ルネのきままなアトリエ
⇒ぼちぼち歩きリストに戻る
⇒山域別リスト

青空にそそり立つ笙ノ窟の絶壁笙ノ窟

DAIFUGENDAKE

奈良県・標高1780m
 2005年11月1日(火) 快晴
 単独


どこまでも澄みきった青空。
見渡す限り重畳と連なる深い山々。
鮮やかに色づいた木々の間を縫って辿りついた山頂は、息を呑むような眺めだった。

コース コース地図
10:45 和佐又スキー場登山口
11:05 和佐又のコル
11:47〜11:52 笙ノ窟
12:14〜12:20 石の鼻
13:02〜14:05 大普賢山頂(スケッチ)
14:10 水太覗
山頂巻き道経由
14:32〜15:00 石の鼻(スケッチ)
16:20 和佐又スキー場


水彩スケッチ 午後の稲村ヶ岳
午後の稲村ヶ岳(大普賢山頂より)




登山口

登山届ボックス前
大台ドライブウェーが間近に

和佐又のコル

巨木の間を登っていく
春のシロヤシオ、石楠花に続いて、2度目の大普賢岳。

家を出たのが9時前。国道169号をひた走り、大迫ダムを過ぎ伯母峰トンネルを抜ける。トンネルを出てすぐ右折、急な道を登ること10分あまり。
和佐又スキー場に着いたのは10時半を回っていた。


駐車場には5台ほど止まっているだけ。
秋真っ盛りの素晴らしいお天気でも、平日はこんなものなのか。

ヒュッテに駐車料金を払いに行こうとしたら、前を登っていた車の人が今日はヒュッテは定休日で誰もいないようだと教えてくれた。

ラッキー!500円儲け!・・・と、とっさに思ってしまった私は、何といじましい人間か・・・。
ま、帰りにでもまた覗いてみることにしよう。

早速用意をして出発する。

車道を10メートルほど行った左手が登山口。ススキの斜面を登り、キャンプ場の広場に出る。ここに登山届のボックスがある。登山届を提出。

先ほどの車の人たち、熟年男性5人のグループがキャンプ場まで車で登ってきた。彼らも大普賢に登るのだろうか?

スキー場の斜面をゆるやかに登る。山道に入る手前、右手に大普賢岳への稜線が青空にスカイラインを描いている。


和佐又のコルまでは林の中をジグザグに10分ほど登る。あっという間に到着。あっけないほどの登り。
樹間より大峰の主稜線が見える。

道を右にとり、自然林のゆるやかな尾根をつめていく。

今日は申し分ない天気だ。前回6月に来たときは、霧に包まれ幻想的な雰囲気が漂っていた林も、今は錦秋の輝きに満ちている。空気は澄み渡り、色づいた梢から真っ青な空が覗いている。

次から次へと現われる色づいた木の葉に、その輝きの一瞬を少しでもとどめたくてデジカメのシャッターを切る。
けれど、次から次へと、先ほどよりもっと美しく色づいた木が現われる。





指弾ノ窟の前を通る
真っ赤に色づいたシロヤシオの向こうに行者還岳が見えている。ここから見る行者還岳はこじんまりとかわいく見える。
尾根の西側をトラバースしながら登り、日本岳の南面の絶壁の下に出る。
絶壁の裾に立て続けに4つ、窟(いわや)がある。最初に指弾ノ窟。



朝日ノ窟 岩の下を通る
指弾ノ窟を越え、絶壁の裾を絡んで真新しい鎖が取り付けられた岩場を登り、短い鉄梯子を登る。
これから大普賢山頂まで嫌というほど梯子を登っていくことになるが、こういう道、嫌ではない。結構好きな方だ。
しんどい登りをだらだらと長く続けるよりは、手っ取り早くぐんぐん高度を稼ぐのが性に合っている。

続いて朝日ノ窟。覆いかぶさってくるような岩の下を歩く。もし今崩落が起きたら・・・なんてふと思うと、ぞくぞくっとする。足早に通り過ぎる。

続いて笙ノ窟。中央に不動明王が祀られている。
歩き始めてから1時間。道々写真を撮りながら歩いて来た割には良いペースだ。一人で山に来るとどうしてもハイペースになってしまう。下りのことを考えるとあまり調子に乗ってはいけないのに・・・。

お腹が空いてきたので小休止。アンパンをかじる。いつもながら美味しい!
見上げると垂直に切り立った絶壁。数十メートルはありそうだ。絶壁の上の色づいた木々が青空に映える。
それにしても、歩き始めてからまだ誰にも会わない。人の声すら聞こえてこない。
さて、出発。


笙ノ窟から見上げる


日本岳のコル手前の
イタヤカエデ?


日本岳のコル
鷲ノ窟はすぐ隣。その向こうで無双洞への道を見送り、少し先で急な傾斜の沢を直登。岩角をつかみながら登りついたところが日本岳のコル。

北側に大普賢から山上ガ岳への稜線が見える。


長い鉄梯子を登り、10分ぐらいで石の鼻に着いた。
素晴らしい眺望。和佐又山の端麗な姿が下に見える。

空気が澄みわたり紺碧の空が広がっている。今までの山歩きのなかで10本の指に入る好天かもしれない。(ただ忘れているだけかもしれないが・・・。)
カメラのシャッターを切りまくっていると、上から人が下りてきた。男性二人。少し横に寄り場所を空ける。
お二人、七曜岳の方を窺いながら「ここから見えるかな?」「声をかけたら聞こえるかな?」などと話している。同行の人たちが七曜岳を回るコースに行ったのかな?などと勝手に想像をめぐらす。

