3 さらにマーケットを区分する
90歳以上のご長寿の方々が非常に多くいらっしゃいます。
例えば65歳から100歳まではざっと35年間の幅があります。
この幅を一般的には高齢者市場(シルバーマーケット)と呼んでいますね。
人間が生まれて35年間といえば35歳になりますが、その間ざっと以下のようなマーケットを経てきます。
ベビーマーケット 学童マーケット ティーンマーケット 学生マーケット 新社会人マーケット
ブライダルマーケット ニューファミリーマーケット
他にもマーケットがあるかとは思いますが、いずれにせよ、さまざまなマーケットが存在しそして、その各々にビシネスが成立しているわけです。
それに引きかえ、35年の幅を、高齢者市場(シルバーマーケット)と一発で済ましてしまうのは少し繊細さに欠ける感じがしませんか?
こんな大雑把な分け方をされると高齢者にとっては不愉快ですよね。
自分たちに提供される商品やサービスが、自分たちのニーズにマッチしていないのですから。
今、かってない不況といわれていますが、貯蓄率は世界でも群を抜いて高く、そしてその大半は高齢者の貯蓄と言われています。
70歳の高齢者が老後に備えてせっせと貯蓄に励んでおられる話もよく耳にしますよね。
経済学者や評論家は、お年よりはもっとお金を使ってくださいと叫んでいます。
お金が消費に回ることで日本経済が活性化するという論法で、この意見に間違いはありませんがいったい何にお金を使えというのでしょうか?
欲しいモノ、欲しいコトなど無いのに、お金を使えるわけありませんね。
でも、一体何が欲しいですかと、仮に高齢者に聞いても、明確な回答は期待できませんね。
なぜなら、実は高齢者自身も何が欲しいのかよくわかっていらっしゃらないのです。
一律に高齢者に聞いても回答が返ってくるわけありません。
では一体どうすれば回答が得られるのでしょうか?
高齢者の特性(属性)を理解して、そしてそのおのおのを細分化して絞り込み、その上でそれぞれニーズを拾い出す手順を踏めば何かが見えてくると思われます。
私は、さらに、高齢者は2つのタイプに分けることが出来ると考えています。
タイプ@: 自分で自分の楽しみや生きがいを見つけることが出来る(能動型)
タイプA: 自分で自分の楽しみや生きがいを見つけられない(受動型)
老いを感じている
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老いを感じていない
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1.
自分で人生の生きがいや楽しみを見つけてそれを楽しむ(能動型)
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2
人に教そわったり誘われなければ生きがいや楽しみを見つけられない(受動型)
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3
自分で人生の生きがいや楽しみを見つけてそれを楽しむ(能動型)
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4
人に教そわったり誘われなければ生きがいや楽しみを見つけられない(受動型)
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※
これでマーケットは4分割になりました。
※
それぞれのマーケットサイズはこの際考慮しません。
さて、これで、充分でしょうか?
いえいえ、まだまだ、細分化していきます。
次は最も重要な分割作業です。
経済的に自立しておられるのかどうかが重要なことなのです。
経済的に自立していない
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経済的に自立している
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老いを感じている
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老いを感じていない
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老いを感じている
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老いを感じていない
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1.
自分で人生の生きがいや楽しみを見つけてそれを楽しむ(能動型)
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2
人に教そわったり誘われなければ生きがいや楽しみを見つけられない(受動型
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3
自分で人生の生きがいや楽しみを見つけてそれを楽しむ(能動型)
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4
人に教そわったり誘われなければ生きがいや楽しみを見つけられない(受動型
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5
自分で人生の生きがいや楽しみを見つけてそれを楽しむ(能動型)
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6
人に教そわったり誘われなければ生きがいや楽しみを見つけられない(受動型
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7
自分で人生の生きがいや楽しみを見つけてそれを楽しむ(能動型)
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8
人に教そわったり誘われなければ生きがいや楽しみを見つけられない(受動型
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これでマーケットは8分割されました。
この8つのタイプの方々に自社商品やサービスを提供するわけですが、その属性におられる高齢者それぞれ、アプローチ法が異なってくるわけです。
また、提供すべき商品や、サービス自体も当然異なるということになります。
もうこれで、充分でしょうか?
いえ、今度は、この8つのタイプの方々はどういう生活スタイルなのかを当てはめなければなりません。
@
家族と同居か(2世代)
A
老夫婦のみか
B
独り暮らしか
この生活スタイルをそれぞれ8分割属性の方々に当てはめますと、結局24分割になります。
きりがないので、このあたりで、とどめます。
つまり、シルバーマーケットとは24属性をもつマーケットの集合体であるということなのです。
この24マーケットにはそれぞれ異なった生活感度をお持ちの方々がいらっしゃるわけです。
一律65歳以上マーケットというとらまえかたをしていると、ユーザーに届く商品も、サービスもなにか、ぴったりとこないものに仕上がってしまうという危険性があるわけです。
グレーゾーンがいっぱい見えてきますね。
魅力ある可能性に満ちたマーケットであると先に述べましたのも、こういった理由があったのです。
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