母さん
奈良のお家に母さんと2人で帰った時の事覚えてる?
小 雪
うん、覚えてるよ。なんで父さんがいないのかなって不思議だったもん。
それに母さんは引越の翌日からお仕事に行っちゃってものすご〜く心細くって泣いちゃった。
母さん
そうなんだってね。まりちゃんのお母さんに聞いてビックリしちゃった。だって小雪さんは普段ほとんど吠えないんだもの。よっぽど心細かったんだね。
小 雪
そりゃそうですよ。自分の家に帰ってきたって事は分ってても、いきなり1人になって夜10時過ぎても帰ってこないんだもん。私棄てられちゃったのかと思っちゃった。
母さん
まさか!そんなことある訳ないじゃない。
小 雪
そうだけど……、でもあの時はホントにそう思ったんだもの。それで「お母さ〜ん」って何度も何度も呼んでみたの。そうしたらまりちゃんのお母さんが来てくれて「もうすぐお母さん帰って来るからね」って優しく声を掛けてくれたんで少しおちついたんだ。
母さん
そうかぁ。小雪さんってほっといて欲しいくせに寂しがりやだもんね。
あの時本当はお家の中にいればよかったかもね。いきなりお庭で夜遅くまで1人って言うのが駄目だったんだよね。でも泣いてのは1日目だけで2日目からはいい子にしててくれたよね。母さんほんとに助かったよ。
小 雪
2日目からは母さんがちゃんと帰って来てくれるって判ったからもう安心だったよ。
でもあの当時って母さん毎日遅くって10時とか11時頃にお散歩行ってたよね。
母さん
うん。お仕事の関係でね。小雪さんには可哀相だったけどしょうがなかったの。ごめんね。
小 雪
いや私はいいんだけど。でも母さんあの時ご飯ちゃんと食べてなかったでしょ。病気しないかって心配だったもの。
母さん
う〜ん、食べてはいたけど店屋物ばっかりだったような……。ハハハ。
やっぱり父さんがいないとだめねぇ。1人だと作る気しなくって。
でも小雪さんがいてくれたおかげで随分心強かったよ。だって自分の家とはいえ一軒家に1人で住むなんてちょっと心細いもん。
小 雪
ねっ、私って案外頼りになるでしょう。ちょっとは見直した?
母さん
随分見直したわよ。それまでは結構甘えたの小雪ちゃんって思ってたから。(今も基本的にはそうですが……。)