【アジアのお箸】
東アジアは、箸を使う人々の世界です。
しかし、同じ箸と言っても、その民族の食の方法や生活の違いによって、
箸の形状や使い方は違ってきます。
それはその民族の厳しく長い歴史があり、その事実を箸は表しています。
【 世界の箸 】No/1 遊牧民の箸
羊を追いながら転々とする遊牧民の腰には、常に箸と刀を納めた鞘が
つるされています。
この鞘は、細工をこらし、宝石をちりばめた豪華そのものです。
そしてその多くは、「毒を探る」という銀の箸であったり、箸の先端を
銀で巻いたものです。
この鞘が有れば、いつでもどこでも羊の肉を切り、食事が出来るのです。
【 世界の箸 】No/2 中国の箸
世界の箸でもっとも豪華な箸を使っているのが中国です。
中国の箸は、日本の箸に比べて長く頭から先までがほぼ同じ太さである
「ずんどう型」です。
これは、食卓の大皿から自分の箸で直接料理を取り分ける、食事の習慣
から考え出された形状です。
このように、取り箸を使わないのは、親しさの表現であり、直箸を嫌
う日本人とは対照的です。
現在は、象牙・竹・塗り箸が一般的ですが、古いものには象牙をはじ
め、金・銀・琥珀・翡翠などの素材に、精巧な細工をしたものがあります。