川俣 均委員長講演（42年号）16演題概要 42年担当【Ｉ・Ｋ
②】11P
惟神会で何を得たか 【一部現代文で掲載】Ｂ型式 十一月・秋季大祭 一月号・４１２号
われわれは惟神会によって、八意思兼大神さまのこと、平田先生のこと、氏神祖霊を祀る敬神崇祖の真義、祓、惟神科学、霊界の諸相、「たまきはる」という生死一貫の道…これらをもととして生きる喜びを知ることができたのです。
惟神会で何を得たか。
それは真に生きる喜びを得ると同時に救国済民（万民を教化）のために氏神信仰という真の民俗信仰を全国にあまなからしめる（万民に宣布する）ことを生涯の仕事とする真実の生き甲斐を見出したことです。
われわれは、この氏神信仰を本会の先輩諸氏から受け継いでいるのです。さらに申せば遠い祖先から受け継がれた氏神信仰です。
われわれは、惟神会によって得たこの氏神信仰を、先輩諸氏からそしてまた祖先から受け継いだそのままの姿でなく、これに努力と献身によって何ものかを付け加えて、より立派な氏神信仰として、またより立派な惟神会として、これを後に続くものに伝うべき義務と責任があるのです。
絶 対 信 仰 十二月・月次祭 二月号・４１３号
ここに絶対ということは、他との比較や対立を越えているという意味です。
悪でないものは善、善でないものは悪というような相対的な見方でなく、四魂具足こそ絶対の善であるという比較や対立を超越したところに、氏神信仰の絶対性があるのです。
絶対信仰であるためには、
① 迷いを去ること
② 迷いは邪悪な第三霊によるものであるから、自覚反省修養して、善良な第三霊との交代をはかる
（第三霊の交代を神に祈願してはならない。あくまでも反省修養によってその交代をはかる）
③ 自己の犯した罪けがれ、或いは先祖の因縁は、懺悔の祓によって祓い清める
④ 懺悔の祓後の罪けがれは清祓によって祓い清める
⑤ 氏子としては四魂具足にいそしみ、惟神会員としては御神業に翼賛する
⑥ 氏神の本体・本質をよくきわめ、理解してわがものとなし、信仰の対象を固く氏神一本にしぼりどんなことがあっても他をかえりみない
⑦ つねに稜威信じて疑わずの確固たる信念を持つ
⑧ ご利益とかご神徳とかいうことを一応棚上げして、信仰ひとすじに切り替え、万事神まかせの心境になる（但し、人間的努力は四魂具足的に心がけねばならない）
⑨ 祖霊の浄化を念願して氏神信仰にはげむ
⑩ 大神さま、氏神、祖霊、氏子というみいつの線がどの箇所でも切断しないように、大神さまおわして（敬語：いらっしゃる）の氏神であり祖霊であることをしっかりと心に刻み込んでおく
大体以上のことを堅く守って実行すれば、絶対信仰はおのずから確立されて、迷いのない安心立命の真の悟りの生活が送れるのです。
魂 を 磨 く 一月・月次祭 二月号・４１３号
魂を磨くということは、神与（出生どきの本霊）の 第二霊に
第三霊・第四霊に対する健全な限定力を与えて、善良な第三霊との感合をはかり、正常な概念（物事の本質的な特徴とそれらの関連）や健全な知識を得て言動にあやまりなきを期せんとすることです。
反省・感謝・克己こそ、魂を磨く三大要素です。本質的にまた根本的には、魂の授け祖（オヤ）たる氏神の神威にたよる以上のものはないのです。
すなわち絶対の氏神に絶対の信仰を捧げてそのみいつのもとに魂を磨くことが、唯一絶対の魂の研磨方法です。
八意思兼大神と氏神 二月・大神奉斎記念祭 三月号・４１４号
天照大御神の御神勅にこたえて四魂具足の政治をするためには、単に規則や制度だけでなく、治める方も治められる方も、互いに魂と魂とが触れ合わなければ達せられないのです。どちらも、一霊四魂の民族魂を有することが第一の条件です。
大神さまは思慮分別の神・知恵の神・政治の神としての御機能を御発揮なされて、まずニニギノ命の御子神を四魂具足の真神霊に同化なされ、その同化された真神霊が先住民族にまで民族同化をなさるという順序をふまれたのです。
われわれが大神さまの大みいつのもとに氏神を奉斎させて頂いて、敬神崇祖・四魂具足の真の惟神の大道を実践するのは、ひとり氏子自身だけの幸福のためでなく、広く国家万民にこの民族信仰を及ぼして、四魂具足的に救うことによって幸福をわかちあたえんがためです。
