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その7度目の「ミスマーメイドコンテスト」の扉が完全に 開かれたゲートの中に存在していたものは、160cm程の 高さで幅30cm余りの、世にも美しい光沢を湛え、限りなく 心地良さそうなしなやかさも感じさせる、他の色はまったく 入っていない漆黒一色の物体だったのです(左端の絵)。 いえ、ちゃんと言い直しましょう。 その7度目の「ミスマーメイドコンテスト」の扉が完全に 開かれたゲートの中に立っていた(即ち7番の出場者の) 女性はなんと、後ろ向きだと足首もかかとも見えない程 超〜〜〜豊富で超長〜〜〜い 世にも美しい黒髪をもつ女性だったのです! その “この世のものとは思えないほどの美しい光景” を見 てしまった観客達は一瞬我を失い声も失ってしまいましたが ほんの数秒置いて「ふわぁーーー」という溜息らしき声が あちらこちらから聞こえ始めました。この溜息は、この あまりにも長くあまりにも美しい絶品の黒髪を見てしまった 感動が実にシンプルな音になってしまったものであることは 言うまでもありますまい。 |
A
ナレーション「超弩級ーー! 地面まで届くこの髪は量も重さも 空前絶後。洗髪直後なんて頭から鉛ぶら下げてる みたいで、体重計に乗ると10キロも増えちゃうし、 風の強い日にはあたり一面黒雲の如く広がって 通行妨害になって怒られてばっかり。でも 『お仕事中居眠りしても、この髪の毛のおかげで 気付かれなくて、とっても便利』って言ってるのは、 ●●●から来てくれた....』 ステージ上に設置されたスピーカーから流れるルパン三世似の声 のナレーションが「来てくれた」まで言ったところで、その驚異の 超ロングヘアーを有した女性がその場で反時計回りにクルッと半周 して、客席に顔を見せました(左から2番目の絵)が.... その女性はな、な、な、なんと.... ナレーション『....水島由香さん、24歳」 由香さんだったのです!!!!(そんなもん、由香さんが出場する ことくらい、最初から分っとるっちゅうんや! この白々スネークが) これで4ページ目のラストで中年男性が言った「出てくれませんか?」 の意味がお分かり頂けたでしょう。そうなのです、この時由香さんは この「ミスマーメイドコンテスト」への出場を依頼されたのでした。 |
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B
ゲートの中に立っている由香さんは先程(3〜4ページ目で) ☆☆に髪の毛を引っ張り出されていた時と同じ花柄のビキニ 水着を着て、その色白の童顔は俯(うつむ)き気味ですが、 オデコとほおがポッと赤く染まっているのが分ります。おそらく (お茶目な所も有りますが)根がおしとやかで恥かしがり屋で でしゃばった事や目立つ事が好きではない由香さんは、今は こんな沢山の人(約1000人)の前に晒されてしまって本当に 恥かしいのでしょう。ですが超お人好しで人から物を頼まれる と嫌と言えない由香さんは、本当は出たくないのに渋々この 「ミスマーメイドコンテスト」に出場したのでしょう。 (ちなみに、由香さんの名誉のために一応申しておきますが、 ナレーションで言ってた居眠りの件や交通妨害の苦情の件は このコンテストの実行委員が勝手に考え出したものですので どうか誤解なさらないように ^_^ ) そして由香さんも先の6人の美女達と同様、ナレーションが 終ると同時にこのゲートを出てステージを一周しました。 ですがこれまで6人のどの出場者をも凌ぐ、身の丈を超える 長さの髪は先の方がステージ上をずるずると引きずって いるのです(中央の絵)。 C その髪のすそをずるずる引きずりながらステージ上を一周 する由香さんは益々顔を赤くして頭の中はその反対に真っ白 になっていますが、その “頭の中真っ白状態” は当の由香さん だけでなく、この信じられないような美しい光景を目撃している 観客達も同様なのです。