画像は全てサムネールですからクリックすると大きくなります。 最終更新日:2003.3.1
2003年2月20日、逸る心を抑えながら関空より
18時05分発 エア・カナダ AC−036
便に乗込みバンクーバーへ。
バンクーバー到着は同日10時過ぎ(日付変更線があるので)。バンクーバー観光を約5時間して再び
エア・カナダ AC−6250便で15時50分発 エドモントン行きに搭乗。18時20分着。19
時50分ファースト・エアー 7F−957便で目的地イエローナイフに21時33分到着。タラップ
を下りて待合室まではもの凄い冷気。1〜2分の歩行か。マイナス30℃の初体験。積雪は余り無いが
路面は凍て付いている。(時刻は全て現地時間)待ち受けてくれていた迎えバスでこの町で一番大きい
と聞いているエクスプローラ・ホテル(右の写真、21日昼)へ直行。ホテル周辺は道路を含めて銀世界。
イエローナイフは北緯約62度に位置するカナダのノースウェスト準州の州都。
A:空港でのトラブル
日本で買い込んだISO400,800フィルムは空港での持ち物検査のX線で感光しやすいので「X線防護袋」に
入れて且つハンドキャリーとし検査時に片言で「Hand check please」とやったのですが、関空は親切に「X線防護袋」
からフィルムを一つずつ取り出して目視検査してOK。所がカナダに入ったら各空港で同様にフィルムを一つずつ取り
出して念入りにハンドのX線検査機らしきものを当ててくれた。「Oh no」を繰り返してもお構いなし。感光してしまっ
たかなぁ、と帰国して現像するまで不安が付きまとった。尚、帰国時はイエローナイフで搭乗時に繰り返し「Hand
check please」をやったら目視検査だけでOK。その後の乗り継ぎ時の検査は無かった。感度の高いフィルム程X線照
射で感光しやすいとの事。心配しつつ帰国後現像した結果は心配した感光の兆候はありませんでした。何でも最近は預
かり荷物のX線は強烈らしく、フィルムは手荷物として機内持込みすべきとの事です。
B.第一日目のオーロラ観察(2月20日(木))
ホテルに到着した頃、上空にはオーロラらしき光が見えチェックインもそこそこにオーロラツアー会社のレンタルの
「防寒服」を着込んで、一眼レフカメラを予定通りセットしカイロを貼り付け厚手のタオルを巻きつけ、三脚を取り付
け「密閉袋」に入れ「オーロラ観察所」への送迎バスに乗込む。バスは凍結した雪道を40〜50km/hで飛ばす。対向
車も同様。私など手に汗を握る。走る事約40分、雑木林の様な夜道を通って開けた場所の直ぐ近くに丘のある場所に
到着(それは凍て付いた湖、グレート・スレーブ湖の湖畔だった)
「オーロラ観察所」には、「ティーピー」(カナダ北部の先住民が過ごすテント)があり写真の様に暖が取れ、寒さを
解すストーブや暖かい飲み物、インディアンドーナツ、カリブーのソーセージなどのサービスもありオーロラが出るま
での休憩室と言った所。その様子写真を見てください。ここにカメラ持込も慎重に。暖かいので。ティーピーは湖岸ら
しき雑木が生えている水平面の境辺りに沢山作られている。
2003年2月20日の夜は、早くからオーロラが発生していた。「オーロラ観察所」に23時頃到着すると直ちに
観察場所に行ってカメラをセットしたいと心が逸る。
此処には小高い丘の上にプロパンガスで温められた「オーロラこたつ」(マイナス35℃の地ですから触って微かな暖
かさかなぁ)と言う設備があり、観察だけの人は2人づつこれに入って顔だけ出してオーロラの出現を待ったり観察を
する。
その風景を下に示す。
さあ、撮影だ。とカメラを三脚を伸ばし方角を定めてセット。あれ!!
