10時30分、仏隆寺駐車場を出発。
桜が満開の時には人でごったがえしていた仏隆寺の石段も、今は人影もなくひっそりと静まり返っている。
石段を左に見ながら林道を登っていく。
すぐ上の広船寺の向こうの橋を渡り、集落の中に入っていく。
民家の戸口で農作業をしていたおじいさんが、ザックにぶらさげた鈴の音に顔をあげて、声をかけてくる。
「あんた、一人で登るんか?」
「そんだけ鈴付けとったら、熊はけえへんわ。気いつけて行きや。」
稲穂が金色に波打っている。もうすぐ稲刈りも始まるのだろう。
柿がたわわに実っている。
こんな山の中だというのに、立派な家が多い。どっしりとした萱葺き屋根に白壁が美しい民家も残っている。
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