羽根
〜BEGINNING〜

第7話
〜頼りにしています。〜

ピピピピ・・・ピピピピ・・・かちっ。

・・・。

うーん、と1つのびをしてみる。

ふと横を見ると見なれない寝顔。

・・・あり?

あ・・そっか。

昨日部屋変えしたんだっけ・・・。

「おーい。」

その相方のほっぺをひっぱってみる。

「朝だぞー。」

・・・。

反応なしかい。

「ばかぁーっっっ。。。」

ごんっっ。

「い・・っ・・・てぇー・・・」

「いたぁー。な・・に??」

でっかい音が鳴りましたな・・・。

 

 

「おはよー。」

「・・・。」

「・・・え・・・。」

「おお、おはよう准一。」

「ちょっ、、快兄、、剛兄機嫌悪いやん。どないしたん?」

「いや・・それがさぁ・・・。」

「剛兄大丈夫??」

「うるせぇよ。」

氷袋を剛のあごにつけながら健がちょっと笑う。

「かよこ休んでていいよ。」

台所では博とかよこが朝食を作ってた。

「いいよ大丈夫。」

こっちはまるで風邪ひいたかのような氷がおでこにはりついていた。

「先行き不安。」

そうつぶやいたのが昌行だった。

 

 

冬になると部屋変えがあった。

今回は昌行と健。

博と快彦と准一。

そして・・・問題児・・もとい・・問題部屋の剛とかよこだった。

ちなみに補足しておくが、誰が指名するわけでもない。

ただのあみだくじで決められているだけに、下はドキドキし、上は不安である。

こんな事件がおきるならなお更不安であろう。

「だからごめんって言ってるでしょー?はやくご飯食べてよー!」

「はいはい。」

「うわー、いたそやなぁー2人とも・・・。」

「だってコイツが・・・」

「だって剛兄が・・・」

ほぼ同時のコメントは両者ともに火をつける。

「なんだよ、俺がなにしたって言うんだ?ただ親切に起こしてやっただけじゃねぇか。」

「だいたいなんで真上に顔があんのよぉ、それ自体がおかしいの!起きたらぶつかるに決まってるでしょ?」

「そんなに勢いよく起きるなんて思ってねぇじゃねぇかっ。」

「知らないよそんなのっっ!!」

「ごちそうさま。僕先にいくね。」

「行ってらっしゃい、気をつけてね。あ、健お弁当。」

「あ、ありがと。いってきまーす。」

「ほな僕も行ってくるわ。」

「准一かよこ連れてけよ。」

「ごめんな、小テストあんねん。」

「准一逃げんの?」

「健兄人聞きの悪い。先に行くだけやんかぁ。。」

「行ってらっしゃい。」

「行ってきますー。」

「だから剛兄がぁー・・・」

「なに言ってんだよ・・・」

・・・。

「まるで子供のけんかだな。」

「そういや快彦は?」

「あ、授業昼からだって。」

「そぉ。」

「あ、昌兄もう時間だけど・・・」

ギャーギャー。

「ごめんね、やかましい朝で。」

「・・・いつものことで。」

「行ってらっしゃい。」

「おう。」

さてと・・・。

「2人ともいいかげんにしろーっっ!!」

「はいっっ。。」

 

 

「剛兄のせいだかんね。」

「お前のせいだろうが。俺は悪くない。」

「もぉ。」

「まいいや。」

「もういい?」

「せーの。」

ごめんなさい。

・・・。

くすくす。

「お前そのでこ大丈夫かよ。」

「剛兄こそ、あご大丈夫?」

「まぁ准一のでこには負けるよな。」

「でもでかくなったら准兄の妹です!って大きく言えるよねー。」

「うひょひょ、それ本人の前で言ったら殺されるぞ。」

「あはは。あ、私こっちだから。」

「おう。じゃな。」

「行ってらっしゃい。」

「そっちもな。」

「あいよ。」

・・・。

 

 

「かよこかよこー、昨日のテレビ見た?」

「えーなになに?」

「あれちょーおもしろかったよねー。」

・・・その時間ってみんなで部屋変えやってたっけ・・・。

「あ・・あたし見てないわ。」

「ほんとにぃ?あれ見なきゃだよぉ。ビデオ撮っときゃよかったなぁ。」

「あ、いいよいいよ来週ちゃんと見る。」

こういう時・・ちょっと孤独感じる。

兄妹で遊ぶことより楽しいことはないっ!って言いきるけど・・・

協調性にかけるよね・・どう考えても。

「ねぇねぇかよこ。」

「なに?」

「あんたさぁ・・朝気がつかなかった?」

「え、れいちゃんいたの?」

「違うよ、私じゃなくって・・・お・と・こ。」

「あ、それ剛兄のことじゃないの?今日途中まで一緒にきたの。」

「え?そうなの?でもあれは絶対違うと思うな。だっていくら兄妹だからって中2になって学校まで見送りにはこないでしょう。」

・・・あ・・れ?