レリーズが付いていない。手荷物をひっくり
返して探すも見つからない。肝心なものをホテルに忘れてきたらしい。取りに帰れる距離ではない。手でシャッターを
何秒間も開いていてブレない訳がない。弱った。が仕方ない。手でシャッターを開こう。それで撮ったものが次の写真
(後から思えばこの日が3日間の最高のオーロラだった。逃がした魚は大きい)
初めて真上に見るオーロラは素晴らしい。これがオーロラか!満月(2/16)から4日目だったがオーロラ観察支障無し。
2月20日は長い長い一日でした。
C.第2日目のオーロラ観察(2月21日(金))
今日も晴天。太陽は非常に遅く出る。今日の日の出は8:28、日の入りは17:44だそうだ。昨夜はホテルに帰
ってからも窓越しに活発に動くオーロラが一晩中?(3時過ぎに床に就いたが)見られた。朝は8時過ぎだったか目が
覚めたが人の動きは少ない。朝食抜きがオーロラ観察では一般的か? 朝食兼昼食をホテルの和食レストランで取る。
何と此処でもシェフは日本人。地球上の観光地と言える所には必ず日本人が居る。勿論、ホテルのフロントにも。現地
のオーロラツアーのガイドさんも。日本語だけで充分。
オーロラは夜しか見えないので昼間はイエローナイフ市内観光等で過ごす。昨夜の様に観察後ホテルに帰るのは真夜
中の2〜3時。食事は無い。だから昼間スーパーで色々な食べ物を調達。果物も豊富。何でもある。食料品や衣料品は
持参しなくて大丈夫。但し、一日目の夜はホテルに入るまでにどこかで調達して置かないと何も無い事になるので要注
意。
(1)何処を探しても不思議にもツララが無い。理由は余りに寒すぎて幾ら太陽が照っても氷や雪が解けないから。言
われて見れば当然の事。市内の道路や湖面が凍るとその上に出来る車道(場所は決められている模様)を車はど
んどん走っている。 次の写真で想像して下さい。
(2)次の写真は名前を忘れた(思い出したら記入します)が先住民達が猟などに出た時の道しるべだそうです。方向
が判るのだそうです。日本の石の灯篭の様だ。
(3)午後より昨夜のオーロラ観察所に行って、凍結した湖面で犬ぞりや焚き火でのマシュマロ焼きを体験。
その他、スノーモービル、滑り台、スノーシューズ、アイスフィッシングなど等の体験も出来る。
面白い実験でシャボン玉がある。(スーパーにシャボン玉セットも売られていた)マイナス30℃の空中に吐き
出されたシャボン玉は見る見るうちに表面が透明なまま氷、ヒビが入り多角形になって地上に落ちるまでにつぶ
れてしまう。
暖かいお湯をコップから空中に放出するとどうなる? これも白煙になって飛んで行き地上まで届かない。
(4)この自動車、何だかヒモの様なものが付いていますね。そうなんです。余りの寒さで通常昼間は自動車のエンジ
ンは止めないのだそうです。夜など長時間止める時にはボンネットから出ている電気コードを電源に繋いでエン
ジンを暖める様になっているのです。駐車場には必ず電柱と電柱の間に沢山のコンセント付きのコードがぶら下
がっているのです。これに接続して暖める。使うのに料金が必要なのかどうかは聞き漏らした。
(5)さあ、目的のオーロラ観察だ、と今夜はレリーズも最初から取り付けて20時頃から観察場にやって来て、発生
は今か今かと首を長くして待てど暮らせど何故かオーロラは現れてくれない。オーロラこたつに沢山入っていた
人達が一人減り二人減り、遂に私一人がカバーを掛けたままのカメラをセットして360度天空を仰ぐ事数時
間? 下に降りた人たちは諦めたのか滑り台ではしゃいだりティーピーの中でしゃべったり。24時少し前、天
空の一角が何か薄い雲の様な感じがして来た。おお! これはオーロラの前兆ではないのだろうか? 期待しつ
つカメラの方向を合わせてしばらく待つ。それは次第に形を変えつつ少しずつではあるがはっきりした形になっ
てきた。
オーロラの出現だ!! すばやくカメラのカバーを取りファインダを覗く。レリーズを持ってON。事前に練習
した呼吸で時間計測。8秒だOFF。と段階露出を繰り返す。<留意>ファインダを覗く時には息を止める事。
で無いと息でファインダが結露して見えなくなる。尚、マスクも注意しながら使わないと眼鏡が曇って大変。
一旦凍ると少々の事では取れないので。
1時(日にちは変わって22日)過ぎに観察を終えてホテルへ引き上げた。今夜もホテルの窓から観察できた。
がホテルからは道路など市街地の明かりがあり撮影には不向きだろう。二晩連続でオーロラが見えたので大満足。
D.第3日目のオーロラ観察(2月22日(土))
今日も晴天。雲一つない。昨夜(と言うり今朝の早朝)遅くまでホテルの窓からオーロラを見ていたのでお昼少し前
に目が覚めた。明日は早朝の飛行機で帰路に着くので今日がイエローナイフの最後の様なもの。スーパーに行って美味
しそうなものやお土産を調達。明日朝の出発は早い為朝食は無いので自分で調達が必要。朝食兼昼食を外で取る。
今夜はオーロラ観察場へのツアー予約をしていないので観察は部屋から出来るが、撮影はホテルの周辺の暗がりでする
事にした。今晩は22時前頃から出現。窓から確認してからカメラを担いで昼間予定していたホテルの駐車場の片隅に
行って見たが照明灯がこうこうと照らしている。土手らしき所にはサラサラとした雪があり深みもありそう。止む無く
ベターと思える場所に三脚を立てる。肉眼ではオーロラは良く見えるがファインダを覗くと視界にどうしても道路など
の照明灯が入る。照明灯自体を避けても木々に光が当たっているのでオーロラに合わせて露出すると木々が赤くなる。
その様な場所での撮影結果が次のオーロラ写真です。
バンクーバーは寒くなく凌ぎやすい気候でしたがエドモントンで乗り換えイエローナイフに近付くにつれて機上から
見える地上は凍て付いている。(行きは夜だったので見えなかったが帰りは朝)
帰りの機上から見た風景が次ぎの写真。白い平面は凍っているのは湖らしい。この様な風景がしばらく続く。
楽しい始めてのオーロラ体験でした。(4泊5日で、3日間観察)