母さん
えーと、まず始めに小雪さんと出会った時の事から話さなきゃね。
あれは1986年の2月28日、忘れもしない寒〜い日だったよね。
小 雪
そうそう。とっても寒かったよね。お兄ちゃんと一緒にお母さん達から離されて犬屋さんのケージに入れられてて、お兄ちゃんがいたから何とか泣かなかったけれど心細いしなんだか知らないけどとっても悲しかったのを覚えてる。
母さん
ヘ〜、そうだったんだ。知らなかった!だって小雪さんはケージの中でグーグー寝てて私が扉を開けるまで気が付かなかったじゃない。だからてっきりさすが紀州犬の仔犬だけあって神経が図太いわって思ったもん。
小 雪
やだな。あれは寝てたんじゃなくて知らん顔してただけ。だって恐かっただもん。
母さん
何よ。まるで人を犬さらいみたいに。プンプン。
小 雪
まーまー興奮しないで落ち着いて!先にいきましょう。
母さん
コホン。では話の続きを。ダンボールに入れてもらって電車で家に帰る途中全然泣かなかったよね。仔犬だからてっきりクンクン泣いて困るだろうなって思ってたのにゼ〜ンゼン。それどころか隙間から手を入れても舐めもしないし中で動く気配もほとんどない。病気だったんじゃないのって本当に心配したんだからね。
小 雪
私は無駄な抵抗はしない主義なんです!元々あきらめも早いしジタバタしてもしょうがないやって感じ。だって体力の無駄でしょ。
母さん
ハハー、恐れ入りました。無駄なことはしないって言う性格はすでにこの頃からあったのね。(笑)
でもあの時は本当に心配したんだからね。だって家に帰ってきて箱を開けたら中からボ〜ッと出てきて、おまけにガタガタ震えてるんだもん。私慌てて湯たんぽを買いに走ったんだから。
小 雪
だってほんと〜うに寒かったんだもん。
母さん
まぁねぇ。外は雪だったしねぇ。
だけど湯たんぽ入れてあげたら気持ちよくなったのか小雪さんたらすぐにグーグー寝てしまって、夕方おしっこに行ってご飯を食べた時以外ズ〜ッと寝てたよね。お父さんが帰ってきてもちらっと見ただけで後は爆睡なんだもん。お父さんずいぶんがっかりしてたよ。
小 雪
だって本当に疲れてたんだもん。お愛想なんか振っていられませんよ。
母さん
さすが!愛想なしの小雪さんらしい答えだ!
小 雪
ずいぶんないわれようで。でもいいんです。だって、このぐらいでなきゃこの家では生き残れませんから!
母さん
でも泣かないでいてくれてとっても助かったんだけどね。だってまだ犬を飼ってはいけない事になっている団地で夜泣きされたら本当に困ったと思うから。(引越しは1週間後でした。)
小 雪
でしょ!仔犬ながらもいい仔だったんだから。少しは感謝して下さい!
母さん
ハイハイ。そういう事にしておきましょう。
小雪のないしょ話
皆さん、どうして私の名前が小雪になったと思います?
始めて会った日に小雪がちらついていて小さくて白い仔犬で、おまけに本名が小雪姫だったからだって!
なぁ〜んて単純な命名の仕方!ボキャブラリーの貧困!
それにここだけの話、私に会うまで名前の事は全然考えてなかったらしいの。
失礼しちゃうと思いませんか?
でもまぁ今はこの名前が気に入ってるから許してあげちゃいます。