ルネのきままなアトリエ
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KAMEGAMORI
水彩スケッチ 瓶ガ森より石鎚山を望む
▲スケッチ:瓶ヶ森より石鎚山を望む


愛媛県・標高1896m

2005年10月22日(土) 
曇りのち霰
 夫と



前夜11時過ぎ奈良を出発。
お天気次第では夜中車を走らせ、早朝、土小屋から石鎚に登るつもりだった。
しかし、日本海にある低気圧の影響で好天は期待できそうにない。
それでも何とか登山口までたどり着いてから様子をみようと思った。
しかし、山陽自動車道を龍野東SAまで来たところで睡魔に勝てず、夜を明かすことになってしまった。

そんなわけで、石鎚は翌日にして、今日は瓶ガ森に登ることにした。

天気予報では、低気圧は寒気を伴ったもので高い山では雪が降るとか・・・。
高い山・・・?
200メートル近いとは言え、南国四国の山で10月に雪が降るのだろうか?
首をかしげながら出かけたが、思いがけず霰の中の山歩きとなった。


コース 地図
11:27 瓶ガ森林道登山口(駐車地)
11:29 氷見二千石原への分岐
11:56〜12:00 男山
12:16〜12:20 瓶ガ森山頂(女山)
12:45〜12:55 瓶ガ森ヒュッテ(昼食)
13:05 白石小屋への分岐(氷見二千石原)
13:35 瓶ガ森林道登山口(駐車地)



新寒風山トンネルを抜け、すぐ左手が瓶ガ森林道(通称UFOライン)の入り口。旧の寒風山トンネルまで、ぐねぐね道を車はぐんぐん登る。どんよりと雲が垂れ込めているけれど、車は結構多い。
旧寒風山トンネル東口には数十台が駐車できるスペースと、東屋、トイレがある。駐車場は八割方埋まっている。寒風山への登山口があるので半数ぐらいは寒風山への登山者か。
旧トンネルを後にし、なおも車を走らせる。
4週間前の瓶ガ森林道は濃霧。視界が5メートルもなかった。
今回もかなりの霧だけれど、2度目ともなると何だか通り慣れた道のような気がする。道幅が前回よりずっと広く感じるのは気持ちに余裕ができたせいか。

旧寒風山トンネル東口 南を望む 寒風山登山口 霧の瓶ガ森林道を上る

瓶ガ森登山口の駐車場は、林道の右と左にある。未舗装だがスペースはかなり広い。上の方の駐車場に止めたのだが、5、6台駐車している。
霧雨というほど降っては居ないが、霧がかなり深い。それにだいぶ冷え込んでいる。
隣の愛媛ナンバーのワンボックスは、車の中で様子をみているようである。

今回は絶対登る覚悟をしてきたので迷いはない。雨具をしっかり着込み、いざ出発。

すぐに氷見二千石原、瓶ガ森ヒュッテへの分岐。そのまま直進。尾根上の道を進む。
ガスで視界は余りないが、左側はオモゴザサに覆われたゆるやかな斜面がずっと広がっているのだろう。対照的なのは道の右側南東の斜面。断崖絶壁である。その絶壁を引っ掻くようにして瓶ガ森林道がつけられている。何ともすごい。もともと何のためにつけられた道なんだろう。

・・・などと言い合いながらぐんぐん登っていく。
と、フードにパラパラ大きな音がする。霰だった。
天気予報は見事的中。2000m近いとは言え、南国四国の山で、10月に霰に降られるとは予想外だった。霰は顔にも痛いほど当たる。
けれどもそれほど寒さは感じない。

30分足らずで男山山頂に着いた。
霰は降ったり止んだり。
登山口 氷見二千石原への分岐 階段状の登り

男山への登り 振り返ったところ

男山山頂の小屋の前で中高年の10人ぐらいのパーティが休憩していた。
頂上の祠の側では、何と、ジーンズにスニーカーの若いカップルが食事をしていた。こんな天候ですぐに服も濡れてしまうだろうに、慌てる風でもなく食べている。

男山山頂の祠

男山頂上からは稜線の東斜面を巻いていく。
天気さえ良ければ、広大な氷見二千石原を隔てて向こうに石鎚山が聳えているのだろう。
ところどころ鮮やかに色づいた木々が目を楽しませてくれる。

真っ赤に色づいたツツジ
西斜面を回り込む

15分余りで瓶ガ森(女山山頂1896m)に着く。ドーム状のだだっ広い山頂である。霰は止んだが霧のため展望は全くなし。
石鎚大権現を祀る小さな祠とケルンが二つ霧に濡れている。石鎚山が女人禁制だった頃、女性にとってここが石鎚山遥拝の地だったらしい。大草原のスロープの向こうに聳える石鎚山はさぞや神々しい姿だったに違いない。
標高は100m足らずしか差はないが、荒々しく男性的な石鎚山とは対照的な山頂を持つ山である。

頂上には誰もいない。
記念撮影だけして早々に山頂を後にする。
瓶ガ森ヒュッテへの道標が見当たらなかったので、磁石で方角を確認して降り口を探す。

瓶ガ森山頂にて一応記念撮影 山頂のケルン

下りかけてしばらくして、またしても霰が降ってくる。先ほどよりかなり激しい降りだ。
雨の中、ヒュッテ目指して笹原のスロープをひたすら下っていく。
晴れていれば・・・。いや、もう言うまい。

下から登ってくる人影が見えた。60歳前後かと思われるご夫婦らしき二人連れ。瓶ガ森山頂まで後どれぐらいかかるか聞かれる。この雨の中を登っていくのか。頑張ってくださいね!

山頂から20分ぐらいで、大保子新道に出、左手にすぐの林の中にヒュッテらしき建物が見えた。
休憩させてもらおうと玄関を探すが、ヒュッテの看板が掲げられた入り口は固く閉まっていた。事前に確かめもしないで、何となく冬場以外は当然営業しているとばかり思い込んでいた。(帰ってからガイドブックで確かめると、現在休業中とあったが・・・。)

空腹に耐え切れず、どこか雨をしのぐところはないか探す。
あった、あった!ヒュッテの左手のトイレ。かなり傷んで今にも潰れそうな建物だけど、こんな時には宮殿にも勝る。
熱いお茶とおにぎり、アンパンをかじってやっとお腹の虫が治まった。

外で人声がしたので覗いてみると先ほどのご夫婦だった。あまりの吹き降りに引き返してきたみたい。掘っ立て小屋からいきなり人が顔を覗かせたのでびっくりされた様子だった。

少し小降りになってきたので小屋を出る。
上り下りのない平坦な道を10分ぐらいで氷見二千石原の標識。右に下りていくと白石小屋だ。なおも笹原の道を30分。出発地の登山口に戻ってきた。

瓶ガ森ヒュッテ(右側が玄関?) 氷見二千石原 白石小屋への分岐

展望はなかったけれど霰の降る中、何とはなしに愉快な山歩きだった。大展望は次回の楽しみに残しておくことにしよう。
フロントガラスに積もった霰

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