。中村が髪女の卒業生を取材した時以来の再会である。
  豊田「ご無沙汰しています。中村さんとお仕事がご一緒にできて、とても光栄です。精一杯頑張り
      ますので、どうぞよろしくお願います」
  中村「あのシートベルト以来ですねえ」(参照 :
第12編
  理愛「えっ、シートベルト?」
横で話を聞いていた理愛は何のことやらわからずに、不思議そうな顔をした。
  中村「いやいや、こちらの話」
中村は理愛が傍にいることをうっかり忘れていた。慌てて誤魔化したが...。香理奈を 見て、少し感じが変わったのに中村は気づいた。
  中村「あっ、香理奈さん。髪...」
  豊田「ええ、ちょっとね」
中村は少し複雑な表情になった。可愛らしくなったことは確かだが、髪を切ったことに動 揺して、どのような言葉で答えたらいいのか戸惑ってしまった。
  豊田「前髪をつくってみたんですけど...。やっぱり今の表情を見てると、切らないほうが...」
  中村「いやいや、すごく可愛らしい感じですよ」
  理愛「それじゃ中村さん、私はこれで。香理奈、よろしくね」
  豊田「はい、どうもありがとう。あっ理愛、足元に気をつけてね」
  理愛「うん、ありがとう。では失礼します」
  中村「理愛さん、どうもありがとう」
理愛が戻っていったあと、香理奈は早速仕事の打ち合わせに入ろうとした。中村はまず、自分のデスク の椅子にゆっくりと座った。
  豊田「中村部長、私のほかに3名のスタッフを紹介しておきます。彼女たちはまだ現役の学生
      なんですけど、成績も優秀だし、就職するまでにもっと勉強したいと思っていますので、
      私共々色々と教えて下さい」
  中村「こちらこそ、よろしく。あっ、香理奈さん。少し短くなったね」
中村は香理奈の後姿を見て言った。
  豊田「やっぱり、わかりますか。床に着いてしまうくらいだったから、毛先を揃えたんですけど。
      でも5センチくらいですよ。すごく細かいところまで目が届くんですね」
  中村「長〜〜〜〜〜い黒髪を愛する者としては、たとえ1センチでも髪が短くなってもわかるよ。
      できることなら切って欲しくないからね」
  豊田「中村部長の期待に添えるように、これから頑張ろうかな...。私よりもっと期待に応えて
      いるスタッフを紹介しますよ。みんな、ちょっとこちらに来て」
香理奈に呼ばれて、奥のブースから3人の女性が出てきた。
  豊田「スゴイでしょ、ほらっ!」
  中村「これはスゴイやー。うわーっ、3人ともスゴイねえ、その長さ!」
これも学長の配慮だろうか。現役女子大生で、ビジネスコースで学ぶ成績優秀者である が、髪長美女としても、申し分ない素晴らしさである。
  豊田「私なんかよりもずっと素敵でしょ? 3人とも髪女の生え抜きなの。ずっと髪を大切に
      してきただけあって、現役の学生ではこの3人がベストね。もっとも長さでは理愛には
      及ばないけど」
この素晴らしい超ロングヘアーのスタッフに囲まれて、中村は平常心でいられないくらいに心が踊った。


感想をお送りください

ご 感 想 







2003.7.11(Vol.399) 初出___Cont.No.pon22    第23編へ 目次へトップへ

 中村は3名のスタッフと挨拶を交わして、奥の部屋へ入っていった。髪長統括部として 用意されたオフィスは、部屋を入ったところに香理奈やスタッフたちのデスクがあり、そ の隣にコンピュータルーム、更にその奥の部屋が統括部長室になっている。中村は香理奈 に案内されて、自分のデスクに腰を落ち着けた。香理奈は嬉しそうに中村を見た。

(ここからしばらくは、豊田香理奈嬢の言葉だけ青文字といたします。)

  中村「どうしたの?何かすごく嬉しそうだけど」
  豊田「ええ。中村部長とご一緒にお仕事ができますから」
  中村「またまた...営業をやっていると、お世辞もうまくなるんだなあ」
  豊田「お世辞じゃありませんよ。本当に色々と教えてもらいたいと思っているんですから。
      どんな事でも指摘して下さい」
  中村「こちらこそ便りにしているよ。ところで一つ...」
  豊田「はっ?何か...」
上体を斜めに倒しながらキョトンとして立っている香理奈を見ると、右手をすーっと伸ば した。髪の先が足首のあたりで揺れている。
  中村「ほらっ」
  豊田「あらっ、どうもすいません」
中村は親指と人差し指で彼女の抜け毛を一本つまんで見せた。
  中村「髪長統括部のスタッフは、髪女を代表するほどの素晴らしい黒髪をしていてもらいたい。
      だから抜け毛が垂れ下がっていたり、髪が絡まっていたりしたら折角の魅力も半減
      してしまうからね」
  豊田「はい、わかりました。これからは十分に気をつけます」
  中村「スタッフのみんなにも徹底して欲しい。どうしても来客が多くなるのでねえ。この
      オフィスから変えていこうと思っているんだ。お客様を魅了できるようにしたい。
      これが我々のアイデンティティーであり、強烈なアピールにもなるからね」
  豊田「そうですね」
  中村「だから香理奈さん、ボクはこの部署の責任者として、毎日スタッフの髪をチェック
      するよ」
  豊田「わかりました。私たちも、これまで以上に髪に磨きをかけますから」
  中村「早速だけど...」
香理奈は十分に心得ているようで、素早く両手を首の後ろに回して髪を束ね、その髪を右 手にしっかりと握り直して中村の前に差し出した。中村は香理奈の髪を左右の手で受け止 めた。
  中村「うーん、綺麗だ!よく手入れしてあるよ。あの時と変わらない感触だね」
長〜〜〜〜〜い黒髪を触られている香理奈は嬉しそうだ。
  豊田「そんなふうに仰ってもらえると、頑張ってお手入れしてよかったなって思います」
中村の指の間を、香理奈の艶やかな黒髪がきらきらと輝きながら何度もすり抜けていっ た。しなやかで傷みがない黒髪は絡まることもなく、髪の先まで気持ち良さそうに梳かさ れていく。香理奈は髪の手入れに人一倍入念にしてきたので、その美しさには自信を持っ ていた。毛先をカットしたことで、彼女の髪はわずかな動きにも瑞々しく揺れ動いた。中 村が指通りを確かめていた手を止めた。じっと毛先を見つめいてる。
  豊田「あの...どうかなさいましたか。髪、傷んでますか」
  中村「いや、綺麗だよ...」
香理奈は、中村が何か言いたそうにしていると思った。
  豊田「部長、気になることがあれば、何でも仰って下さい」
少し不安そうな口調で聞いてみた。
  中村「香理奈さん、もう髪は切らないで欲しいんだ」
中村はぽつんと言った。切ったといっても、髪の先を数センチ揃えただけなのに...。 香理奈は中村の言葉に戸惑った。
  中村「ボクのわがままかも知れないけど、そうして欲しい...」
香理奈は、中村の真剣な表情を見て、心の自由が利かなくなっていく自分を感じていた。 中村の瞳が心なしか少し赤くなっているようだった。
  中村「たとえ少しだけであっても、長い年月を経て成長してきた黒髪だ。それが切り落と
      されるのが悲しくて...。ずっと生き続けている身体の一部なんだ。日に日に成長して
      輝いているんだよ。そんな黒髪が切られると、胸の奥が本当にキューッと締めつけられた
      ように痛むんだ」
  豊田「部長...」
香理奈は何も言えなくなってしまった。でも、こんな人は初めてだ。ここまで長い黒髪に 愛着があり、これほどまでに感情移入している人はいない。私たちよりも、長〜〜〜〜〜 い黒髪を愛して止まない気持ちが強いのではないだろうか。香理奈の髪を持つ手が少し震 えていた。
  中村「いや、すまなかった。髪を伸ばすのもカットするのも、本人の自由だよね。ちょっと
      気持ちが高ぶってしまって...」
  豊田「部長...私、それほどまでに長い黒髪を愛していらっしゃるとは思いませんでした」
  中村「申し訳ない。毛先が揃っているのも、すごく素敵だよ」
  豊田「無理しないで下さい。私、伸ばします」
香理奈は明るい弾んだ声で言った。
  中村「香理奈さんの負担にならないかい?」
香理奈は思った。この人のために髪を伸ばそうと。これまではみんなが伸ばしているか ら、自分もそれが当たり前のような感覚で長くしていた。しかし、自分が髪を伸ばすこと で、身近にいる人を喜ばせることができると感じた瞬間に、それが新たな目標になった。 こんなに長い黒髪を愛してくれる人のためなら、いつまでも伸ばしつづけようと心に決め た。彼女は中村の純粋な気持ちに魅せられていった。
  中村「ありがとう。心から感謝するよ」
胸のつかえが取れたような爽やかな表情になった。
  豊田「ここのセクションでは、髪を伸ばし続けなければいけないことにしましょうよ」
香理奈は楽しそうに自分の提案を話した。
  中村「そうしようか。でも学長と対立しないかなあ」
  豊田「学長と?どうしてですか」
  中村「学長は毛先を揃えながら長く伸ばしたり、その長さを綺麗に保ったりする主義だか
      らなあ。髪の美しさは毛先の10センチで決まると断言して憚らない人だから」
  豊田「言われてみればそうですねえ。でも部長はあくまでも長く伸ばす主義なんですね」
  中村「そうだね。だから髪長憲法も『膝下主義』を『床下主義』に改めたいくらいだよ」
  豊田「床を引きずる黒髪ですね」
  中村「それそれ!でもそれほど多くいないんだろう?」
  豊田「中等部では十数人、高等部ならもう少しいると思いますけど」
  中村「それだけいるんだね。いや、すごいよ」
  豊田「大学ではみんなFL認定以上ですよ!」
  中村「へーっ、FLということは、身長よりも長いってこと?!」
  豊田「ええ。だって大学では髪の長さが180センチ以上なければ、卒業資格が
      与えられませんから

中村は思わず香理奈の話に身を乗り出した。
  中村「すごい制度があるもんだねえ。これは一度大学へも見学に行こうかなあ」
  豊田「学生たちはみんな髪を引きずりながら歩いていますから。21世紀の世の中
      とは到底思えない光景ですよ」
香理奈は、中村がそんな光景を見て驚いている姿を想像してしまった。何とも大胆なこと を事もなげに言ってしまう香理奈を、中村は真顔で見つめていた。
  中村「髪長統括部長として、早く学長の力量に追いつきたいなあ」
  豊田「力量と言いますと...」
  中村「学長は目を閉じていても、髪を触っただけで傷み具合がわかるんだ。それに髪の
      水分量も、ほぼ言い当ててしまう」
  豊田「さすが学長ですねえ」
  中村「だから学内全員の髪を触って、その感触を磨こうと思うんだ。全員が素晴らしい
      ロングヘアーの学生として育てていきたい。勿論それ以外にも仕事は山積みだ
      けどね」
  豊田「はいっ。私も有能な秘書になって、部長をサポートします!」


中村は明日のスケジュールを確認した後、スタッフの女性たちとゆっくりと話す間もな く、学生寮へ向かった。車で5分ばかり走ったところにある。ここが中村のもう一つの仕 事場であり住居でもあった。
車を運転しながら、学長から課せられた案件のことを考えていた。スタッフのこと、測定 会の認定制度のこと、教育カリキュラムのこと、校則のこと。その他にも中村に課せられ た課題はたくさんあった。すべて旧京都女学院の制度を見直す作業である。理想に近づけ るために、現状に合わなくなったところは変えていかなければならない。まずは明日の会 議までに、新しい学校名と髪長財団の事業案を考えなければならなかった。


感想をお送りください

ご 感 想 







2003.8.11(Vol.409) 初出___Cont.No.pon23     目次へトップへ


 学生寮に到着した中村は、寮の管理をしている初老の女性に挨拶をして、自分の住まい となる部屋に案内してもらった。思ったよりも素晴らしい住環境に驚き、澤田学長の自分 に対する配慮に感謝したい気持ちであった。このところ慌ただしい日々が続いたので、少 し身体が重く感じていた。しばらく仮眠を取ろうとしたが、次々に訪れる来客がそれを許 さなかった。それでも1時間ばかりまどろんだであろうか。先ほどの初老の女性から来客 があることを告げられ、不機嫌そうな目を擦りながら談話室まで歩いて行くと、歓声を上 げて手を振る二人連れがいた。
  中村「何だ、誰かと思ったらキミたちか」
     「うわーっ、それってすごく失礼ねー」
中村の気のない出迎えに、二人は頬をふくらませた。
  中村「いやー、ごめん。悪かったよ。そういうつもりじゃないんだけど、ちょっと寝起きでねえ...。
      でも久しぶりだねえ、美咲さん」
  美咲「中村さんが来たっていうから、私たち事務所へ行ったのよ。そしたらここだっていうから、
      こうして会いに来たのに」
  中村「それはどうもありがとう。この通り、長い黒髪に魅せられて京都まで来てしまったよ」
美咲と一緒に来た生徒にも笑顔で挨拶をした。顔なじみではあったが、名前は知らなかった。
  中村「キミはあの時の引きずりっ子さんだよねえ」
初めて髪女を取材に訪れた日、遅刻寸前に校門へ駆け込んできた生徒である。(
第2編
  美咲「ちょっと中村さん。引きずりっ子だなんて、いくら髪が長いからって...。私の親友で
      クラスメイトの豊田さんよ」
  豊田「あの時はどうも」
人懐っこい笑顔はあの時と同じであった。
  中村「豊田さんか。よろしくね。名前は?」
  豊田「七つの星と書いて七星(ななせ)と言います」
  中村「へーっ、七星さんか。綺麗な名前だねえ。七星さん、ひょっとして香理奈さんの...」
  美咲「ピンポンピンポ〜ン」

