+ チョンマルブック / チョナン・カン
心を入れ替えて(何度目だ?)、韓国語の復習を。
+ 図書館に訊け! / 井上真琴
「新刊書店に群れる人たち−−図書館以前の問題2」はい、わたしのことです。本屋では新刊と売れ筋の本しかみつけられないことは重々承知してはいるのですが。
+ 猫と写真の時間 / 藤田一咲
つい、かわいかったもので(こんなことは珍しいんだが)。
+ ハード・タイム / サラ・パレツキー
久しぶりのV.Iウォーショースキー・シリーズ。といってもハードカバーでは4年前に出ていたのだが。
- 世界を変えるマシンをつくれ!−−「セグウェイ」をつくった天才発明家とエンジニアたち / スティーブ・ケンパー
ひとことで言ってしまえば、あの「セグウェイ」の開発秘話である。著者はプロジェクト初期から密着取材を許され、ふつうでは絶対に表に出てこないような裏話がてんこ盛りである。しかも、最終的には秘密プロジェクトのリーク事件により著者はプロジェクトから追放されてしまっており、都合のよいことばかり書いてあるのではない。すでに成功しているカリスマ発明家がこのプロジェクトに限り、製品化、事業化まで自分の手で行なおうと決心する。当初はエンジニアたちが創造的に開発を進め、(王子様をみつけるために)「たくさんのカエルにキスをする」様子が読んでいても楽しい。しかし、後半は、資金調達とプロジェクトの支配権をめぐる発明家と投資家たちの丁々発止が生々しい。あわせて開発スケジュール、マーケティング、部品調達、安全性確保などをめぐり関係者の苦闘が続く。画期的な商品を世に出すことを考えているベンチャー起業家、エンジニア、マーケッタ(の卵)には(投資家にも?)必読書といえよう。「モノづくり」には覚悟がいるぞ!
-「におい」と「香り」の正体 / 外崎肇一
著者は生理学者で、犬の嗅覚に関する実験の話もあるが、広く匂い、香りに関するさまざまな話題を取り上げる。如何せん、視覚など他の感覚に比べて嗅覚について分かっていることが少すぎ、まったく未開拓の分野であることがよくわかる。匂いの「分子形状説」と「振動説」についてすらまだ決着がついておらず、ブレイクスルーのない限り、匂いのデジタル化への道は遠い。今、このような本を書こうとすれば半分は「雑学」的なものにならざるをえないのだろう。
- トンデモ本 女の世界(上) (下)/
いや、と学会の対象というのは、「あっちの世界」へイッちゃってるような本ばかりだろうから一冊読めば十分かと思っていたのだけど、こんなに幅が広かったとは。今回、笑い飛ばされているのは、有名人(ワインの江川氏、Dr.コパ、元文化庁長官、元東宮侍従など)の著作あり、ダイエット本あり、あやしいアクセサリーの広告あり、さらに、本はまともなドキュメンタリーなんだけど、対象がトンデモ(「お受験」とか)といったものまで含まれている。執筆者によって、それぞれカラーがあり、出来不出来というか好みの分かれるところもあろうが、上下2巻を一気に読まされてしまった。取り上げられている本の著者たちはこんな本を読んだりしないのだろうけど、たまにはこんな本を読んでトンデモ・リテラシーを身につけておけば、ヘンな宗教や通販商品にだまされたりすることもなかろう。この手の啓蒙活動、いや「笑い飛ばし」(場合によってはそれ自体トンデモである可能性もあるのだが)を継続的に続けている「と学会」の存在意義は大きい。