2000年8月19日、京都府相楽郡和束町から南山城村を経て三重県の島ケ原村まで続く「三国越林道」を走ってきました。三国越林道は、山の中腹や尾根を通っていて、明るくて展望の良い、すばらしい道です。全線舗装されています。登坂もきつくありません。適度にアップダウンのある、走りやすい道でした。三国越えの展望台を過ぎてから島ケ原までの道は、延々と下り坂が続き、とても快適でした。
コースは次のとおりです。
加茂町(自宅) → (府道5号線) → 和束町の道の駅「茶処和束」 → 三国越林道起点 → 童仙房 → 野殿 → 島ケ原 → (国道163号線) → 笠置 → (県道33号線) → 須川 → 岩船寺 → 加茂町(自宅)
今回の林道ツーリングは、自分の体力を試すという目的がありました。これまで経験したことのない長距離を長時間かけて走ります。 三国越林道自体は地図を見ると約20kmほどですが、往路、帰路を含めると60km近くあります。この道を9時間かけて走りました。ただし、途中道に迷って1時間のロスをしていますので、順調に行けば、約8時間で帰れたはずです。それにしても、自分としてはよく走ったものだと、自己満足しています。
朝5時55分に家を出て、JR加茂駅を経て府道5号線を走り、和束町の道の駅「茶処和束」で昼食のおにぎりを調達しました。島ケ原までは店はないので、食料や飲み物はここで調達しておくのが得策です。「茶処和束」を出るとすぐに三国越林道の起点へと向かったのですが、何としたことか、林道の入口を見落とし、そのまま木屋峠を経て国道163号線に突き当たる木屋まで行ってしまいました。途中、「おかしい」と思い、いったんは引き返したものの林道入口を見つけられず、「もう少し先まで行ってみよう」と思ったのが間違いのもとでした。木屋に着いて、「しまった」と思ったものの、「時間はたっぷりある。もう一度和束道の駅まで引き返してみよう」と気を取り直し、木屋から峠までの急坂の道を引き返しました。すると、和束の道の駅にかなり近いポイントに、三国越林道の入口がありました。引き返した道(木屋から和束方面への道)からは「野殿 童仙房」の道路標識が見えたのです。
林道入口に立ってみてわかったのですが、林道への分岐点のすぐそばに大きな建物(工場)が建っていたために、来るときは、そこから左に分岐する道が見えませんでした。考えられないことですが、そのとききっと右側の建物を見ながら通過したのでしょう。なお、林道起点を示す標識が柱の陰になっていて、しかも草に覆われて見えにくかったです。ちょうど1時間のロスでした。
やっと三国越林道を走り始めました。林道は緩やかな登坂になっていて、途中下り坂も適当に織り交ぜられており、とても走りやすい道です。車の通行もほとんどありません。林道は山腹または山の尾根を走っていて、明るく開放感があり、周りの景色も良く、走っていて飽きませんでした。
やがて、童仙房地区に入りますが、その入り口付近で大きなY字路が出てきます。どちらも同じ道幅で、標識もなく、迷いました。地元の人に教えてもらったのですが、右側を行くのが正解です。なお、三国越林道は東海自然歩道にもなっているようで、迷ったときには、東海自然歩道の標識が立っている道を選べば良いようです。
童仙房地区の家並みを過ぎると、東海自然歩道の休憩所が見えました。午前10時前とはいえ、ちょうどおなかもすいてきたことだし、休憩所で昼食を取って一休みしました。
休憩所を出てしばらく走ると、小学校が見えてきます。小学校を過ぎると、山間の登坂になります。やがて、野殿地区に出ます。野殿の田んぼでは、もう稲穂が黄色くなりかけていました。
野殿からは登坂が続きます。急ではありませんが、長い距離に感じられました。やがて三国越えの「展望台」下に到着します。展望台までは山道をちょっと登りますが、そこからの眺めはすばらしいです。島ケ原付近だけでなく、遠くは上野市街の方まで展望できました。
展望台を過ぎると島ケ原までず〜っと下り坂です。景色も良く、まったく快適でした。
途中道端で面白いものを見つけました。岩に彫った人の顔です。高さが2mほどありますでしょうか。スフィンクスのような感じです。光の加減か、ちょっと悲しそうな表情に見えるのが残念ですが、どんな人が何を思ってこれを彫ったのしょうか。
お盆を過ぎたばかりだというのに早くもコスモスが咲いているのを見て驚きながら、三国越林道の終着の島ケ原に着いたのは12時過ぎでした。ここからは国道163号線を木津方面に向かって下ります。しかし、国道163号線は道幅が狭いうえに交通量が非常に多く、しかも大型トラックが頻繁に通ります。大型トラックは車線いっぱいに走りますので、道路端に歩道のない場所では、トラックに巻き込まれそうで恐怖を感じました。薄暗くて長い、車の轟音が鳴り響く笠置トンネルの中を抜けると笠置に着きましたが、それ以上国道163号線を走るのは止めにしました。命を危険にさらすのは御免です。遠回りになりますが、笠置から県道33号線を通って岩船寺に抜ける山道を走って帰ることにしました。
13時過ぎに笠置トンネルを抜けたときは、雨が降っていました。頭の上は青空が見えているのに、雨が降っているのです。笠置の町中を通り過ぎると、雨足が強くなってきたので、休憩がてら10分ほど雨宿りをし、小雨になってきたところで出発しました。雨はしばらくすると止み、再び夏の暑い太陽が照りつけてきました。
結構登り坂のきつい山道を走って岩船寺前に着いたのが14時半、そこからいつものコースを通って家に到着したのは14時48分でした。家を出てからほぼ9時間が経っていました。
それにしても、こんなに走ったのは初めてでした。この前の5月連休に鷲峰山林道を走ったときは5時間半ほどでしたが、途中で腰とお尻が痛くなってきたのには閉口しました。しかし、今回はそのような身体的なトラブルがありませんでした。それができたのは、スペシャライズドのボディージオメトリーサドル「BGスポーツMTB」(標準価格6,000円)のおかげです。
注文していたこのサドルが届いたのが、8月18日の午後でしたから、ぶっつけ本番でこのサドルの効果を試したことになります。でも、正解でした。最初にお尻をサドルに乗せたときのフィーリングは、前のサドルとほとんど変わらないので、「こんなんで本当に痛くならないのだろうか」と半信半疑でしたが、本当にお尻や腰が痛くならないのです。なお、お尻の部分にパッドの入ったバイクパンツなどははいていません。はいていたのは、足首の部分が細くなっている、スーパーで安売りしていたスポーツ用のズボンでした。休憩時間を含めてとはいえ、9時間もマウンテンバイクに乗ってお尻や腰が痛くならないのは、私にとっては驚異的です。前のサドルでは、3時間が限度でしたから。このサドルにはまったくもって感謝感激! これを開発した医学博士ドクター・ミンコーに足を向けて寝られません。
ともあれ、私にとって初めての長距離、長時間の林道ツーリングは、成功裏に終わりました。