(ここからしばらくは、美咲ちゃんと七星ちゃんの言葉を青文字と紫文字にいたします。)

七星は頷いて笑っている。
  中村「そうだったのか。似てるもんねえ。じゃあ双子の姉をもつ妹ってことか」
  豊田「そうです」
  美咲「だから入学手続きが終わってから、なっちゃんのお姉さんのところへ行ったのよ」
  中村「それでここまで来てくれたのか」
中村は少し視線を落とした。
  中村「でもそれ、すごいなあ。前よりも短くなってないか?」
  美咲「似合うでしょ。もうみんなミニなんだから。これが標準の制服になったんだもん」
  中村「ほ、ほんと?。うーん、でも白い脚線美と膝下まで伸びた長い黒髪のコントラストが良いねえ」
爽やかなお色気を漂わす新しい制服は、女子生徒たちに好評のようである。
  豊田「スカートはミニのほうがカワイイですよ」
  美咲「そうそう。脚も長く見えるしね。これ、気に入ってるの」
  豊田「ねーっ」
  中村「そういうものかなあ。何でもカワイイというのがキーワードか」
中村はどうしても二人の髪に注目してしまう。七星は2メートルを超える長さなので、後ろで一つに束 ねてネットの中に押し込んでいた。
  中村「七星さんの髪は2メートル以上あるんだったよねえ。初めて取材に来た時、手品みたいに
      髪をかばんから取り出していたもんね。あれには本当に驚いたよ」
  豊田「朝起きてから髪のお手入れに時間がかかってしまって、いつも学校はギリギリなんです」
  美咲「なっちゃんはいつもとろいからねー」
  豊田「そんなことないよ。髪をいたわりながらブラッシングしているからよ。美咲みたいに乱暴
      じゃないもん」
  中村「まあまあ...。そんなことより、もう3年生だろう。将来の進路のことも考えないといけ
      ない時期じゃないのか」
二人は真剣な顔に戻って頷いた。
  美咲「そうなんだけど...。まあ大学に入ってからかな」
  豊田「うーん、私もそうかなあ」
  中村「何を言ってるんだい。どうせ二人とも大学に入っても勉強するつもりはないんだろう」
  美咲「そんなことないもん。本を読んだり、旅行したり...」
  豊田「留学なんかして、たまに旅行で南の島なんかへ行ってね」
  美咲「そうそう。それと他の大学と合コンとかやって、カッコイイ彼氏とか見つけてさあ」
  豊田「うわー、何かワクワクしちゃうよねー」
  中村「あーぁ。何言ってんの。髪女の生徒だけは見込みがあると思っていたのに...。
      がっかりだよ」
  美咲「でも、勉強もちゃんとするもんね」
  豊田「うん」
  中村「何の?」
  美咲「そりゃあ、その...」
二人とも調子の良い話は、いつの間にかどこかへ消えてしまった。
  中村「日本の学生の多くは、キミたちと同じなのかなあ」
  豊田「外国でも同じじゃないんですか」
  中村「そうじゃないさ。留学していた時に思ったんだけど、アメリカの学生は本当によく勉強する。
      社会に出た時の目標がはっきりしているから、役立つ知識を身につけるのに意欲的なんだ。
      ところが日本では、入学するのは大変だけど、その反動で学ぼうという意欲がない。結局
      社会に出るまでの貴重な時間を無駄にしてしまって、社会人になってから再教育が必要に
      なるんだ」
  美咲「そう言われれば、その通りかもね」
  豊田「でも大学に入ってから、自分の進路をじっくりと考えてもいいんじゃないですか」
  中村「日本では通用するかも知れないけど、目標を決めるのは早い方が良いに決まっている。
      例えば、フランスではねえ、大学入試を受ける前に、大学で勉強するに値する人物かどうか
      を見極める試験があるんだよ」
  美咲「えーっ、うっそー」
  中村「本当だよ」
  豊田「うちだったら,髪が膝下よりも長いっていうことかな...」
  美咲「まあ、そんなところね」
  中村「そんなもんじゃないよ。これに合格しないと、入試を受けることができないんだ」
  美咲「フランス人でなくてよかった」
  豊田「でもフランス人だったら、ここまで髪を伸ばすと、今よりもずっと綺麗だろうなー」
  美咲「あー、そうよねー」
  中村「よく話が脱線するなあ」
真剣に話している中村も、少し呆れぎみである。
  美咲「あっ、ごめんなんさーい。で、中村さん、それって、どんな問題なの」
  中村「こんな問題があるんだ。先入観は間違っているか。とか、あらゆる事柄は正当化できるか。
      とかね」
  美咲「何それーっ?」
  豊田「すごく抽象的な問題ですね」
  美咲「答えは?」
  中村「答えはない」
  二人「ええっ...」
  中村「これにイエスかノーかで答えるんだけど、どちらでもいいんだ」
  美咲「なーんだ。超カンタンじゃない」
  中村「なかなか。これは思考力を問う設問なんだ。つまり、イエスでもノーでもいいんだけど、
      何故自分はそのように考えるかをきちんと述べなければならないんだ」
  豊田「それって、普段はあまり意識していないですよねえ」
  中村「丸暗記ばかりで考える力がない者は、大学で学ぶ資格はないってことだよ」
  美咲「厳しいなあ」
  中村「髪女もそんな入試にしていこうかな」
  美咲「そんなのダメよー。そしたら私、入試担当の先生に長〜〜〜〜〜い黒髪を頭からバサーッて
      被せて誘惑しちゃうから」
  豊田「私も髪でグルグル巻きにしてあげる」
  中村「それなら二人とも合格にしてあげるよ、ハハハハハッ」
これには二人ともずっこけてしまい、しばらく笑いが止まらなくなってしまった。

  中村「今日は珍しくアップにしてまとめているんだね」
  美咲「ふふーん、ちょっと雰囲気が違って良いでしょ」
  中村「そうだね。でも髪をなびかせて歩く姿の方がもっと素敵だけどなあ」
  美咲「そうかなあ...」
美咲はそう言われて、嬉しそうに髪を解き始めた。
  美咲「本当はね、中村さんに髪を見て欲しかったの」
ヘアピンを抜いて、両手で何度も髪をほぐしながら中村を見た。美咲は中村の表情を見 て、ふくらはぎまで伸びた自慢の黒髪を誉めてもらいたかった。
  中村「綺麗だねえ」
その一言を待っていた。中村から「とろけるような素晴らしい感触」と言われたことが、 美咲には余程嬉しかったのだろう。
  美咲「中村さん、ちょっと触ってみて」
中村は美咲の髪を両手でそっと持ち上げた。
  中村「あーっ、この感触だよ!」
  豊田「中村さん、すごく実感こもってますね」
  中村「そうだな。長〜い黒髪との出会いが人生を変えたからなあ」
美咲のシルキーヘアーを右手に持ち、それを左腕にグルグルと巻きつけた。その無邪気な 姿が、彼女たちには可笑しかった。誰が見ても中村の素振りは明るくて、これっぽっちの 嫌らしさもない。長い黒髪について真剣に語り、心からの愛情を注ぐ。そんな中村だから こそ、生徒たちも彼に対して親しげに接するのだろう。
  豊田「いいなあ、美咲の髪。ツヤツヤだもん」
  中村「七星さんの髪も負けないくらい素敵じゃないか」
  豊田「私の髪はただ長いだけだから。こんなにツヤもないし」
  中村「何を言ってるの。ただって、そんなことないさ。かばんからスルスルと引っ張り出して
      いたあの長さは感動ものだったよ!」
  豊田「ほんと?」
  中村「ああ、本当だよ。髪を引きずりながら教室へ走っていく後姿は、今でも頭にしっかりと
      焼き付いているからねえ」
  豊田「そうなんですか。私の髪が中村さんを感動させたのか」
美咲と楽しそうに話す中村との距離を感じた七星であったが、自分の話題になると、自然 とその距離も縮まったように思った。そして美咲のツヤ髪に少し劣等感を持っていたが、 中村の言葉に励まされて、自分も中村に認めてもらったのだという満足感に包まれた。
  中村「ずっと伸ばすんだよ」
  豊田「はいっ!」
  中村「お姉さんたちに負けないでね」
七星は笑顔で大きく頷いた。





 二人が寮を出て、また元の静寂に戻った。部屋で大の字に なったが、手をかざしてみると、美咲の髪の残り香がかすかに漂ってくる。眠るどころ か、リアルな情景が心のスクリーンに映し出され、ますます目が冴えてきた。しかし寮は 静かだ。今日までに全生徒たちの入学手続きが終わり、明日から寮生たちも戻ってくると いうことだ。そのために、今夜はこの静寂の中で過ごすことになる。日が沈み、辺りが陰 りだした頃、中村を訪ねる女性がいた。部屋を出てみると、女性スタッフの一人が立って いた。中村は彼女を応接間へ招き入れた。
  中村「さっきはゆっくりと話す時間が取れなかったねえ。えーっと、斎藤さんだったよね」
  斎藤「はい、そうです。実は私、この寮から通っているんです。それで部長にご挨拶をしよう
      と思いまして」
  中村「そうだったのか。それはわざわざどうも。こちらこそ、よろしく頼むよ」
中村のスタッフ見習として配属された3名のうちの一人である。まだ大学の4回生であっ た。彼女の名前は斎藤美森(さいとう・みもり)。澤田学長が選抜しただけあって、成績 は優秀で、しかも髪質は絶品である。いつもは明るく朗らかな性格で、コツコツと何でも やっていく根気強い女性である。

(ここからしばらくは、斎藤美森嬢の言葉だけ紫文字といたします。)

  中村「斎藤さんたちスタッフには期待しているよ。特に学校の状況や生徒たちの本音を聞かせ
      てほしいと思っているんだ」
  斎藤「わかりました。こちらこそ、よろしくお願いします」
  中村「ところで単位は大丈夫なの?」
  斎藤「はい、それは大丈夫なんですけど...」
  中村「けど...どうしたの」
  斎藤「就職がちょっと...」
重苦しそうな口調に、彼女の表情も曇った。
  中村「就職?そんなに厳しいのかい」
  斎藤「ええ。友達と話していると、みんな不安そうです」
  中村「もう動いているんだろう」
  斎藤「セミナーなどもいくつか参加してますけど」
  中村「卒業生は就職率100パーセントだし、心配要らないんじゃないの」
  斎藤「そんなことないです」
とんでもないといった顔で両手を振った。
  斎藤「セミナーに参加して、ちょっとブルーになりました」
  中村「どうして?」
  斎藤「応募しても、それから何の連絡もないし、それにやっぱり髪が目立っちゃって。三つ編み
      にして頭の上でまとめて出かけたんですよ。自分ではうまくいったと思っていたら、
      会場では注目の的で...。何あれって感じで私を見るんです。ヒソヒソ話で、ヤドカリ
      みたいって言われてしまったり...」
  中村「そんなの気にすることないよ。髪じゃなくて人物本位なんだから」
  斎藤「そうは言っても、現実は厳しいですよ。逆に必ず髪女の学生を呼ぶ企業もあるんです」
  中村「それはいい会社じゃないか」
  斎藤「そうでもないんですよ。先輩の話では、面接に呼んで髪のことばかり質問されて...。
      人事担当の趣味みたいですね。そして極めつけは、その長い髪で仕事ができるかどうか
      やってみてくれないかって言われて、わざわざ髪を解いて筆記試験を受けさせられた
      そうなんですよ。そんなことまでさせて、先輩は採用されなかったんですから」
  中村「ちょっとやり過ぎだと思うけど、その先輩はたまたま不採用だったとか...」
  斎藤「そうじゃないみたいです。先輩の話では、髪女から10名が応募したそうですけど、誰も
      採用されなかったんです。でも、また今年も求人が来てるんです」
  中村「まあ、今年は2期生だし、就職に関してはきっちりと調査をして、真剣に採用を考えて
      いる企業を開拓していかなければと思っている。しかし...この超ロングヘアーが
      就職活動に支障があるとはなあ。髪女の学生は、それが魅力なんだけどなあ」
  斎藤「現状では、みんな髪型で悩んでいます。前期で単位を取ってしまう子が多いので、その
      時点で卒業認定をもらうんです。ワン・エイティーがあるので、それまでは髪を切る
      ことができませんから」
  中村「それは確か180センチ以上ないといけないというヤツだね」
  斎藤「そうです。卒業が決まれば、切る子もいます」
  中村「...」
  斎藤「当たり前ですけど、みんな切りたくないんです。私もそうです。でも、去年は切った先輩も
      いました。膝下くらいまで切って、髪をまとめ易くするんです。そして入社したら、
      ウエストくらいの長さになってしまって...。引きずるくらい長かった髪が、肩にかかる
      くらいになってしまった人も見ました。もうすごくショックでした」
話を聞きながら、その場面を想像しているかのように、中村は渋い表情になった。
  中村「うちと提携している企業だと、そのあたりは理解があると思っていたんだけどねえ」
  斎藤「そうでもないようです。いくら高校時代に職業体験で学生を受け入れてくれても、それは
      一時的なことですから。就職となると、周囲の目も気になるし、仕事以上に疲れるそうなん
      です。だから私も...そろそろ決心をしないと...

