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ゆきにゃん危機一髪!! 〜第1話〜
作者:(=゚ω゚)ノ さん
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※このお話はすべてフィクションなので実在の人物とは関係ありません。
ピピッ、パシャ。 フラッシュが光ると、軽いモーター音をたててフィルムが巻き戻ってゆく。
「お疲れ、ちょっと休憩しようか。」
男はそう言うと撮影用の照明を消して、しばらく隣の部屋へ消えるとグラスに入ったジュースと、冷たく冷やしたおしぼりをもって戻ってきた。
「いただきまーす」
ゆきは出されたジュースを一気に半分ほど飲むと、ふぅっとため息をつき、手渡されたおしぼりを、メイクを崩さないようにそっと顔に当て、上を向いた。 ・・・気持ちいい。 しばらくそうしたあと、おしぼりを少し汗ばんだ首筋にあててぼんやりしていた。 すると壁にもたれて座っているゆきに男が近づいてきた。
「エアコン効かせてても暑いでしょ、大丈夫?」 「はいっ、だいじょうぶですー。」
ゆきはにっこり笑って答えた。男も少しはにかんだように微笑する。
男は数日前に突然ゆきのチャットにやってきた。 そして、数ヶ月前からゆきのサイトに毎日訪れていた事や、テキストについての感想などを話し、しばらく雑談をしていると写真の話題になった。 ゆきが冗談めかして「写真撮ってくれる人がなかなかいないんですー」というと男は「じゃあ僕が撮ってあげようか?趣味程度であんまり上手くないけど」と言い、その日のうちに住所や電話番号を書いたメールが来たのだった。
「ねえ、変なこと聞くけどさ・・」 「はい?」 「ゆきにゃんってさあ、Mのケない?」 「☆!?☆!?☆!?」
ゆきは飲みかけていたジュースを噴きそうになってケホケホとむせた。
「はうー、何いってんですかー!」
男は冗談とも本気ともつかないあいまいな微笑を浮かべたまま言った。
「じゃあ試してみる?もし負けたらお仕置きだよ?」 「えー!?」 「ないんだったら大丈夫でしょ?」 「・・・・・・」
ゆきが言葉に詰まっていると男が突然両手の手のひらをゆきの顔に向けて出した。
「こうやってみてごらん。」
男があまりにも自然に、そうするのが当然のように言ったものだから、ゆきは思わずつられて男の顔の前に手のひらを差し出してしまった。
「あー違う違う、もっと親指どうしを重ねるようにするんだよ。」 「 ? 」
ゆきが男の言うとおりにすると、ふいに男の左手が重なった二本の親指をつかんで頭上の壁に押し付けるとともに、男は伸ばしていた足の上に馬乗りに乗ってしまった。 そしてニヤリと笑うと、「さあ、これでもう動けないよ」と落ち着いた口調で言った。
ゆきはバンザイさせられた格好のまま、「はうー!これって冗談ですよねー!」と無理矢理笑顔をつくってはジタバタしようとした・・が、男がしっかり押さえている上に不安定な姿勢なので身動きが取れなかった。 男は無言で、まるで催眠術師のような目でゆきの目をじっと見つめている。
(なんだか身体が熱い。それにこの部屋こんなに明るかったっけ?)
すこし不安になってきたゆきの心を見透かすように男が言った。 「そんなに怖がらなくても痛いことや酷いことはしないよ。」とにっこり笑ったので、ゆきもこの冗談にノることにして、棒読みで「きゃーいやぁーたすけてー」と言ってみた。 男はふふっと笑って「じゃあ検査するよ?」と言った。
「だいたいMのケがある人だったらこうやって動けない状態になっただけで興奮するんだよ」 「ゆきにゃんはMじゃないもんね、まさかボッキなんてしてないよね?」
男の手がそっとゆきのスカートの中に入ってきて膝から太ももにかけてスーッと撫でた。 ・・・・・・ぞくっ!! お尻から背中を通って頭のてっぺんまで電気が走った。
(何これ!?えー?これって・・・!?)
