ルネのきままなアトリエ
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奈良県・三重県:標高1235m
 2005年12月10日(土) 晴れ 夫と


山頂手前の稜線

本格的な霧氷は一月になってからかとも思ったけれど、この数日、猛烈な寒波。うまくいけば霧氷が見られるかもしれない。
高見山か三峰山。この寒さで同じように霧氷を狙って登山者が押しかけるかもしれない。山頂部の広さを考えると、人口密度は三峰山の方が低そうだ。
「すごい人かもしれへんよ。」
出かけた三峰山で出会ったのは、たったの11人だった。

が、翌日意外な事実が判明。
昨年「我が道を行く!」主催の三津河落山をご一緒したチーさん、単独行さん、そしてお二人の山仲間のしろくまさんが同じルートを歩いていたのだ。私たちの少し前。
しかも、山頂ではニアミス!ジェット機なら警告音がけたたましく鳴り響くほどの接近!(そんなの鳴るかどうかは知らないけれど)

ふ〜、危なかった・・・。
いえいえ、残念・・・!

気温が高すぎるのか霧氷はいまいちだったけれど、今冬初の本格的な雪景色。
青い空。真っ白な雪。
清冽な空気を胸いっぱい吸い込んで、満足度100パーセントの一日だった。

コース
 9:55 林道新道線途中(駐車)
10:19 林道終点
11;11〜11:25 新道峠
12:07 三畝峠
12:25〜12:36 山頂
12:42〜13:40 八丁平(昼食)
13:58 不動ルート分岐
14:00 避難小屋
14:37〜14:45 登り尾休憩所
15:24 駐車地




そろりそろりバックする
御杖村神末に入ると向こうに見える三峰山はうっすら白い。むむむ、これはいけるかも知れない。

青少年旅行村ゲートの手前駐車場には2台車が止まっている。
ここから新道峠への林道終点まで歩くのはかなり辛いものがある。
道には雪のかけらもなく、乾ききっている。凍てつくような寒さでもない。

車にチェーンは積んでいるけれど、タイヤはノーマル。それもかなり磨り減っている。
「終点まで登れるんちがうか?」夫がのんきに言う。
う〜ん、行けるかもしれない。行けないかもしれない。(当たり前)
判断するには頭の中の情報量が足りなさ過ぎる。
行ける所まで車で登ることにする。

登り尾への林道分岐を過ぎ、尚も登る。カーブを4つほど上った所で前方がアイスバーンになっている。
行けるか、行けるか・・・念じながらその上をゆっくり登る。しかし、途中であろうことかチェンジを入れ替えるのにちょっと止まりかけた。再びアクセルを踏んだが、遅し。
後輪が空回りしながらスーッと滑っていく・・・。

ひぇー!
「私(車から)降りて、(道に)柴でも敷こうか?」一人で脱出しようと試みるが却下される。

楽して登ろうと思ったのが間違いだった。
慎重に慎重にバックする。
・・・どうか、どうか、(もしものことがあっても)私だけは助かりますように・・・。

懸命な祈りの甲斐あって、安全なところまで下りてこれた。少し広くなった場所に駐車。
準備をし、出発。
先ほどのスリップ地点で引き返して正解だった。
そこから上は、道は雪で覆われ、ところどころアイスバーンになっている。
窮地を脱した後は足取りも軽い。元気良く登っていく。

20分あまりで林道終点。
車は一台も止まっていない。
ここから右の植林帯に入る。

植林帯が終わり、自然林に入りしばらくして、左に展望が開ける。
古光山、倶留尊山、尼ガ岳、大洞山が向こうに広がっている。

またしても植林帯に入り、ぐんぐん登っていく。

夫が雪の上の足跡を指差し「前の人、走って登ったんちがうか」
見ると、確かにつま先がかなりスリップして、勢いよく駆け上がっているように見える。
(チーさん、走ってました?)

杉の植林帯の中を登る 雪の重みでクリスマスツリーのような杉

鹿よけネットをくぐり、小沢をつめていく。
沢の源頭で右折。
程なく新道峠。
人気はない。

鹿よけネットをくぐる 沢をつめる 沢の源頭で右折



積雪15センチぐらいか。
時折、ドサッと枝から雪が落ちる音がする。
チチチ、と鳥の鳴き声が聞こえる。

気温が高すぎるのか、枝先の雪はほとんど落ちてしまっている。
早朝だったら、霧氷が見られたかもしれない。
せめて、 後2時間早ければ・・・。

峠の少し先で、大休止。
お腹が空いたので、アンパン(またか!)と熱いお茶を食す。

いつもながら美味。

休憩している間に、三重県側から登ってきた御夫婦が通り過ぎていく。今日初めて出会う人。


さて、そろそろ出発。どっこいしょ・・っと!
(足を曲げずにストックのみで起き上がる秘技)