私確か剛兄とは酒屋さんの角で別れたはずよね?

「えー、気のせいじゃないのー?」

「まっ、告白されるの願ってるわ。ぜったいあれはかよこのストーカーだね。」

「ちょっ、、怖い事言わないでよー。鳥肌たっちゃったでしょ??」」

・・・剛兄がついてきたのかなぁ・・?

なんで?

 

 

「んなわけねぇだろ?誰がお前の監視なんかしなきゃなんねんだよ。」

「そ・・っだよね。」

「なに?なんかあったのか?」

「ううん。別に。」

「そ・・・か。ならいいんだけど。」

「うん。気にしないでね。」

「あ、電気消すけどいいか?」

「うん。」

・・・。

暗くなってしまった部屋は、今までと違った。

剛兄と健兄は雰囲気はちょっと似てるけど、やっぱ違う。

「なぁ。」

「なに?」

「・・・いや・・やっぱいいや。」

「そぉ。」

「うん。」

・・・。

「就職先決まった?」

「いや・・まだ決まってない。」

「そう。」

・・・。

「寝た?」

「・・・まだ。」

「そう。」

「明日の時計セットした?」

「うん。」

「ちゃんと起きろよ。」

「今日はぁ、たまたまなの。それ言うなら剛兄のほうでしょ?」

「俺は大丈夫に決まってんじゃん。」

 

 

ピピピピ・・・ピピピピ・・・かちっ。

・・・。

うーん、朝だぁ。

・・・おい。

「ごーにー。」

・・・。

ほっぺた1つひっぱってみる。

誰が大丈夫だって?

「ごーにー??あさー。」

そういって彼の顔を覗きこんでみる。

「よしにいーっっ。。」

ごんっっ。

・・・。

 

 

「またぁ?」

「俺のせいじゃねぇよ。」

「なによぉ、私がなにしたって言うのよ?ただ親切に起こしてあげたんでしょ?」

「だいたいなんで真上に顔があるんだよっ!それ自体がおかしんだって。起きたらぶつかるに決まってるだろ?」

「そんなに勢いよく起きるなんて思ってないでしょ??」

「知らねぇよ。そんなのっっ!!」

・・・またか。

「おは・・よ・・・ぉ・・・」

「あっ、快兄おはよう。」

「なに・・やってんの?」

昨日の争いを見ていなかった彼が疑問を持つ。

「あ、快兄知ってる?剛兄の寝言。「よしにぃーっ。」っつって起きたんだよ。ぶつかっちゃったけどっ!!」

「うるせぇよ。」

「なんだ剛、俺のこと好きなのか?」

「んなわけねぇだろバカっっ。」

「そうだそうだぁっ。」

とばかりに健が加勢する。

「ごはんだよっ。」
 
「おっしゃーっ。」

昨日と逆の氷の位置だけど、今日の争いは平和だった。

 

 

とてとてとて・・・

コツコツコツ・・・

ぱたぱたぱた・・・

ダッダッダッ・・・

・・・。

うそ、マジで誰かついてきてんの?

え、やだ怖いよ。

「おはよーかよこ。」

「れーちゃーんっ。」

・・・なんか後ろに人いない?

「そんなことないと思うけど?」

ちょっと、声大きいって。

ほんとに?

こわい。

じゃぁ走っちゃいますか。

ちょっと楽しまないでよれーちゃんっ。

せーの。

「あ・・・。」

 

 

「もーすっごい怖い。こわいこわいこわいこわいっっ。」

「誰かに相談したら?」

「だかられいちゃんに言ってるんでしょ?」

「そうじゃなくって、ほらあんたのお兄さんとかさぁ。」

「うーん。」

「例えばさぁ、健くん先輩とか?」

「健兄?あー、そっか、れいちゃん健兄好きだもんねー。」

「違うよー。」

「のくせに毎日健兄のバイト先のケーキ食べに行ってるくせに。」

「毎日じゃないわよ、健くん先輩がいる時だーけ。」

「一緒じゃない。」

「ねぇ、とりもってよ。」

「ヤです。」

「なんでよぉ?」

「だってめんどくさいもん。」

「ちょっとかよこー。あんな美形なお兄さん達1人占めするなんてずるいわよっ!」

「いいじゃなーい♪ほら次家庭科っしょ?移動移動♪」

「もー。」

 

 

「ただいま。」

「あ、おかえり。おやついる?」

「ううん、今いいや。」

「そう。」

「着替えてくるね。」

「ああ。」

結局帰りもなんか視線を感じた。

すっごい怖い。

なんか恐怖心。

もしホントに私のこと好きって言ってくれる人だったら・・うれしいけど。

そういう愛情表現ってあんまりないよなぁ?

