TOYS
〜モノは何でも夢をみる〜
 
「えーなにこれなにこれえ??」

ゆみこの部屋に増えた仲間の博は井ノ原さんに続く人気者です。

彼は何でも知ってます。物知りなのです。

外の世界を知らない彼らにとっては、すごい楽しいものであって、素敵なものなのです。

画面の前にはおもちゃ達が並んでます。

「犯罪のニュースとか増えてるよなぁ・・・。」

「なんか外の世界って怖いよねぇ。」

「その点・・・」

平和だよなぁ・・・。

「ありがたいことだよねえー。」

「ほんとにな。」

「なぁなぁひろしぃ。」

「准一どした?」

「あのさぁ、博ってなんでも知ってるやん?」

「まぁ・・・ちょっとはねぇ。」

「あんな、、あんな、、聞きたいことがあんねん。」

「なに?」

「あんな、えっとな、、えっと・・・」

げしっ。

「いったぁー、剛くんなにすんねん。」

「お前言いたい事があんなら早く言えっつうの。うざい。」

「なんやねん、迷ってんねん。」

「なら聞くなよ。」

「なに?准一。」

「えっとな、僕な一応花やんか。なんの花咲くんかなぁ?って思って。」

「あー、お前全然成長しねぇから不安になったんだ。」

「ちゃうわ!ちょっと知りたい思っただけやんかっ!!」

「そんなの知らないほうがいいと思うけどなぁ。」

「なんでやねん。」

「だってつまんないじゃん。」

「健くんまで、なんでやねん?気になるやんか。」

「確かに准一は僕達と違って、こう成長するもんだからわかんないけど、なんかつまんないじゃん。」

「けどな、僕は不安やねん。だってやで?僕このままずっと葉っぱかもしれへんやん。」

「だったらそれまでだろ?」

「剛くん冷たいー(><)いつかはこんな花が咲くって思ったら希望持てるやん。」

「私もみんなに賛成ですね、未来はわかんないから楽しいんですよ、准一。」

「井ノ原さんまで・・・そんな。」

「だったら・・・」

今まで黙ってた坂本さんが口を出します。

「だったら准一は、その花になれなかったらどうするんだ?」

「どうするって・・・。」

「別に博の言ってることがウソだとは言わない。だけどな、もし違う花だったらどうする?見たものよりもキレイじゃなかったらどうする?」

「・・・。」

「博の見せるものが全部現実とは限らないよ。だって、もし同じものだったとしても、准一は准一であって、映ってるものは違うものなんだから。」

 

 

「僕の夢はな、きれいな花を咲かすことやねん。」

夜の寝静まった後に准一と健・剛が話を始めます。

「僕、ここにいるみんながうらやましかった。」

「うらやましい?」

「だって、坂本さんは、いるだけで存在感あって、言ってる事間違ってへんし、かっこええやん。」

「確かに俺もそれは思うよ。普段バカやってても、ほら、昼間みたいに。やっぱ違うなって。」

「貫禄あるよね。」

「井ノ原さんは人気者や。僕も好きや。それに物知りでなんか・・・あったかい。」

「たまーにバカにされんのがムカツク。」

「だって健そういうキャラじゃん。」

「なんだよそれー!!」

キーン。。

「うるせぇーっっ!!」

「ああ、ごめんね、ごめんね。。」

「博は、最初は怖いってゆうか、なんか近づきがたいもんがあって、僕等とはちゃう世界の人なんかなぁって思ったけど、優しい。あの笑顔、ホッとする。」

「驚異的だ。」

「あの人の怒るとこ見てみたいよね。」

「いや、あの笑顔はなかなか崩れねぇだろうな。」

「剛くんは・・・」

「なに?俺もなんかあんの??」

「・・・やめとく。」

「なんだよ、それっ!!」

「だってさぁ・・・。」

なんか言う気なくしたわ。

剛くんはすごい勇敢でかっこいいなんて、言ったらこの人飛んでくでたぶん。

「じゃぁ僕は僕は??」

「健くんはねぇー。」

「なんだよ、健はいいとこあんのに俺にはねぇのかよ!!」

「あー、そうかもしれへんなぁー。」

「なんだよもう・・・。」

やっぱこのへんは剛くんやな。こういう素直なとこは好きやで。

その点、健くんはいつも素直。それに優しい。僕の気持ちようわかってくれてるねん。

「そうだ、さっきの続き、うらやましいからなに?」

「そう。あんな、だからうらやましいねん。」

「何言ってんだ?お前。」

「あー、だからぁ・・・。」

「僕だって、准一うらやましいよ。」

「なんでやねん、僕なんてうらやましいことなんてあれへんがな。」

「ったく、わかってねぇなお前は。だからバカにされんだよ。」

「・・・誰に?」

「俺に。」

「なっ・・・」

「うひゃひゃひゃ。。」

「ちょっ、ごーくーん。」

「じゃぁな、俺寝るわ。」

「おやすみ。」

「おう。」

 

 