 斎藤の表情は冴えない。希望を抱いて社会人としての第一歩を踏み出そうとしているの に、ここへ来て、今まで大切に育て上げてきた自慢の長〜〜〜〜〜い黒髪と自分の将来を 天秤にかけなければいけないという悲劇。彼女たちにとって、何という非常なまでの試練 だろうか。髪女の学生たち全てが直面している問題から、どんなことがあっても「女の 命」を守らなければいけないという強い決意が、中村の胸の内に燃え上がっていた。斎藤 の言葉を受けて、中村は静かに訪ねた。
  中村「斎藤さん、決心と言ったね」
  斎藤「ええ...」
  中村「先輩の真似をすることなんかないよ」
  斎藤「でも、本当にこのまま就職がうまくいかなかったらと思って」
斎藤は迷った。中村に話すべきかどうかを。でも、思っていることを聞いてもらうだけで も気持ちが楽になると思って、話してみることにした。
  斎藤「中村部長、私...あの私、できれば髪女で働きたいんです!そうすれば髪の心配も要ら
      ないから。理愛さんが羨ましいです。もう髪女の職員なんですから」
中村も卒業生の多くを髪女で受け入れたいと考えていた。澤田学長も同じ考えだ。だから 財団で行える事業を考えて、数多くの雇用を創り出す計画を進めているところであった。
  中村「そうか...。斎藤さんにも、そして髪女の卒業生にも髪を切らせたくない。絶対にそんな
      ことをさせない!」
自らの決意を込めて中村は言った。
  中村「斎藤さんの髪、まとめているけど、見ただけで艶やかな髪だということがわかるねえ」
  斎藤「ありがとうございます」
  中村「履歴書を見たんだけど、3メートル60センチもあるんだって!
      本当に素晴らしいねえ」
斎藤は豊かな黒髪をルーズに編んで、幾重にも折り返してまとめていた。その髪の艶やか さは見た目にも明らかであった。
  斎藤「部長のスタッフ見習に選ばれて、すごく嬉しいんです。だから一生懸命がんばって、
      職員になれるようにしたいです!」
  中村「学長はキミたちスタッフに働いて欲しいから選んだと思うよ。とにかくがんばってみる
      ことだよ。でも、さっきの話、就職活動の状況や卒業生たちのことは気になるから、
      調査してみよう」
  斎藤「是非お願いします。何か部長のお時間を取ってしまって申し訳ありませんでした」
  中村「そんなことないよ。これからもボクにできることがあれば応援するから。スタッフとしても
      期待してるからね」
  斎藤「はい、それでは私、これで失礼します。どうもありがとうございました」


 小柄な彼女は背中に三つ編みの束を揺らしながら中村の部屋を出ていった。中村は斎藤の 話を聞いて、まだまだ自分のやるべき仕事があると改めて実感した。そこへ電話がかかっ てきた。秘書の香理奈からであった。
  豊田「部長、明日の会議の資料を先ほどファックスしておきました」
  中村「ちょっと待って...ありがとう、確かに届いているよ」
  豊田「明日の会議で、全ての議題は無理だと思いますので、第一と第二の議題について検討
      しておいて下されば大丈夫だと思います」
  中村「さすが香理奈さんだね。資料もよくまとまっているよ。細かいところまで気がつくねえ」
  豊田「いえ、そんなこと...。まだまだですから、必要なことは仰って下さいね」
  中村「わかった。こちらにきて仮眠を取ろうと思ったけど、来客が多くてねえ」
  豊田「ひょっとして、妹がお邪魔しましたか...」
  中村「ああ、来たよ。おしゃべりの親友と二人でねえ」
  豊田「神崎さんですね。彼女がすごく部長に会いたがっていたものですから、そちらの場所を
      ついつい教えてしまったんです。申し訳ありませんでした」
  中村「いやいや、気にすることないよ。こちらも楽しい時間を過ごせたからねえ。妹さん、
      しっかりしてるじゃないか。それに髪もお姉さんよりも長いしね」
  豊田「ええ。頑張って伸ばしてますからね。私も負けずに頑張りますから」
  中村「ああ、それとスタッフの斎藤さんが挨拶に来てくれたよ。彼女、就職活動で悩んでいた
      みたいだね」
  豊田「この時期は、みんなナーバスになっているようです」
  中村「髪が3メートル60センチ!スゴイよねえ」
  豊田「部長、本当はもっと長いと思いますよ」
  中村「もっと長い?! それはどういう意味?」
  豊田「私の目測ですけど、おそらく4メートル近くはあると思います」
  中村「4メートル!それじゃあ、理愛さんよりも長いのか...」
  豊田「はっきりとはわかりませんけど、彼女が過小申告していることは確かですね」
  中村「でも何故そんなことをするんだろうか」
香理奈は中村の問いかけにはっきりとした答えを言わなかったが、何かを知っているよう に感じた。中村もそれ以上は詮索しなかった。明日の確認を再度した後、受話器を置い た。


 翌朝の学長室
 澤田学長は出勤して、今日の会議の資料に目を通していた。理愛がコーヒーを入れる。 いつもと変わらない朝の風景であったが、理愛は気になることがあった。それは疲れてい るように見える父のことである。自宅でも、そして職場でも接している父の横顔に活気が ない。仕事が忙しいためだと思っていたが、それがまさか自分のことが原因だとは知る由 もなかった。
  理愛「お父さん」
職場でも、二人きりの時には父のことをそのように呼ぶ。
  理愛「最近、疲れているみたいよ」
  学長「ちょっとね...」
言葉少なく、理愛に応じた。疲れているように見える。その通りであったが、決して仕事 のせいではなかった。理愛が髪を切ると言い、それを認めた日から学長の苦悩が始まっ た。一度認めたことを、今さら蒸し返すようなことをしてもみっともない。苦悩しながら も、変な拘りを持っていた。しかし、もしも理愛が髪を切るようなことがあると、生徒た ちへの衝撃は計り知れない。みんな理愛に憧れ、彼女のような究極のロングヘアーを目指 しているからである。まさにカリスマ的存在なのである。学内からの猛反対も避けられな いだろう。身の丈をはるかに上回る理愛の黒髪は、今や彼女自身のものだけでなく、髪女 を代表するシンボル的な存在になっている。学内では「公人」としての地位を与えられた と言っても過言ではなかった。今も娘の髪をじっと見つめている。理愛の成長と共に見 守ってきた黒髪。見事なまでに床上を飾りたてる優雅な流れ。4メートルの奇蹟とでも言 おうか。これほどまでに輝きながら、生命の神秘を伝え来る存在が他にあろうか!生きて いると言わんばかりに呼吸をしているかのように、髪の先まで潤いを失っていない。理愛 の黒髪の美しさを言葉で表現しようとすればするほど、その究極の美の前に無力さを思い 知らされてしまう。理愛は膝までの長さにカットすると言う。「こんな美しい黒髪をどう して...」そんな想いが幾度となくこみ上げてくる。そうなると、これまで連綿と受け 継がれてきた漆黒の生命体が、3メートル近くも切り裂かれてしまうことになる。もう後 戻りはできないのであろうか。何度言い出そうとしたかわからない。その気持ちがますま す鬱積して、学長の心を苦しめているのであった。
  理愛「顔色もよくないし、少し休んだほうがいいわよ」
  学長「そうもいかないんだ」
父が長〜〜〜〜〜〜〜〜い黒髪をじっと見つめていることに理愛は気づいた。
  理愛「お父さん、どうしたの...?」
  学長「いや...何でもない...」
  理愛「昨日は遅くまで起きていたから、朝は慌てちゃって...髪のお手入れ、大変だったの」
  学長「理愛...」
  理愛「何?お父さん」
しばらく沈黙があった。コーヒーメーカーの泡立つ音だけが、かすかに聞こえていた。
  学長「理愛...」
理愛は返事をする代わりに、父の顔に目を合わせた。
  学長「会議の後の予定はどうなっているかなあ?」
どうしても言い出せなかった。理愛が教えてくれた予定も聞いていながら耳には入ってい ない。ゆっくりと椅子から立ち上がると、床を長々と這う娘の髪を両手で拾い上げた。柔 らかくて優しい感触。わずかに漂う穏やかな香り。この髪が、まさかこの髪が...。い たたまれなくなり、熱いものがこみ上げてきた。親の心、子知らず...。父は娘の気持 ちを推し量れずにいた。そこへ連絡が入った。電話を受けた理愛の表情が暗くなった。
  理愛「お父さん、中村さんがダウンしたそうです」
  学長「本当か。具合はどうなんだ?」
  理愛「めまいがして倒れたそうなんです。今日は申し訳ないけど休養させてもらうということ
      です」
理愛は心配そうに父を見つめた。
  学長「過労が原因だろうか。彼もここ数日は多忙だったからなあ。理愛、行ってきてあげ
      なさい。こちらは心配ないからと伝えてくれ」
  理愛「はい」
理愛は早速、中村のいる学生寮へ向かう準備に取りかかった。床一面に解き放った黒髪を 素早く手繰り寄せた。少し慌てたせいか、それとも髪が長すぎるのか、すぐに毛先が見つ からない。理愛の心と同様に、漆黒の黒髪もちぢに乱れていた。ブラシも簡単に入れただ けで、ヘアーバンドで髪をまとめ上げ、愛する人のもとへ急いだ。


つ づ く



感想をお送りください

ご 感 想 







 ご 感 想 

作者の ぽん さんに、感想あるいは励ましのお便り・投稿を送りましょう。(下のフォームを使ってください)
(ただし、誹謗・中傷する内容や表現上不適切なものは、HPには掲載いたしません)

お名前欄または※感想・激励文欄を空白にすると書き込めません。
HTMLタグは使えません。メッセージ欄は改行できます。
お 名 前(※) ・・・勿論、ご本名でなくてもOKです
■題   名
感 想 ・ 激 励 文(※)
  何らかのトラブルにより送信が失敗する場合もありえますので、
  文章は、ここに入力される前に、ファイルに保存しておかれる事をお薦めします。


入力し終わりましたら、“進 む” をクリックして、 「投稿確認画面」にお進みください。
      
・もしも、このフォームから感想が上手く送れなかった場合は → メールによるご感想投稿方法
・オフレコで私(編集発行者)に何か連絡事項がございます場合は → プライベートメール送信方法


長編連載小説「髪長私学」(ご感想)パート
SNAKEHEART  2003.4.8(Vol.369) 初出___Cont.No.snake020    
次の投稿へ トップへ
「編集・発行者からの御礼−−第20編」
ぽんさん、お忙しい時間を割いて、また、お体の不調を押して「髪長私学」の新作力作・「第20編」を ご執筆下さいまして、まことにありがとうございました。
本当は4月3日に原稿をお送り下さってたのでしたが、丁度タイミングが良かった事もありまして、 本日・中年ロングヘアー4周年記念のこの日に発表させて頂きました。
まあ実は前もって、「髪長私学」が今回の「第20編」から新展開に突入するので、 「新しく第5部とし、ファイルも新しくした方が良い」 とのご指示を頂いておりましたので、編集作業も今回はいつもよりちょっと時間が掛かりましたので (第1〜4部のファイルにも少し編集を加えないといけませんし)、 本当に丁度タイムリーだった事も事実ですが。

でも、(私の家の周りの)桜も満開、新入学・新社会人など新たなスタートを切る人達でいっぱいのこのシーズンに まことに相応しい、とてもフレッシュな内容の今回の「第20編」でしたね。
それに加えて今回は “読者の皆様へ向けたメッセージ” までお作り下さいまして、 ぽんさんの「髪長私学」へ込められた様々な思いや制作上のご苦難なども知ることが出来ました。 (私も含めまして)読者の皆さんも、これまでよりも一層「髪長私学」ワールドへの興味が深まって 行かれたのでは....と思います。

本日はちょっと私、時間がございませんでしたので、詳しい感想は又後日(今週中には) 書かせて頂きたいと思っております。
先ずは本日は、新作「第20編」のご執筆とご発表に対しまして、心よりお礼を申し上げさせて頂きます。 どうもありがとうございました。

長編連載小説「髪長私学」(ご感想)パート
サクラ さん  2003.4.9(Vol.370) 初出___Cont.No.sak004    
次の投稿へ トップへ

パソコンを買い換えたりして返事が遅くなりました。
実は、私はこの春某大学を卒業したての者です。 (あれ?!このサイトでは言ってませんでしたっけ?)
茶谷一派(さん付けしなくていいですね)がいなくなって良かったです。確かに、私の持っている携帯電話もいつも黒か白と決めているので。(それは、また後程)
ただ、中村さんが副学長を固辞したというのは、納得がいきませんね。でも、学校運営に係われたのでいいと思いました。
それから、私は髪女を辞退して公立中学(でも、2割というのがすごいですね)に行かれた学生が気になります。あとは、神崎さんたちも気になります。神崎さんはすぐに対応できるとしても、他の2人が気になります。
あと、理愛さんの「美容院に行く」というのはどういうことなのでしょうね。もしかしたら、中村さんが副学長になれなかったので行ったとも見受けられますし、あるいは、20世紀の残り10年が、茶髪ギャルの世紀だとしたら21世紀はチャイドルの世紀として2メートル7センチの新中学生が実権を取るとか色々な憶測が飛び交いそうですね。

一部に、失礼な発言をしてしまいすみませんでした。

訂正:私が、2メートル6センチと書いた新中学生は、2メートル7センチの間違いです。訂正してお詫びします。


<編集・発行者からの御礼>
サクラさん、ご感想ありがとうございました。
> この春某大学を卒業したての者です。 (あれ?!このサイトでは言ってませんでしたっけ? .... はい、初耳でした。そうですかぁ、おめでとうございます。私も○十年前を思い出すなぁ(^_^ )
> 中村さんが副学長を固辞したというのは、納得がいきませんね .... 細かい所までよくご覧になられてますねぇ。う〜〜んっ周囲の方々に気兼ねをしたんでしょうかねぇ???  私ならそうしますけど....。
> 2メートル6センチと書いた新中学生は、2メートル7センチの間違いです .... まあ、2m以上もあれば、1cmくらい違っても大した事ないですヨネ(笑)。 そもそも山崎さんの2m70cmもDYQさんの3m85cmも、そして理愛さんの3m92cmも 絶対に完全に正確な数値とは思えませんもんね(^o^)。 ま、それはさて置きまして、修正しておきました。
本日はまことにありがとうございました。
長編連載小説「髪長私学」(ご感想)パート
Qちゃん さん  2003.4.9(Vol.370) 初出___Cont.No.Q008    
次の投稿へ トップへ

Snakeheartさん「中年ロングヘア-」4周年おめでとうございます.あまり多くないこの種のサイトのなかで4年も長続きできたのは,ひとえに主宰してらっしゃる Snakeheartさんのご努力のたまものと,感謝しております.
さて待望の第20編が新年度にあわせての登場,誠にありがとうございます. 私も正月以来第20編が掲載されることを心待ちにしておりました. ぼんさんには体調を崩されたとのこと,私の親友も先日50代半ばにして肝臓癌で亡くなり,中年も後半になると この先の短さが身にしみます.
第20編は新たなるストーリー展開のプロローグと思われる内容です.新しい人物が登場して物語の幅が広がったようです. ただ中村さんと理愛さんが直接文中に登場していないことに不満が残りますが, 次号(ゴールデンウイーク特集号?)に期待しています.
「理愛さんが美容院に行っている・・・,」との行がありますが,もちろんヘアカットのためではなく, 4m弱の長髪を秘書見習いに適した髪型にすべく,長髪に特別の理解がある美容院(例えばGeorge Michael Salonのようなお店)に行っているのだと,勝手に決めつけております. いまの理愛さんの髪型は基本的にはかのDYQさんと同じ(スカーフは巻いていませんが)と解釈しております. 日本文化発祥の地「京都」にはまだ地毛の日本髪を結える方もいらっしゃいますし, 超長髪専門の美容院がもあって不思議はないでしょう. 次号ではストーリー展開もさることながら,美しい長髪に関する文章表現にも大いに期待しております.