運 命 を 開 く 二月・月次祭 三月号・４１４号
運命はその人のことばや行いや心持ちの累積からもたらされるものですから、当然、言動の要因をなす第三霊・第四霊の問題に触れざるを得ないのです。
人間はまず概念を得て知識や意志が形成され、それに基づいて言動が生じるのですから、その概念は、第三霊のもたらす事象を第二霊（本霊）が限定することによって生じることは、つとに（ずうっと）惟神科学の教えるところです。
したがって運命を開くためには、第二霊（魂）の授け親たる氏神に絶対の信仰を捧げて、自分の第二霊がつねに正常且つ健全なしっかりした限定力を有するように磨くことが先決問題です。
こ の 月 こ の 日 三月・氏神奉斎記念祭 四月号・４１５号
― 三月一日 ―
昭和三年二月四日 八意思兼大神さまの御出現によって、神霊界の扉が開かれ、昭和三年のこの月この日 三月一日に初めて氏神奉斎の神事が執り行われて、ここに日本民族の進むべき道が指向されたのです。
越えて三月３日に第一回の祖霊奉斎式が挙げられて、ここに敬神は崇祖にありという真の氏神信仰の第一歩が印せられたのです。
畏くも大神さまは氏神の総代表として本会にお鎮まりになられ、平田先生は本会の霊界の会長として大神さまの相殿に鎮まられているのです。
われわれ惟神会員は、大神さまの大みこころを体して、一柱でも多くの氏神を世にお出し申し上げる義務と責任があるのです。
すなわち氏子としては四魂具足にいそしみ、惟神会員としては大神さまの御神業に挺身奉仕して、新会員造成の実を挙げることです。
あ し た の 風 三月・月次祭 四月・４１５号
「あしたはあしたの風が吹く」ということは、稜威信じて疑わずの確固たる信念のもとに、人事をつくし、あとはすべて神まかせの心境になって毎日を送るということです。
神まかせになるからには、神は人間の罪けがれをお嫌いになりますから、祓によって自己の罪けがれを祓除して信仰的に身辺をきれいにしなければならないのは当然のことです。そして人間的努力をはらうことを忘れてはならないのです。
神は人間の努力（もちろん四魂に叶った）に対して感合するのですから、努力という最善をつくしたうえでの神まかせでなければなりません。
第 三 霊 論 四月・春季大祭 五月号・４１６号
まことに人生問題はただひとつ、第三霊の正邪善悪にかかっているともいえるのです。
人間を不合理不正の行動に導き、病気や災難などをもたらすものは、邪悪な霊を第三霊としてもっているからです。
人間は第三霊という見えざる手に導かれて行動するものですから、人間の行動に過ちなからしめて安心立命の生活を送るためには浄化した祖霊を第三霊に選ぶことが大切です。
第三霊の交代は、邪神信仰のもとにおいては不可能ですから、氏神信仰に入って、邪悪な第三霊の憑依を自覚反省して熱心に信仰を持ち続けて辛抱強く努力すれば、ついには必らず善良な第三霊と交代するのです。
第三霊は後天的ですから、その交代は人格の向上に直接つながるものであります。辛抱強く、信仰の向上をめざして努力しなければなりません。
祓と惟神の信仰とは密接不離ですが、祓は心の煙突掃除ときめてつね平生の罪けがれを祓い清めることが、結局、第三霊を清浄なものに保つこととなるのです。
斯 の 道 一 筋 に 五月・月次祭 六月号・４１７号
― 或る会員の体験記録 ―
真の惟神の道は、大和民族の大祖神 天照大御神の依さし給い教え諭され給うた日本民族固有の敬神崇祖・四魂具足の道でありますので、その在り様はけばけばしさもなく地についた質実な充ち満たすべき道ですから、世の流行神のように外見的絢爛（きらびやか）さはありません。
しかしながら斯の道を辛抱強く、どこまでも稜威信じて疑わず、氏子であると同時に会員であるという同時原則を忠実に正しく実践していくならば、永い人生のことゆえ起伏消長は免れないかもしれませんが、氏神さまは魂の祖神（オヤガミ）として必ず魂の子たる氏子を救って下さるのです。
どんなことがあっても風雪にめげず、神さまを離さず、禍事にたいしては自らの至らざることを心から恥じて畏み素直に反省を重ねて、信仰的にもまた人間的にも難関突破を目指して努力を続けていけば道は必ず開かれるのです。
