2000年3月12日(日)、とうとう念願の海住山寺への急坂をノンストップで登りきることができました。2回目の挑戦でした。
まず海住山寺(かいじゅうせんじ)のことをお話しておきます。海住山寺とは、京都府相楽郡加茂町にある真言宗のお寺で、山の中腹にたたずむ静かな山寺です。良弁僧正が735年(天平7年)に創建、五重塔は国宝となっています。春は桜、秋は紅葉がきれいです。
海住山寺へは、JR加茂駅から木津川方面に走り、恭仁(くに)大橋を渡って国道163号線を横切ってまっすぐ進み、途中で左折して山の中に入って行きます。舗装された狭い自動車道です。左折したところくらいからだんだん坂道になってきて、民家が建ち並んでいる道の途中からかなりの急坂となり、それがもっときつい坂になって、お寺の山門の横まで続きます。距離としてはそれほどありませんが、何せ車で登っても山道に慣れていない運転者なら恐怖心を感じるほどの坂道なのです。
なお、JR加茂駅から海住山寺までマウンテンバイクで行くと、時間にして約30分です。
1回目のマウンテンバイクでの挑戦は、昨年(1999年)8月16日の早朝午前7時前でした。民家の建ち並ぶ道のところから急坂が始まりますが、民家を過ぎると傾斜はさらにひどくなります。ペダルに力をこめてこぐと、バイクの前輪が浮き上がる場所もあるほどです。それでも2分くらいは我慢してペダルをこいでいたでしょうか。しかし、立ってペダルをこいでもだめで、すぐにギブアップ。バイクにちょっと乗っては休み、休んではちょっと乗って、という具合で海住山寺までやっとたどり着いたのでした。
マウンテンバイクで山道を走り始めて約4ヶ月。ちょっとは脚力が付いたなと自信ができていたころでしたので、まったくの敗北感を味わいました。そして、そのうち、きっとこの道を制覇するぞと自分に誓いました(大げさですね)。
2000年の目標のひとつは、海住山寺への坂道をノンストップで登りきることでした。自分では、2000年の秋くらいまでに実現できたらいいと思っていたのですが、それが3月12日、何と2回目の挑戦で果たすことができました!久しぶりに体調が良かったことも勝因のひとつでしょう。「もしかしたら今日は行けるかも」という気がしていました。
それにしても、あの急登には非常に苦しい思いをしました。海住山寺に着いたときには、足がガクガクしていたほどです。途中でふらついて足をつきそうになりましたが、何とか持ちこたえて、ノンストップで登りきりました。マウンテンバイクを始めてから約1年、自分の足にも何とか脚力が付いてきたということでしょうか。
海住山寺の境内に入り、本堂の前で手を合わせてからしばし境内で休息を取りました。水を飲み、チョコレートを2つぶ口の中へ。体は疲労困ぱいしていても、心は満足。充実感でいっぱいでした。春3月の午後の日差しは柔らかく、静かに境内を照らしていました。誰もいません。聞こえるのは鳥の声だけ。早くも咲き始めた桜の向こうに、国宝の五重塔がそびえていました。
…と書いて、実は白状しなければならないことがあります。それは、海住山寺への坂道を「直登」したのではないことです。急坂を登り始めて少ししてから、前回同様直登を続けることは無理だと悟りました。あきらめかけたとき、とっさに採った行動は、坂道を「蛇行」して登ることでした。車がなんとかすれちがえるほどの道幅がありましたので、その道幅の中で蛇行したのです。直登よりは蛇行の方が負担が多少なりとも少なくてすみます。車がまったく通らなかったおかげもあって、この工夫で、何とか登りきることができました。
次回は、脚力をもっと鍛えて、いつかは直登できるようになりたいと思います。急坂でペダルをこいでも前輪が浮かないような乗りかたも覚えなければなりません。私のマウンテンバイクのシフト段数は24段ですが、これが27段のバイクだと直登できるかも、と思ったりもしています(…甘いか (^^;