MTBで走り始めてしばらくは、本当に非力でした。ちょっとした坂道でも、すぐにロー側の1段目に入れないと、坂を登れないほどでした。ですから、最初はほとんどが平地のコースを主に走っていたのですが、MTBに慣れるに従い、足にだんだん力がついてきたのです。それまでかなりシフトダウンしないと登れなかった坂が、それほどシフトダウンしなくても登れるようになったのです。MTBに乗り始めてから2ヶ月くらい経ったころでした。
そうなると面白いもので、MTBであちこちに行ってみたくなりました。自然の風景を楽しむには、山の中に行くのが一番です。といわけで、足は自然に山の中に向かいました。山の中の生活道路、林道、農道、峠の道と、いろんな山道を走りました。行くたびごとに新しい発見がありました。
はやり山の中の上り坂はきついです。山の中を走り始めたころは、上り坂でよく休憩していました。しかし、あることがきっかけで、それほど休息しなくても、連続して乗れるようになったのです。
それには秘密がありました。それまでの私のMTBはサドルの位置が低かったのです。普通の自転車と同じ感覚のサドルの位置でした。MTBの本を読んで知ったのですが、これをMTBでいう理想の高さまで高くしてみました。すると、足の疲れ方が違ってきたのです。すぐに足が疲れてしまうことがなく、ペダルに力を乗せやすくなったのです。これは大きな収穫でした。
それに勢いを得て、どんどんいろいろな山道に挑戦しました。そのたびごとに、足の筋力もアップしたと思います。そのかいあって、とうとう、浄瑠璃寺の前までの車道を下からノンストップで登ることができるようになりました。それを達成した瞬間、自分の中では感動が走り回りました。
その後は、山のふもとから浄瑠璃寺、岩船寺を経て、加茂駅前までの山道を、ノンストップで走りきるころができるようになりました。
成田きんさん(100歳を超えた双子の姉妹で、きんさんはお姉さんの方)が2000年の2月に107歳で亡くなられましたが、あのきんさんでさえ、毎日足の筋力トレーニングをしていたそうです。人間、いくつになっても、訓練次第で向上できるものなのですね。少なくとも、衰えることを最小限に食い止めることができるようです。