1999年晩秋 ハンガリー・ウィーン紀行

その11『憧れの♪ゲデレー城‥‥3』
 

(M.V.インゲンハイム著『皇妃エリザベート・ハプスブルクの涙』中に皇太子ルドルフがある吹雪の夜、突然ゲデレー城に訪ねてくる場面がありますが、実際彼はどれくらいの頻度でこの宮殿に来ていたんでしょうねえ‥‥)

さて、いよいよ宮殿内部へ踏み込みます‥‥‥と、何やら香水のような良い香り‥‥‥。何と、玄関ホールにでっかいミカン(?)の木の鉢植えが!!一杯花をつけていて、それがパラパラと散っていってるんです。係員が必死で床掃除をしていました(笑)。私はこの『いい香り』が天然のモノだったことが嬉しくって、さすがシシィのお城だと感激しました♪

期待はますます膨らみます。急ぎ足でシシィも駆け上がったであろう大階段を昇り、エントランスホールへ。白を基調とした部屋で、隅には人の背丈程もある円筒形の白磁器で出来たストーブが鎮座しております。きっと皇帝一家に会いに来た人達は、ここでストーブにあたりながら、延々と待たされたのでしょうね‥‥。

次に小さなダイニングルームへ。ここは本当に皇帝一家のプライベートのランチルームでこじんまりとしていますが、さすがに調度品は最高で、ネオ・バロック形式のテーブルに黄色の皮張りのチェアー。壁には女帝マリア・テレジア一家の絵が飾ってあり、先ほどの部屋よりも立派な(2m以上?)陶器のストーブがあります。さらにすごいのが、テーブルの上には陶磁器のヘレンド社がシシィの為に作った『ゲデレーシリーズ』という食器類が当時使われていたように置いてあるのです!!う〜ん、素敵だ♪♪ルドルフ皇太子も一緒にお茶をしたのかしら??

次は『バトラーの執務室』と呼ばれる部屋。お城が建つ前のゲデレーの風景画が飾ってあります。そしてここのガラス張りの棚の中にもヘレンド製の食器が!!皇帝一家用のもので、ちゃんと皇帝フランツ・ヨーゼフのイニシャルが入っているそうです。

次の部屋はちょっと異様(^^;)。『フランツ・ヨーゼフ帝のワードローブの部屋』。4体の白いマネキンにそれぞれ軍服を着せて立たせてあり、何かタカラヅカの資料館みたいです(笑)。ハンガリー風の軍服もあり(帽子が毛皮になっている!)、なかなか興味深いです。

そして1867年にハンガリーで行われた戴冠式の絵が飾ってあるホール。群集の中にマジャール民族の衣装を着ている人もいて、オーストリア=ハンガリー二重帝国の多民族性が伺われます。

次はフランツ・ヨーゼフ帝の執務室。壁もカーテンもワインレッドで統一されていて、家具はネオ・ロココ調です。狩猟好きな皇帝らしく、床には彼がゲデレーの森で射止めた熊の敷物(でかっ!人間の大人よりでかい?)が口を開けてこっちを見ています(^^;)。彼は毎日早朝から深夜まで帝国の為に働いていたので、部屋にはたくさんの置時計が あります。中には文字盤が逆になっているのもあって、それは鏡を見ても正確に時間が分かるようにする為だったそうな‥‥。スゴすぎる!!!

部屋はそのまま皇帝のレセプション・ルームに続き、豪華なシャンデリアがいくつもぶら下がるホールに出ます。ちょっとした舞踏会は出来そうな広さです。

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