<編集・発行者からの御礼>
Qちゃんさん、ご感想ありがとうございました。
> 「中年ロングヘア-」4周年おめでとうございます・・・Snakeheartさんのご努力のたまものと .... どうもありがとうございます。まあ、これで生計を立てている訳でないので続けられたのでしょうかねぇ?  インターネットならではかも知れませんね。それと何よりも投稿してくださった皆さんのおかげです。
> 「理愛さんが美容院に行っている・・・,」 .... やっぱ、ここは皆さん気になる所ですよね。ぽんさんの事ですから意外なオチを考えていそうな気がしますが ....案外ストレートに捉えて良いのかも知れませんし(勿論私、オチは聞かされておりません ^_^ )
> 日本文化発祥の地「京都」にはまだ地毛の日本髪を結える方もいらっしゃいますし .... どの長さからだと、地毛で結えるようになるんでしょうかねぇ? 量の問題もあるんでしょうかねぇ?  普通の日本髪とか文金高島田とか、髷の形によっても最低必要レングスって違うんでしょうかねぇ?  でも理愛さんだったら、どんな髷でも2段重ね・3段重ね出来そうな気がしますネ(ソフトクリームみたいに ^_^ )。
本日はまことにありがとうございました。
長編連載小説「髪長私学」(ご感想)パート
SNAKEHEART  2003.4.10(Vol.371) 初出___Cont.No.snak020a    
次の投稿へ トップへ
「編集・発行者からの御礼−−第20編」つづき
ぽんさん、改めまして「髪長私学」の新作力作・「第20編」をご執筆下さいまして、まことにありがとうございました。
実は今回の「第20編」に関しましては、プライベートメールの中でも「今回(第20編)は、 最初の場面設定がどうもしっくりといかなくて、何度も書き直して・・・」と 教えてくださいましたが....たしかにそうでしょうねぇ、例えば漫画とか映画とかでしたら 新展開に突入して場面が一転する場合は、見知らぬ人物をいきなりバンと登場させたりとか(桜の花とかの) 季節の変化を映し出せば良いんでしょうけど、新しい場面設定を文章で表現するというのは 本当に困難だろうなぁ、と私も感じます。
でも流石はぽんさんですネ、大きな試練を乗り越えて新たなスタートに向けて走り出した京都女学院の 人々の活き活きとした様子が見事に描かれていたと思います。
それとこの「髪長私学」も連載から2年が経ちましたね(最初の第1編が 2001年3月10日)。2年間もずーーっとブランク無く継続して執筆されるのはたいへんなご努力だと 思いますし、それに加えて、長く続くと内容に色々と変化も持たせなければいけないのでしょうねぇ.... 本当に様々な困難を乗り越えて新展開スタート篇の「第20編」をお作り下さいまして、重ねてありがとうございました。

そしてNEW FACEの登場も実にタイムリーヒットですよね、事務員(?)の野口君 ....いや〜〜〜良いキャラクターですネ〜〜〜、これまで「髪長私学」に登場した男性キャラの中で 私の1番好きなタイプですよ。
> この仕事をやっていく決意を固めていた。理由は明快である。
> 彼は何よりも、女性の長〜〜〜〜〜い黒髪がこの上なく好きだからである
.... サイコーーですねぇ、ここが。で、それを押し隠そうとしているところが何ともカワイイと言うか ....その野口君のぎこちなさそうな姿と心中のドキドキ度が、今回の文章を読んでいて ホント目に浮かぶようですヨ。 何だか自分を見ているみたいでとても感情移入が出来ます。 そして、この野口君が那由多ちゃんの家庭教師だったという人物関係もとても面白いです。 野口君と那由多ちゃんがこれからストーリーにどのように関わっていくのかとても楽しみになってきました。
それから、今回は名前だけの登場でしたが飯田涼香嬢。 >大学在学中からロングヘアーカフェの事実上の店長として活躍してきた という(ヤリテそうな?)経歴を聞くと、そしてこれから理愛さんと一緒に学長秘書をしていくと聞くと、 何だかこれからの理愛さんとの関係が気になってしまうのですが....私は。
それと、初登場ではないですが栗原瑞穂嬢。彼女は確か第14編に 登場したきりでしたよね?? なんとなく今回が本格デビューという感じがしますが、 (今回読ませて頂いた所では)なんだかこれから野口君と関係が深まりそうな気が、 そして那由多ちゃんを含めた三角関係になりそうな気が....いや、これはあくまで私の勝手な想像です(^_^ )。 まあ、それだけNEW FACEが登場すると色々と想像を巡らしてしまうという事です。

それにしても、本当に色んなタイプの登場人物が出てきますね、男性も女性も。 現実の世間の人々の中でもロングヘアーに対する感じ方は千差万別・十人十色なんでしょうけど、 「髪長私学」に登場する人物達はロングヘアーに対する意識の強い人たちが集っているようですが、 でもその意識の仕方が十人十色という感じでバラエティに富んでいて.... 小説の枠を超えて、ロングヘアーに関する考察資料としての価値も高いと思いますネ、「髪長私学」は。
さて、今回ぽんさんが “「髪長私学」をご愛読の皆様へ” の中でおっしゃってましたけど、 (私にとって)とても気になるネタふりが2つ有りましたね〜〜。 > 理愛は有休を取っているよ。今日は確か美容院へ行くと言ってたかなあ  それから > 有能な女性をスカウトしたよ です。 特に前者は....う〜〜〜ん、果たしてぽんさんはどの様なオチを考えてらっしゃるのか?  あるいは全くオチの無い “そのもの” なのか?....我々ロングヘアーLOVERたちは「美容院」 と聞くとビクっとするもので、とても気になる所です。
今後の展開がとても気になる「第20編」のご発表、本当にありがとうございました。 次の「第21編」も楽しみに待たせて頂きたいと思います。

長編連載小説「髪長私学」(ご感想)パート
ぽん さん  2003.4.16(Vol.373) 初出___Cont.No.pon011    
次の投稿へ トップへ

 サクラさん、ご感想をお寄せ下さいまして、誠にありがとうございます。今春、大学を 卒業されたとの事ですね。おめでとうございます。希望を抱きながら母校を後にされたこ とと思います。これからも、たくさんの方々との出会いの中から、ご自身の可能性を存分 に発揮して頑張って下さい。
 さて、ご感想の中でおっしやっていた中村の副学長の件ですが...そうですよね。普 通なら澤田学長と共に学校運営に携わる者としては、副学長という役職に就くでしょうか らねえ。それを固辞したところに、中村の人間性が現れているようです。既に職員として 髪女で頑張っている者から見れば、何も知らずに髪女に乗り込んで来て、いきなり副学長 に就任するとは...という反発を考慮したということでしょう。また、中村は本心から 現場をじっくりと見て、これからの学校運営を澤田学長に提言したいとも思っています。 ですから、極端な話ですが、教室やトイレの掃除までも厭わずにやる覚悟でいます。そん な中から徐々に周りからの信頼を得ていくタイプでしょうね。何よりも「和」を大切にす る日本人特有の性格を持つ人物として、彼を描いていきたいと思っています。それから、 公立中学へ転校した生徒が2割もいることに驚かれたようですね。実は私も、これは ちょっと多いかなと思ったのですが、特に中3生が高校入試のことを考えると、このまま では不安だということで転校したという想定にしました。でも、髪女の運営が安定してく れば、必ず彼女たちは戻ってきてくれると思っているんですけどね。自慢の長〜〜〜〜〜 い黒髪を切らずにいてくれるかどうかが、読者の方々には気になるところでしょう。理愛 の美容院も色々と反響があって、作者としては嬉しい限りです。まさかあの髪をバッサ リ...なんてことはないと思いますけど。次回を楽しみにして下さい。神崎美咲や山城 那由多も私の好きなキャラですから、これからの活躍も期待して下さいね。
 また、以前に(第2部だったと思いますが)サクラさんが、中村記者がホテルに戻らず に生徒の家にホームステイするストーリーをリクエストして頂いてましたよね。あれ以 来、どこかのストーリーで使えないものかと構想を練っていたのですが、今回、中村が学 生寮を定宿とする設定をしてみました。ホームステイではありませんが、寮長として学生 と身近に接する中村を描いていきたいと思いますので、こちらの方もお楽しみに。また、 ご感想をお待ちしております。今後ともよろしくお願い致します。

 Qちゃんさん、ご感想をお寄せ下さいまして、誠にありがとうございます。正月以来、 新作をお待ち頂いていたそうで、作者として光栄に思います。「中年」と言われる年代に なると色々なことを経験して、時には弱気になってしまうこともありますが、我ら時代を 動かす中核を担う年代です。胸を張って生涯現役を目指して突っ走っていきましょう!  かく言う私も、将来に対して不安になることはありますけどね。今は育児で心身ともに目 一杯状態です。毎晩、子どもの夜泣きがひどくて、私も女房も慢性的な睡眠不足。しかも ツインズですので強烈です。ちょっと家庭のグチになってしまいましたね...。
 いつもQちゃんさんのご感想では、今後のストーリー展開を鋭く予測して下さいます ね。スゴイなと、いつも思っております。理愛の美容院も、概ねそのような構想で描いて おります。いつも「髪長私学」の新作を発表する度に、Qちゃんさんがどのようなご感想 を頂くのだろうかと楽しみにしているんですよ。今回は中村と理愛の掛け合いが無かった ので、ちょっとご期待に添えませんでしたけど、次回はそのあたりも頑張ってみます。
 「美しい長髪」に関する文章表現ですよねえ...。ホントにいつも自分のボキャブラ リーの貧弱さを痛感するんですけどね。イメージした情景を言葉で表現するって難しいで すね。谷崎潤一郎のような文才があれば、もっと耽美的な文章を書けるんですけど。それ に加えて、女性の会話も頭を悩ませるところです。仕事柄、女子学生(特に中、高、大学 生)に接する機会が多いので、彼女たちに学校や友人の間で話題になっていることを聞い たり、通勤電車内で女子高生たちの会話に耳を傾けたりして参考にしているんです が...。どうでしょうか、リアルに描けているでしょうかねえ。それから日本文化発祥 の地『京都』...。そうですね。京都で生まれ育った私としては、その素晴らしさもス トーリーの中に醸し出していきたいと思っています。これからもご感想を楽しみにしてお ります。今後ともよろしくお願い致します。

 スネークハートさん、ご感想を頂きまして誠にありがとうございます。そして『中年ロ ングヘアー4周年』おめでとうございます。HPを主催しておられる上でのご苦労も多い のではないかと思いますが、女性の長〜〜〜〜〜い黒髪の美しさに魅了された我々の想い を語り合う場として、これからも素晴らしいHPにして頂きますように念願しておりま す。
 ところで今回から登場した「野口くん」に共感して頂きまして、ありがとうございま す。彼のようなキャラを前々から是非とも描いてみたいと思っていました。こんな男性っ て、絶対いますよね! そんな方々に「そうだ、そうだ!」と、ますます共感して愛着を 感じてもらえるようなキャラにしていきたいと思っています。この野口と栗原瑞穂との関 係が...。う〜ん、そうとも読めますね。でも、「別の方向」も考えておりまし て...。顔見知りということで、山城那由多とのからみが多くなることは確かですけど ね。これも次回以降を楽しみになさって下さい。学長秘書として登場した飯田涼香は、元 ロンカフェの事実上の店長。彼女には、髪長財団のこれからの運営に積極的に関わって欲 しいと思っています。更に個人的には、ロングヘアーカフェについてもっと描いてみたい と思っての登場でもあります。財団ではロンカフェのみならず、他にもいくつかの事業を 計画していますので、さらに多くの髪長美女が登場すると思いますよ! そして男女関係 も気になるところですよね。様々な人間模様も、これから少しずつ描いていくつもりで す。
 理愛の美容院についても触れて頂いてますが...色々と奇抜なストーリーを考えたの ですが、意外にあっさりとした展開になると思います。中村の秘書として登場する「有能 な女性」については、既に伏線がありますので...でも新たなキャラにするかも知れま せん。こちらも次回にご期待下さい。そしてこれもネタふりの一つなのですが、「京都女 学院」の名称変更について。どうしましょうか...???自分でふっておきながら、 「どうしよう?」はないんですけどね。良い名前があれば、是非ご提案下さいませ。今後 ともよろしくお願い致します。


