テクニック

 

  それでは精神的な心構えだけでなく、もう少し実践的なテクニックについても述べていきましょう。

  まず第一に「会話を無理矢理自分の得意分野にもっていく」というのがあります。

この時気をつけなくてはならないのが、得意分野が「アニメ」などだと逆効果だということです。

  別にアニメの話題が悪いというわけではありません。持ち駒がアニメ関連だけというのが

まずいのです。

  同じく、芸能ニュースなども控えた方が良いでしょう。話を盛り上げることはできるかもしれませんが

それは紳士道継承者の姿ではありません。 (まあ貴方は紳士道継承者ではないでしょうが。)

  やはり「教養」と呼ばれる分野の知識も仕入れておいた方が良いでしょう。

 「そんな分野の知識などない。」と言う方は、覚えておきたい言葉」のページに

進んでください。  

 

  また、「嘘ではないが本当でもない」という話し方も有効です。

  例えば、みんなが吉川英治の三国志(全8巻)の話をしていたとします。そこで貴方が

「三国志か、俺まだ7巻から読んでないな。」

と発言したとしましょう。

  この時、貴方は1冊も読んだことがなくても嘘にはならないのです。

  みんなは、貴方が 「6巻までは読んでるんだ」 と思うかもしれませんが

そんなこと一言も言っていないのですから。

  他人がどう解釈するかまでは、こちらの知ったことではありません。嘘はついていないのですから

堂々としていれば良いのです。

           

 


 

 

  占い師も、話術に関しては独特のテクニックを持っています。

  それらは長年の人間観察の結果によるものも多く、そう簡単に身に付けるのは難しいのですが

幾つか覚えておくだけですぐに使える台詞を上げておきましょう。

 

・ 「あなたには水難の相が出ています。」

 

  占い師の定番の台詞の一つです。

  たとえ近所に池や湖がなくてもお手洗い・浴室など、身の回りに水は溢れています。

他に雨に降られたりするのもそうですし、誰しも深く考えれば「水難」と言えるような災難に

一度は遭っているものです。

  いきなりこんなことを言う占い師は信用しないようにしましょう。

 

 

・ 「あなたは、人間関係で悩んでいますね。」

 

  世の中に、人間関係で悩んでいない人などいません。

  職場の人間関係・親子関係・恋愛問題、すべて「人間関係の悩み」です。

自分から占ってもらいに来るほど悩んでいるのですから、こう言えば当たるのは当たり前。

 

  ちなみにこれは恋愛にも応用できる台詞で

「今、人間関係で悩んでいることがあるんじゃないの?」

と相談役として近づき始め、徐々に距離を縮めていきましょう。

 「いい人」で終わるかどうかはあなた次第ですが、その際気を付けなければならないことは

「とにかく相手の話を聞き続ける。」ということです。

  色々言いたいことも出てくるでしょうが、相手は愚痴を聞いて欲しいのですから適当に相槌を

打ちながらひたすら聞き役に徹しましょう。

 

 

・ 「あなたのお父さんは死んでいませんね。」

 

  これも、人間の心理を利用した上手い言い回しです。

  あなたのお父さんがまだ生きていれば

「あなたのお父さんは、(まだ)死んでいませんね。」

と聞こえ、すでに亡くなっている時には

「あなたのお父さんは、(もう)死んで(しまって)、いませんね。」

と聞こえてしまうものなのです。

 

 

  あなたは「そんな都合よく解釈してくれるわけがない。」

と思うかもしれませんが、自ら占ってもらいに来るような人は心のどこかで占いを

「信じたい」と思っているものです。心が弱っている状態ですから、簡単に

「当たった。」とか

「この人は本当の私をわかっていてくれる。」

などと思ってしまうのです。いや、思いたいのです。

 

  娯楽として、悩みを解決するための指針として、また一歩を踏み出すきっかけしての占いには

それなりの価値があると私も思います。

  しかし、あくまで相手は商売でアドバイスしているだけです。

  悩んでいる時には自分で考えることを放棄して、言われるままに行動したくなる時もあるでしょうが

占い師は決して自分の発言に責任を取ってはくれません。

  最終的な責任は常に自分にあることをお忘れなきように。

 

  宗教も同様ですが、こちらは自分が納得していればそれで良いとも言えます。なぜなら宗教とは

元々、心の平穏を得るために作り出されたシステムなのですから。貢ぎすぎて周りの人間に

迷惑をかけたりしない限り、自分の好きにすればいいと思います。

  ただ、そんな人間は嫌いなので私に近づくな。

 

 

  占いや宗教に依存してしまった者は、決して紳士とは呼べません。

どうか紳士道実践者として、強い心を持つようにしてください。

 

  どうしても占いを信じてしまう人には、この言葉を。

「なんで過去や現在が当たったからって、未来まで当たると思えるんだ?」

  過去や現在はいくらでも知る方法があります。それが当たったからといって、未だ確定していない

未来のことまで分かると、どうして思えるのでしょう?

  だいたい本当に未来のことがわかるのなら占い師などせずに、競馬なり株なりをして

大儲けしてればいいのです。また、そんな人間の方が言葉に説得力も増すというものでしょう。

  また、

「金のためにi言っているんじゃない、あなたのために言っているんだ。」

という恩着せがましい人間は

「だったら見料取るな!」

の一言で一蹴してしましましょう。

 

 

   最後に、占い師などに限らず、自分より相手の方が口が達者な時に使えるテクニックを一つ。

 相手が話し終わったら、あなたはニヤリと笑って一言

「それがどうした?」

とだけ言って立ち去りましょう。

 

  口が達者な相手に口で勝つ必要はありません。舌戦それ自体が相手の得意分野なのですから

こちらは「生き様」で勝負すればいいのです。

  あなたに正義があれば、周りがあなたを勝者とみなしてくれるでしょう。

 

 「それがどうした?」は宇宙最強の呪文ですが、正義がないと「負け惜しみ」と取られてしまうので

注意が必要です。

 もっとも紳士であるあなたにはそんな忠告、無用なものだとは思いますが・・。  

 

 

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