プレセペの 積尸気ただよう 星の群れ
し し き
ふたご座としし座の間にかに座があります。両星座ははっきりしていますが、かに座には4等以下の星しかなくパッとしません。
甲羅にあたる四角形の真ん中にはM44(プレセペ星団)と呼ばれる有名な散開星団があります。この星団は約600個の星が群がっています。
中国ではボーッとした青白い光を、死体から立ち上がった妖気にたとえ積尸気と呼ばれています。
イギリスでは群がる蜂の群れにたとえ「蜂の巣星団」と呼ばれています。
ギリシャ神話の中では怪力ヘルクレスに踏み潰され退治された化け蟹として描かれています。
プレセペは肉眼では何となくはっきりしませんが双眼鏡で眺めると素晴らしい星の固まりであることがわかります。星団全体の美しさは5cm7倍程度の双眼鏡で十分ですが、口径6cmの望遠鏡で25〜40倍にして一つ一つの星を眺めると黄色やオレンジ色の星、またいくつかの重星がある事がわかります。
この星団をはじめて星の集団だと見破ったのはあのガリレオ・ガリレイです。1610年に自作した望遠鏡で観測して「プレセペと呼ばれる星雲はただ一個の天体ではない。約40個の星の集まりで、私はアセルス(γ星とδ星)のほかに30個の星を数えた」と述べているのは有名な話です。
また、かに座のα星の西にM67と呼ばれる散開星団があります。この星団は特に年寄りで年齢は100億歳に近いといわれており天文学的にも注目を集めています。