<編集・発行者からの御礼>
ぽんさん、サクラさんとQちゃんさん(&私 ^_^ )のご感想へのレス、まことにありがとうございました。 本編にも負けないような本当に丁寧なレスで....。
> 何も知らずに髪女に乗り込んで来て、いきなり副学長に就任するとは
> ...という反発を考慮したということでしょう
.... やっぱりそうでしたか。分かります分かります。
> 神崎美咲や山城那由多も私の好きなキャラですから .... 美咲ちゃんはそう言えば、
第16編(昨年8月)に出て以来ですよね?  なにか随分しばらくご無沙汰してる感じがします。
> 生徒の家にホームステイするストーリーをリクエストして頂いてましたよね
> 中村が学生寮を定宿とする設定をしてみました
.... そうですか、あの案も考えてくださってたんですネ....良いですネ〜〜、 勿論全てを作ってらっしゃるのは ぽんさんですが、 読者の皆さん共々一緒に作り上げているという感じも少しして....。
> 今は育児で心身ともに目一杯状態です .... いや〜〜どうも、子育てがたいへんなのに、その合間の僅かな貴重なお時間を割いて「髪長私学」を ご執筆くださいまして、まことにありがとうございます。 他の読者の皆さんもぽんさんのそういうご努力を分かっていただきたいですネ。
> 谷崎潤一郎のような文才があれば、もっと耽美的な文章を書けるんですけど .... いえいえ、今の文章でも充分に伝わってきますよ。
> 『中年ロングヘアー4周年』おめでとうございます .... どうもありがとうございます。最近は私もややネタ切れ状態でして(笑)、「髪長私学」に 相当助けて頂いております(^_^ )。
> 「野口くん」に共感して頂きまして・・・こんな男性って、絶対いますよね .... ハイ、私がそうですから(笑)。ただし私の場合は高校時代から理科系なもので、 野口君みたいに、髪長女性の多い環境を見つけることは残念ながら出来ませんでしたが(^_^ )。
> 「京都女学院」の名称変更について。どうしましょうか...??? .... ああ〜〜やっぱり変えちゃうんですかぁ。そうですねぇ『大和ナデシコ養成塾』 ....ロクな名前が浮かばないなぁ、私って。

これからも「髪長私学」、期待しております。本日はどうもありがとうございました。
長編連載小説「髪長私学」(ご感想)パート
Qちゃん さん  2003.4.18(Vol.374) 初出___Cont.No.Q009    
次の投稿へ トップへ

 ぼんさんこんばんは.いつも新作を楽しみにしている一人です.京都女学院も名称 変更をせざるを得ないとこまできましたか.うーーーん!月並みな名称では面白くな いでしょうし、どんな名称が良いのでしょうか.あまり長髪を表に出すような名称は 好ましくないような気がします.日本の伝統を守る良い名前が考えられたら最高なの ですが.今日は新人歓迎会で酔っ払っていますので、あまり良い考えが浮かびませ ん.そのうちすばらしい校名がうかんだらご報告いたします.今後も物語の発展を期 待しています.


<編集・発行者からの御礼>
Qちゃんさん、ご感想ありがとうございました。
そうですね、例えば、

ハンドルネーム
京都女学院の新しい名前

こんな感じで新しい名前を公募するのも面白いかもしれませんね。
おっと、でも作者はぽんさんですので、何と言っても、ぽんさんの御意志を最優先しないといけませんが....。
本日もまことにありがとうございました。
長編連載小説「髪長私学」(ご感想)パート
SNAKEHEART  2003.5.31(Vol.385) 初出___Cont.No.snake021    
次の投稿へ トップへ
「編集・発行者からの御礼−−第21編」
ぽんさん、「髪長私学」の新作力作・「第21編」をご執筆・ご発表下さいまして、まことにありがとうございました。
でも最近毎回原稿を頂くたびにつくづく感じるんですけど、ここ1年余りぽんさんは毎編、ほぼ同じ長さに纏められているように 感じるんですけど....意図的だとしても偶然だとしても本当に巧み(匠 ^_^ )だなぁと思います。
前回に引き続き「髪女」も再出発に向けて着実に力強く歩み始めた感じですね。前回はNEW FACEが登場しましたが、 今回は中村氏が遂に「髪女」に加わり理愛さんも登場し、更に豊田香理奈嬢の久々の登場・レギュラー化(?) ....と、役者も揃ってきて顔ぶれも豪華でしたね。


今回もまたまた盛り沢山の内容なので、どこから感想を書かせて頂こうか迷ったんですが、 やはり先ずは理愛さんの件からですよね。
> 美容院へ行って、4メートル近い髪のまとめ方をアドバイスしてもらい .... は、Qちゃんさんがご感想の中で想像なさったとおりでしたね。 でもその理愛さんの努力は少なくとも学内では徒労に終った感じですね(学校を出れば効果を発揮するでしょうが).... 「学校内では髪をまとめたりせずに、解いた状態にしておくこと」の学則ですかぁ(^_^ )。それに関しましてはまた 後で触れさせて頂きますが....
> 部屋中が漆黒の海・・・部屋中に広がった黒髪 .... そう言えば「銀河鉄道999」で、宇宙一長い髪を目指していると言う小説家(漫画家だったカナ?)が出てきた事がありまして (残念ながら男でしたが)、それを思い出しました、部屋中が髪の毛だらけになってましたから。 で、それを見たとき『もしこれが女性だったら、どれほど素敵なシーンだったかなぁ』と思いましたが、まさに今回の 理愛さんが自室で髪を全面開放しているシーンがそうですよね。
実際にこういう部屋に足を踏み入れたら途端に 体が破裂しそうになるでしょうネ。『これが人間の細胞か!?』とも思うでしょう....もしかしてDYQさんのプライベートタイムって こんな感じなのかな?? でも....
> 「これまでずっと切る勇気がなかったの」・・・「それじゃ、切るか?」・・・「ええ。秋になれば」 .... またまた気になる展開になり始めましたねぇ。以前にも「切りたい」と言った事が有った様な気がしますが、 今回は何か一層決心が強い様にも感じますねぇ。
「秋になれば」という事なのでこの結論はもう少し先送りになりそうに感じるんですが、 それまでの間は我々読者はその理愛さんの心の影を気にしつつ読む事になりそうですね。それもまた面白そうですが。
まあでもやっぱり、超ロングヘアー女性って、そういう心の葛藤をお持ちの方も多いんでしょうねぇ。

で、次に> 学校内では髪をまとめたりせずに、解いた状態にしておくこと .... の新しい学則ですが、いや〜〜なんとも凄まじい! なんとなく男性スタッフ達の希望のようにも思えますが(^_^ )。 でもこれからそれが実現したならば、まさしく “平安時代にタイムトリップ” って感じになるでしょうネ。 以前HSさんが投稿くださった “平安時代を実体験できるテーマパーク” を思い出しましたよ (思いの丈ぶっちゃけコーナーPART1)。今回早くも理愛さんがそれを実現なさってましたが。
でも「髪をまとめたりせずに、解いた状態にしておくこと」って本当に、(三つ編みマニアの方は除いて) 我々ロングヘアーLOVERたちの希望ですよね。街で超ロングヘアー女性を見かけても大抵は三つ編みとかなさってますもんね。 その時『解いてほしいなぁ、しなやかになびかせてほしいなぁ.....できれば(少しで良いから)、 硬い編み髪じゃなくって、しなやかな解き髪に触れてみたいなぁ』なんて感じますもんね。
で、その我々のささやかな希望を今回、明示化してくださったことは嬉しかったですネ。 やっぱ、せめてこういうフィクション世界の中だけででも、希望が叶えられてほしいですもんね。

さて感想も長くなってきましたので最後に、前回学長の言った> 「有能な女性をスカウトしたよ」 .... は、豊田香理奈嬢の事だったんですネ(?)。これは想像がつきませんでした。
前回再登場した山城那由多ちゃんと言い今回の香理奈嬢と言い、その時だけじゃなくちゃんと再登場する点が とても登場人物を大切になさっているなと思いますし、あるいはもしかしたら.... ぽんさんは(那由多ちゃんにしろ香理奈さんにしろ、最初に登場させた時から)こういう長期的なビジョンを持って キャラクターを創造なさっているのでしょうか?....その点をお伺いしてみたいですネ。 (ちなみに私は「由香さん」の登場人物はかなり行き当たりばったりに創造しています ^_^ )
それから、豊田香理奈嬢が再登場したならば、更に長い髪の双子の姉の豊田世理香嬢の事も気になりますねぇ (参考 : 第13編)。 できれば世理香嬢も再登場して頂き、香理奈嬢と並行して描いて頂けたら嬉しいなぁ....なんて個人的希望をもっております。
(その意味では、第11,12編で妹の香理奈嬢を、続けて第13編で姉の世理香嬢を描いた、 この時期の展開は本当に素晴らしかったですねぇ!)
そうそうそれから、もう1つ最後になりますが > ベートーヴェンもコーヒーが好きだった・・・ちょうど60個のコーヒー豆で作らせていたそうです .... そうなんですかぁ、これは勉強になりましたデス(^_^ )。


ということで今回の感想(御礼)はここまでとさせて頂きます。 今後の展開(特に理愛さんの髪の運命)がとても気になる次の「第22編」も楽しみに待たせて頂きたいと思います。
「第21編」のご発表、本当にありがとうございました。

長編連載小説「髪長私学」(ご感想)パート
Qちゃん さん  2003.6.1(Vol.386) 初出___Cont.No.Q010    
次の投稿へ トップへ

週末出張から帰ってきたらルーターが壊れていたので、すぐ新作を拝見できませんで したが、見られるようになって感激でした.理愛さんが美容院にいかれたのはやはり 仕事のためのまとめ髪の件でしたね.私の予想が当りました.でも今回の文中にこの 種の小説の究極の問題である「いつまで伸ばすのか」という話題がついに出ました ね.人間歳をかさねれば髪の伸びる速さも量も減るのは判り切っていることで、この 話題に触れることは禁句のような感じがしていました.実際DYQさんは伸びる速さが鈍 っているようですし、XQPさんも若い頃に比べると量が減って、まるで高知の尾長鳥の ようになっています(XQPさんは40歳前後で急速に伸びたわけですが).もう伸びなく なったら断髪してしまうと言う考えもあるでしょう.また自然の成り行きに任せて、 そのまま白髪になるまで伸ばし続けるという考えもあるでしょう.いずれにしても理 愛さんはまだ20代半ばと言う設定ですから、このまま行けばギネス記録更新は確実で しょう.ここまで長くなると髪の手入れだけで長時間を使うことになりますが、実生 活の不便さはあまり文中で強調されずに、まだ少なくとも20年間は伸ばすつもりで書 いてくださることを信じています.それにまだ真の意味での理愛さんの longahair-apparentsは現れていませんね.次号を期待しています.


<編集・発行者からの御礼>
Qちゃんさん、ご感想ありがとうございました。
そうでしたか....今回は少し間が有りましたので、お忙しいのか? 或いは お出かけ中なのかな?....と考えておりました。

> DYQさんは伸びる速さが鈍っているようですし .... う〜〜んっこれは何故なんでしょうネ? 以前、全く髪を切らないと頭皮に刺激が無いので髪が伸びなくなってしまう、 だからたまにはカットした方がよく伸びるとか聞いたことも有りますが....勿論、真相は分からないです、私(^_^ )。
まあでももしも2mくらいで切り揃えたとしたら、文句なしの凄い超美髪でしょうネ。 その点は美しさ優先か長さ優先か、好みにもよるでしょうが。

今回もまことにありがとうございました。
長編連載小説「髪長私学」(ご感想)パート
ぽん さん  2003.6.8(Vol.388) 初出___Cont.No.pon012    
次の投稿へ トップへ
 スネークハートさん、ご感想を頂きまして、誠にありがとうございます。「髪長私学」 を執筆する時は、最初にルーズリーフに書いていくのですが、大体いつも枚数を決めてい ますので同じくらいの長さになるのでしょうね。でも、書き始めた当初に比べると、随分 長くなったようですね。あれもこれもストーリーの中に詰め込もうとして、ついつい欲が 出てしまうのですが、これくらいにしておこうと思った頃が丁度良い長さになっているよ うです。「部屋中が髪の海」という光景は、想像するだけでゾクゾクしますね。理愛の部 屋でのやり取りを、もっと描ければよかったですねえ。このあたりは私にはちょっと力不 足のようです。理愛がまたまた髪を切りたいと言い出しましたねえ。やれやれとお思いの 方も多いことでしょう。超ロングの女性にとって、髪の手入れは相当に大変なことだと思 います。切るべきか伸ばすべきか...心の葛藤は絶対にあると思います。まだしばらく は理愛の心も揺れ動くだろうと思います。「学内では髪を解いた状態にしておく」ことに ついてですが、コレ、良いですよねえ。まさに平安時代に女子校があったなら、こんな状 況になるのでしょうね。中村の秘書として豊田香理奈を登場させることは、以前から考え ていたのですが、姉の世理香のことまでは考慮していませんでしたねえ。また、どこかの 場面で再登場があるかもしれません。ところで双子の豊田姉妹に妹がいるのですが、ご存 知でしたか? 実は既に登場しているのですが...。三姉妹ともに描ける展開も作って いけたらいいなと思っています。登場するキャラについては、ある程度は今後の展開を考 えて描いていますねえ。しかし残念ながら1回の登場だけというキャラもありますが、こ ればかりは仕方ないですね。次回以降も色々な場面を描いていこうと思っていますので、 今後ともよろしくお願い致します。

