ペットのQOL(Quality of Life)を維持するために、当院ではペインコントロール(疼痛緩和)を積極的に取り入れています。たとえば、外科手術におけるペインコントロールには全身麻酔(吸入麻酔)に領域麻酔を組み合わせて用います。領域麻酔には局所麻酔薬を用いて手術部位周辺に限局して鎮痛効果を増強させるものと、主に麻薬系鎮痛薬を用いて中枢神経に直接鎮痛作用をもたらす硬膜外麻酔とがあります。

 

領域麻酔のメリット

1、全身性の鎮痛剤投与よりも優れた鎮痛効果
2、全身性投与と比べ、望ましくない効果がでにくい
3、全身麻酔に必要な麻酔薬(吸入麻酔)の投与量が減る。

   つまりは吸入麻酔の望ましくない効果がでにくくなります。

硬膜外麻酔

 

硬膜外麻酔が有効な外科手術には以下のものがあります。
・整形外科:
THR(股関節全置換手術)・TPO(三点骨盤骨きり術)・DPO(二点骨盤骨きり術)
FHO(骨頭切除術)・ノーレス法・TTA(脛骨粗面前進化術)・骨盤骨折整復術・後肢骨折整復術
・軟部外科:
開腹術・会陰ヘルニア整復術・肛門周囲手術・開胸術・乳腺腫瘍摘出術