わ れ ら の 覚 悟 五月・創立記念祭 六月号・４１７号
氏神信仰は、日本民族をしっかりと民族的につなぎとめる強い絆です。
儒仏渡来後、国民の大部分は儒仏の誘惑に乗って、この絆を解き放して無軌道にそして奔放無頼に邪に走ったがために、救うべからざる不幸や災難にさいなまれるようになったのです。
ですから、われわれは、ここに覚悟を新たにして、救国済民の大目的のために 御出顕になられた、
大神さまの大御神業に翼賛申し上げて、大神さまの手足であられる氏神を一柱でも多く世にお出し申し上げるとともに、氏子たるわれわれ人間は氏神の手足となって御神業の達成を目指して献身努力しなければならないのです。
大神さまは 天照大御神の「みこともち」であられ、われわれ氏子は大神さま並びに氏神の「みこともち」です。
「みこともち」ということは、上位の神さまのみこころを体してその実現に努力するとともに、そのみこころを下位のものに伝えてその実現を促すことであります。
それでこそはじめて大神さまの大みこころにこたえまつることが叶うのです。
八意思兼大神仮殿御遷座 【原文で掲載】Ａ型式 六月・月次祭 七月号・４１８号
このたびの仮の御遷座は、やがてお迎え申すべき正遷座のための仮遷座ですから、御神業恢弘のためにこのうえともいちだんの努力をいたして、大神さまの御鴻恩に応えまつるところがなければならないのです。
同時にわれわれの信仰をこのうえにも高めて、大神さまを新しい御神殿にお迎え申し上げるにふさわしい、氏子であり会員とならなければならないのです。
第三霊論補遺 人 格 七月・月次祭 八月号・４１９号
神の神格に対して人間は人格を持っているのですが、真神霊は第三霊など持っておられず四魂具足そのものの御存在でありますのに反し、人間は、第三霊を持たざるを得ないのですから、この第三霊の正邪 善悪 浄化 不浄化がその人の人格に根本的作用を及ぼしているのです。
神格に対する人格ですが、
『人格とは第二霊が第三霊を限定するその厳格の程度』ともいえるのです。
したがって人格を高尚に保つためには、つねに自分の第二霊を磨いて、第三霊に対する限定を峻厳且つ強力なものに保持することが肝要です。
そしてかくあるためには、第二霊の授け祖として第二霊を顕幽一貫して支配される氏神に絶対の信仰を捧げて、その氏神のみいつにたよるほかはないのです。
こうして第二霊は磨かれて、第三霊に対する限定力は四魂具足的に強化され、第三霊は漸次高尚なものと交代して人格はますます立派となり、氏神との感合はいよいよ密にしげくなるのであります。
『まことに神人感合の程度は四魂に根ざした人格の程度によるものであります』
祓 の 効 果 と 遠 祓 八月・月次祭 九月号・４２０号
祓の結果如何はすべてこれ神さまの領分ですから、祓の結果はすべて氏神さまにお任せ申し上げて、ただ氏子としては、自分の罪穢を自覚反省懺悔お詫び申し上げ、そのお詫びのまごころが氏神の容れ給うところとなって罪穢が祓い清められるようにそのこと自体に専念すべきです。
もし祓の結果がよくない場合は、「祓の効果は信仰に比例する」という御神示のまにまに、自己反省をして、自己の信仰の在り方を深くかえりみ、さらに勇を鼓して罪穢の祓除そのものに専念して祓を行えば（祓をするたびにそれだけ心身清まって神に近づける道が開かれるという喜びをもって）根の深い罪穢も祓除されて、邪神その邪霊も憑依の足がかりを失って、いたたまれなくなり事情は意外に好転するのです。
「遠祓」 は、緊急にて祭員の出張が得られない場合とか、或いは家庭の事情等のため、本部において本部祭員が執行する清祓であります。
すなわち真神霊氏神はもちろん、祓戸四柱の神々もすべて成りました『みいつ』の神であります。
時間や空間を超越した四次元の御存在として、本部と氏子との間が距離的にいかほど離れておっも四次元の御存在としての威力そのまま、時速千哩以上の速さをもって本部で行う清祓という遠祓の効果は、時空を越えて速やかに氏子に及ぶのであります。
ここに遠祓の存在理由とその効果があるのです。
一民族 一国家 一祖神
九月・月次祭 十月号・４２１号
