南天に 長寿祈りて カノープス
りゅうこつ座の白色に輝くα星カノープス(水先案内人)は光度マイナス0.7等でシリウスに次ぐ全天で2番めに明るい星です。

2月頃シリウスが南中する頃、南の地(水)平線から僅かの高度に現れすぐに沈んでしまいますので日本では見る事の難しい星です。

もともと、りゅうこつ座は南天の星座の為、日本では沖縄の那覇まで行っても全体を見ることができません。

この星にまつわる伝説は数多く残っていますが日本でも瀬戸内海に面した地方では姿を見せたかと思うとすぐに沈んでしまうため「おうちゃく星」、「鳴門星」、房総半島の布良(めら)と言う漁村では土地の名を取って「めら星」、茨城県地方では賊に襲われた和尚さんの話に基づき「上総のおしょう星」などと呼ばれているようです。
また、カノープスを見るのはなかなか難しいことからこの星を見ると長生きができると崇められてきました。中国では南極老人星と呼ばれ社会平和、国家安全のしるしとされてきたようです。

また、りゅうこつ座はもともとギリシャ神話の知者イアソンが、金の羊を求めて航海に出たときに乗ったアルゴ船の4星座と呼ばれ、らしんばん座、とも座、ほ座を合わせてアルゴ船を形作っていますが巨大な船の姿を想像するのは難しく、形のわかりにくい星座のひとつに数えられます。