岸先生の論文(国教昭和6年新年号「科学とは何ぞや」)

霊界、霊力の御神示 ―― 凄い発見 ――

平成2058

川村喜紀

 

永原委員長が就任されたときの最初のスローガンが「原点に還ろう」であった。私も、現在の惟神会の教義をもっと深く掘り下げて本質をつかむ必要があると考えていたこともあって、このスローガンに乗った。

 そこで私は、岸先生の著述を読み、その背景となっていることを勉強することからはじめた。

 今回は、先ず岸先生の言われる「霊界、霊力について」をご紹介したい。

 

  昭和6年の国教に先生は、「科学とは何ぞや」を、さらに「科学は何処へ」を(一)から()まで連載されている。この中で特に新年号に載せられた「科学とは何ぞや」には、先生が考えられる惟神会の本質を述べておられるように思う。

 後に先生の著述の抜粋をご紹介することにして、先ず先生の言われていることのポイントを記してみたい。ただし先生は霊界のことを、当時の科学者の間では常識であったが、その後間違いとされる「エーテル」なる物質で表現されているので、ここでは私の独断で「エーテル」を「電磁場」に置き換えた。

 

 御神示から言える霊、霊界に関する事は下記である。

 

1)物質は霊力に変わる(物質の霊化)
物質は霊力(エネルギー)に変わる。これは大自然現象の中で常に行われている

2)霊力は電磁波であり、霊界は電磁場に相当する
したがって霊力は粒子であり波でもある

3)霊力は、霊界から物質の世界に働いている力(エネルギー)でもある

4)物質の世界は霊界の中にある

5)霊界には、社会的組織が造られ、物質の世界と密着不離の状態にある。

 

 文系の方にはこれだけではわかりずらいであろうから、私なりの解説をしてみると、

 

物質の構成を細かくみていくと、分子→原子→電子と原子核→陽子、中性子というように細かくなっていく。こうした細かい粒子の世界、すなわち素粒子の世界では、物質がエネルギーになったり、エネルギーが物質になったりしている。いわゆる「エネルギーと物質の同等性」であるが、アインシュタインの有名な相対性原理

 E=mc

E:エネルギー m:質量 c:光の速度

の世界である。

 

 ハイゼンベルグの不確定性原理というのがある。「ミクロの世界では、エネルギーと時間を、同時に、正確に決めることはできない」。 極めて短い時間ならば「エネルギー保存則」が破れていてもよいということであり、極小の時間内で、物質が大量のエネルギーに変わっていることもある。

 だから、大自然のあらゆるところで霊力というエネルギーが生み出されており、霊界はまさにそのエネルギーの世界であるということである。

 

この霊力は、電磁波であり、電磁場の張り巡らされた宇宙の中を、あるいは物質の中を飛び回っている。電磁波であるから、光と同様の性質を持つ。

 光と同じ速度で行き来する。ただし霊力は波長が極めて短い。惟神会で以前試みられていた霊写真はフラウンホエール光線を焚いていたが、動物霊はこの程度の波長であるが、高級な霊になるほど、その波長は短い。霊力(エネルギー)は

 E=hν 

E:エネルギー h:プランク定数 ニュー:振動数 

に示されるように、波長が短くなればなるほど、振動数は大きくなるから、その持つエネルギーは大きい。波長が短いから、物質も透過する。ちなみに原子核を直径1メートルのボールとしたとき、その周りを回っている電子の半径は100Kmくらいである。だからその間は、大きさのない霊は自由に通ることができる。

反粒子、対消滅と対生成

 こうした話は最近、宗教界だけではなく医学、科学などの多くの分野でよく目にするところでるが、量子力学をはじめ量子論が目覚しく発達した現在ならではの話であり、昭和初期に、御神示とはいえここに着眼された岸先生に深く敬意を表するものである。

  そして、これまでの惟神会は、その後このテーマを掲げていないことに大きな疑問を持っている。

 岸先生の国教での原文抜粋を下記にご紹介する

 

岸一太先生「科学とは何ぞや」

国教復刻版昭和6年1月号

ファイル名:科学とは何ぞや岸一太

以上