《医務室》

一人の女性がベットに寝かされている。


先ほど義弟の結婚を知らされ(前々から知っていたが現実逃避をし続けていた)

気絶したレイである。

傍らにはシンジとアスカが立っている。


「う、う〜ん」


「どうやら目がさめたようね。」


「義姉さん・・・・・よかった〜」



ぱちぱちっ


「はっ!?・・・・・知らない天井・・・・・・そう、私は3人目なのね・・・・・ぐぅ。」

「「寝るな〜〜〜!!!それに3人目ってなんなのよ〜(なんだよ〜〜)!!!!!」」


ドゲシッ!<アスカのみ



「い、痛い(;;)」



PATLAYBOR -New Laybor《EVA》

File Name/ポジション



「で、大丈夫?レイ姉さん。」


「えぇ、大丈夫。ちょっと記憶が融合して分離しただけだと思うわ。」


「???」


レイの発言に意味を見出せないシンジが考え込んでしまう。

変わりにアスカが口を開く。

「本当に大丈夫なんですか?綾波隊長。」

「?・・・・あなたは、惣流さん?」


記憶が融合して分離した後遺症(??)なのだろうさっき挨拶したアスカに

確認をとっている。


「えぇ、そうよ。勤務中は惣流アスカそれ以外は碇アスカですレイ義姉さん。」


「・・・・・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・・・」


無言のままにらみ合う二人

少しするとレイが目線をずらし弱々しくシンジに尋ねる。


「シンちゃん・・・やっぱりこの人と結婚しちゃったの??」


すっかり落ち込んだ様子で頭をうなだれながらシンジに聞いている。


「うん、そうなんだ。僕はアスカと運命の出会いをして結婚したんだ。・・・・レイ姉さんは認めてくれないのかな?」


シンジはレイの顔を見て少し戸惑ったが長年一緒に暮らしてきて

ある意味両親よりも大切な存在であるレイにアスカとの結婚を認めてもらいたかったので

今の言葉が出てきた。

「・・・・・・・・・ううん。そんなこと無いよ。大好きなシンちゃんが愛してるって人だもの。・・・・・そうね。祝ってあげなくちゃいけないのね。」


やさしい顔になってシンジのことを見るレイ。

シンジはレイに認められたと思って最高の微笑を返す。



ぽっ


(私のために微笑んでくれる・・・・・私のための笑顔・・・・・・私のためのシンちゃん・・・・ シンちゃんは私のもの・・・・・・・シンちゃんは私の旦那様)


「シンちゃ〜ん・・・2号でもいいのよ、私のシンちゃんになって〜〜〜!!!!!!!」


「わっ、わっ、姉さん!」


「え〜い!!!!やめんかぁーーーーーー!!!!!」


ゲシ!


レイがシンジに襲い掛かる(?)寸前

アスカのチョップがレイに決まった。


「い、痛い(;;)」



「もう、アタシのシンジにちょっかい出さないでよね!アタシの目の黒いうちは誰一人(たとえ身内であっても)シンジに近づけさせないんだから!!!」


「そう・・・・・あなたの目は蒼いわ・・・・問題ないわね( ̄ー ̄)ニヤリ」


「そういう意味で言ってんじゃなーーーーい!!!!」


「・・・・・・・あの・・・・姉さん、アスカもう良いかな?皆が待ってるしこれからのことを聞かなくちゃ・・・・・・」


「そうだったわ」


「そ、そうね。この決着は今度つけてやるわ」


「望むところよ」



バチバチバチ



(はぁ・・・・なんでこうなったんだろ・・・・・)


