謎の石碑と道の痕跡

 生駒山中を歩いていると、時々苔むして全く判別不可能だが、信仰対象ではなかったのかと思われる石碑に出合います。私が知っているものは3つです。ひとつは旧鶴林寺-霞ヶ丘駅間の路傍に立っています。

 五辻から100mほど南です。

 自然石かもしれません。しかし、立っている状態は自然ではなく、人為的に建てられているようです。これひとつだと深く考えることはなかったのですが、はかにも似たようなものがあります。最近立て続けに2基も見つけたので少し考えてみました。
 まずはケーブル線沿いの現在は道ではないところです。三十三丁石のすぐ近くです。これは台座が作られていて、丁寧に建てられています。

 山頂ハイキング道がケーブル線を離れて三十三丁石方向へ大曲するところを道でないケーブル線沿いに上ると出会います。

 これも自然石かもしれません。しかし人為的に建てられていますから、建てた人にとってはありがたい石だったわけで、道の痕跡を示すもののような気がします。おそらく、失われた暗峠・宝山寺道に残る数少ない痕跡でしょう。ここまでは前振りで、次が本ページのお題です。

 台座がコンクリートで固められています。右手後方の黒っぽい部分は巨大な生駒石です。

 すぐそばに道路標がありますから、道であったことは明らかです。道路標は南へいくつも続いています。こんな道を知っている人はもういないのではないでしょうか。先人のテープもありません。(この前付けた私のテープはあります。)この道は五辻・宝山寺道と生駒石採石道のページで紹介した下の巻き道の南延長部分です。この道が古参道のひとつではないかと考えて、南へ続いているはずと勝手な憶測をし、見つけたものです。憶測は正しく、南へと延々と続いています。現在生駒山東面を山頂まで登る登山道を横切るところまで、確認することができました。その南も続いているのですがかなり不明瞭になり、作業が滞っています。この道沿いには炭焼き窯跡ではないかと思える石積みもあり、よく調査して報告したいと思いますが、取りあえず、こんな道を見つけたという報告でとどめて、詳細な報告は年が明けて作業を継続してからにさせていただきます。

下が炭焼き窯跡と思われる石積みです。円形に石積みが取り囲んでいるのですが、現地では謎の遺跡と思うだけで、帰ってきてから炭焼き窯跡ではないかと気付いたため、ましな写真を撮っていません。

 道の詳細報告と推定炭焼き窯跡のましな写真は年明けまでお待ち下さい。

メニューページ