「ふわぁーー!」とか「おぉーー!」とか 名詞も動詞も形容詞も無いただの音声しか発声できなくなり、 まるで今この△△ビーチ特設ステージ前の観客席に居る人たち 全員が原始人に戻ってしまったかのようです。 土井根「いや〜〜このかたはホント長いですねーー!」 相木本「すご〜〜〜い、引きずってますよーー!」 土井根「しかも量が凄いですよねぇ」 相木本「でも綺麗ですね〜〜」 土井根も相木本も場馴れしているせいか、あるいは事前に 由香さんと打ち合せでもしていたのか、比較的冷静にコメント しています。 由香さんはステージ上を一周する間ずっと俯き気味で勿論 無言のままです。その心中はいかなるものでしょうか? そして土井根と相木本のコメントが終わり、由香さんは ステージ中央に来て観客達に正対して立ち止まり、観客達に 向かってお辞儀しました。 |
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その時でした、それまではかろうじて肩から二の腕に掛けてを覆う ところで留まっていた、後ろ髪と同じ長さの超長〜〜〜くて 超豊〜〜〜富なさらさらつやつやの前髪が(5番の西渕美和さんと同様) はらはらはらーーっと体の前方に舞い降りて来て、由香さんはほんの 数秒間のっぺらぼーになってしまいました(ですがここではその絵は 省略します。だって、あ・と・で....おっとSTOP、STOP ^_^ )。 そののっぺらぼーを見てしまった観客達は当然背筋が凍りつきました。 ですがそれは(今が丁度シーズンの)本物ののっぺらぼーに遭遇した 時の恐怖とは異なり、そのあまりの美しさ故であることは言うまでも ありますまい。 E ほんの数秒間のっぺらぼーになってしまった由香さんでしたが、そのまま では当然前が見えず歩けませんのですぐに両手でその前髪をかき分け そして先の6人と同様、ステージの奥の方に並ぶために客席に背を向けて 歩み出しましたが、その時、このステージ上にまで舞い降りている豊かで 長〜〜〜い黒髪が実に美しい光景を描き出したのです。まるで花嫁さん のウエディングドレスのスカートの様にふわぁーと柔らかく華麗に、 まるで富士山かスキーのジャンプ台の様にすらーっとなめらかな直線 と曲線を描き、まるで華厳かナイアガラの滝の様に累々と量を湛え、 更にはまるでビロードの様にしなやかにつややかにステージ上にまで 流れ舞い降りているこの長〜〜〜〜い黒髪の美しさたるや(右端の由香さんの絵参照) これは “神様が悩める現世人達にお贈り賜った究極の美のプレゼント” と言っても最早過言ではないでしょう。その証拠にこのステージ上に 流れ落ちている由香さんの長〜〜〜い黒髪を見た観客達は「うわぁーー 綺麗な髪やなぁ!」という神様が想定した1つの答えしか出力できない 状態なのですから。 F 由香さんは6番の山田登志子さんの横に並ぼうと歩を進めましたところ 山田登志子さんが由香さんに軽く手を振りました。そして由香さんも それに応えて手を振り返しました(右端の2人の絵)。 んっ、この2人はもしかして....知り合い? そーーです、この「由香さんシリーズ」をこれまで深く読んでこられた方々は もうとっくにお気付きでしょう。 この山田登志子さんは誰あろう、以前「由香さん、髪を横分けする」に登場 したあの由香さんの高校時代のクラスメートのトコちゃんなのです! なんとまあ、由香さんが頼まれて渋々出場したこの「20XX年度△△ビーチ ミスマーメイドコンテスト」には偶然にも、トコちゃんも出場していたのです。 そして実はもう1人、「由香さんシリーズ」でお馴染みの人物も今、 客席の中で由香さんを見つめているのです(勿論☆☆★郎も客席に居ますが 彼ではありません)....で実は、その人物が今回後半でちょっとかき乱す ような活躍をするのです(さて誰でしょう?)。 |
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