第二十五夜    いよいよ始まりますねぇ。



  馬単と三連複が始まります。本当は新馬券のコラムを書く前に、回収率のことなどを少し前置きとして書きたかったんですが、時間がないので本題に入ります。
  新しく導入される馬券として、馬単と三連複があるわけですが、わたしは三連複はまったく使えないと思います。これも、理由を長々と書いてもしょうがないので省きますが、結論としてわたしは三連複は使わないということです。

  ワイド馬券導入の時もそうでしたが、巷では今回も、馬単の攻略法であるとか、三連複での狙い方だとかに終始していますが、馬券の方式が買い方の手段である以上、始めに馬券ありきでは少し違うように思います。
  基本的には、自分のスタイルにどういう風に生かせるのか、あるいは自分のスタイルに組込めるのかという点がまず第一に来るんじゃないかと思います。複勝コロガシで十分に利益を上げているのであれば、例え3連単や5連単が導入されようと関係無いわけで、従来のスタイルを壊してまで買う必要は無いと思います。

  そういう事で、わたしはには三連複は必要無いという事になりました。では馬単の方はどうかと言いますと、馬連を細分化できる買い方が可能になったので、いままで以上に攻撃的にも、またヘッジするにも幅がグンと広がった張り方ができます。

  具体的にどうしていくかという前に、わたしの基本的なスタンスというかスタイルの説明を書かなければなりません。まず、複勝はあまり買わなくなりました。これは何度も書いていますように、いまの実力では複勝単体で見たときにプラス計上できていないからです。単勝は買います。めったにしませんが単勝の多点買いをするときもあります。枠・馬・ワイドについては、オッズとの兼ね合いで臨機応変に組合せる様にしています。
 
  基本の買い方は軸から5点内外に流します。BOXも買いますが、勝負レースにはほとんど買いません。
  日記を読んでいただいている方にはおわかりかと思いますが、なかなかスッとは回収期待値が合うレースというのはありませんので、緩急をつけることになります。つまり、押さえ元返しを設定したり、それ以上に半額返しとか、あるいは馬連元返しで設定した金額をそのままワイドにしたりとかで、その分で浮いた金を本線に上積みして期待値を上げたりしているわけです。

  かっこよく言えばポートフォリオを組んでいるわけです。でも、わたしとしては、何度も書いているように手本引きの張り方をイメージしてやっているわけです。

  競馬には買えるレースと買えないレースがあるわけですが、その中にも、難しいので買えない場合と回収期待値が合わないので買えないレースがあります。今回の馬単導入では、その合わないレースが少しでも買えるレースになる可能性があります。


  わたしがこれから導入しようとしている買い方は主に2つあります。まず最初は、馬連を分解してしまう買い方です。ご存知のように、馬単は一方通行の馬券ですので、裏と表を買えば馬連です。
  これを枠連と馬連のオッズがイコールに限りなく近づくという関係で考えたなら、馬連と馬単裏表2点の馬券は限りなくイコールに近づくはずです。
  ただ、現実にはそうはならないようです。本命筋の配当の低い馬券はそうなるようですが、配当の高い馬券はどうも馬単のほうがオッズが良くなる傾向にあるようです。
 
  これは今からの話しなんで、どれくらい良くなるかはわかりません。おそらく、ワイドでは本命筋の方が配当が馬連に比べてよく、高配当の場合はほぼ1/3程度の目安になるということの反対のような感じじゃないかと思います。
  地方競馬のオッズを少し拾ってみたらそういう傾向でしたが、地方はやはり資金量が少ないので大きなばらつきがあるように思います。
  先行開催の福島では逆に、高配当狙いで、高いオッズの方が裏表買うと馬連のほうが有利になると言うような状態が見られます。これは一時的なもので、全国開催で落ち付けば大体の既定値みたいなものに収束するんではないかと思います。

 

 先週の福島開催で実際に買ったレースで、もし馬単が買えていたらという比較で見てみます。

   1回福島8日目 8R

 CアサカブレイヴリーからFスターデュエット・Gストリートジャズ・Iナスケンエアストの三点に流しました。
 投入資金は10000円です。

                馬連                                   馬単
買い目  オッズ 金  額  期待値 回収金額 馬単買い目 オッズ     金  額    期待値       回収金額
C―F  8.0  3400  272%  27200     C―F     11.3  2300    260%   25990
                                 F―C     23.1  1100    254%   25410
C―G    8.6  3300  284%  28380    C―G     11.1  2300     255%   25530
                                 G―C     26.0  1000    260%   26000
C―I  8.6  3300   284%  28380    C―I     12.9  2400    310%   30960
                                 I―C     35.4   900    318%   31860


