和紙の里をたずねてー手漉き和紙づくりー
平成12年9月 吉野の窪垣内(国栖)の福西和紙本舗へ紙漉き見学と体験に出かけた。
=和紙が出来るまで=
1、楮作り
和紙の原料は 三椏、雁皮、楮などあるが、吉野の国栖地区で使われている楮は、苗を作りその年の
秋か翌春に 本畑に移すと、次の秋頃 刈り取れる太さに育つ。
2、楮切り
十分に成長している楮を刈り取り、一定の長さに揃え 枝を払って束ねる
3、楮蒸し
約4時間 釜で蒸し、原木より樹皮をはぎ取る(黒楮)樹皮より表皮をとって(白楮)充分乾燥させる。
4、天日干し
白楮にして2年間貯蔵する。
5、川晒し(水浸漬)
白楮の束を花びらのように広げ 吉野川でさらす 晴天の日、冬は約3時間、夏は約4時間さらす |
6、ちりきり(除塵)
かみそりの刃で白楮の傷の部分を取り除く
小さい塵や不純物が混じっていないか 一つひとつ丹精こめて取り除く(ねばりのある和紙になる)
7、釜たき
釜に 楮と草木灰汁又はソーダ灰を入れて 煮ながらかき混ぜる。 あく抜きをする。 |
8、水洗い、塵取り
草木灰汁を洗い流し、丁寧に塵を取り除く。
9、紙素(かみそ)打ち
柔らかい腰のある紙にする為 丁寧に叩解(こうかい)する 楮の繊維をたたいてほぐし、どろどろの綿状にする |
10、紙漉き
紙漉き作業場 | 紙漉きの体験者1 | 体験者2、 |
水を入れた漉槽に たたきつぶした紙素を入れ馬鍬(竹の櫛状の道具)で 繊維をほぐし、木糊を加え
まぜばい(竹の棒)で混ぜ合わせる。木枠の間に簀(細い竹のすだれ)をはさみ、漉き上げる
11、紙床の圧搾
漉き上げた紙は 紙床板に次々に重ねて簀をはがし 翌日、その上に もう一枚板を乗せ圧搾して水を切る。これを「押しかけ」という |
12、紙つけ(板張り乾燥)
干板に一枚一枚ハケで張り付け 天日乾燥させる (蒸気乾燥する場合もある) ←ハケ |
13、紙こしらえ(選別)
紙を選別し、揃える。
* 筆も紙も墨も いつも見学した後は 大切に使わないといけないと思うのに 書いている時は忘れて
しまう。大切に良いものを書かなければ・・・
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