日本本土に固有存続していた民族も、また外方から来て住みついた民族も、すべて祖神氏神によって天孫系に魂の同化を受けて、はじめて大和民族ができたということです。
したがって日本民族を語るには民族同化の祖神たる氏神を措いて談じることはできないのです。
また日本国家の真髄は、信仰の中心と国家の中心とが一致するという日本民族本来固有の祖神信仰たる氏神信仰をよそにしては理解し得ないのです。
伊勢には民族の大祖神にまします 天照大御神がおごそかに鎮まり給われ、また 天皇は国民の象徴としてさらに『すめみまのみこと』として 天照大御神の大御神威をその玉体に受けつがれて、『みこともち』のお立場を堅持され、またかつては伊勢皇大神宮の相殿の神にましました政治の神、思慮分別の神、知恵の神にまします八意思兼大神さまは、氏神の総代表として本会にお出ましになられて、真の惟神の大道恢弘という大御神業をみそなはされているのです。
ここに祖国日本の揺ぎなき底つ磐根が厳然と築き固められているのです。
そこでわが国が安らかなうえにもゆたかな、そして世界の平和に貢献できる国となるには、正しい国の伝統と成り立ちと歴史への素直な回顧と反省とによって、強固な精神的足場を築く以外に方途はないのであります。奪われた魂を取り戻し、真の祖国愛によみがえらなければならないのです。
阿諛（おべっか）せず迎合せず、敢然と一民族 一国家 一祖神の信念をつらぬきとおして、神の国日本の真姿を顕現させねばならないのです。ここに
家の近代化と氏神信仰 十月・月次祭 十一月号・４２２号
家の近代化（昭和３０年代以降の家の変革と変化）によって世帯の規模が縮小した反面、世帯数が激増したことは、新しい世帯がほとんど夫婦とその子女だけから成っていることを意味しているのです。
人口問題の分野ではこれを「核家族」といってます。この核家族は、宗教になんらの交渉ももたなければ、また関心を払わない生活をしているのが多いのです。
わが国体が護持されているのは、国家の中心たる皇室の大祖神 天照大御神並びに皇室の大祖先である代々の天皇のみたまをまつって、敬神崇祖の信仰をおごそかに実践されているからです。
われわれ民間においても、氏神祖霊を祀って、敬神崇祖の信仰を正しく実践しておれば、家は、永久に安泰です。民族の信仰も生活の態様もすべて皇室から出ていることに思い及ぶべきです。
このように日本の家は、神祭りを中心として考えられなければならず、したがって若い核家族も祖先の神を家庭にお祭りすることによって、日本の家の真義がわかると同時に、祖国愛、民族愛がよみがえってくるのです。
神不在の核家族に真の神の実在を示し、真の神を忘れた世帯に神さまを呼びおこすもの、それは惟神会員に課せられた重大な任務です。
核家族は日本の次代をになう大切な主体ですから、かれらを真の惟神の大道に導くことこそ、まさにわれら『みこともち』たるものの挺身努力しなければならないところです。
み こ と も ち 十月・神嘗祭祝祭 十一月号・４２２号
『みこともち』ということは、天津祝詞や神言の冒頭にもあるように、日本の惟神の道を語るうえには避けられないことであって、古来日本神道をつらぬいている原理原則です。
「みこともち」とは一言にして申せば、上位の神さまのみこころを受け継ぎ、これを体して実行に移し、さらにそのみこころを下位のものに伝えてその実行を即すことであります。
したがって、われわれ惟神会員が大神さま並びに氏神に対して「みこともち」であるためには、氏子であると同時に惟神会員であるという同時原則に徹して一人でも多くの新会員を殖やして、大神さまの大みこころにこたえまつると同時に、後に続くものにも大神さまの大みこころを伝承して、その実行を促さなければならないのです。
さればこそ氏神は、大神さまの大みいつのもとに、氏子に対して必要なときに必要なものを賜るという御神徳を授けられるのですが、それは氏子として「みこともち」の立場を完遂せしめんがための大みこころからであります。
われわれの生活はすべて御神業に翼賛申し上げることに役立たねばならないのです。
「御神徳は御神徳のための御神徳にあらず、御神業のための御神徳」であります。
以 上