ここがわかれば高齢社会が見えてくるレポート

2      私自身高齢者の定義が定まっていなかった。

私はかって、シルバービジネスは果たして儲かるのかというテーマで調査したことがあります。

今ほどインターネットが盛んでない時代なので、図書館や書店でなにか資料がないのかどうか探
し回りました。

とりあえず、キーワードとして老後・熟年・シルバー・介護・寝たきり・ボケ老人・老人ホームあたりから、入っていきました。


その様な中で、高齢者とは年齢
6065歳以上に達したもののことをいうという役所関係の資料があり、その年齢に達した方々に対し、老人(高齢者)福祉サービスが自治体から受けられるとありました。

例えば、福祉センター利用も
60歳以上でなければならないとか、医療費助成やその他さまざまなサービスも同様に年齢の制約が設けてありました。

一方、国連基準でも
65歳を高齢者とし、人口に占める割合が7%なら高齢化社会、14%なら高齢社会・・・・・・超高齢社会などの基準があるとも知りました。

なるほど、だんだん見えてきたぞ。

シルバービジネスとは
6065歳以上の人たちを対象として商品やサービスを提供するわけだな。
これは、日本の人口構成比をみても、今後ますます高齢者人口が増加するわけだから、大いにビジネスチャンスがあるわけだ。

ふむふむ、、、。


では、具体的にビジネス展開しておられる企業の状況はどうなんだろうと興味がわき、介護関係の企業をいくつか取材しました。

はっきりいって、収益が上がっているとはとても思えない感じでした。

れは1995年ごろの話です。(介護保険制度導入前)

当時、病弱老人(=弱者)に対しては、儲けよりも福祉的ボランティア的対応が要求され
(今でもですが)そこに利益の話はどうも持ち出しにくい雰囲気がありました。

げげ!これは、あまりおいしくないぞ。

この分野のビジネスは、奉仕的な発想を持たないとやっていけないぞ。
利益をあげる、儲けるなんてとてもじゃないけれど前面に出せないぞ。

一方、この介護が必要である方々の割合は高齢者全体の
10%程度です。

すると残りの
9割の方々はいったいどうしておられるのか、人数的には圧倒的に多いわけです。
マーケットの現状はこの方たちの方が多いのです。



そんな中で、どうしてもうまく説明できない事態に遭遇しました。

例えば、
70歳ではあっても、どうみても50歳代にしか見えない若々しい方が多く見かけられる反面、40歳代なのに、6070歳代のように老け込んでおられる方もいらっしゃる。

自治体の福祉サービスも例えばおむつの支給も
60歳以上なら適用されるが、同じ症状であっても40歳代なら適用されないという事実もあります。

この時点で私は、ビジネスを展開していく上でいったいシルバーマーケットとは何なのか混乱してきました。

つまり、誰をターゲットにすればいいのか、訳がわからなくなってしまったのです。

高齢者とはいったいどういう人たちなのか単純に年齢だけで区分して良いのだろうか?

などなどの疑問です。

そんな時、ある文章にめぐりあいました。

老人とは、自分で老いを感じている人たちのことをいう」

この出展はごめんなさい、忘れました、ただ、この文章のみが鮮烈に頭の中に残っているのです。

混沌とした頭の中に一瞬光がさした感じがしたものです。

成るほど、そうだ、その通りだ。

では、一体、今まで何が原因で混乱していたのだろうかと、振り返ってみれば、やはり、行政区分のおおむね
60歳くぎり、国連基準の65歳が、最初にまずあり、何の疑問もなく、高齢者を年齢という条件で定義づけていたと気づきました。

もちろん年齢的な基準も必要ですが、むしろシルバーマーケットを見るには、老いを感じている方々と全く老いを意識しておられない方々が構成していると定義づけた方が実態に即していると知りました。

一般的に、高齢者は、年寄り扱いされることを非常に嫌がる傾向がありますね。
これは、まさしく自分で、自分を老いているとは意識されておられないことの証左といえますね。

以上のことから、シルバーマーケットに参入する場合、自社の提供する商品やサービスが老いを意識している方を対象とするのか、または老いを意識しておられない方々を対象とするのか明確にする必要があることがわかりました。


65
歳以上とかという単なる年齢区分でマーケットを判断してはならないのです。  

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