さて、まだ大好きな梯子が待っている。先を急ごう。


石ノ鼻の頭より南を望む


日本鼻からは痩せ尾根を行く。6月には石楠花の濃いピンクとシロヤシオが山道を彩っていた。
道が北斜面に回り込むと日陰の道。いくつもの梯子を登り、高度を稼いでいく。
小普賢岳に着く。ピークは左手に登ったところのようだが、まだ行ったことはない。
鞍部を隔てて目の前に大普賢岳がそそり立っている。

紅葉はこの辺りまでのようだ。上はもうあらかた葉を落としている。
鞍部までは何でやねん!というぐらい下る。
鞍部からは大普賢岳東面の眺めが圧巻。垂直の岩場がそそり立っている。


鞍部より見上げる大普賢岳東斜面

なおも続く梯子

またしても梯子をどんどん登る。いくら梯子が嫌いではないといっても、やはり疲れる。
もう一頑張り!と自分を奮い立たせる。
道が尾根の北側に回り斜面をぐぐっと登っていくようになると奥駈道との出合いはすぐ。(でも、「あ〜もうすぐや〜」と思ってから以外にしつこく長い!)

奥駈道に出て山頂までは100m。(と、標識に書いてある)

山頂にはご夫婦二組が食事をされていた。
あ〜、やっぱり今日の眺めは素晴らしい!
澄み渡った空の下、重畳と山々が連なっている。
何だかその山の向こうに太平洋までもが見える、ような気がする。

北東には神童子谷を隔てて、目の前に稲村ガ岳がどっしり横たわっている。6月には厚い雲に包まれていた。
10月に観音峰に出かけたときも厚い雲の中だった。
稲村ガ岳、まだ登ったことはない山。洞川からの長丁場、こんな膝ではかなり無理がある。稲村小屋を利用して一泊二日という手もあるけれど、なんだかそれもたいそうだ。

ま、そのうち機会が巡ってくるかもしれない。


山頂 後方弥山・八経ガ岳


左:弥山・八経ガ岳  右:稲村ガ岳から山上ガ岳への稜線


稲村ガ岳から山上ガ岳を経て大普賢に続く稜線



稲村ガ岳を眺めながら昼食。

今日はお手製の豪華弁当。本当に豪華なのだ。嘘ではない。(証拠写真がないのが残念!)
毎日夫と子供の弁当を作るのだが、その余りを詰めてきた。おかずも6〜7品はある。弁当箱に入りきらないくらい。苦労する。
冷凍のコロッケ、冷凍の唐揚げ、冷凍のシューマイ、冷凍ブロッコリーetc.冗談。冷凍はあまり使わない。手作りへのこだわり・・・というわけではない。冷凍の調理済み食品は高すぎる。

余談ながら(もう十分余談に入っているが)娘が高校のときよくぼやいたものだ。
「お母さん、たまにはみんなと同じようなお弁当を食べてみたいわ〜」
どんな弁当かと聞けば、冷凍コロッケとか冷凍ハンバーグとか冷凍カツとか、ま、そんなものを詰めたもの。

我が家の弁当はどうも野菜類が多いらしい。健康を考えたヘルシー弁当だということを最近になって分かってきたらしく、今は文句も言わなくなった。(と言うより、社会人にもなって、弁当ぐらい自分で作れ〜!!)


さて、昼食を済ますと山頂にはご夫婦一組だけになっていた。平群から来られたそのご夫婦も、水太覗まで足を延ばされると下りていかれた。
山頂には私一人になった。

チャンス!スケッチが出来る!
他に誰かいると恥ずかしくてなかなか出来ない。
稲村ガ岳をスケッチ。既に時間は一時半になろうとしている。太陽が大きな山容に深い陰影を刻んでいる。
2枚目、水太覗への下山路からの八経ガ岳方面の眺め。

山頂には誰もやってこない。今日は私が最後の登山者だったのかもしれない。



水太谷
2時を過ぎ、山頂を辞し水太覗まで下りてみる。
眼下に水太谷が、大きなすり鉢状にあんぐりと口を開けている。すごい眺め。

今日はここまでにして、道を右にとり、大普賢岳の西側を巻く道を行く。
左手に稲村ガ岳を眺めながら、カメラのシャッターを押しながらだらだら歩く。

巻き道より見る稲村ヶ岳
巻き道より稲村ガ岳を左に見ながら歩く

山の北側は朝の霜柱がまだ融けずに残っていた。降り積もった落ち葉の上の白い霜もそのままだった。水が滴り落ちているところには30センチはありそうなツララが出来ていた。
山はこれから長い冬の眠りに入る。その直前のひと時、色とりどりの衣装をまとい命の輝きを見せてくれる。

再び梯子を嫌と言うほど下り石ノ鼻の頭へ。去りがたく、またスケッチ。和佐又山から大台へと連なる山並みを。


木の間より垣間見る行者還岳と八経ガ岳

和佐又ヒュッテに戻ってきた時には4時を回っていた。やはり下りは手ごわい。

ヒュッテの食堂の電気がついているので寄ってみた。受付に誰もいなかったので中に声を掛け、しばし待つ。(誰も出てこないことを願いながら・・・)何と律儀な性格だろう。(誰も言ってくれないから自分で言っておく。)

駐車料金を払い、車の中でぺっちゃんこに潰れたアンパンみかんを食べ、ヒュッテを後にした。
お腹も心も満ち足りた思いで・・・。

和佐又スキー場より大普賢岳を振り返る



ぼちぼちあるき リストに戻る


山域別リスト