鳥肌が立つような感触。
ゆきは困ってしまった。同性に触られる不快感で鳥肌が立つのならともかく、まるで皮膚の内側で小さなアワがぷちぷちはじけてじんわり快感を広げていくような感覚。
「はうー、ダメですぅー。」とりあえずそれだけ言ってハッと気づいた時にはもう遅かった。 男の手はすでに、スカートの奥の女性用のショーツに包まれて固くなったところへたどりつき、その感触を確かめるように指先でやわやわと揉んでいた。
「 ! 」 「あれ?おかしいなあ、なんでこんなになってんのかな?」
男はニヤニヤと笑いながら、今度は親指でその先端の部分を小さな円を描くように擦った。
「あっ、あうっ!」 「おや?濡れてるよ?そんなに興奮してたんだ・・・」 「やっぱりマゾだったんだ・・・」 「違いますー、ゆきはマゾなんかじゃないですようー」 「じゃあ何でこんなになってるの?」 意地の悪い笑顔で、男がまた指を動かした。 「んっ・・はぁん・・・」
自分の意思に反してゆきのその部分はとろけるような快感を全身に伝え、自然に腰がビクっと跳ねる。
「そんな女の子みたいな声出して可愛いなあ、ゆきにゃんは。」
何かがおかしい・・・そう思ったが頭がぼーっとしてきて何も考えられない上に、なぜか皮膚の感覚だけは異様に敏感になってきている。身体が熱い。 男は何も言わなかったが、実はさっきゆきの飲んだジュースにはMDMA、一般的に“エクスタシー”と呼ばれる薬が入っていて、それを飲むと普段の数倍性感が高まるのだった。 男がゆきの目を見つめていたのは薬の効き目を確かめるためで、効いてくると瞳孔が開く。 そのせいでゆきには部屋が明るく感じたのだった。
男が掴んでいた手を離したときにはもうすでに身体に力が入らず、ぐったりした身体をフローリングの床に横たえられて、今度はそこらにあった電器のコードで手首を縛られた。 そして男は縛った手首をそのままテーブルの足にくくりつけて、また膝の上にまたがった。
「さあ、お仕置きの時間だよ」
ぷち、 ぷち、 ぷち。 男の手がブラウスのボタンを外して左右にはだけると薄いピンクのブラジャーが見えた。 男はブラジャーに手をかけるとぐいっと上にずらした。 当たり前だがゆきには胸がないのでつっかえる事も無くピンクのブラジャーは上にズレ上がって、 小さなピンク色の乳首が晒された。
「嫌、イヤぁー!」
普段ならプールなどでも上半身は裸だし、胸を見られることなど恥ずかしくは無いのだが、今はなぜか恥ずかしくてたまらなかった。 男の指が両方の乳首をとらえてくりくりと捏ねるように踊った。
「あっ!ああっ!」
もうすでにショーツからはみ出したその部分にまで快感が伝わる。 上を向いた先端からは透明な液体がねっとりと染み出しては糸をひいてお腹に垂れている。 やがてスカートがまくられて、ショーツが膝のあたりまで下ろされた。
「気持ちいいんでしょ?もっと声出していいんだよ?」
男に言われてゆきはあまりの恥かしさで半泣きになりながら横を向いた。
「お願いですー、もうやめてください・・」
やっとの思いで言ったとたんに男の手がゆきのその部分を掴んで上下にしごきたてた。
「あっあっ、あうー!」 (ああ、ダメ、出ちゃう!) と思ったとたんに男はパッと手を離した。
「そんなに簡単にイカせてもらえると思ってるの?お仕置きなんだよ、これは」
イキそうでイケなかったもどかしさで身体がむずむずする。 ふいに男の顔が近づいてきて言った。
「ゆき、キスしようか。」 「アッ、いやですー、ゆきは男の子ですよー」
抵抗出来ないながらもゆきは首を横にして精一杯の意思表示をした。 すると男は怒るでもなく、また落胆するでもなくニヤニヤしたままで、顔を少し下にもっていくと、ゆきの小さな乳首を舐めはじめた。
「はぁっ、はうー!」
ゆきの身体がびくんっと弾んだ。 男の固く尖らせた舌先が左の乳首をころがし、左手は右の乳首をつまむ。 そして右手がカチカチに硬くなったものを握って、先端からたらたらとしたたる粘液を親指でなすりつけるように刺激した。
「んあっ・・・・くぅ・・・」
あまりの快感に声が漏れるのをこらえてゆきは唇を噛んだ。
(ダメ、出ちゃいそう!!)
