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仏隆寺モチヅキ桜  油彩10号

2005年春、初めて仏隆寺を訪れた。
噂に聞くモチヅキ桜を見るために。


桜の開花が待ち遠しく、蕾の固い頃から数日様子を見るために車を走らせやっと満開の桜に巡り会えた。

そして、翌日から三日ほど油彩の道具を担いでせっせと通った。


その頃は、さまざまな事情があり、自分が再び山を歩く日がやってくるとは到底思えない時期だった。
絵を描きながら、三郎ガ岳へと登っていくハイカーを、羨ましく目で追ったものだ。
合間に、林道を辿り、未練がましく登山口を覗きに行ったりした。


この作品は、完成させないまま今日に至っている。
裏山の色とりどりの芽吹きの色が、主役の桜と相まって素晴らしいシンフォニーを奏でていた。

     

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