マウンテンバイクで野山の道を走るのはとても楽しいですよね。でも楽しいことばかりではありません。いろいろ危ない目にも会います。マウンテンバイクの楽しさは、「安全」に走ってこそ実現できるものだと思います。今回は、「安全走行」について考えてみました。
真っ先に注意したいのは、やはり「車」です。車にぶつかったら、命も自転車もひとたまりもありません。
■車
マウンテンバイクで走るにしても、一般道を走ることなしに目的地には着けません。一般道は、人、自転車、バイク、車が通ります。
そこで、なんと行っても一番怖いのは「車」ですよね。特に交通量の多い国道などでは、常に緊張が強いられます。自転車が通行できる路側帯があればまだしも、ない場合には、脇をぎりぎりでダンプカーや大型トラックが通ったときには、車輪に吸い込まれるような感じになり、恐怖すら覚えます。
トンネルに入って、人や自転車が安全に通れる場所がなかったら、最悪です。トンネル特有の大騒音を聞きながら、排気ガスが充満する暗闇の中、大型車の通行におびえて走らなければなりません。
ですから、交通量の多い国道などを通るコースは原則として避け、交通量の少ない道を選ぶことが大切だと思います。
次に、道路については、路面の状態を知り、コースの形状を読み取って、適切な走行をすることがポイントになります。
■ブラインドコーナー
山道などでは、カーブの先がどのようになっているかが見えないブラインドコーナーによく出会います。そのようなカーブでは、常に車やバイクが対向してくることを念頭に入れて走る必要があります。出会い頭での衝突を避けるために、右カーブ、左カーブのどちらの場合でも、コーナーの入り口、コーナー、コーナーの出口に対して、常に道路の左側にラインを取って走ることが大切ですね。
■山道に落ちている木の枝
山道に落ちている木の枝も怖い存在です。特に下りの山道で、道の真ん中に直径3〜4cm程度の木の枝が落ちていたとしても、普通ならその木の枝を踏んで走っても大丈夫だと考えるのですが、その枝が硬く、しかも濡れていた場合に、その枝を斜め方向から踏もうとしようものなら、前輪が滑って転んでしまいかねません。私は、それで2〜3度転んでしまい、ひどいときには足に傷を負ったことがあります。右側に転ぶと、自転車のチェーンリングやフロントディレーラー、リヤディレーラーを石などで打って壊してしまう危険性もあります。山道に落ちている木の枝はなぜか気づきにくく、気づいたときには避けられない、ということがよくありますので、気をつけましょう。
■道のくぼみや浮いた砂
山の中に入ると、道が傷んでいて、アスファルトの道であってもところどころ穴があいている箇所があります。平地で見通しのよい所ならまだしも、下り坂にある深いくぼみに車輪がはまろうものなら、即転倒にもつながりかねません。
それと浮いた砂も大敵です。コーナーにある道で砂が浮いていると、車輪が滑ってブレーキが効かないという状態になってしまいます。私が初めてMTBを手にして、喜び勇んで走り回っているうちに、下り坂でこの浮いた砂のために車輪が滑り、用水路に落ちて怪我をしてしまったという経験があります(「MTBを買った日に用水路に落ちた!」をご覧ください)。
■一方が深い谷になっている山道
山の斜面に道が通っていると、当然ながら一方は山側、他方は谷側になりますよね。私は、安全のため、できるだけ道路の山側を走るようにしています。路面の状態により、ふらついて、谷に落ちてしまっては何にもなりませんから。
しかし、どうしても道の谷側を走らざるを得ないことがありますが、谷が深いときには結構緊張します。そんなときには、自転車のサドルを少し下げてから走るようにします。
MTBに乗る人なら常識になっていると思いますが、サドルの高さは、サドルに座って足のつま先が着く程度がちょうど良いとされていますよね。でも、その高さだと、自転車がふらついたとき、とっさにうまく足を着くことができないことがあり、転倒しかねません。谷側に転倒したら一巻の終わりです。ところが、サドルを下げていると、足着きがスムーズになり、たとえ自転車がふらついても転倒することはまずありません。安心して走れるから、谷深くともまた楽しからずや、です。
さらに装備面でも注意が必要です。
■ブレーキとクイックリリースレバー
装備面で一番大事なのは、ブレーキでしょう。ブレーキが効かなかったら、どんな大事故になるか目に見えています。私は、自転車に乗って直ぐにブレーキの効き具合やレバーの感触をテストして、異常がないことを確認するようにしています。
それから、自転車の車輪を外して車に乗せて運び、目的地で車輪をはめて走り始めるときは、ちゃんとクイックリリースレバーが締まっているかを確認します。クリックリリースレバーを締めていなかったり、締め方が甘いと、走行中に車輪が外れて危険です。下り坂の悪路を走行中に車輪が外れたらと思うと、想像するだに恐ろしいですね。
■ヘルメットをかぶろう
2輪の自転車は転倒がつき物です。どんなに気をつけていても、いつ転倒して頭を強打するかもしれません。転ばぬ先の杖として、ヘルメットをかぶることは大切だと思います。
それから、私の場合、自転車に乗るときはいつも背中に小さなザックを背負っていますが、そのザックには、水筒(ペットボトル)や軽食類、タオル、上着などちょっとしたものが入っています。ところが、転倒時にはそのザックが結構クッションとして背中の保護に役立つことがわかりました。