 Qちゃんさん、ご感想をお寄せ下さいまして、誠にありがとうございます。おっしゃる 通り、「いつまで伸ばすのか」という問題は避けて通れませんね。理愛の心の葛藤を少し 描いてみたのですが、しばらくは迷い道を行ったり来たりの状態が続きそうです。「髪長 私学」の中で、私が描きたいことの一つが、長い黒髪の美しさです。それは年齢を重ねて も変わらない美です。最近、テレビCMでよく目にすることがあるのですが、30代以降 の女性を対象にした化粧品があります。素肌が美しいということは、実際の年齢よりもは るかに若く見えますね。10代の頃から極力日差しを避けて、素肌の手入れを怠らなかっ た女性を見たことがありますが、40代後半の女性なのに、驚くほど若々しく感じたこと があります。石油系の化粧品を若い頃から使い続けて、素肌がボロボロになってしまい、 人工的な美を装い続けなければならないのは悲しいことです。それは髪についても同じだ と思います。艶やかな黒髪を人工的にアレンジするのも美の一つかもしれません。しかし パーマや茶髪が髪を痛め、髪の艶を失ってしまうのも非常に残念でなりません。今が美し ければ良いという考え方もありますが、女性にはいくつになっても美しくいて欲しいと思 うのは私だけではないでしょう。やはり自然の美は人工的な美に優ると思います。歳を重 ねると、髪の美しさが衰えていくことは仕方ありませんが、ヘアケアを入念にすれば、素 肌と同じように髪の美しさも保てるのではないかと思います。理愛が化粧をほとんどしな い理由は、実はこのような私の想いに由来しています。もっとも髪の手入れに時間を取ら れ過ぎて、化粧をする余裕もありませんけど。Qちゃんさんのご期待に、今後とも応えら れるようにしたいと私も考えています。また、ご感想をお待ちしています。どうぞ今後と もよろしくお願い致します。



<編集・発行者からの御礼>
ぽんさん、Qちゃんさん(&私 ^_^ )のご感想へのレス、まことにありがとうございました。
> 最初にルーズリーフに書いていくのですが、大体いつも枚数を決めていますので .... ああ〜〜そうですか、またまたメイキング秘話をお聞かせくださいましてとても面白いです。
> ところで双子の豊田姉妹に妹がいるのですが、ご存知でしたか? 実は既に登場しているのですが .... そう言えば、
第11編の終わりの方で 「実は高2の妹が一人いるんですよ。勿論、髪女に通っているんですけど」 と言うセリフが有りましたねぇ....え〜〜〜でも登場してた事は気がつきませんでした.... と言うか、もしかしたら、気がついてたけど忘れてしまってるのかもしれませんね。
> 超ロングの女性にとって、髪の手入れは相当に大変なことだと思います。
>切るべきか伸ばすべきか...心の葛藤は絶対にあると思います
.... そりゃあそうですよね、人間の心なんてそんなに単純で一面的なものじゃあないですよね。 私だって例えば親兄弟に対して憎しみの心だって少なからず有りますもの。
超ロングヘアー女性だって、ご自身の長〜〜〜い髪の美しさに見惚れる事が多いでしょうが、反面、 『面倒だなぁ』とか『他の人と違うのはちょっと....』と思う事も時々有っても不思議ではないですよね。 人間の心なんてそれだけ複雑なものですよね。
でもくれぐれも、絶対に短気を起こして切らないで欲しいですよね。“失うものがどれだけ大きいか” を冷静に見つめてほしいです。
> 女性にはいくつになっても美しくいて欲しいと思うのは私だけではないでしょう .... そりゃあそうですよね。例えば結婚なさっている方ならば、奥様とはずっと連れ添う訳ですから、 なるべくいつまでも美しさを保っていてほしいと言うのが本音ですよね。 若い女性に目移りする事なんて出来ませんもんね。
> 歳を重ねると、髪の美しさが衰えていくことは仕方ありませんが、
>ヘアケアを入念にすれば、素肌と同じように髪の美しさも保てるのではないかと
.... 以前花王の調査だったと思うんですけど、女性の髪って30代始め頃が1番太くて、その後年齢とともに徐々に ゆるやかに細くなっていくそうですってネ。 でも60代の女性の髪って30代の男性の髪よりも太いと言うことでした、そのデーターでは。
髪をどれだけ大切にするかによって、髪の衰えもゆるやかに出来るかと思うんですけどね。

これからも「髪長私学」、期待しております。本日はどうもありがとうございました。
長編連載小説「髪長私学」(ご感想)パート
SNAKEHEART  2003.7.14(Vol.399) 初出___Cont.No.snake022    
次の投稿へ トップへ
「編集・発行者からの御礼−−第22編」
ぽんさん、「髪長私学」の新作力作・「第22編」のご執筆ご苦労さまでした。まことにありがとうございます。
実はメールの中で、 「今回は内容をこれまでよりコンパクトにしました」 と仰ってましたが、確かにいつもより少し短めな感じでしたね。 「その方が読みやすい」という方も居るかも知れませんし、逆に「いつも通りもっとボリュームがある方が良い」という方も居るかも知れませんし ....まあ色んな方がいらっしゃるでしょうから、長さは気になさらずにぽんさんにとって区切りの良い所で纏められたらよろしいんじゃあないかなぁと私は思いますネ。
で、今回は中村新部長と豊田香理奈嬢の会話と言う形で進められましたね。香理奈嬢の態度からは何か “上司と部下以上の感情” を 感じてしまったんですけど、私....なんとなく理愛さんと香理奈さんと中村新部長の三角関係もやっぱり想像してしまうんですけど....。
(誰かさんじゃあないですが)中村新部長の改革がいよいよ始まるのかなという感じでしたが、でも中村氏ちょっと性格変わった様な気もしますねぇ。 随分管理職っぽくなってしまったと言うかやや強引になった様な.... これまでよりも責任の重い立場に立たされて力が入り過ぎてるのか? あるいは(私には分かりませんが)管理職ってこうあるべきなのか? ....なんとなく内部からの反発が出ないかなぁという心配もちょっと。でもこういう人って確かに居ますヨネ。

> 「香理奈さん、もう髪は切らないで欲しいんだ」・・・髪の先を数センチ揃えただけなのに .... このあたりはもしかしたら『ワガママな』と感じる人も居るかもしれませんねぇ。 ただ私にも経験は有るんですけど例えば、膝の裏まであと5cmくらいにまで伸びたのに、そこで5cmカットして 太股の真ん中くらいの長さになってしまうと、すごくガッカリしてしまうんですよね〜〜。 “膝の裏に届くか届かないか” では大きな違いなんですよねぇ、わずか5cmでも。
それから例えば、ふくらはぎに届いていたのに5cmカットして膝の裏の長さに戻ってもガッカリするでしょうし、 かかとに届いていたのに5cmカットして足首の長さに戻ってもガッカリするでしょうネ ....まあ私の場合は、身長を超えてしまうと5cmくらいのカットだとあまり気にならないでしょうけど、身長に届くまでだったら、 カットされるとちとツライですね〜〜(ただし髪先を揃えながら綺麗に長〜〜く伸ばしているのならばまだ良いんですけどね)。
だから中村氏の気持ちは分かりますし、彼は正直だと思いますネ。ただもし私だったら、あそこまでダイレクトな言い方はしないだろうなぁ。 でもこういう風にダイレクトに言ってくれる方が良いという女性も居るでしょうし ....まあだからこのあたりは読者の方々が『自分ならば、こういうシチュエーションの時にはこういう言い方をするかなぁ』 と想像してみられるのも面白いかもしれませんね。
ところで中村部長はどちらかと言えば、香理奈さんの後ろ髪が5cm短くなった事の方にこだわっていた様で、 前髪がバッサリと切られた事にはあまりこだわっていなかった様に見受けられたんですけど....。

> 抜け毛が垂れ下がっていたり、髪が絡まっていたりしたら折角の魅力も半減してしまうからね .... これは中村新部長と私とでは感じ方が違うんですよねぇ。私は実は、抜け毛がすーーーっと垂れ下がっていると物凄〜〜〜くゾクゾク っとするんですよ。まあ10本も抜けてりゃぁいくらなんでも心配になりますけど、1本か2本だったらもうたまりませんねぇ。 だからもし私が髪女に客として訪問したならば、抜け毛が1〜2本垂れ下がっている方が寧ろ魅了されるんですヨネ(^_^ )。それと....
> 『膝下主義』を『床下主義』に改めたいくらいだよ .... う〜〜んっ、ただし風にふわーーっと綺麗にたなびくのは寧ろ、身長よりも短い髪の方が綺麗になびくと思いますのでねぇ、 そういう学生が居ても良いと思うんですけど....。
だからこれらの2点などは中村新部長の考え方・趣味だけで運営するんじゃなくって、例えば澤田学長とか伊藤氏とか野口君とか外部のお客さん とか色んな人の意見も取り入れたらどうかな〜〜??とも感じたんですけど。

さて今回の最後の文章が、
> 明日の会議までに、新しい学校名と髪長財団の事業案を考えなければならなかった .... となってましたが、先日まで募集していた京都女学院の新しい名前が次回出てきそうですね。 何人かの方々から新しい名前の候補を送って頂けましたが果たしてぽんさんはどの名前を選ばれたのかなぁ?  それからその新しい名前に決める所をどのように文章に作り上げられるのかなぁ? ....次の「第23編」はそのあたりも楽しみですネ。
「第22編」のご発表、本当にありがとうございました。

長編連載小説「髪長私学」(ご感想)パート
Qちゃん さん  2003.7.15(Vol.400) 初出___Cont.No.Q011    
次の投稿へ トップへ
体調不良で10日ほど入院していたため,感想が遅れてしまいました.
今回は香理奈さんと中村さんとの絡みが主で,理愛さんが登場しないので, なんとなく物足りなさが残りますが,毎回の力作には頭が下がります.
ところでFLクラスの人は髪を床に引きずらなければならない設定になっていますが, 平安時代の十二単に裳が付いていた頃と異なり髪が直接床とすれてしまうわけですから, 髪の先のほうは完全にモップ状態になり,いくら健康な髪女の方の髪も痛んでしまうのではないかと心配になります. 虚構の世界でのお話ですから,問題ないと言えば問題ないのですが,ちょっと気になりました.
香理奈さん,理愛さんそして中村さんの三角関係の可能性は低いと私はみています. なぜなら 香理奈さんと理愛さんでは髪の長さが2倍以上も違うからです. 本当の意味での理愛さんのライバルはこれから登場するのではないでしょうか.
文中で中村さんが「たとえ少しだけであっても、長い年月を経て成長してきた黒髪だ。それが切り落とされるのが悲しくて...。」, と言われていますが,髪長をこよなく愛する人にとってこの文章表現は激しく同意できるものです.

<編集・発行者からの御礼>
Qちゃんさん、ご感想ありがとうございました。
先日まで入院なさっていたとの事....心よりお見舞い申し上げます。これから暑さも本格的に厳しい季節となりますし、 どうかご無理なさらずに、お体ご自愛くださいませ。
それから実はこのご感想文は第22編発表からすぐに送って頂いていたのですが、なぜか一部に文字化けが有りましたもので、 その部分の内容の確認をさせて頂きましたために掲載が遅れてしまいました。万全を期すためとは言え遅くなって申し訳ございませんでした。

ところで、ここの(ご感想パート)にくださるご投稿はあくまで “ぽんさんの作品へのご感想” ですので、 これからは私は(必要事以外は)間に入って色々とコメントすることは控えさせて頂こうと思います。
今回もまことにありがとうございました。
長編連載小説「髪長私学」(ご感想)パート
ぽん さん  2003.7.15(Vol.400) 初出___Cont.No.pon013    
次の投稿へ トップへ
 スネークハートさん、ご感想を頂きまして、誠にありがとうございます。
今回は中村と香理奈の会話を中心に描きましたが、二人が上司と部下以上の関係に思えてくるとのことですね。 私もそのあたりのニュアンスを意識して出してみました。 中村は髪女の卒業生を取材した時に香理奈と出会いました。 当時、自動車販売会社でショールーム営業をしていた彼女に、自慢の黒髪でシートベルトをしてもらい、 長〜〜〜〜〜い黒髪をお土産に一本もらったことからも、彼女に対する関心があったと思われます。(第12編) そして、その髪を見つめながら、「全く気づかなかった女性美」に気づき、この取材で香理奈と出会ったことが、 「今後の自分自身の行く末に何らかの影響を及ぼそうとしている」と中村が感じたのです。(第14編) この出会いから中村は香理奈に好意を抱き、香理奈も中村に「ところで奥様は髪が長いんですか?」(第12編)と、 さり気なく訊くあたりにも、彼女の中村に対する心理が少し現れているように思います。このような伏線があって、 香理奈は中村と一緒に仕事ができることを嬉しく思ったのでしょう。 また、中村が「もう髪を切らないで欲しいんだ」という発言が、これまでの双方の想いのなかから出てきたのですが、 周囲から見ると、着任したばかりの中村が、かなり強引過ぎるように感じたことでしょう。
前髪はバッサリと切ってしまったのに、その件には何も触れていませんよね。 不思議に思った方も多かったのではないでしょうか。おそらくそれが中村の好みなのでしょう。 眉にかかるくらいの前髪に長〜〜〜〜〜く伸びる後ろ髪。 それが中村のお気に入りのヘアースタイルだったからこそ、前髪の件には触れなかったと思います。 そう言えば、中村が気にかけている理愛も同じ髪型でしたよね。 中村と理愛、そして香理奈との三角関係...? うーん、もっと複雑な関係を模索しているんですけど、 読者の皆さんの反発を招きそうですかねえ。
「抜け毛」でゾクゾク...は私も同感です!この場面は、中村が香理奈の髪にタッチする口実に使いました。 いきなり髪を触ったり、「髪を切らないで欲しいんだ」という発言はできませんからね。 その前段階の導入部というか、ワンクッションと考えて頂ければと思います。
『膝下主義』と『床下主義』も意見が分かれるところですね。 高等部までは長く伸ばしても、膝下丈を保っても自由なのですが、大学に進学すると伸ばさざるを得なくなります。 何しろ180センチ以上の長さがないと卒業できませんから。この件も意見が色々とあるでしょうね。 ただ、中村は独裁者のような運営は決してしませんので、どうぞご安心を。
貴重なご感想、本当にありがとうございました。今後ともよろしくお願い致します。