にらみ合っている二人を見ながらシンジは一人心の中でゴチた。




《5分後/ミーティングルーム》



部屋に戻って来て一通り声を掛けられてレイが皆に謝った後

席につき皆のポジションを発表することになった。

遊馬が紙を見ながらポジションを読み上げる。


「1号機フォワード、碇シンジ巡査」


「はい」


何で自分がフォワードなんだろうと思いつつも起立して敬礼をするシンジ。



「1号機バックアップ、惣流アスカ巡査」


「えぇーーーーーー!!!!!!」


何で自分がフォワードじゃないのよ!!という感情丸出しのアスカ

返事もしないで膨れている。


「膨れてないで返事をしてくれ。ポジショニングについては後で綾波君から説明があるから」


「は〜い」


遊馬に言われてしぶしぶながらも敬礼をするアスカ

後の説明の時にフォワードにしてもらえばいいや、という気持ちで席につく。



「・・・・(最近の娘はすぐに態度に出るなぁ・・・野明もそうだったかな?まぁ、いいか)では次、2号機フォワード、鈴原トウジ巡査」


「よっしゃー!!がんばるで!」


意気揚揚で敬礼をするトウジ



「2号機バックアップ、洞木ヒカリ巡査」


「はい!」

しゅぱっと立ち上がって敬礼をするヒカリ



「うむ、最後に霧島マナ巡査、君には1号機のレイバーキャリア運転と現場バックアップをしてもらう。」


「はい」


立ち上がって敬礼をするマナ

さすがは元自衛隊だけあって凛々しくみえる。



全員のポジションを読み上げた遊馬が最後に一言付け加える。


「なお、君たちが扱うレイバーは今夜到着予定だ。今夜は全員宿直ってことにしておいたから親睦会でもやってチームワークを深めてくれ。私からは以上だ。質問は?」



「「「「「「ハイ、ハーーーイ!!!」」」」」」


すっと全員の手が上がる。

ふっと周りを見渡す遊馬。


「・・・・・なんで綾波君まで手を挙げているんだ?」


「・・・・・楽しそうだから・・・・」


「・・・・・・・・・・では霧島君」



(そう、無視なのね・・・・・後々苦痛をあげるわ♪じーさん・・・)



指されたマナが質問する。


「私が1号機のレイバーキャリアを担当なのは分かりましたが2号機の担当は誰なんですか?」


「2号機のレイバーキャリアは次の人員が来るまでは整備班の相田君にやってもらうことになっている」


あ、いい忘れたなぁ・・・って顔をしながら遊馬が答える。


「洞木君も大型特殊は持っているがバックアップの人材には指揮車があるのでしばらくは相田君に手伝ってもらう。他に質問は?」


「「ハーーーイ!!!」」



「綾波君・・・・・2度も同じネタを使わないでくれないか?」


こめかみを抑える遊馬


「そう、2度目はダメなのね。わかったわ。」


すっと手を下ろすレイ。

後手を挙げているのは相変わらず膨れているアスカだけだった。


「・・・・質問の内容が分かるような気がするが・・・一応聞こうか?惣流君」



アスカは手を下ろすと腕を組んで遊馬に食いかかるように質問をする


「何でアタシがバックアップなんですか?納得いきません!!
 
 し、・・・碇巡査より腕が劣る(とは全然思ってないけど)のは仕方が無いとして
  
 研修校時代は鈴原巡査より全然レイバーの操縦が上手かったんです!どうしてですか?
 
