2 オリジナルダンス 2月17日(木) 
泊まっている部屋は見た目洋室で円形のダブルベッドがある。(回転はしない)しかし床はしっかり石製のオンドルパン(部屋)で、暖房をつけていなくても暖かい。というかセーターを着ていると暑い。夜中にのどが渇いて目が覚めてしまったぐらいだ。


ゆうべごはんを食べた食堂とは別の場所に食堂が3軒並んでいるが、どの店にも人はいなさそう。オフシーズンの平日、雨が余計に物寂しい。おばあちゃんがドアを開けて様子をうかがっていたので、真ん中の食堂に入ることにした。
今回のメニューはソルロンタン。牛肉と卵と長ネギのスープ…って、カルビタンと同じやん。骨付き肉とそうでないかの違いか。
腰も曲がりかけたおばあちゃんが大きなお盆につけあわせを5、6種類乗せて持ってきてくれる。大丈夫ですか〜?ああここのキムチと酢の物もおいしいわ。私の分を用意した後、店番をしているおじいちゃんと一緒に自分達の朝ごはん。

ここの食堂は紙コップに入ったインスタントコーヒーをおまけで入れてくれた。ミルクと砂糖たっぷりの甘いコーヒーを飲んでいると、おじいちゃんがなまりの全くないきれいな日本語で話しかけてくる。おばあちゃんは韓国語で人懐っこく話しかけてくれ、おじいちゃんに通訳してもらいながら話をする状態。
そのうち近所の人らしきおじさんが入ってきておじいちゃんと雑談。「雨が雪になってきたよ〜」との言葉に外を見ると、ぼたん雪が降っている。

見た目70才代の韓国人に日本語で話をさせるのは内心引きつる物があるのだが、「日本語ありがとう」とお礼を言っておくことにする。「昔日本へ卸売りをしていましたから」なるほど、昔取った杵柄のご披露だったのね。おばあちゃんにお金を払うとみかんをいただいてしまった。ハルモニ、ありがとう!
外へ出ると雨になっていた。雪が降ったのはほんの一瞬だったらしい。

しかし昨日の晩ごはんといい、今回の観戦は今のところ「食堂で見つけた人情〜アボジ、オモニとのふれあいの旅〜」と化しているような(^^;)
観光地はオフシーズンに行った方が人情にふれられて逆にいいのかもしれない。
D.C.マートで会場で食べるものを少し買い、タクシーを捕まえて会場へ。


VIP用の入り口を挟んで左右に大きな垂れ幕が下がっている。片方はユナちゃん(Yu-Na Kim、ジュニアグランプリファイナル2位)のものだろうか?とすると、もう片方はシニアの一番手なのだろう。韓国も女子選手を推しているのね。
さすがに平日の昼間はすいている。今日はジャッジ側の2階席に座ることができた。


オリジナルダンス
しかし今回のアイスダンスの参加組数はすばらしい。17組なんて初めてではないだろうか。グループが4つになるのだから!参加組数が増えたのはオーストラリアとウズベキスタンからの2組目、韓国、そしてメキシコから出ているからだろう。
会場の入りは3−4割といったところ。やっと四大陸を見ている気分になった。(←何かずれている)

オーストラリア2番手、Bourne & Pavlov組は体格差はそれほど大きくないが、常に男性が女性の動きを注意している印象。なんでもPavlovはアプトの義理のお兄さんだとか?
Yu & Wang組(中国)はいい感じで滑っていたのだが、後半の"Sing sing sing"で疲れが出たのが残念。Wang & Meng組(中国)はラストのリフトがすごかった。中国アイスダンス勢、男の子はあんなに細いのに…。
Akinova & Shakalov組(ウズベキスタン)はこれぞODという正統派の演技。それぞれの外見が、ナフカとスタビスキーに似ている。

第2グループが始まる頃に学生がぞろぞろ入ってくる。が、韓国の組が紹介された時に対する盛り上がりが予想以上にすごい。この彼らの反応とスケーター達のスピードが上がったことで、ウォームアップでようやく競技特有の空気になってきた。
一組だけリフトや滑りのレベルが違う組がいる。消去法でいくと…この二人がメキシコの組!?


Buck & Nelson-Bond組(オーストラリア)は長野世界選手権でコンパルソリーのゴールデンワルツで2回転倒してしまい、最後まで滑りきれるかどうか心配させた組。しかし今回の彼女達は立派に「競技」の演技。ツイズルで少しずれた程度。
……みなみちゃん達はオーストラリアの2番手といい勝負かもしれない。

ここでPさんがご到着。おお、早い!お疲れさまです〜!


