1999年晩秋 ハンガリー・ウィーン紀行 |
その14『ハプスブルグ家御用達・ヘレンドを手に入れたい!!…後編』 |
♪ポアッソン(POISSON)
躍動する鯉と藻がモチーフ。ハンガリーでは鯉が縁起のよい柄だそうで1850年代〜70年代によく贈答品として使われたらしいです。
♪西安の黒(SIAN NOIR)
シノワズリ(中国趣味)の代表的なシリーズ。黒地がピンクや黄色の小花を引き立たせています。
♪ヴィクトリア(VICTORIA BOUQUET)
中国磁器の牡丹の花を題材にしたシリーズ。1851年の第1回ロンドン万博。会場を訪れたヴィクトリア女王がこの器に一目惚れをして、ウィンザー城用のディナー・セットを注文して来ました。この一件でヘレンドは一躍世界中から注目されるようになります。
♪インドの華・グリーン(FLEURS DES INDES VERTES)
くすんだグリーンと、ポイントに使われた金が柿右衛門の影響とされる異国的な絵柄をシックに彩る人気の高いシリーズ。ナポレオン3世の皇后ユージェニーは1867年にパリ・博覧会に出品されていた‘インドの華’を気に入り、博覧会を訪れていた皇帝フランツ・ヨーゼフとの晩餐会の為に早速注文したといわれてます。
♪ウィーンのばら(VIELLE ROSE HABUSBURG)
可憐な一輪のバラがシンプルで愛らしく、日本のヘレンドショップでは一番の人気シリーズだそうです。ハプスブルグ家のディナーセットとして宮廷の食卓を飾ってきましたが、1918年の帝国崩壊後は‘ウィーンのばら’も王家の独占を離れ、全ての人々が購入出来るようになりました。
…で、私が吸い寄せられるように見入ったのは、アポニー・グリーン(APPONY VERT)と呼ばれるシリーズ!!これは1890年代、気紛れなアポニー侯爵からの突然の注文を切り抜ける為に、‘インドの華’に手を加えて納品したもので、数十年後「急ごしらえ品が」本家 ‘インドの華’をしのぐ人気を得るとは、ヘレンドにとってまさに嬉しい誤算だったようです(^-^;)。
ダメもとで店員さんに、「カップとソーサーだけ6脚欲しいんですが‥‥」と尋ねましたが、やはりこのシリーズはコンプリートセットで、単品売りは出来ないとのこと。う〜ん‥‥やっぱりそうか。じゃあ、セットでお幾らなのかを恐る恐る尋ねると‥‥何と予算内ではありませんか♪♪♪
ウソッ!カップ&ソーサー6脚とコーヒーポット、シュガーボウルとクリーマーがセットで‥‥へええ、おそらく日本で買うお値段の約半分です。ああ、だから好っきやねん!ハンガリー(笑)!!というわけで、購入決定♪♪(アポニー・グリーンはゴージャスな‘インドの華’の「娘時代」と言われています。いつか素敵なマダムになった時には(つっこみ不可!)‘インドの華’をゲットするつもりです♪♪)
そこからはホクホクで、店員のお姉さんとペチャクチャ喋りながら支払いと船便の手続きをして貰いました。 「私の住所にあるミドリはアポニー・グリーンのグリーンって意味なの♪」と私が言うと、
「I KnowI Know!!MIDORI means GREEN」
という答えが!!
‥‥やはりヘレンド直営店には日本人観光客が多いようです(それともこのお姉さんがたまたま日本ツウだったのか?^^;)。
ハンガリーはカード会社への電話回線が少ないのか(?)カード番号確認とレシート発行に結構時間がかかったので、私は椅子に座ってお姉さんが私の戦利品(笑)を船便用に包む様子を眺めていました。でっか〜いわら半紙みたいなもので、一つずつ商品をくるんでダンボール箱に入れていくのですが、私は「そ、そんなんで日本まで割れずに届くの〜?」と内心ドキドキしてしまいました(^^;)。
そうこうしているうちに、カード会社から無事に番号確認の返事が来て、レシートも発行が済み、(ちょいと大変でした。電話でカード会社の人に生年月日と住所を英語で言わされたりして‥‥)店員のお姉さんにお礼を言って、さあお店を出ようとした時に、ハッと思い出しました!!
「商品っていつ家に届くのですか?」
「about 3WEEKSよ♪♪」
とお姉さんの返事。
‥‥おかんには「1ヶ月位」と言っておこう(だって『いらち』なんですもの、うちの母・爆)。
やれやれ、やはり大きな買い物は緊張します(笑)。気が付けば汗びっしょり‥‥。何だかんだと結局1時間以上ヘレンドのお店にいたようです。あ!早くオペラハウスへ行って当日券買わなくちゃ!というわけでヘレンドの余韻に浸る間もなく、地下鉄へ猛ダッシュしました(泣)。