 納得いく説明をお願いします。」


遊馬はさっき「綾波君から説明するから」って言ったよな?と思いつつ

顔をレイのほうに向ける。

レイは遊馬に顔を見られ一瞬さっきのお返しで無視してやろうかと思ったが

それでは苦痛にならないと思いアスカの質問に答える。



「惣流巡査・・・・あなたの経歴は読ませてもらってます。
 
研修校時代の成績はオールSこの上ない成績で
 
歴代のレイバー乗りの中でもトップ・・・華々しい成績だわ。
 
けど・・・・・・職務に就任してからは

 レイバーを使っての命令違反7回

 銃器の無断使用4回

 レイバーの右腕だけ無くなって帰ってくること10数回

 その他もろもろ・・・・・事件は全て解決しているからいいものも

 レイバー隊始まって以来のワースト記録保持者らしいわね」


ギクっ


「わははは・・・そんなにむちゃくちゃやってたんかい、そらアカンわ」


今の話を聞いて笑い出すトウジ


「くっ」


アスカは本当のことを言われているので何も言い返せない。


「鈴原君」


綾波がぼそっとしゃべりだす。


「鈴原巡査

 レイバー搭乗時の命令違反2回

 レイバー大破1回

 銃の無断使用10回うち1回は3発をみごとに民家に着弾

 ・・・・・・・・だったかしら?あなたのほうが
 罪が重いような気がするんだけど違ったかしら??」



ビクっ


笑うのをやめて急に小さくなるトウジ


「・・・・間違いありません」



「じゃぁ、なんで2号機のフォワードを鈴原巡査に任すんですか?」

アスカが至極もっともな質問をする。
その前に民家に弾を打込んでいる時点でなぜクビになっていないかが疑問であるが・・・


「確かに罪の重さからいえば惣流巡査がフォワードでしょうけど

 あなたは鈴原巡査より命令違反の回数が多いわ。

 ここは隊よ、そうそう命令違反されていてはチームワークに

 支障が生じるわ。そうなると困るのは碇巡査であり他の隊員達なのよ。

 わかるでしょ?」



「・・・・はい」


シュンとなって返事をするアスカ。レイの言った言葉は事実

でも、シンジと一緒なら絶対に命令違反なんてしないのにという思いと

上の判断の遅さ故の命令違反であったにせよしなければ良かったという後悔の念に襲われていた。



本当のレイの考えはちょっと違うのだが・・・

(二人のデータ・・・今のところを覚えておいてよかったわ。私が調べたのは二人をみていた上長の懲罰の多さだけ・・・・

 アスカの場合は減法合わせて8ヶ月/鈴原君の場合は5ヶ月だわ。

 どっちもどっちだけど少ないほうが良いに決まってるわ。)

ちなみにアスカとトウジ本人の懲罰は・・・アスカのほうが少ないということだけ記しておこう。


アスカはしょぼしょぼと席について下を向いてしまった。

シンジは隣のアスカを心配しながらも職務中なので声をかけるのをやめた。


「他に質問は?・・・ないようね。それでは全員、翌朝0800までの勤務を命じます
 レイバーが来るまでは暇だからいろいろ施設を見て回ると良いわ。それと2000より歓迎会をやる予定だからここに集まるように
 では、解散!」


レイが号令を掛けその場は終了となった。


「アスカ・・・」


シンジはすぐにアスカに声を掛けた

アスカはまだうつむいたままだ・・・ちょっと震えている。

トウジ・ヒカリ・マナの三人はアスカの心情を察してか

すぐに席を外した。

レイは遊馬となにやら話している。



「アスカ・・・」

しばらくしてから

シンジがもう一度声をかける・・・



「あーーーーもう!なんでこんなことになるのよーー!!!!」

顔を上げた後思うと急に叫びだすアスカ。

シンジはビックリしてしまい腰が引けている。

レイと遊馬も何事かと思ってアスカのほうを見た。


「シンジと一緒にレイバーに乗れなきゃ意味がないじゃない!
 これもあの太田のせいね!!!」


と、悔しそうに叫ぶアスカ

さきほどショックで落ち込んでいたと思ったが

自分の過去の過ちに腹が立ってきたのだろう。



遊馬は”太田”の名前がでて妙に納得して顔をしながら

アスカのほうに近づいてくる


「なんだ、惣流は太田の下にいたのか?」


「・・・そうですけど?」

「ってことは鈴原も(教官が)太田ってことか・・・なるほどなるほどこれなら納得がいく
 なははは・・・・・やっぱり太田は太田かぁ・・・・なはははは!!!」

遊馬が大笑いしている光景を”何がそんなにおかしいんだろう?”という顔で見ていた三人だが

「そういえば・・・太田って・・・・あの太田教官?二課創設時の2号機パイロット・・・
 性格は横暴にて猪突猛進、脳まで筋肉でできているんでは?というあの太田?」

と、レイが何かを思い出したように遊馬の隣で言っている。

「なはははは!!!!大分当てってるぞ!綾波君」

今のレイのセリフがよほど気に入ったのだろう腹を抱えてさらに笑う遊馬、涙さえ光っている。

だが遊馬の笑いもそこまでだった。


「他にもいろいろ知っているわ・・・創設時二課・・・

 ”二課が通ったあとには草も生えない”

 ”泣く子も黙る特車二課”

 それに課長も太田教官にまけないくらい減俸や謹慎をくらってるはず・・・」


「ぐっ!・・・なぜそれを?」


「あなたが配属される前に本部長に聞いたわ」

(後藤さーーーーん。余計なこと言わないでョ(TT))



しばらくの間をおいてから遊馬は何事も無かったようにアスカに話し掛けた。

「でも、惣流君はどうしてそんなにレイバーに乗りたいんだい?
 バックアップも立派な仕事だろう?」


「話をそらしてる・・・・まだまだあるのに・・・」



「・・・・・・で、どうなんだい?惣流君?」


(また、無視した・・・・5万円コースね・・・( ̄ー ̄)ニヤリ)


(ね、姉さんがあの笑いをした時はろくなことがないよ・・・)


レイを無視した遊馬・・・レイの無気味な笑いは遊馬には見えていない・・・
シンジには見えていたが・・・



「・・・・・・・・・・から」


アスカが小声で何か言ったらしい。

シンジはレイのほうを見ていたので最後のほうしか聞こえなかった。


「「え?」」


遊馬もレイも聞こえなかったようである。


「・・・・シンジと一緒に戦いたかったから」


今度も小声ながら今度は3人にはっきり聞こえた。

「「「へっ?それだけ?」」」


これには3人ともちょっと驚いた様子・・・



ブン!

