晩春の 宵の一番 天狗星
春も終わりを告げようとする頃、夕暮れの真東中天に一番星にふさわしい明るさでオレンジ色に輝く1等星がうしかい座のアルクツルスです。

この星は0.1等で大いぬ座のシリウス、りゅうこつ座のカノープスに次いで全天で三番目に明るい星です。

日本では、江戸時代から明治時代にかけて赤く見える星を天狗星と読んでいたとの事です。

また梅雨の時期に頭の真上に上がってくるので五月雨星、雨夜(あまよ)
星と呼ばれていました。

北斗七星のひしゃくの柄のカーブをずっと延長していくとアルクツルスに当りますそのカーブを更に延長していくとおとめ座スピカに当ります。
このカーブを春の大曲線と呼んでいます。
さらに、オレンジ色に輝くアルクツルスは男性的で、純白に輝くスピカは女性的なので二つの星をカップルに見立て「春の夫婦星」と呼んでいます。

うしかい座にはこのアルクツルス(くまの番人)から北に向かって3等級の星が西洋凧のような形で並び、これにまわりの小さい星を加えたものが、2匹の狩いぬを皮ひもで引き、大ぐまを追っている巨人の姿として描かれています。

星座の画と、星座名は関係が無いようですがいくつかの神話や伝説が絡まって北斗を荷車とそれを引く牛とみなして星座の名前が付けられたようです。