紳士の戦略
孫子の時代から、もっとも上策とされている戦略は 「戦わずして勝つ」 というものです。
もちろん圧倒的な戦力を誇示して相手に戦う気をなくさせる、というのもその一つですが
そこまでの戦力を用意するのは容易なことではありません。
戦いには ディベート・会議・恋愛 など様々な形があり、その場に応じた戦略・戦術が必要と
されます。そこには心理学の要素が求められることが少なくありません。
以下、覚えておくと役に立つと思われる心理学用語を表にしてみましょう。
覚えておくと有効だと思われる心理学的用語
会議などで有効な知識 恋愛などで有効な知識 どちらにも有効な知識 親近効果 親和欲求 熟知性の原理 初頭効果 ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック (譲歩的要請法) パーソナル・スペース 後光効果 (ハローエフェクト) ロー・ボール・テクニック (承諾先取り要請法) ピグマリオン効果 スティンザーの三原則 ランチョン・テクニック
ただ、これらについて細かく述べていくと完全に心理学のHPになってしまうため、ここでは
詳しく触れないことにしておきます。どれも心理学の基礎的な知識ばかりですから入門書やインターネットで
調べてみてください。
では、戦わずして勝つには、どうすればいいのでしょうか?
それに関しては京極夏彦氏の「絡新婦の理 (じょろうぐものことわり)」 の
580ページから583ページを参照してみてください。害意を持っていることを悟らせずに相手を
排除するという、実にすばらしい方法が載っています。
全文をここに掲載したいのですが、なにぶん長いので・・。そのうち載せます。
基本的な戦略としては他に「敵と敵を噛み合わせて漁夫の利を得る」、というのがあります。
自らは手を汚さず、「勝利を得る」のではなく「勝利を盗む」ようなこの戦略を、卑怯な物として
「紳士的ではない」と思う人もいるかもしれません。
しかし、考えてみてください。あの「紳士のスポーツ」サッカーでさえ「相手をだます卑劣な手」
である「フェイント」を認めているのです。むしろ賞賛していると言ってもいいでしょう。
細かいことを気にしてはいけません。
他にも有効な戦略は色々あるので順次更新していきますが最後に一つ、戦う時に絶対忘れては
いけないことがあります。
それは 「相手の退路を断つな」 ということです。
圧倒的な形勢であっても、止めを刺してはいけません。「窮鼠ネコを噛む」の例えどおり
(陳腐な表現ですね。)思わぬ反撃をこうむることがあります。相手が精神的に負けを認めていたら
こちらから折れてあげましょう。それでこそ紳士の度量を示せるというものです。
そう、「頭は有利な時にこそ下げる」ものなのです。
引き際を誤ると、如何に紳士からかけ離れた存在になるかはこれまで数多(あまた)の政治家達が
身を持って示してくれました。おそらくこれからも反面教師として示し続けてくれることでしょう。
このようなくだらない文章をここまで読み続ける度量と忍耐力を持っているあなたなら、大丈夫。
そのような「悪しき前例」を踏襲するような人間にはならないと信じています。
「勝って敵を増やさず、負けて何かを得る」、これが紳士の戦い方です。
勝利にこだわらず、敗北を教訓とする思考法を身に付け、一流の紳士道実践者になってください。
―世界を、革命する力を!
( 意 味 な し )