ゴスっ!!!


「ぐふっ・・・!!!あ、アスカぁ〜」


アスカの回し蹴りがシンジの鳩尾にクリーンヒット♪

シンジは状態を後ろにそらせたためか完全にクリーンヒットとはいかなかったが

大分ダメージを受けているようである。


「アンタと一緒に戦いたいからフォワードをやりたいって言ってんのに何でアンタまでそんなに驚くのよ!」


顔を真っ赤にしながらファイティングポーズをとっているアスカ・・・

遊馬の額からは冷や汗が出ている。



「バックアップでもシンジ君と一緒に戦えるじゃないか。

 それにバックアップのほうがシンジ君を守ってあげられるぞ!」


「で、でも〜〜」


「でもじゃない!・・・・う〜ん、それならば家でシンジ君にいつもより多く乗るってのはどうだ?」


「「「なっ!?」」」


遊馬がさりげなく言った一言に言葉が出なくなる3人。

アスカとシンジは顔が真っ赤だ。



「なははは、冗談だよ。あまりに惣流君が乗りたがってるからプライベートでもどうかな?っと思ってさ。

 俺もじじぃになったもんだよ。セクハラ発言がでるようになっちゃお終いかな?」


「じょ、冗談が過ぎますよ。・・・ただでさえ・・・」


ちょっと反論をしようとしたシンジだが墓穴を掘りそうになってまた黙ってしまった。



レイは先ほどの発言から一人の世界に入っている


(あのじーさん・・・並みのおしおきじゃ懲りないよね。

 いいわ、後で後悔しなさい(くすくす)。

 それにしてもシンちゃんがあんなのに乗られちゃうの?
 
 ・・・ガマンできないわ。いっそのことフォワードにして・・・不慮の事故・・・・・・・


 ・・・・・・・・・・・・・・・・


 ・・・・・・・・・・・・・・・・


 ・・・・・・・・・・・・・・・・


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・


 ・・・・・・・・・不慮の事故


 アスカが不慮の事故・・・シンちゃんは一人


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・( ̄ー ̄)にやり)




レイは考えがまとまるとすぐにアスカに話し掛けた。


「わかったわ。アスカ、あなたを221号機及び222号機、両機のサブフォワードにしましょう。」


「えっ?サブフォワード?」


「そうよ。メインのフォワードはシンちゃんと鈴原君だから、あなたはどちらかが乗れないときか

 特殊任務時のパイロットとして待機してもらうわ。もちろん普段はシンちゃんのバックアップだけど

 それで良いならフォワードをやらせてあげるわ。」


「はい!やらせていただきます!ありがとうございます!!!」


アスカは満面の笑顔で即答したのだった。


こうして新しい特車二課に”サブフォワード”というポジションが誕生した。














(早くテロリストでもこないかしら・・・これからが楽しみね♪

 まっててね〜シンちゃん。必ずあなたのお嫁さんになってみせるわ!)








おひさしぶり〜。前回ミサトさんにやられたあと
本当に食中毒になってダウンしてました(−−;
さてさてポジションも決まったし。また次回です、では。






「こら〜!またんかい!」

あ、ミサトさん・・・前回はよくもやってくれましたね。

「あんたが悪いんじゃないの!それに今回も私が出てないじゃない!!」

出番?ミサトさんの出番は永久になくなりましたよ♪

「何ですって〜〜〜!!!!!」

だって本編にミサトさん出すの面倒なんだもん。

「え〜・・・どこでもいいから出して〜〜(T_T)」

とりあえず気が変わるまで出番は無しです。
別の作品ならいいですよ。そろそろ皇妃様の所に書かないと
いけないから・・・はい、台本も出来上がってますよ。

「どれどれ・・・ふ〜ん・・・楽しそうね( ̄ー ̄)にやり」

ほっ、でわ座談会も終わりということで・・・

「よっし、これの練習しに行くわよ!」

えっ?ミサトさん仕事は良いんですか?

「これも仕事よ♪終わったあとは宴会よ〜〜〜♪♪」

その後しばらく特訓につきあわされ胃を壊したアルフ・・・全治2ヶ月(以上)




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