Kim & Kim組(韓国)は小柄で童顔で、一組だけジュニアが混じっている印象。悠子ちゃんと織田君が組んで滑っている所を想像していただくと、近いイメージを描けると思う。しかし小さいからといってなめてはいけない。すいすい滑ってストレートラインステップではアピールもするし、男の子が小さくてもリフトをしっかりこなした。よくできました、よくできました!もちろん会場も大盛り上がり。
韓国のアイスダンスといえば、Yang & Lee組。解散してしまったのを残念に思っていたのだが、その後を継げそうな存在が出てきた。大事に育てていってほしい。
この組の印象が強すぎて、次のDuenas & Sarkulov組(ウズベキスタン)の記憶がない……(^^;)








正直メキシコのアイスダンサーと聞いてコンパルソリーを滑りきれるのか心配していたのだが、とんでもなかった。滑り方や表現はメキシコというよりむしろ北米選手の印象。
どこにこんな秘密兵器隠していたんだ、メキシコ!!



第3グループからは上位9組のランダムな滑走順。ベルビン組がいるのだが、ウォームアップから既に世界が違う。

楊芳ちゃん達(Yang & Gao組)はステップもがんばって踏んでいたと思う。が、より上を目指すなら曲の切り替えに伴った演技の切り替えがもう少しほしいところ。
ベルビン組は別世界という以外に言葉の書きようがない。






第4グループに日本勢が2組入っているのが何とやら。
ウォームアップでの木戸さん達はスケーティングというか…合わせていく勢いは周りの選手に負けていない。確かにこの試合でメダルを狙える存在であることを認識する。

木戸さん達のODは5シーズン前にフリーで使った"Girl, girl, girl"なのだが、その時と別人なのは言わずもがな。スピード感が前のグループの北米勢と全く違う。スピードも落ちずにずっと飛ばしていっていたのだが、最後の最後のリフトで乱れが。惜しい!
話がずれるが、渡辺さんの「ぴっ」という感じの足の上げ方が好きだったりする。

都築さんのODで心配なところといえばセパレートでのストレートラインステップ。全日本では思いきりずれて頭を抱えたが、今回はぴったり合っていた。都築さんが前半のお茶目なパートに大分なじんできたと思う。

今シーズン初めて組んだPatenaude & Denis組(カナダ)。男性のデニスはPicheとの演技を以前に何度か見たことがある。Pさんによると彼がかなり変わったということなのだが……。
出だしの表情でぶっ飛んだ。はじけているのを通り越した、野獣系の表情。デニスー!?!?
アップテンポの曲だから弾けてくれていいのだが、その弾けっぷりが演技を通り越している。こんな彼は今まで見たことがないぞ!!そしてパートナーのPatenaude(どう読むのだろう?)もデニスのテンションに負けていない。一見細身だが力強さも感じさせるのは年齢あってのことかもしれない。身長のバランスもいいし、組んだばかりなのに前のパートナーよりよっぽど息が合っている。
デニスは前のパートナーのPicheと20年近くカップルを組んでいたが、いまいち個性の見えないカップルだった。解散した時は年齢的(28歳)にも経済的にもスケートを続けるかどうかの瀬戸際だったのではないだろうか。
そんな状況で新しいパートナーにめぐり合い、再び国際大会に出場している。滑ることが楽しくて仕方がないような、新たな境地にいるように見える。いいパートナーにめぐり合えてよかったよ…(泣)ということで誰かこの二人にインタビューしてください。
最終滑走でいいものを見た。あんた達なら都築さん達抜かれても許すよ!と思っていたら、この組は都築さん達の下だった。あらら(^^;)


それにしてもこのOD、順位の近いアジア勢と北米勢の解釈が見事に分かれていたのがおもしろかった。軽快なリズムに合わせてがんばってステップを入れるタイプと、ゆったり綺麗にスケーティングを見せるタイプ。どういう点をどう評価されたのか、解説が楽しみ…というか、どう見たらいいのか教えてください。はい(^^;)。
フリーはいったいどうなるんだろう!?


製氷時間になると潮が引くように観客が移動していくが、行き先がトイレでないのが日本の試合と違うところ。学生達はともかく、一般の人でも製氷が始まると帰ってしまって観客の一部分が入れ替わる。
(ぶっちゃけた話入れ替わるような観客層で助かった。あの人数で一斉にトイレに向かわれると確実に地獄を見る。会場の外に仮説トイレもあったのだが)


休憩モードに入っていると、いきなりブラスバンドの音楽が響き渡った。よく見ると客席の一角をブラスバンドが占めている。おそろいの帽子にめいめいの私服。市民バンドのようにも見えるが…
しかし彼らが演奏しているのは演歌のようなゆっくりしたテンポで哀愁を帯びたメロディーの曲。スポーツの試合なのだから、もっとこうマーチとか元気の出るような曲を演奏するのがセオリーだと思うのだが……レパートリーの都合なのか何なのか(^^;)




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(続く)