August 10, 2004

たくさん買った; たくさん読まねば

+ 社会責任投資の基礎知識—誠実な企業こそ成長する / 秋山をね、菱山隆二

社会起業家—社会責任ビジネスの新しい潮流を読んだ延長上で、もう一冊。「誠実なトンデモさん」たちをどう排除するかのヒントがみつかるといいのだが。

+ 安心のファシズム—支配されたがる人びと / 斎藤貴男

「目をつぶる」ことで得られる「安全」「安心」とはいったい何なのだろうか。「知らぬが仏」なのだが、知ってしまった以上は声を出していかざるをえない。それでも「耳を塞ぎたがる」ひとはすくなくない。「安全」「安心」はユビキタス時代のマーケティングのキーワードでもあるのだが、心しておくためにもちょと勉強しておこう。

+ イギリス 花の庭 / 広田 〓子(せいこ)

在英の某氏と話をしていて、特定のアプリケーションを実現するために必要最小限のプロトコル・スタックだけを積み上げ、応用の効かない手法のことを「サイロ(silo)」と言うといったら、こちらではそれを「英国庭園(English Garden) 」と呼ぶのだと教えてもらった。自宅の小さな庭を飾り立てることだけ考え、隣近所とのバランスなんか気にしないということらしい。そんな蘊蓄を理論武装するために。

+ 名探偵の呪縛 / 東野圭吾

すこしペースを落しているが、東野圭吾作品を一冊ずつ読み進めている。

+ シカゴ 2004〜2005年版−−地球の歩き方 / 地球の歩き方編集室編

ちょっと必要に迫られて。いつもは何冊もガイドブックを比較検討するのだが、シカゴに特化したのは他に見当たらなかったのでとりあえず。

+ 逃亡作法 TURD ON THE RUN / 東山彰良

ときには「このミス」を頼りに新しい作者も開拓しなくては。

+ 〈数理を楽しむ〉シリーズ 数学はインドのロープ魔術を解く−−楽しさ本位の数学世界ガイド / デイヴィッド・アチソン

もう楽しくもない数学の本につきあう時間がもったいない。

+ ひとり旅は楽し / 池内紀

オビより:「大人には大人の自由時間が必要だ」。問題はその自由時間をどうやってひねり出すかということなんだが。

+ トンデモ本 女の世界 上 / と学会

「あっちの世界」へイッちゃってるような本については「トンデモ本」シリーズ一冊読めば十分だと思っていたが、今回の2冊にはそれなりの「有名人」の著書が何冊も取り上げられている。この手の啓蒙活動、いや「笑い飛ばし」(場合によってはそれ自体トンデモである可能性もあるのだが)を継続的に続けている「と学会」の存在意義は大きい。

- 嘘つきアーニャの真っ赤な真実 / 米原万里

1960年代前半、チェコスロバキアの首都プラハのロシア語学校は、さまざまな国の生徒が(親の)さまざまな政治的事情をかかえて集まり、一種のインターナショナル・スクールだった。ギリシャ、ルーマニア、ユーゴスラビア出身の級友やその家族との思い出話だけでも楽しい。しかし、30年の歳月を経てロシア語通訳の第一人者となった著者は3人との再会を試みる。あくまで個人の視点からの記録ながら、そこには東欧(「中欧」)近代史が凝縮された良質のノンフィクションとなっている。軽いエッセイかなと思って読み始めたが、うれしい大誤算。日本では類書の少ない地域をテーマとしているだけに貴重な情報源にもなりうる。

- 密偵ファルコ−−オリーブの真実 / リンゼイ・デイヴィス

古代ローマを舞台としたハードボイルド。変わったシチュエーションといえば、エリック・ガルシアの鉤爪シリーズ(といっても2冊だが)並みか。ふだんはシリーズものの途中から読むことはしないのだが、今回は舞台がスペインということで買ってみた。過去のエピソードに触れているところは何カ所もあるのだが、ストーリーを追う分に不都合はない。時間の都合で一気読みできなかったのだが、緊張感を維持して読み続けることができた。それにしても、ローマ人の人名は馴染みがなくて覚えにくい(ここで文句を言ってもしかたないのだが)。シリーズの最初から読んでみようという気になったかどうかは(入手も簡単ではなさそうだし)微妙。古代史ファンにはお奨めかも。

- 鬼平舌つづみ / 文藝春秋編

よくある和食のレシピ本かと思えば、レシピはごく簡単、食材も初心者にはちょっとハードルが高い。池波正太郎の鬼平シリーズの一節から想像力を働かせ、鬼の平蔵(「御頭」)に食べさせてみたいという料理の写真が美しい。自分で料理するより、近所にこんな料理を食べさせてくる店をみつけて、そっと大事にしておきたいような気がする。

- 社会起業家—社会責任ビジネスの新しい潮流 / 斎藤槙

利益第一主義のビジネスはもう通用しない。さまざまな社会貢献を企業理念に含める企業が増えている。一方で、NPOといえ、資金調達とその効率的な運用が要求されるようになり、企業で培われた手法がどんどん採り入れられている。こうした企業やNPOが向かうのが「良識ある消費」分野としてLOHAS(Lifestyles of Health and Sustainability)市場と名付けられた市場であり、無視できない規模になってきている。そうした新しいトレンドに関するタイムリーな入門書といえよう。しかし、このLOHAS市場を構成する環境、健康、代替医療などの世界には、まともなものから思い込みや宗教まがいのアヤシゲなものまで混在しており、これらをきちんと峻別してこそ真の「社会責任」といえるのかもしれない。

- JMP活用 統計学とっておき勉強法−−革新的統計ソフトと手計算で学ぶ統計入門 / 新村秀一

「とっておき勉強法」といいながら、教える側の事情を説明したり、言い訳したり、脱線したり、読者に不親切だ。ひとつのサンプル・データをずっと使っていろいろな手法を説明するのはよいアイデアだが、それが説明に不適切なデータであってはなんにもならない。いろいろな統計学の本を読むうちの一冊としてならば悪くないが、これ一冊で統計学をなんとかしようとは考えない方がよさそうだ。

- 株式投資「一日30分」で資産倍増 / 岩崎博充

資産倍増もあれば半減もありうる。でも、結局自分で真剣に投資していなければ「お話」でしかない。ここは中国株でも始めるか、という気にちょっとだけなった。

Posted by meta-o at August 10, 2004 09:25 AM | TrackBack
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