<編集・発行者からの御礼>
ぽんさん、私の感想への早速のレス、まことにありがとうございました。
うーーんっ香理奈さんって中村氏にかなり大きな影響を与えていたんですねぇ、もしかしたら理愛さんにも匹敵するくらいかも。
> 「抜け毛」でゾクゾク...は私も同感です!この場面は、中村が香理奈の髪にタッチする口実に使いました .... ナルホド、そういう事だったんですかぁ。実は今回の(私の)感想はちょっとネガティブな事も書いてしまって 悪かったかなぁと感じてたんですけど、でもこうして作者の方の本意を聞けたわけですから、 思い切って突っ込んでみることも時には良いのかもしれませんね。
> 中村と理愛、そして香理奈との三角関係...? うーん、もっと複雑な関係を模索しているんですけど、 読者の皆さんの反発を招きそうですかねえ .... もっと複雑な関係ですか、それは面白そうですね(^_^ )。是非是非描いてくださいませ。

これからも「髪長私学」、期待しております。本日はどうもありがとうございました。
長編連載小説「髪長私学」(ご感想)パート
ぽん さん  2003.7.17(Vol.401) 初出___Cont.No.pon014    
次の投稿へ トップへ
Qちゃんさん、ご感想を頂きまして、誠にありがとうございます。
体調不良で入院されていたとのこと。もう大丈夫なのでしょうか。どうか、ご自愛下さいませ。

Qちゃんさんは理愛のことを気に入って下さっているようですね。この髪長私学では彼女は主役級ですから、 これからはもっと頑張って描いていきますので、ご期待下さい。
床に引きずる長い髪が痛んでしまわないかと心配しておられるようですね。やはり気になるところです。 学校内の床は、髪との摩擦を極限まで減らした建材を使っていると、以前に紹介したことがあったのですが、 それにしても心配ですよね。生徒たちは授業中には、床に長々と這わしている髪も、 学内を移動する時には理愛のように腕に巻きつけたり、手で持って歩いているようです。 そのあたりまで気になさるほど、長〜〜〜〜〜い黒髪に対するQちゃんさんの細やかな愛情を感じますね。
中村と香理奈、そして理愛との関係も、相変わらず鋭い洞察をもってご覧になってますね。 理愛のライバルの出現を指摘されているあたり、作者を唸らせるものがあります。 実はその通りで、はっきりしたかたちではありませんが、既に登場しています。 これからそのあたりも描いていくつもりです。
そして、長い黒髪を愛する中村の発言に共感して下さって、作者としても非常に嬉しく思います。 あの発言は、まさに作者の想いを代弁してもらったものですので。

これからも貴重なご意見・ご感想をお聞かせ下さい。今後ともよろしくお願い致します。



<編集・発行者からの御礼>
ぽんさん、Qちゃんさんのご感想への早速のレス、まことにありがとうございました。
本編の作品のみならず、いつもながらの丁寧で几帳面なレスポンス、本当にご苦労さまです。
長編連載小説「髪長私学」(ご感想)パート
Qちゃん さん  2003.8.18(Vol.410) 初出___Cont.No.Q012    
次の投稿へ トップへ
 お盆休みが終わったと思ったら早速第23編が拝見でき,最高に幸せです.ついに理愛さんのライバル斎藤さんの登場ですね.それに4mオーバーを匂わせて,理愛さんが負けてしまうのではないかと読者に思わせる表現は次編を期待させるに充分です.でも斎藤さんは髪女のスタッフなのにどうして引きずり髪にしていないのでしょうか.仮採用だからかな.それに大学4年生で4mと言うことは22年間平均20cm伸びなければいけないのですから設定に無理が感じられますが,まあヒィクションですから許されますね.さらにちょっと不謹慎ですが,中村さんがダウンされましたが,これは実は仮病で理愛さんを招き入れるための手段だったりして(考えすぎでしょうが!).
 本編のテーマは就職と長髪でしょうか.日本の会社の多くは制服を着用させることでもわかるように,社員を画一化しようとしますね.そう言う状態では髪女卒の女性は会社で異端になってしまうのは避けられないところです.長髪に関するいろいろな掲示板を見ても,就職を機に短くしてしまったとか,就職試験に不利ではないか不安だ,というような意見が多いようです.こういう社会の風潮はそう簡単に変えられるものではありませんから,解決策は髪女の卒業生を受け入れられる会社を創設するしかないのではと考えてしまいます.作者はその一環として卒後髪女で働く人を増やしているようですが,これには限界があるでしょう.いま卒業生を雇えそうな会社として学長の弟の会社の日本支社はいかがでしょうか.また最近理愛さんが髪を切るような素振りをみせ学長を悩ませていますが,これも中村さんがはっきりとした態度を示せば解決することです.でもそうなるとせっかく登場したライバルの意味がなくなってしまうし,中村さんと理愛さんの絡みはこのままもうすこし続くことでしょう.本編はなかなかの長編で,作者のご苦労は察して余りあるものがありますが, 読者としては読み応えのある長編をまた次編に期待してしまいます.

<編集・発行者からの御礼>
Qちゃんさん、お盆休み明け早々にもかかわらず、早速のご感想ありがとうございました。
それからお体の方はもうご回復なさいましたでしょうか....まだまだ暑さも厳しいかと思いますのでご自愛くださいませ。
ところで、ここの(ご感想パート)にくださるご投稿はあくまで “ぽんさんの作品へのご感想” ですので、 これからは私は(必要事以外は)間に入って色々とコメントすることは控えさせて頂こうと思います。
今回もまことにありがとうございました。
長編連載小説「髪長私学」(ご感想)パート
SNAKEHEART  2003.8.18(Vol.410) 初出___Cont.No.snake023    
次の投稿へ トップへ
「編集・発行者からの御礼−−第23編」
ぽんさん、お盆休み中にもかかわらず「髪長私学」の新作力作・「第23編」をご執筆下さいまして、 まことにありがとうございました。前回は「内容をこれまでよりコンパクトにしました」との事でしたが、 今回は「また長編になってしまいました」とメールの中で仰ってた通り、本当に大作でしたね。 (大作だった事もありましたが)編集に日にちがかかってしまいまして申し訳ございませんでした.... まあでも17日までお盆の帰省中でHPを見ていなかった人も多かったと思いますので....ネ(^_^ )。

さて今回は、先日来話題になっておりました2人の髪長女性....双子の豊田姉妹の妹さん理愛さんのライバル(???)が完全にベールを脱ぎましたね。 先ずは双子の豊田姉妹の妹さんですが、はあああ〜〜〜そうだったんですか、 あの最初に出てきた引きずりっ子だったんですかァ!....この娘は確かこの時以来出てなかったですよね??  それから豊田という名前はこれまで明らかになっていなったですよね??....とにかく私には想像がつきませんでした。 こういう意外な再登場って本当に面白いですよね、意外な所で意外な人物同士が繋がっていたというのは。 また、ぽんさんにお聞きしたいですネ....「この最初に出てきた引きずりっ子と世理香&香理奈さんを姉妹にしようと 思いつかれたのは、いつからだったんですか?」って。
その妹の七星ちゃんと美咲ちゃんとのピーチクパーチクなんとも賑やかな会話....ホント女子高生らしくて面白いですよね (まったく普段から電車に女子高生が乗ってきた時の賑やかさときたらねぇ ^_^ )。 “なっちゃん” という呼び方がとても可愛いですよね。 ところで “七星” ちゃんの名前の由来って?....やっぱり車なんですか???(私、ホント車に詳しくないもので)

ところでロングへアーとは関係ないですが、 > 「丸暗記ばかりで考える力がない者は、大学で学ぶ資格はないってことだよ」 .... の件、私必ずしも “フランスやアメリカの大学の考え方が(日本と比べて)全ての点で正しい” とは思いませんが、でも 最近よく聞かれる日本の学生の学力低下は由々しき事態ですよね(円周率を3にするなんてもっての他や!)。 日本って国は、頭で勝負するしかない国なのにね....。
「暗記ばっかりで、考えようとしない」....まったくその通りで困ったもんですが、ただ、この点に関しては、 大人たちもあまり立派な事を言える資格の無い人ばっかりなんですけどね (長くなりますのでここでは詳細は省略しますが、1例を申しますと、 電車の中でちょっと詰めるともう1人座れるのに、それをせずに悠然と広々と座っている人たちの事を考えてみてください) ....ま兎に角、これを読んでおられる方々(老若男女問わず)は『自分は物事をよく考える人間だろうか?』と自問してほしいですネ。 先ずは大人が若者の見本にならないといけないと私は思いますので。

次に理愛さんのライバル(???)である斎藤美森さんですが、 第21編のラストで出てきた3人娘の中の1人だったんですネ?....だとしたら、あの時、この3人の髪について詳細が描かれていなかったのは、 今回の本格デビューのインパクトの為だったんですネ???(^_^ )....他の2人の髪の長さも気になりますね。
実はこれまで “理愛さんのライバル” と暗に仄めかしてこられましたが、この “ライバル” という語感ゆえに私、 『もしかしたら、鼻持ならない性格の女性なのかな?』と想像してたのですが、なんとなく今回の印象では、おとなしそうな素朴な女性の感じですね。 理愛さんとの関係もそう悪くはならないような予感がしますが....。
> 豊田「彼女が過小申告していることは確かですね」 ・・・香理奈は何かを知っているように .... このあたりまたまた何か謎を秘めている様な含みが有って、もう1つ興味が増えましたね。 第21編で香理奈さんが> 長さでは理愛には及ばないけど ....と言ったのは一応美森さんの心を察してなのでしょうか....ねぇ??
それにしても今回の美森嬢と中村氏の会話から、“「髪長私学」は最大の問題に行きついてしまった” という 感じがしますね....それは、“社会の超ロングヘアーに対する偏見” と言えましょうか。
社会に人材を送り出す最終教育機関(つまり大学)である「髪女」としては、これはなんとか越えなければならない大きな壁ですもんね。 中村氏を中心とする(であろう??)「髪女」は果たしてどのような方法で、その壁を越えよう(あるいは打ち壊そう)とするのか ....その点についてとても興味が湧いてきました。
でもその矢先に中村氏がダウンするんだもんな(^_^ )....これはもう前途多難・波乱必至って感じですよね。

ところでケチをつける訳ではありませんで、(感想パート)ですのでちょっと感じた事を述べさせて頂きますと.... > 中村「・・・それに髪もお姉さんよりも長いしね」 .... この「誰々よりも短い」と言われる事って、ロングヘアーを愛している女性にとってはあまり気分の良くない(少々プライドを傷つけられる)言葉 じゃないかなと私は思うんですヨネ(勿論全ての女性がそうではないでしょうけど)。
実は私、長年由香さんを描いている内に彼女とはもう一身胴体になってしまっておりまして、心の何割かはロングヘアー女性になってるんですヨ。 だからもしも「由香さんの髪は誰々よりも短い....誰々くらいになってください」などと言われたりしたら(間接的な言い回しであっても)、 凄く気分が悪くなると思うんですヨネ。
ですので例えば、中村氏が「髪もお姉さんよりも長いしね」と言った事で、香理奈さんがムッとするといった “女と男の間のギャップ” が 描かれても面白いんじゃあないかな....と感じましたネ。別に “要望” ではありませんで、あくまでも “感じた事” ですので。

さて、NEW FACE2人が本格的に登場し、これからの「髪女」の向かうべき(?)方向や澤田学長の苦悩も明らかになり、 更には中村氏がダウンすると言う、これからの一層の波乱(予兆と言うべきか)を感じさせる今回の大作「第24編」....とても楽しませて頂きましたし、 繰り返させて頂きますがお盆休み中にもかかわらずご執筆くださいましてまことにありがとうございました。
次の「第24編」も楽しみに待たせて頂きたいと存じます。