  一目瞭然ですが、断然の1番人気アサカブレイヴリーからの三点流しで、オッズはほぼ同じところです。しかし、馬単の裏表では違いが出ています。
   人気順は3番人気Fスターデュエット・5番人気Gストリートジャズ・6番人気Iナスケンエアストの順です。
  この場合ですと単純に馬単に振り替えた場合、7番8番がらみの馬券では馬連の方がオッズが高く、10番の方が310%を越えています。つまり買い目としてはC−F.Gを馬連で、C―I・I―Cを馬単で買う方が良いわけです。

  わたしがやろうとしているのは、自分の思っているヒモの序列によって、買い目に強弱をつけようという方法です。この3頭の中では、わたしの筆頭はGです。で、FとIは同列に考えていました。結果はIということでA−Bで決まったんですが馬単が買えていたら次のように買っていました。
 

  馬連だけで買っても回収率は300%を超えないので、本線のGがらみで馬単C−Gを2700円G―Cを600円でそれぞれ300%156%にします。同じようにFがらみの馬券もC―Fを厚めにとします。そしてIがらみの馬券は馬単にすることで300%超になるのでそのままです。

  この場合Cの軸がかなり信頼出来るので、三頭の力評価によってはもう少し攻撃的な布陣にもできます。自分の中でGがもう少し抜けていてC>G>FIのような関係であれば、馬単C―G2700円はそのままでG―C600円を馬連C―G600円にして最悪半額返し、来れば両方的中で350%にすることもできます。

  このように、自分の中である程度、馬の評価が出来ていれば、強弱というか緩急をつけて、今まで200%少しというような回収期待値で見送っていたレースも手の内に入ってくるし、また、こまめにオッズの比較チェックをすることで、今までと同じ買い目で勝手にオッズが上がってくれる場合もあるんじゃないでしょうか。


  二つ目はアサカブレイヴリーの単勝を買う場合。確定オッズは単勝1.4倍だが、馬単総流しの利益均等の回収率は142から273%。実際には155から177%あたりが最多回収率の値になるが、確実に馬単総流しの方が良い場合もあるということ。
 特に飛びぬけた1番人気の時に多いような気がします。

  以上、どっちにしてもオッズマネージャーのようなソフトを使わないとなかなか計算はできません。枠連と馬連なら現場のオッズ見ただけで金が流れるので、黙っていても均等に収束します。
  しかし、単純な計算でわからない以上、何点か流すそれぞれについてチェックすれば確実に有利な点は見つかると思います。そして、それは言わば落ちてるようなものですので、拾わない手はありません。

  もちろん、オッズマネージャーを使っても邪魔くさいのは事実です。というか、新馬券に対応していない以上、適当なオッズを入れて手入力でしなければなりません。ギリギリの時間でキチンとできるとは思いませんが、オッズの乖離は15分前ぐらいでもおおよそどちらが有利かぐらいはわかると思います。
  逆にいえば、メンドクサイ、ジャマクサイと言ってるうちが、けっこうおいしかったりするのかもしれません。

   最後に、わたしはオッズマネージャーを2つ起動して、1つは馬単の裏表チェック専用にして、大まかなところをノートにつけてくみ立ててやって見ようかなと考えています。
  また、オッズが落ち付くまではとんでもないオッズが出たりするかもしれません。これから運用していってどうなるかというところです。

   ただ、確実に言える事は、TARGETを使ってる人間と四季報を繰っている人間では恐ろしい差が出てくるということです。現場で新聞だけを見て買っている人は、それだけで確実にマイナスハンデを背負う時代になってきました。

  なにも馬単を必ず買うと言っているわけではありません。軸の信頼度によっては馬連しか買えない場合、それでもオッズによっては枠連だけの場合ということもあるでしょう。すべからく臨機応変にという事が基本ですが、とりあえずチェックしなければみすみす見逃してしまうことが出てきたということです。

第二十六夜