左の林の中で人影が見えたと思ったら、スノーシューで下りていく男性だった。
スノーシューで雪の林を彷徨うのも悪くない、だろうな・・・。

新道峠東峰までゆるやかな登りを一息。
先ほどの御夫婦が道をゆずってくださるので、先行させていただく。(後ろからゆっくり付いていきたかったけれど・・・)
新道峠東峰 ゆるやかに下る 気分はスキー

新道峠からはゆるやかなピークを三つ越えていくが、二つ目のピークへの登りが実にいい道だ。

まるで神社の参道のように、一直線にゆるやかな坂が続いている。
雪がなければ、走り根が階段状になっている。(9月の三峰山の記録にも書いたけれど、この「走り根」という言葉が気に入っている)

ああ、そうだ、一つ目のピーク、新道峠東峰への登りの途中、梢の隙間から真っ白な高見山が見えた。夫に言おうと思ったがずっと先に行っていた。ピークでは木々にさえぎられて見えなかった。



走り根の道を振り返る

♪この道はいつか来た道♪・・・2ヶ月前です

雪の重みで馬酔木が・・・ これから馬酔木のトンネル突入する! トンネルを下る


無事トンネルから出ました!


再びゆるやかな道を


登り尾峰を越え、馬酔木のトンネルをくぐりゆるやかな傾斜を登ると新道峠。
登り尾ルートから男性が一人登ってきた。帰りは新道ルートを回るつもりとのこと。

八丁平への道を見送り、山頂へ稜線を辿る。(ここで八丁平へ先に行けば、助さん格さんを従えたチーさん御一行とばったり、だった。あ、単独行さんとしろくまさんでした)

山頂の手前、北に展望が開けた所がある。
真新しい案内板が設置されている。「木曽御嶽山ポイント(快晴の時、年数回見れます) 」とある。
10月初めに来たときはなかった。
何て親切なんだろう。とても親切な案内だ。非常に親切な案内だと思う。
・・・。


新道峠 山頂への分岐 山頂への稜線 親切な?観光案内

山頂には誰もいなかった。
しんと静まり返っている。(先ほどまでの喧騒が嘘のようだ・・・?)

新道峠からここまで、カメラを持った男性二人に出会う。これで、延べ6人。
北側の開けたところから、倶留尊山や古光山など室生の山々が広がっている。

八丁平からカメラを持った熟年男性3人がやってくる。これで延べ9人。


 正面:倶留尊山 その左:古光山(牧場の草地が広がっている) 右端:尼ガ岳・大洞山

記念撮影・・・ 嬉しいと何だか手を広げたくなる


やっぱり手を広げている



左下:風に吹き飛ばされた海老の尻尾



風に吹き飛ばされて
八丁平へ下りていく。
林の中から出た途端、強い西風が吹き付けてきた。
標識のある辺りはちょうど風の通り道になっている。風に雪が吹き飛ばされ風紋ができている。

八丁平では、私たちの後ろから歩いていた御夫婦と三畝峠で出会った男性が食事されていた。

男性は食事を終えて出発するところで、「ここをどうぞ」と、茂みの陰の風の当たらない所を譲ってくださった。

食事の用意をしている所へ、奥福本から一組の御夫婦が登ってこられた。
登山口の様子や駐車場のことなど、いろいろ教えてもらう。
もう少し南に行けば、奥の迷岳や千秋峰が見えるという。千秋峰、どこかで聞いたと思ったら、何のことはない、檜塚辺りのことではないか。

八丁平より望む三峰山

昼食はいつもながらの豪華版・・・と書くところだが、何だかそれも空しくなってきた。
またしても一平ちゃんしょうゆ味おにぎり
夫は食べるものに一切文句を言ったことがない。それだけが取り柄だ。(え?それだけ?)
あ、一回あった。子供が小さい頃夕食をたこ焼にしたら、「これは夕飯と違う」と。
お好み焼きなら何も言わないのに、形が違うだけやん、と、猛反撃したのは言うまでもない。

それ以来、文句を言わなくなった。よく出来た夫だ。(チ、・・いや、誰かの御主人のように、台所の片隅でそっと涙をぬぐっているのかもしれないけれど・・・)某氏の山行記録にそう書いてあった

一番高い山が迷岳


昼食後、奥福本への道を少し歩いてみたが、すぐに引き返した。
風が冷たい。

すぐ向こうに迷岳がある。
いつ登ることが出来るだろう。ずっと思い続けるだけで終わってしまうかもしれない。
人生とは、そんなものだ。

さて、そろそろ下りることにしよう。

高見山のビューポイント。
何と、ここにも新しい案内標識が!
ありがとう!ご親切に!ホントに・・・。


三畝峠から右に下り、登り尾ルートに入る 不動の滝ルートへの分岐を過ぎて・・・ 避難小屋の側を通り・・・

北側の斜面を下りる・・・ 伐採された所から北に展望が開ける やっと登り尾の休憩所に下りてきた

休憩所から林道を下る。また登り返し駐車地に到着。
ふ〜、お疲れさん!


暮れなずむ三峰山



曽爾高原「お亀の湯」から:鎧岳・兜岳・国見山・住塚山屏風岩

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