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−朝食後・菖蒲の間− 直樹「なあ、真琴、後で海に行かないか?」 真琴「…うん」 美樹「昼頃には帰るからあまり時間ないわよ」 直樹「ああ、わかってる。 そんなにいるつもりはないよ。 美樹達もどこか行くのか?」 美樹「あたし? あたしは温泉」 進也「俺は寝る」 直樹「そうか… じゃあ、ちょっと行ってくるな」 −海岸− 真琴「今日は晴れてるね。 いい気持ち…」 直樹「真琴…話を聞いてくれるか?」 真琴「うん…」 直樹「昨日、進也に言われたよ… おまえは血のつながりに縛られているって…」 真琴「……」 直樹「でも俺は…真琴が俺の妹でよかったと思う。 妹じゃなかったら真琴のことを知ることもなかったかも知れない… そして、もし真琴と俺に血のつながりがなかったら 喜んでおまえの告白を受け入れただろう。 血のつながりがあるから真琴を知ることができて、血のつながりがあるから悩んだ。 俺は血のつながりを否定するつもりはない。 だから、真琴は俺の妹だ…」 真琴「うん…」 直樹「でも恋人でもあってくれたらいいと思う。 うれしかったよ…真琴が俺のことをそんな風に想っているなんて…」 真琴「うん」 直樹「これじゃ駄目かな?」 真琴「十分だよ」 真琴は直樹に抱きついた。 真琴「私すごく不安だった…」 直樹「真琴…泣いているのか?」 真琴「ごめん、お兄ちゃん… 安心したらなんだか涙が出て来ちゃった… これって…夢じゃないんだよね…」 直樹「真琴…顔を見せてくれ」 真琴「泣き顔だもん…やだよ…」 直樹は真琴の顎を持って上を向かせる。 そして、唇を重ねた。 真琴「ん……」 直樹「夢じゃないだろ?」 真琴「…バカ」 −帰り道− 真琴「ねえ、お兄ちゃん」 直樹「……」 真琴「お兄ちゃんってば!」 直樹「…ん?なんだ?」 真琴「なに考えてたの?」 直樹「ああ…うん… なあ、真琴…」 真琴「な〜に?」 直樹「俺…これからは働くことになる… そしたら今までみたいなバイトよりは収入が増える。 二人ぐらいなら暮らしていけると思うんだ」 真琴「うん…」 直樹「だから…一緒に暮らさないか? 決して楽な暮らしじゃないと思う。 真琴に家事を任せることになるかも知れない… それでも真琴が一緒に暮らしてくれると言ってくれるなら、俺はうれしいよ…」 真琴「うん、一緒に暮らそ。 私もお兄ちゃんと一緒に暮らしたいよ…」 直樹「ありがとう」 −帰りの車の中− 進也「直樹とマコちゃんの仲はどうなったの?」 美樹「なに言ってるの。 うまくいったに決まってるでしょ。 二人の様子を見ればわかるじゃない」 進也「…見えないよ」 美樹「アハハ、そりゃそうだね。 二人仲良く寝てるよ」 進也「そっか…」 美樹「どうしたの〜? うらやましいのかい?」 進也「別に…」 美樹「しょうがないな〜」 美樹は進也の頬にキスをする。 直樹と真琴は互いに寄り添って寝ていた…
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