イギリスのごはん

イギリスの食べ物はまずいと今だによく言われる事ですが、私が今まで旅行した中で一番おいしかった料理もお菓子もイギリスでの食事で出会った物だったりします。特に田舎は野菜を自家栽培しているホテルやマナーハウスも多く、ただゆでただけの野菜がびっくりするほどおいしかったり。最近ではロンドンにも新しいイギリス料理を食べさせてくれるおいしくておしゃれなレストランがたくさんできているようでますます楽しみです。

朝ごはんいろいろ


これぞ正当フル・イングリッシュブレックファースト。 卵料理(ベーコンエッグやスクランブル・エッグ、ポーチドエッグ等)に焼きトマト、焼きマッシュルーム、ソーセージ、そして缶 詰のチリビーンズ。 トマトを焼くというのも最初びっくりしましたが、なかなかおいしいのです。 ビーンズは私はそんなに好きではないのですが、イギリスではよくお目にかかります。これに薄切りカリカリのトースト(半分に切った物が5、6枚つく。全部食べるのはちょっと無理・・)と紅茶、ジュースとシリアルがつくところも多くて、朝からお腹はいっぱいです。


ここでは揚げトースト(両脇の三角形)がついていました。 揚げトーストはちょっと油っこいけれど、お砂糖をかけて食べると懐かしの「揚げパン」と同じ味になって感激しました。 しかし、揚げトーストの他に普通に焼いたトーストもしっかり出てくるし、そこまで食べてどうするという量 なのでした・・。



バイブリー・スワンホテル前の
美しい庭園

泊まったホテルでフル・イングリッシュブレックファーストが出てくると「ああイギリスに来たなあ」としみじみします。でもこういうのは日本でいう「旅館の朝食」のような物で普通 の家ではもっと簡単にすませているようです。ある時、イギリス国内を1ヶ月くらいずっとB&Bに泊まり歩いた時は、1ヶ月ほぼ毎日フル・イングリッシュブレックファーストで、最後の方ではもう当分ベーコンエッグは見たくないという状態でした(^^;)

朝食メニューが選べるホテルでは、「ポリッジ」が登場するところもあります。ポリッジとはオートミールをミルクでやわらかく戻した物で前々からイギリス人の間でもまずい物の代名詞のように聞いていたのですが、何事も挑戦と頼んでみました。
友人はおとなしく塩だけをふって食べてみたところ、ちょっとしつこいおかゆという感じで、コンブか梅ぼしがあればおいしいかもという感想。私はというと添えられた濃厚な生クリームと砂糖を かけてしまったばっかりに、1口食べて「・・・・・・」。
口の中全体がまったりというか、もったりというか・・。甘いもの好きな私にもちょっとつらい味でした。

B&B・・(ベッドアンドブレックファースト)朝食付きの民宿のような宿。おいしいフル・イングリッシュブレックファーストを出してくれる所が多い。



お料理いろいろ


こんな風に深めの容器にパイ生地でふたをして焼いた料理がイギリスにはとても多いようです。これはポークの黒ビール煮。黒ビールのカラメル風味で柔らかく煮えたポークがとてもおいしかったです。

ソーセージもイギリス料理によく登場しますが、ドイツのパリッとしたソーセージとは違ってイギリス風はぐにゃっとした感触が不評なようです。でもここで食べたソーセージはお肉の味がちゃんとしておいしかった。つけあわせのマッシュポテトにグレイヴィソースがよく合います。


グレイヴィソース味に飽きた時の強い味方ディープフライドスカンピ。小エビを荒くつぶした物をフライにしただけと言う感じのシンプルな料理ですが、これにケチャップをつけて食べると、家で食べるごはんのようでほっとします。つけ合わせのポテトフライとグリーンピースは本当にセットという感じでほとんどのお料理についてきます。最初にイギリスに行った9年程前には、このグリーンピースのゆで加減が最悪で、ほとんど灰色になるほど柔らかく煮てあった物ですが、 年々進化(?)してきて、最近ではつやつやと緑色に程よくゆでられて登場します。

素朴な地元のレストランやパブなどではこういう感じの料理が登場します。値段的にはだいたい5ポンド前後で、日本とあまり変わらない感じ。 ヨーロッパではやっぱり外食はそれなりに高いです。スーパーなどに行くと食材の安さはうらやましいほどですが。 もっと高級なレストランでは3コースディナー という、前菜・メイン・デザートのコースが一般 的で、田舎のマナーハウスのレストラン等ではうっとりするほどおいしい3コースディナーが食べられる(値段も安い。3000円くらい?)のも楽しみのひとつです。



おやついろいろ


プディング類は種類豊富です。これはチョコレートプディング。添えてあるクロテッドクリームをもっと濃くしたような独特の風味のクリームといい、めちゃくちゃおいしかった! もう一度食べたいです。ロンドンのデザインミュージアム近くのレストランでした。
アップル・クランブル。甘く煮たリンゴの上にそぼろを振って焼いてある。上にカスタードソースをかけて熱々のところを食べます。パブ等でも食べられる素朴な味。当りはずれもありますが、おいしいところの物はもう最高です。日本ではこういう手作りっぽい素朴なデザートが食べられるお店がまだまだ少ないですよね。



おやつというよりはりっぱなお昼ごはんになってしまうジャケット・ポテト。ほくほくのじゃがいもに好きな物をトッピングしてくれます。私のお気に入りはチーズ&スイートコーン。じゃがいもが大きいのでかなりのボリュームです。日本でもファーストフード店等が導入してくれないかと期待していますが、なかなかお目見えしないですね。寒い日の熱々のジャケット・ポテト はとてもうれしい物です。奥に置いてあるのはミルクティ。こんな紙コップの物でも十分おいしいのはさすがです。


ビスケット風のパイ生地でフルーツをはさんで焼いた物もよく登場します。これはブラックベリー&ラズベリーパイ。程よい酸っぱさと甘さでおいしかった。


忘れてならないスコーンについてはアフタヌーンティーとホテルのページで たっぷりご紹介する予定です。


イギリスで食べられるおやつやデザートは、フレンチのレストラン等をのぞいて素朴な物が多いです。家でお母さんが焼いてくれるような懐かしくてやさしい味の物が多く、そういう物は値段も安くてうれしい。どれもやはり紅茶にぴったりです。プディングというのは上にあるようなお菓子の名前でもありますが、デザート全般 を指してプディングとも呼ぶそうです。