母さん
小雪さんが1歳になる前かなぁ、ちょっと反抗期だった時があったよねぇ。
小 雪
えっ、そ、そうでした?私に反抗期なんてありました?
母さん
あったわよ。
どういう事だったかは忘れちゃったけど、1度小雪さんが悪い事をして母さんが「こっちへ来なさい」って言っても来ないので捕まえようとしたら犬小屋の中に逃げ込んじゃって中から「ウウーッ」って唸った事があったの覚えてない?
小 雪
エ〜〜!私が母さんに唸ったんですか?
母さん
そう。唸ってくれたのよ。それでね、母さんが「出てきなさい」って言ってもますます「ウウーッ」て低く唸って全然出てこようとしないの。それに顔もとっても怖い顔してたのよ。特に目が。
始めて小雪さんに唸られて(それもかなり本気で!)母さん本当にビックリして一瞬どうしようかと思っちゃた。
小雪さんのあんな怖い顔見るのも始めてだったし……。
でもね、ここで小雪さんに負ける訳にはいかない。
ちょっと大袈裟かもしれないけど……でも本当にそう思ったのよ。
だってお父さんは甘いばかりで小雪さんはお友達位にしか思っていなかったんじゃないの。
小 雪
あっ、なかなか鋭い!それで、それでどうしたの?
母さん
それでね、母さん意を決して「もう噛まれるなら噛まれてもいい!今ちゃんと向き合っておかないと取り返しがつかなくなる。」って思って小屋の中に入っていったの。
小 雪
うわぁ〜、母さんスゴイ!自分で言うのもなんですが怖くなかったの?
母さん
そりゃ母さんだって本当はちょっと怖かったわよ。でもここで母さんが引き下がっちゃたら小雪さんがどんどんエスカレートしていくんじゃないかと思って……。それにやっぱり心の底では小雪さんの事を信頼してたしね。
小 雪
ありがとう母さん!それで私は母さんの信頼に答えた?
母さん
うん。答えてくれたよ。
母さんが小屋の中に入って行くと奥の方にいってますます「ウウ〜ッ」って唸ってたけど母さんが「自分が悪い事をしたのに母さんを噛むの?噛むのなら噛みなさい!」って精一杯お腹に力を入れて怒鳴って小雪さんの口の中に拳を入れたの。そしたら小雪さんの口に力が入って「噛もうかな?でも噛んじゃいけないし」って心の中で葛藤してるのがわかって母さんも「これは本当に噛まれるかもしれない!」ってドキドキしたけど、でも一瞬後小雪さんは口の力を緩めてくれたのよ。そして顔もいつもの優しい小雪さんの顔に戻ってくれて……。
母さん心の中で「ヤッター」って叫んじゃった。(笑)
小 雪
そんなことがあったなんて……。自分の事なのによく覚えていなくて他人事のようだけど……。
母さん
いいのよ。後にも先にもあんな事は1度だけだったんだから。それに今はとってもいい子だし……。
でもやっぱり小雪さんっていい性格してるよね。嫌な事や都合の悪い事はみんな忘れちゃうんだもの。
小 雪
ははは……。どうもです!なんだか誉められているのかけなされているのかわかりませんが……。
でもその辺の性格はいつも父さんがいってるように母さん譲りという事で……。
母さん
ウ〜ン、またまたやられちゃった!くやしい!!