2001年11月の連休の初日(3日)は雨でした。だいたい11月3日の文化の日は、天気が良いというのがこれまでの決まりだったのですが、ここの所天候不順です。前週の日曜日も、その前の日曜日も曇り空で、自転車で走ったものの、途中で雨が降り出し、急いで帰らなければならないはめになりました。もうフラストレーションはたまりにたまっています。それだけに、4日は期待しました。
4日の朝7時に目覚めたとき、太陽が明るく照らしていました。ばんざい!天は俺に味方してくれた。喜びいさんで自転車に乗る支度をし、いざ滋賀県・信楽(しがらき)町へ。 何で信楽かというと、久々に狸に会いたかったのです。紅葉の山道を抜けて信楽へ。そこで狸に会うのです。
なお、今回は特に写真が多いので、表示にちょっと時間がかかる方がおられるかもしれませんが、ご容赦ください。
7:58 加茂町の自宅を出発。
しかし、起きたときはあんなに晴れていたのに、だんだん曇って来ました。JR加茂駅を経て和束町へ。和束までは、県道「木津信楽線」を通らずに、「奥畑」経由で山の中腹を抜けるコースを選びました。綺麗な景色を展望できるのと、できるだけ車を避けたかったのです。
ちょっときつい坂道を登ると、茶畑が一望できます。晩秋だというのに、茶畑はまだ青々としていました。民家の並ぶ道を抜け、峠を越える頃には、空はすっかり曇ってきて、今にも雨が降りそうな気配です。
白栖公民館を過ぎると下り坂になり、和束運動公園に着きます。和束運動公園では「茶所わづか ふれあいグリーンフェスティバル」が開かれていました。道から公園の中は見えなかったけれど、きっといろいろな農産物や民芸品、日用品などが並んでいて、楽しい催しが開かれるのでしょう。人々が大勢集まって来ていました。
9:12 道の駅「茶所和束」着(自宅から10.9km)。
県道木津信楽線に出会います。ここでちょっと休憩。ろくに朝食を食べていなかったので、食堂で軽く食べたかったのですが、まだ早いと思い直しました。
ここからは川沿いに北東に向かって県道木津信楽線を進みます。道は軽い登り勾配ですが、登りであることを意識しないで済みます。平地を走っている感じです。信楽に着くまで、ずっとそんな調子でした。上り坂が不得手の方であっても心配いりません。
途中、民家が途切れそうなところで、いろいろな野菜や果物などを売っている店がありました。自分のところで取れたものを直売している感じです。つるし柿がなんとも晩秋の雰囲気をかもし出していました。店にはうまそうな柿が5個300円で売られていましたので、つい買いたくなりましたが、荷物になるので帰りに買うことにしました。
10:20 湯船森林公園着(24.32km)。
信楽にだんだん近づいて来ました。道は小さな川に沿って走っているのですが、その小川沿いに湯船森林公園ができていました。以前車で通ったときには、まだ拡張工事中だったのですが、今はすっかり綺麗に整備されています。数年かけて完成させたようです。
公園の回りは結構色づいていて綺麗でした。昔の水車小屋が再現されているのもおもしろい。 朝通ったときには人は来ていませんでしたが、帰り昼過ぎに通ったときには、何グループかが来ていて、バーベキューなどをして楽しんでいました。 しかし、この森林公園は良く整備されているものの、有料というのがちょっと残念です。 この森林公園を通る頃、やっと青空が見えはじめました。青空と山の紅葉。実にマッチしていていいですね。
10:45 信楽町に入りました(28.6km) 。
国道307号線との合流点です。信楽に入ったら、きつくて冷たい風が遠慮なく吹き付けて来ました。冬が近いことを否応なく感じさせられました。
10:55 山上陶器店着(30.0km)。
信楽はご存じのように「信楽焼き」で有名な陶器の町です。陶器の店が至るところにあり、それぞれお店ごとに特徴ある品物が並んでいます。このお店は、妻に誘われて一緒にときどき訪れるお店でもあります。このお店には、大きな陶器製の狸が置かれているのです。今回は、この狸に会いに来ました。
ここしばらくの間来ていなかったのですが、その大狸が、今は5体に増えていました。すごい光景でした。
また、小さな狸の置物も所狭しといっぱい並んでいます。みんなポーズや表情が違っていて、見ているだけで楽しめます。カラオケをやっている狸がいます。かわいい子狸もいます。つい、買ってしまいたくなりますが、何せ自転車で来ている身、買っても持ち帰ることができません。購入は次回ということで、今回は見せていただくだけにしました。
さらに面白いのは、狸の置物に並んで立ててある看板です。そこには「信楽狸八相縁喜」と題して、狸の「笠」、「目」、「顔」から「尾」までの各部位にまつわる八つの教訓が書き込まれています。少しご紹介しますと
笠 … 思わざる悪事災難避けるため 用心常に身をまもる笠そして、信楽の狸に特徴的な、あの大きな「金袋」には、次のような意味があったのですね。
金袋 … 金銭の宝は自由自在なる 運用をなせ運用をなせ狸からいろんなことが学べるなんて、面白いでしょう?
しばらく狸たちと遊んだ後、山上陶器を出発しました。信楽には、いろんな陶器のお店があり、それらを回ると大変楽しいのですが、今回はあまり時間もないため、狸を見ただけで帰ることにしました。帰る途中、昼食をとりました。
11:45 レストランを出発。
帰りは下り坂だから楽勝かと思いきや、相当強烈な向かい風。思い切りペダルをこがないとスピードがどんどん落ちてしまいます。でも、風がきつくても、秋の風景を楽しむことができました。来るときには曇っていて景色がくすんでいたのが、帰りは青空が広がっていたので、景色が輝いて見えました。
来るとき覗いた店で、うまそうな柿を買いました。買うとき、おばあさんに「この柿は甘いですか」と聞いたら「甘いでっせ」とのこと。安心して買うことにすると、おばあさんは「お餅もどうでっか」と薦めます。店の中に入って見せてもらうと、あんこ入りの白い餅とよもぎ餅が並んでいました。1個100円とのこと。うまそうだけど柿に比べたら少々高いなと思ったので、2個だけ買うことにしました。帰宅してから食べたのですが、柿もお餅も大変おいしかったです。お買い得でした。
そうそう、今日もたくさんのロードバイクに出会いました。この道は、結構多くの自転車仲間が走る道のようです。しかし、走っているのはロードバイクばかり。やっと見つけたマウンテンバイクに乗っている人は、小学生の男の子とそのお母さんくらいでした。
12:41 道の駅「茶所和束」着(49.2km)。
ここからは、木津信楽線を通って加茂町まで帰った方が近いのですが、もと来た「奥畑」経由の山道を帰ることにしました。アップダウンがありますが、景色が断然違います。来るときは今にも雨が降りそうで景色を見るどころではなかったけど、帰りは輝く太陽の下、秋色を堪能することができました。
13:43 自宅着(59.9km)。
久しぶりに思い切り走った感じです。今日は満足の一日でした。