え、私狙われてる?

殺人??

「・・・なにやってんの?入んねぇの?」

気がつくともう部屋は目の前で立ち止まってたみたいだった。

「・・剛兄着替えるから。」

「なんだよ、それならそうと早く言えよ。」

「ご・・ごめん。」

「なんかあった?」

「ううん。なんもない。ほら、早く出て出て。」

「・・ああ。」

 

 

「いっただきまーすっ。」

・・・。

目の前では兄ちゃん達が戦ってた。

「食べないの?」

別に食べるものがないわけじゃない。

だって、私と博兄のはよけてあるもん。

なんかのど通らない。

「ごめん。ごちそうさま。」

「・・・ああ。」

「じゃぁさ、俺もらっていいの?お前の。」

「いいよ。私部屋戻るね。」

「ちょっと剛兄ずるーいっっ。」

「ホンマやせこいわぁっ。」

「剛、これは公平に分けるもんだろ?」

「何言ってんだよ快兄、これは早いもん勝ち。早いもん勝ち。」

「もー4人ともさぁ。」

「なんかあったのか?かよこ。」

「わかんない。」

結局気にしてくれるのは昌兄だけかよ。

 

 

ベットの上にねっころがってみる。

はぁー。

決まったわけじゃないよね?

あ、ほらなんか落としちゃってそれ届けてくれるとか。

・・・そんなわけないよねー。

ニュースとかでストーカー事件とかやってるけど、身近すぎねぇかい?

「おーい。」

「ん?」

真上には剛兄の顔があった。

「口開けろ。」

「ああ?」

はぐっ。

「お前なぁ晩飯くらい食えって。博兄に悪いだろ?」

そう言って台所から取ってきたと思われるパンを詰め込んできた。

「んー。」

「うわーまぬけ。」

「ふぁっへほうにいふぁふぉうひふぁんへほ?」

「うひょひょひょ、何言ってんだよお前?」

んっ。

「だって剛兄がそうしたんでしょ?」

そう言った言葉も耳に入らず剛のツボだった。

「まったくもー。」

「あはは・・はー。全くお前はよぉ。」

「なによぉっ。」

・・・。

「ばーか。」

「な・・イキナリなによ!!」

「べっつに。」

「剛兄わけわかんない。」

「わかりやすいんだよっ!末っ子。」

「なによそれ。」

「何悩んでんだよ?」

・・・。

「黙ってちゃわかんねぇだろ?なに?恋でもしちゃった?」

「そんなことないー。」

「じゃぁなに?」

「・・・どうせ博兄に頼まれたんでしょ?」

げっ・・ばれた。

「わかりやすー。ばれたって顔してますよ、お兄さん。」

「人が・・・ちょっとくらいは心配してやってんのによぉ。」

「剛兄ってさぁ、つけられたことある?」

「つ・・け??」

「あ、漬物とかじゃないよ。」

「わかってるよ!!」

「後追いかけられたことある?」

・・・。

「まぁ・・なくはねぇな。」

「どんな気持ち?」

「別に。気にしてねぇから。」

「殺人者でも?」

・・・えっっ。

「お前殺されるようなことしたのか?」

「してないっ!!するわけないでしょ?」

「じゃぁなに?」

「誰かが後ろからついてくる気がする。」

「気のせいだろ。」

「・・・そう・・かな。」

「そうだよっ。なんだよびびらせやがって。」

「そ・・そうだよねー。」

「そうだよ。」

・・・そう・・かなぁ?

 

 

「行ってきまーすっ。」

「ああ、行ってらっしゃい。もう元気なわけ?」

「えー、元気なく見えた?」

見えるに決まってるよ。

「いや、なんとなくね。行ってらっしゃい。」

「あ、博兄今日パスタ食べたい。」

「あー、はいはい。」

まぁーったく。

「行ってきます。」

「行ってくるわ。」

「あれ、今日早いね剛。」

「まぁ・・ね。」

「准一も気をつけて。あ、先かよこ行っちゃったよ。」

「う・・うんわかってる。すぐ追いかけるわ。」

「そ?じゃぁ行ってらっしゃい。」

「行ってきまーす。」

・・・。

「で、なんで僕まで後つけなあかんわけ?一緒にいったらええ話なんちゃうんか?」

「ばかっ、一緒にいったらそいつが逃げるだろ?」

「なんやねんそれ。」

あとをつけてみたものの、結局誰も該当するような人物はいなかった。

「やっぱ気のせいなんちゃう?もう学校やで?」

「ったく、そそっかしい奴だなぁ。」

あ・・・れ?