「なんやねん剛くんはもう。」

「認めたくないんだよ、剛は。素直じゃないからね。」

「僕にうらやましがられることなんて、ほんまにあんの?」

「准一はぁ、すっごい人のこととかわかってるし、あんまり根にもたないし。」

「そーかなぁ?」

「そうなの。それにね、准一は成長するじゃん。僕達ってさ、変わらないもん。これから使われて壊れていくだけ。」

「そんな・・・」

「みんな楽しみにしてるんだよ?准一が花咲かせるの。」

「そう・・・なん?」

「そうなの。だから先に見るんじゃなくて、准一自身が咲かせる花にみんな期待してるの。」

「そうやったんや。」

「遅くたっていいじゃん。時間はまだまだいっぱいあるんだから。ゆっくりマイペースに行こうよ。きっとキレイな花が咲くよ。信じてる。」

「そんなふうに思われてたなんて知らんかった。僕は、みんながうらやましかってんで。だってな、みんな優しいねんもん。僕だけこっから動けへんし、落ちた時だって剛くんおらんかったら今もうここにはおらんし、僕、人に言えるほどなんもできへんし、だから、早く・・花が・・咲いたらみんなが・・・」

「ほら、准一泣かないでよ。今すぐ咲かなくたって誰も准一おいていかないよ。僕達誰がかけても寂しいんだから。動けなくたって、その時のために剛がいてくれたんじゃん。あの時どんなことがあっても剛は准一のそばにいたよ。だから、剛がいて、准一がいる。それでいいじゃん。」

「足手まといにならへんのかな?剛くんは。」

「どうせ剛も暇にしてるんでしょ?大丈夫だよ。剛だって准一と遊んでるの楽しいって思うから助けるんだよ。」

「そう?」

「なんも考えないでバカやる。それが僕達の最初に決めたことじゃん。ねっ!」

「そ、そうやね。」

「ほら、笑って笑って。」

「僕、絶対きれいな花咲かせるわ。」

「がんばってね!!」

 

 

「夢・・・か。」

「聞いてたんでしょ?」

「うるせぇよ・・・。」

「剛も素直じゃないよねー。」

「うるせぇよ。お前とは違うんだよ。」

「素直になった方がいいよ。」

「はいはい。」

「もー、かわんないね、剛は。」

「健もかわんないよ。相変わらず優しいまんま。」

「・・・どしたの?急に素直じゃん。」

「だろ?」

「・・・。」

「健はさ、夢・・・何?」

「え?」

「俺さ、准一みたいに夢、ないんだ。」

「夢・・・か。」

「あいつはなんもわかってねぇよ。」

「剛もなにもわかってない。」

「・・・わかんねぇよ。」

「いいじゃん、それでも。」

「お前はなんでもお見通しって感じだな。」

「そんなことないよ。」

「健がいたから俺ここまでやってこれたんだぜ?」

「剛さぁ、今日おかしいよ。」

「じゃぁ、今日くらい、いいじゃん。」

「へーんなのー。」

「だってさぁ、ここ来た時覚えてっか?ゆみこの健と俺の扱い。」

「うわぁ、まだ根に持ってんの?」

「だってそうだろ?俺ちょー飾りだったじゃん。」

「当たり前だよ、だって僕が主旨だったんだもん。」

「そうだけどよぉー。」

「でもさ、ゆみこの目に剛がたまたま止まってくれたから今があるんだよね。」

「そうだよなぁ。そう思ったら、やっぱ感謝なのかなぁ?」

「感謝だよ。あれだけたくさんの中から剛を選ぶなんて、ゆみこもお目が高いね。」

「それはお互い様。」

「あー剛認めた。」

「いいじゃねぇかよ。」

「夢かぁ・・・。」

「夢なんてあってもどうせ実現なんてしねぇんだよ。俺は人形なんだから。」

「僕は・・・。」

「ん?」

「僕は、みんなと一緒にいたい。」

「一緒に・・・か。」

「坂本さんも、井ノ原さんも、博さんも、准一も剛も・・ずっと一緒にいたい。こういう時間がずっと続くといいな。」

「そうだな。」

 

 
「なんだか大人になりましたね、あの子達は。」

「そうですね。」

「成長するって、早いもんなんですね。」

「井ノ原さん、なんか年よりくせぇ。」

「ははは。」

「最初にきたころからはもう、見違えるほどですね。」

「そうですね。」
 

 

俺の夢は・・・人間になること。

人間になることができたなら、もっとみんなにいいことしてあげれる。

俺にもっと力があったら井ノ原さんの傷だって治してあげられるのに。

俺がもっと強かったら坂本くんの負担を減らすことができるのに。

俺がもっと頭がよかったら博さんの相談ものってあげれるかもしれないのに。

俺にもっと知識があったら健の不安を取り除くことができるのに。

俺が准一より大きかったらもっと土もいいのにして水だってあげられるのに。

そして・・・人間だったら・・・。

 

つづく。

未来は自分で作るもの。やっと最近になってそう思った。テストの前日に「ああ、今がんばったら明日はできるかも。」「いまやらなかったら明日できない。」やるかやらないかは自分次第であって、天使と悪魔は常に戦っている。どっちが勝つかはわかりませんが、今までの悪魔からはそろそろ卒業したい。そんな思いで書きました。自分の未来は自分で切り開きたいから。
えーさて、関係ないですがうちの部屋の不思議なものシリーズ第2段。
今回は部屋外になりまして、うちの家の前のはらっぱにいるうぐいすさん。「ほーほけきょ。」となくはずのあなた。どうして「ほーがちゃぴん。」←まじです。ちゃんと「けきょけきょけきょけきょ」って言えてるのにつなげるとなぜがちゃぴん。ほんとにそう聞こえるあたりがまたおかしいのです。。