大阪音楽大学作曲学科楽理専攻・西洋古楽演習では、研究を実際に体現すべく、1982年から担当教員と学生によって様々なチェンバ ロを製作してきました。授業で活用する楽器を作るためだけでなく、楽器の構造を認識すること、音作りの体験が音楽活動に生きること、等の願いを込めて営ま れてきた企画でした。下記はその経過です。

大阪音楽大学楽理・楽器製作のあゆみ
   1982年〜?           クラヴィコード製作
  1982年7月〜1984年7月 フレミッシュ1段鍵盤チェンバロ製作
  1984年11月〜1985年9月 イタリアン・チェンバロ本体製作
  1986年1月〜1988年12月 フレミッシュ2段鍵盤チェンバロ
   筆者は1988年4月に前任者から引き継いだフレミッシュ 2段鍵盤チェンバロの
   ナット・ピンニング以降の工程を進めて完成、「チェンバロ展示会」開催。

  1989年10月〜1990年5月 イタリアン・チェンバロのアウターケース外装
  1989年2月〜1990年12月 イングリッシュ・ベントサイド・スピネット製作
  1992年4月〜1993年7月 フレミッシュ2段鍵盤チェンバロ
  1993年10月 「チェンバロ展示会」開催、製作楽器を紹介。
  1993年9月〜1994年4月 ポルタティフ・オルガン製作
  1994年〜1997年     チェンバリーノ、オッタヴィーノ製作
  1998年〜2000年     フレンチ1段鍵盤チェンバロ製作
  以上の鍵盤楽器を中心に、リュート、シターン、ヴィオール、クルムホルン等の
  西洋古楽器、さらにウクレレ(!?)まで作ってきました。
 筆者は、1984年から4年間 受講生として参加、1988年から5年間担当助手として製作を担当、1993年以降は製作した楽器の調律者としてこの企画に係わってきました。  “木”で出来ている楽器は、まさしく“生き物!”。赤ん坊のように大切に育てるときに、漸く、こなれたタッチと美しく豊かな響きの楽器に成長してくれ る…その実感が、「ヤメラレナイ・トマラナイ私達」の原動力を生んでくれたのだと思います。

 以下のショットは、その思い出の一部・・・。

チューニングピンの穴をあけているところ。ピン穴の位置を正しく、
そして穴の角度を一定にするのが難しく、結構神経を使う。

完成したケースと響板。
これから響板接合という大仕事が始まる!
響板に絵を描いている…
一番楽しいとき!


脚部組み立て。
大きいパーツは大変だぁ!



完成!




1993年10月14日、御披露目会にて 中野振一郎先生、
音色はいかがでしょうか?

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