紳士の話術
紳士は基本的に争いを好みません。ただ、平和主義者ではありますが無抵抗主義者では
ありません。時には争うこともあるでしょう。
しかし、いきなり暴力というのは感心しません。紳士には紳士の戦い方があるはずです。
それについては後述しますが、まずは話し合いで争いを回避する努力をすべきでしょう。
ただひたすら謝って争いを回避する、というのも一計でしょうが、それでは紳士道に最も重要な
「根拠のない自信と裏づけのないプライド」をなくしてしまうことになります。
それでは紳士的な対応とは、どういうものでしょうか?
紳士には常に「ユーモア」や「ウィット」が求められます。「粋(いき)」でなければならないのです。
「浮浪雲(はぐれぐも)」という漫画があるのですが、その主人公「雲」が毎回、通りすがりの女性に
片っ端から声をかける(ナンパする)のが、いわゆるお約束になっています。
ある回に次のような会話がありました。
雲:「おねえちゃん、粋だねえ。」
女:「帰りだよ。」
「粋」と「行き」をかけただけの駄洒落なのですが、いきなり通りすがりの男に声を
かけられて、咄嗟にこのような返答ができる彼女は立派に淑女だと言えます。
ここまでアドリブに強くなれれば問題はないのですが、それはなかなか難しいでしょう。
それではどうしたらいいのでしょうか?
知的に思われようと 見栄をはって嘘をつくのはエレガントではありません。それでは
発覚した時に言い訳が出来なくなります。
何も実際に知的にならなければならないのではなく、要は相手に知的だと思わせればいい
のですから、そのための技術を覚えればいいのです。
ただし、身に付くのは「ハッタリの技術」のみで、あくまで知的な「フリ」ができる
ようになるだけです。この人は大人だと頼られて、却って窮地に陥ることもあるかもしれません。
そんな時は、曖昧で穏やかな笑顔を浮かべてごまかすようにしましょう・・。