下腹部がジーンと痺れたようになって、熱いものがこみあげてきた時に男がまたパッと手を離した。
「はあっ、はうー・・・」
またもや絶頂に駆け上がる途中で中断され、ゆきは思わず腰を突き上げてしまった。 男がそれを見てあざ笑うように、「ん?どうしたの?」と言った。 横を向いたゆきの目尻から涙が一粒こぼれた。
「お、お願い・・・」 「何が?」 男の顔はこれ以上ないほど嬉しそうにニタニタ笑っている。 「もう・・我慢できない・・・」 「そうだなあ・・・ゆきは素直じゃないからなあ」
男が爪の先でゆきの太股や二の腕をスーっと撫でながら言った。 ぷちぷちぷち。快感のアワが弾けていく。
「可愛くキスのおねだりでもするんならイカせてあげてもいいかなぁ?」
男の指が、もう暴発寸前になったそこを軽く握ると、ゆきに残っていた最後の理性が飛んでいってしまった・・・。 ゆきが震えながら目を閉じて小さな声で言った。
「キス・・・してください・・・・・・」 思わず目をぎゅっとつぶってしまったゆきの顔に男の顔が近づいてきて、耳もとでささやく。
「そう、それでいいんだよ・・ゆきは女装マゾだからね」
男の唇が、ゆきのピンク色のルージュで飾られた唇と重なってすぐ、舌が強引に入り込んできた。 男の舌はまるで口の中を犯すように舐めしゃぶり、ゆきの舌を吸いたて、唾液を飲ませた。 ゆきも今では男のそんな乱暴な行為にさえ昂ぶるようになってしまい、自分から舌を絡ませては「んっ、んっ・・」と鼻にかかった甘い吐息を漏らしていた。 男はひとしきり唇を蹂躙しつくすと、透明な粘液でべとべとになった部分を手で包んで、ゆっくりしごき始めた。
「あうっ、はぁん、ああー!!」
自然に声が出るのが押さえられない。 その部分は男の手の動きにあわせて、くちゅ、くちゅ、と卑猥な音をたてている。
(気持ちいい・・)
やがて陶酔感とともに絶頂が訪れた。
「んあっ!」
びくびくっ、と身体が痙攣して頭の中が真っ白になった。 勢いよく飛び出した白い液体が、まくれ上がったスカートの裏地を汚した。
「はぁっ、はぁっ、」
荒い息をついて余韻にひたっているゆきとは反対に、男はさっきのおしぼりで、スカートや股間の汚れをさっさと始末してくれ、手首を縛ったコードも解いてくれた。
目を閉じて、ぐったりしたまま動けないゆきを不意に強い光が襲った。
「 ! 」
驚いたが身体に力が入らずに、のろのろと顔に手をかざして目を開くと・・・
(デジカメ!!)
戸惑いながらもどうしていいのかわからないゆきに容赦なくフラッシュが襲いかかる。
―――――― そう、これで終わったのではなかった。
それは、ゆきにとってこれから始まる悪夢の序章でしかなかったのだった・・・・・。
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