「なぁ、剛兄?あれちゃうもしかして。」

なんだか怪しげな男発見。

「アイツかよ。」

見た目的には俺達と同じくらいの年のように見えた。

「学生服着てるしなぁ。」

「お前らの学校の制服じゃねぇの?」

剛が准一の姿と見比べながら聞いてみる。

「さー。学ランやしなぁ。ちゃうのんボタンだけやからわからへんわ。」

「そう。」

「ほな・・・僕学校行くし・・・」

「何言ってんだよ、かわいい妹がつけられてんだぞ?お前見捨てる気か?」

「まだ決まったわけちゃうやん。それにもう学校すぐそばやで?いくらなんでも殺人なんて起こらへんって。」

「行くぞ。」

「へっ?」

なんやようわからんままに僕は剛兄にひっぱられとった。

ご・・ごうにい何する気やねん。

「おいお前っ。」

「えっ。。。」

あちゃー、びびっとるやんか。

「ちょっとこっちこいっ。」

ご・・ごおにい??

「お前俺の妹つけてるだろ?」

「そ、、そんなことないですよっ。」

「いつからいたんだっ?」

「に・・にしゅうかんくらい前から・・」

「に、、にしゅうかん?ふざけんなよ!!俺の妹がどんだけ怖い思いしてたかわかってんのかよっ!!」

「ご、、ごめんなさいっ。」

「いいか、俺の妹に近づくんじゃねぇぞっ!わかったなっ!!」

「はいっ。」

剛兄勢いで言わせてもしゃぁないんちゃうんか?

「よし、じゃぁ帰るぞ准一。」

「ちょっ、剛兄僕学校やって。」

「あ・・あの・・・」

「なんだよ、まだいたのか?」

「妹って・・この人ですか?」

その怪しげな青年が差し出した写真には、どうみても彼らの妹が写っていた。

・・・。

「やっぱりつけてんじゃねぇかっ!!」

「ちょっと剛兄っっ。」

「なんだよ准一。。」

「わけ・・・わけきかなあかんってぇ。」

「理由なんてなぁーっ。」

「これ・・あの・・落ちてたんですよ。」

定期・・券。。

「渡してもらえませんか?」

・・・。

 

 

「ごめんね准兄。」

「しっかりしとけや、ほんまにもぉ。」

「怒ってるかな?剛兄。」

「そら・・なぁ。」

「あーあ。」

「ん、これその人の名前と電話番号。ちゃんとお礼しときぃや。」

「・・・剛兄いたのによく聞けたね。」

「剛兄帰った後追いかけたから。」

「そう・・・。」

 

 

「ごー・・にぃ?」

「・・・。」

「ごめんなさいっ。」

「ったく。そそっかしい奴だな。」

「ごめんなさいっ。」

「恥じかいちまったろ?」

「でもあんな言い方しなくたってよかったじゃない。」

「おまっなんで??・・准一のヤツ・・・」

「でも・・すげーうれしかった。」

「あ・・そ。」

剛兄の後ろから抱きついてみる。

「ごーにー華奢いねぇ。」

「るせぇよ。」

「頼りにしてます、お兄ちゃん。」

「・・・。」

「あー照れてる照れてる。」

「うるせぇよ。」

 

 

彼女の写真。

笑っている彼女の写真。

確かに彼女は写っていた。

そして、7人の笑顔。

それは・・・兄妹の写真。



つづく。

そそっかしい奴だなぁって言葉を使いたい一身で書いたお話です(笑)いや、なんかあんまりにも最近のラジオネタで剛くんが「いもうとが・・・」って言うから勢いで(爆)ちなみにこの怪しげな青年は堂本剛さんがいいなぁなんて(爆)いや、なんかおいしい役っぽいから(笑)今後も誰かJフレメンバー出したいなぁなんて思いつつ。いやぁ。剛兄ちゃん素敵ですよねー。ホントにこんなん言われたらちょーやだけどさぁ(笑)「俺の妹に指一本ふれてみろ?おれがぶっとばすかんな?」ぐらい言わせたかったんですけど、今時さすがの剛さんも言わないかな?と思い妄想で止めました。無事(笑)いや、頭の中ではそんな勢いなんですけどね(爆)