長編連載小説「髪長私学」(ご感想)パート
ぽん さん  2003.10.14(Vol.432) 初出___Cont.No.pon015    
次の投稿へ トップへ
 Qちゃんさん、ご感想を頂きまして、誠にありがとうございました。随分と時間が経ってしまいましたが、ご感想へのレスを書かせて頂きました。第23編をご愛読され、「最高に幸せ」とまで仰って頂いて、作者の私としてはこの上ない賛辞に感激しております。
 まずは理愛のライバルとして登場した斎藤美森について。彼女が中村に会いに行った時には髪をまとめていましたが、まだ現役の学生ですので、職場では規定通りに身の丈オーバーの黒髪を長々と床にうねらせていますよ! 香理奈がその髪を見て、理愛よりも長いのではないかと思ったのです。いやー、でもそんな女性たちがいる職場で、一度でいいから働いてみたいですよねえ。元はと言えば、私自身が「こうなりたいなあ」という願望をかたちにしたのが『髪長私学』の出発点でした。この場面も私の願望の一つですね。また、美森の髪の長さについても言及されていましたね。22年間で4メートルともなると、年間平均20センチも伸びなければならないと。うーん、その通りなのですが...。勿論フィクションですからQちゃんさんも、そのあたりはご理解頂いているようですね。しかし、美森の場合は別の事情があるようです。髪質や長さもさることながら、澤田学長自らがスタッフとして選抜するほどの成績優秀者です。にもかかわらず、就職戦線で苦戦を強いられているのは、「ある事情」によるものです。4回生イコール22歳とは限りませんよ...。それは今後の展開を楽しみにお待ち下さい。
 この小説のテーマとなる.「髪長美女」と「就職」の問題。卒業生の進路はQちゃんさんのみならず、読者の皆様方にとっても最大の関心事ではないでしょうか。私も執筆を始めた当初から、理想像を描きたいと思っていました。就職、結婚、出産は、髪長女性には人生の岐路と言っても過言ではないでしょう。超ロングの学生が就職のために、これまで大切に育て上げてきた「女の命」にハサミを入れる。こんな話を聞くと、髪長をこよなく愛する我々としては断腸の思いがします。そんな女性たちを心から応援したいという気持ちも、これから描いていきたいと思っています。卒業生たちを学長の弟が経営する企業に就職させるというのも、当然選択肢の一つになりますね。ただご指摘のように、それだけでは限界がありますので、髪長財団では様々な事業をこれから展開していきます。このあたりも期待して頂きたいところです。
 理愛が髪を切ると決心したことについてですが、これも「ある事情」が深く関わっています。中村が説得して、果たして落着するのでしょうか...。平穏無事に落ち着くことなく、理愛があの長〜〜〜〜〜い黒髪を「切らざるを得ない」状況に追い込まれることになるかも知れません。作者としても、あの4メートルもの「漆黒の生命体」が切り落とされることだけは避けたいところですが...。
 最後に中村がダウンしたことについて少しお話しておきましょう。Qちゃんさんは、あれは理愛を招き入れるための仮病ではないかとのご指摘ですが、なるほど考えればそのようなこともありえますね。いつもQちゃんさんの推理には舌を巻くのですが、私はそこまでの考えはありませんでした。中村は本当に過労でダウンした設定にしましたよ。これがきっかけとなって理愛と中村は会うわけですが、そこで「新しい髪女の名称」が誕生することになります。次回作を是非ともお楽しみに!
 これからも貴重なご意見、ご感想をお待ちしております。今後ともよろしくお願い致します。


 スネークハートさん、ご感想を頂きまして、誠にありがとうございました。随分と時間が経ってからではありますが、ご感想へのレスを書かせて頂きました。
 毎回、非常に丁寧なご感想を頂き、これからの作品の参考にさせて頂くのは勿論のこと、作者として大変励みになっております。改めて御礼申し上げます。
 まずは豊田三姉妹についてですが、最初は世理香・香理奈の髪長姉妹のみを描くつもりでした。しかし、中村の取材初日に彼を驚かせた人懐っこい「引きずりっ子」は私の好きなキャラでもありました。そこで、このまま忘れ去られてしまうのは忍びないと思い、いつかは再登場させようと考えていました。そこで豊田姉妹を描いている最中に、彼女を双子姉妹の妹にしようと決めました。そしてスネークハートさんの仰る「意外な再登場」のチャンスを待っていたということです。「七星(ななせ)」という名前は、『赤ちゃんの名前事典』という本を参考にしました。これは我が子の名前をつける時に買ったもので、類書が他に2冊あります。その中で、私がイメージした名前を見つけてつけた次第です。クルマの名前から命名するのも限界がありますからね。「コロナ」という名前も考えましたが、どうも女の子らしくありませんし、命名されたほうも複雑ですよね。実は「斎藤美森」もこの本を参考に命名しました。
 次に日本の大学についてですが、これは私自身の反省から出たものです。何しろ大学の4年間をレジャーランドにしてしまって後悔している私ですから、今の学生さんには将来のために、もっと自分自身に磨きをかけて欲しいという期待から書いてみました。例えば米国連邦準備制度理事会(FRB)議長のアラン・グリーンスパンが「アメリカの大学を見るがいい。世界中から学生が学びに来ているではないか」というコメントを残していますが、これを否定するほど説得力のある話が、日本の大学関係者から出るとは思えません。ノーベル賞を受賞した教授が当然のごとく教鞭をとる米英と日本の大学には、レベルの差が歴然としています。ここでいうレベルとは、教授陣の研究成果もさることながら、卒業生が即戦力(専門性)で社会にどれほど通用するかというものです。そのあたりを評価して国連が選定した世界大学ランキングでも、東大や京大がベスト50にも入っていないとのことですから、その実力差も推して知るべしでしょう。理系のスネークハートさんも痛感しておられるように、日本は技術立国であるからこそ、世界に誇れる国力を有しているのに、学力低下がこのまま進むと国が滅んでしまいますよね。実際に米国中央情報局(CIA)が「日本は2015年までに、世界の先進諸国の三極(米国、欧州、日本)から脱落するだろう」とコメントするほど深刻な問題です。円周率を3にするなど論外ですよね。小学校だけでなく、私が知っている某女子大の英語の授業に、中学の英語の教科書が使われていました。これも情けない話ですね。英国首相のトニー・ブレアが就任演説で言いました。「我が国に必要なものが三つある。一つは教育、二つ目も教育、そして三つ目も教育だ!」と。文部科学省の学習指導要領が改定されて、現在の小学校と中学校の算数、数学、理科の総学習時間数が、イギリスの半分だということです。本当に将来の技術立国日本、大丈夫なのでしょうか。
 理愛のライバルとされる斎藤美森についてですが、雰囲気からすると、二人が直接対決するようなライバルではないかも知れませんね。でも周囲の人間が彼女たちに取り巻き、ライバルに仕立て上げるということもありますよ。これからの展開も楽しみになさって下さい。また、彼女の「過小申告」問題も何やらウラがありそうですね。何故そのような行動をしたのでしょうか。これもライバル関係と関連して描いていくつもりです。 
 そしてやはり最大の問題は、髪女の卒業生を社会に送り出すこと。そして有能な女性として活躍する場をいかに広げていくかということですね。これは作者としても大変頭の痛いところではあるのですが、この小説を執筆した当初から最も描いてみたかったテーマの一つでもあります。できる限り私が考えている理想に近づけ、1000年の歴史を超えて髪長ワールドを蘇らせたいと思っています。
 最後に女性の髪の長さを比較する発言についてご指摘を頂きましたね。これは自他共に認めるフェミニストである中村とすれば、失言と言われても仕方がありません。作者ぽんとしましても、全く配慮を欠いた発言を中村にさせてしまったという点で、反省しております。確かに「誰それよりも髪が短い云々」の発言は、聞かされた当事者にとっては気分を害するものになるでしょうね。このご指摘に関しては、これから一層配慮していこうと思います。さすがに由香さんと一心同体と仰るスネークハートさんならではの女性心理に精通されたご意見ですね。これからも貴重なご意見、ご感想を頂きますよう、よろしくお願い致します。現在、新作の完成を目指して鋭意執筆中です。次回作もどうぞご期待下さい。どうもありがとうございました。

<編集・発行者からの御礼>
ぽんさん、Qちゃんさん(&私 ^_^ )のご感想へのレス、まことにありがとうございました。
美森嬢、なかなか複雑な事情持ちの方のようですネ。でも....
> 4回生イコール22歳とは限りませんよ .... 確かにそうですヨネ、まあそれほど遠く懸け離れているとは思えませんが。でも、例えば一度社会人を経験した後、 一念発起してもう1度学び直すというのも素晴らしい選択ですもんね.... 日本って国はそういう人に少し偏見があるのか(?)、そういう選択がし難いのかもしれませんね ....延いてはそれが教育レベルの低下にもつながっている様な気も....。

さて、七星ちゃんですが、なるほどそういう経緯で世理香・香理奈姉妹の妹さんになったんですネ。 確かに1回コッキリで終ってしまうキャラになったら可哀相ですもんね、いくら架空の人物とは言え1人の人間ですもんね ....実は手前味噌な事を言って申し訳ないんですけど、私もこれまでいろんな方から送ってもらった投稿の数々は、 なるべくその時だけの使い捨てにせずいつまでも読んでもらえる様に、少しでも工夫をしているつもりなんです。 ま、ホント、再脚光を当てると言う事は大切な事ですよね。
> 「コロナ」という名前も考えましたが、どうも女の子らしくありませんし、命名されたほうも複雑ですよね .... 確かに女の子に「コロナちゃん」はちと可哀相ですよね(笑)、男の子ならまだ良いかも知れませんけど。 ところで名前と言えば、以前「悪魔」なんて名前を付けようとしたのを役所の人がはねつけた件が有りましたけど、 『あの役所の人えらいなァ』と思いましたねぇ....自分にとって何のプラスにもならないのに、他人の子供のためにそこまでしてあげて。 こういう “自分の頭で考えて臨機応変に行動する” という人は最近の日本には少なくなってる様な気がしますネ。 まあ “15才になるまで自分で名前を変えられない” という法律もオカシイんですけど。
> 女性の髪の長さを比較する発言についてご指摘を頂きましたね .... ああいえいえ、失礼な事を言ってすみませんでした。まあ「髪長私学」を読ませて頂いておりますと、その情景が目に浮かぶようですので、 自分がその場に居るような気になってそれで色々と想像してしまいますもので。

この1〜2ヶ月間、ぽんさんも色々とお忙しいそうで、ちょっとご無沙汰しておりますが、 新作「第24編」楽しみにしております。
今回もまことにありがとうございました。
長編連載小説「髪長私学」(ご感想)パート
たっちゃん さん  2003.11.27(Vol.448) 初出___Cont.No.tacha01    
トップへ
皆さん立派な感想を書かれていますので、私なんぞは流し読みしているだけですので、これまで感想を書きませんでした。
ぽんさんの「髪長私学」ですが、文章も格調高く、最初の中村記者が京都女学院に取材に行くシーンなんぞはぞくぞくきました。 ただだんだん長くなって登場人物も増えてきて混線してきました。SNAKEさんが他の2つの小説でなさっているように 表にすると良いですね。

<編集・発行者からの御礼>
たっちゃんさん、ご感想ありがとうございました。
よろしかったらこれからも、お時間のよろしい時で結構ですから、ご感想をいただければ幸いです。
それから.... > 登場人物も増えてきて混線してきました・・・表にすると良いですね .... これは実は私もずーーっと気になっておりますし反省もしているんですよ。 『表を作れば良いんじゃあないか』と気づいた時には既に 「髪長私学」も長大になっておりましたので、最初から読み直す時間が取れませんで.... で、その反省を「バージン・ヘア」「吸血怪人ロンゲルゲ」で活かしてるんですけど、 「髪長私学」だけ表が無くってぽんさんに申し訳なく思ってるんですよ
今回はまことにありがとうございました。






メールによるご感想投稿方法

上のフォームから感想が上手く送れなかった場合は、次の要領にてお送りください。

ただ、現在悪質なウイルス・迷惑メールがネット界に蔓延しておりますので、 (不本意ながら)当面は実験的にこのような奇妙な投稿の方法を取らせて頂きます。 (ただし、1度上手く送れれば、2度目以降は楽だと思います ^_^ )
どうかご理解の程、お願い申し上げます。


  1. メールソフトを起動して、メールの作成ウインドウを開いてください。

  2. 下図を参考に、感想の投稿メールをお作り下さい(OUTLOOK EXPRESSの例)。

    @(必須).... “宛先” 欄に、bh4su59g0@kcn.ne.jpb と 半角英数字で手入力してください。
               (↑ ウイルス・SPAM防止のために、これは全角英数字です)
    ただし実はこの前と後の2つのbの文字はニセ文字ですので、
    後で送信の直前に消す事になります(→ ステップ V)。
    A(必須).... “件名” 欄に、「髪長私学」への感想 とご入力ください。
    B(必須).... お名前は必ずご入力ください(匿名でもご本名でも、どちらでもOKです)
    C(必須).... 感想文をご入力ください。
    (ただし、誹謗・中傷する内容や表現上不適切なもの、及び「髪長私学」と全く無関係なものは、 HPには掲載いたしませんので、ご了承ください)
    D.... もしも私(編集発行者)に個人的メッセージがある場合は、
    追伸 とご明記ください(この部分はHPには載せませんので)

    @〜Cはもし1つでも欠けていましたら、 HPに掲載できない場合が有りますので、お気をつけください。

  3. 上の@で 宛先欄に入力した bh4su59g0@kcn.ne.jpb から 前と後の2つのbの文字を消してください
                      (↑ つまり、2つのbで囲まれた h4・・・jp が本当のメルアドなのです)

  4. そして、送信してください。

1日も早く、ウイルス・迷惑(SPAM)メールが絶滅しますように!(怒)



プライベートメール送信方法

もしオフレコで私(編集発行者)に何か連絡事項がございます場合は、 回りくどい方法で申し訳ありませんが次のような手順でお願い申し上げます。
(勿論ウイルス・迷惑メール対策のためですが、ただし1度上手く送れれば、2度目以降は楽だと思います ^_^ )
このメールは当然、HPには掲載いたしませんので、ご安心ください。


  1. メールソフトを起動して、メールの作成ウインドウを開いてください。

  2. 下図を参考に、メールをお作り下さい(OUTLOOK EXPRESSの例)。

    @(必須).... “宛先” 欄に、bh4su59g0@kcn.ne.jpb と 半角英数字で手入力してください。
               (↑ ウイルス・SPAM防止のために、これは全角英数字です)
    ただし実はこの前と後の2つのbの文字はニセ文字ですので、
    後で送信の直前に消す事になります(→ ステップ V)。
    A.... “件名” は適当で結構ですが、「○○への投稿」という件名だけはしないでください。 (紛らわしくなりますので)
    B(必須).... 当然、本文は“必須” になりますヨネ(笑)


  3. 上の@で 宛先欄に入力した bh4su59g0@kcn.ne.jpb から 前と後の2つのbの文字を消してください
                      (↑ つまり、2つのbで囲まれた h4・・・jp が本当のメルアドなのです)

  4. そして、送信してください。

1日も早く、ウイルス・迷惑(SPAM)メールが絶滅しますように!(激怒)