※「帝室博物館にて」とも「法輪寺にて」ともされたが、当寺で詠まれたのが正しいようである。 ※瓔珞(ようらく)については、「本来は、珠玉など七宝を綴り合せて造れる頸飾をいふ語なれども、ここにては、宝冠より垂下せる幾条かの紐形の装飾をいへるなり」とある。(『自註鹿鳴集』)
法輪寺にて みとらし の はちす に のこる あせいろの みどり な ふき そ こがらし の かぜ
※「みとらしのはちす」は十一面観音がお持ちになっている蓮華のこと。「あせいろのみどり」は緑色が褪せかかった意。